金の買取ビジネスで利益をあげる方法として一般的に知られているのは、顧客から買い取った金を貴金属専門業者に販売することで得られる差益です。
しかし、実際には「買い取った金をメンテナンスして付加価値をつける」「買い集めた大量の金を加工して再販する」など、さまざまな稼ぎ方があります。今回の記事では、金の買取ビジネスで儲かる仕組みから、今後の金価格の見通しまで詳しく解説します。
目次
金が高値で売れる理由
金が高値で取引される主な理由として、「希少性の高さ」と「需要の高さ」が挙げられます。
・希少性の高さ
金は地球上に限られた量しか存在しないため、希少価値が非常に高い貴金属とされています。
2017年時点で、人類が採掘した金は約183,600トンで、これはオリンピックプール約4杯分に相当します。さらに、現在残っている金の埋蔵量は約56,000トンとされており、地球全体に存在する金の総量が限られていることからも、希少性が一層際立ちます。
・需要の高さ
金はその希少性に加え、さまざまな分野で高い需要を誇る貴金属です。これには以下のような理由が挙げられます。
・高級感がある
・価値が安定している
・熱伝導や電気伝導に優れている
・熱や酸素、酸性・アルカリ性の腐食などに強く、変質しにくい
身近なところでは、「宝石やアクセサリー」「投資資産」「精密機器」「医療器具」「古美術品」などに利用されています。
また、金は柔らかく加工しやすい特性を持ち、そのためメッキとしても広く使用されてきました。需要は今後も衰えることなく、精密機器の基盤や金のインゴット、宝石など、さまざまな用途で利用され続けるでしょう。
金の買取業者が儲かる理由・仕組み
金取引業者は、以下の3つの方法で主に利益をあげています。
・差益を得る
金を安く買い、高値になったときに売ることで差益を得る方法です。価格の変動を見越して仕入れ時期を調整することで、金の価値が上がった際に収益を得られる仕組みになっています。
・再加工による価値向上
買い取った金を再加工し、デザイン性を高めたり、表面の傷を除去したりすることで、より高値で販売できるようにします。純度や重量は変わりませんが、再加工することで新たな需要が生まれることもあります。
・薄利多売による収益
手数料を安く抑えることで、買取量を増やし、大量販売によって利益を確保する方法です。個々の取引での利益は小さくても、取引回数が多ければ大きな収益を生むことが可能です。
また、物件費や人件費を抑えることで、経費を抑えながら利益をあげる業者も少なくありません。金取引は大規模な施設や多くのスタッフが必要なく、経費を抑えた運営が可能なため、比較的収益性が高い業態と言えます。
《2024年11月》金買取の相場はいくら?
2024年11月現在、金の買取相場は1gあたり約15,000円です。
2020年には新型コロナウイルスによる世界経済の低迷が問題視されましたが、その頃から現在までの4年間を振り返ると、直近の金相場はおよそ10,000円も上昇しています。このように、歴史的な急上昇とも言える金相場ですが、金買取相場はどのように決まるのでしょうか?
また、今後の金相場はどのように推移すると予想されるのでしょうか?以下では、これらの2つの疑問について詳しく解説します。
金買取の相場はどうやって決まるの?
金の買取相場は、世界で決まった金価格を基に、金の純度と質量(g)を考慮して算出されます。次に、それぞれの要素について詳しく解説します。
・金の世界相場
金の現物価格は、ロンドン金市場で決定されます。
ロンドン時間の午前と午後に行われる「ロンドンフィキシング」と呼ばれる金の値決めが、価格の決定の基準となります。この値決めは、主要な貴金属企業による市場競りで決まるもので、信頼性の高い現物価格の指標として広く認識されています。
ロンドン市場で決定された金の現物価格を基に、金相場が決まり、その価格は世界中の金市場に大きな影響を与えます。
・金の純度の表記について
日本での金の純度は「K24」「K22」「K18」などで表され、以下のように純度を示しています。
・K24:99.99%以上
・K22:91.67%以上
・K18:75%以上
金製品には多くの場合、こうした純度を示す刻印が施されています。
・買取相場の計算方法
金の買取相場は、次の式で求めることができます。
現在の金価格×製品の質量(g)×純度=買取相場
例えば、現在の金価格が1gあたり15,000円の場合、K22のリング(30g)の買取相場は以下のように計算されます。
15,000×30×0.9167=412,515(円)
このように、金製品の買取相場は純度に応じて計算されます。
ただし、これはあくまで買取相場の計算式であり、実際の買取価格は店舗によって手数料やそのほかの条件が追加されるため、若干の変動が生じる場合があります。
金の相場は今後変わっていく?
金価格の今後の見通しについては、以下の要因から長期的な上昇が期待できると考えられています。
・需要と供給のバランス
・各国・地域の政治・経済状況
・米ドルの値動き
・円安の傾向
・インフレとデフレ
・各国中央銀行の政策
このような要因により、金相場は上昇しやすい状況にあります。しかし、近年、世界経済が安定し回復基調にあるため、大きな上昇は難しいとの見方もあります。
とはいえ、2024年11月現在の日本は依然として円安傾向にあり、アメリカの大統領選や中東情勢の悪化など、懸念材料も少なくありません。これらの影響により、今後も金相場が上昇し続ける可能性も十分にあります。実際、ここ数ヶ月で数千円の上昇が見られました。
ただし、金価格にはさまざまな要因が影響を与えるため、短期的に急激な下落をすることもあります。専門家でも予測が難しいため、金の取引を行う際は長期的な視点を持つことが重要です。
利益を出せる業者の買い方のポイント
金取引で利益をあげている業者の特徴は、できるだけ多くの金を買い取ることです。金価格は上昇傾向にあり、1つあたりの利益が少なくても、最終的には十分な儲けにつながるからです。
金を多く買い取るためのポイントには、以下のようなものがあります。
・広告を出して金製品を買い取る
アクセサリーやインゴット、金貨などの金製品を対象に、業者が広告を出して顧客を集めます。広告が広く出回ることで、業者の知名度が向上し、買取に訪れる顧客が増加します。
・業者向けビジネスとして「金を抽出して集める」
精密機器の半導体には金が含まれています。大量の半導体を買い取ることで、金を抽出し、高値で販売することが可能です。
ただし、金の抽出には特別な技術が必要で、精密機器から金を分離し、販売可能な状態に再加工できる技術者が不可欠です。
・リサイクルショップが金のアクセサリーを買い取る
一見劣化したアクセサリーでも、メンテナンスによって美しさを取り戻すことが可能です。
金の部分を取り出し、再加工して販売することもできます。この方法を使えば、安く買い取った金を高値で販売できます。特に人気のあるデザインやブランドのアクセサリーであれば、リサイクル品でも高い需要が見込めます。
このように、1個あたりの金製品に含まれる金の量が少なくても、大量に金を買い集めることで利益を得るのが金買取業者の戦略です。
利益を出せる業者の売り方のポイント
金の買取で利益をあげている業者には、以下のような特徴があります。
・加工技術の高い業者
金の加工技術が高い業者は、他社に加工を依頼せず、自社で直接顧客に販売できるため、利益を大きくすることができます。
一般的な金の取引では、買い取った商品を外部の業者に加工してもらい、その後ほかの業者に転売して利益を得ます。しかし、自社で加工が可能な場合、金を精錬・加工した後、一般の顧客に直接販売することができます。
この販売形式ではほかの業者が介在しないため、売上を自社で独占できることから、高値で買い取っても利益を確保しやすくなります。
・リサイクル業者が付加価値をつけて販売
リサイクル業者は、欠損した金製品を安価で買い取り、修理して付加価値を加えた上で販売し、利益を得ています。修理だけでなく、トレンドに合わせてデザインを微調整するなど、さまざまな工夫を凝らすことも可能です。
また、販売ルートが豊富な業者は、多方面から買い手を集めることができ、特に金のコレクターとつながっている場合、希少品を高値で売却しやすくなります。
さらに、海外にも販売ルートを広げている業者は、それだけ取引先も多いため、大きな利益を得ることができるでしょう。
金は買取された後どうなる?
買取業者やリサイクルショップが金製品を買い取った後、主に以下の3つの方法で利益をあげます。
・専門の加工業者への転売
・再加工
・メンテナンス後の再販
金製品は、専門の加工業者に転売されたり、必要に応じて再加工されたり、メンテナンスを行ってから再販される流れがあります。ここでは、これらの3つの方法について詳しく解説します。
1.専門の加工業者に転売
貴金属買取専門業者は、転売することで利益をあげています。
これらの業者は、広告を出して、消費者が利用しやすい地域に店舗を多数展開することで金を買い取り、利益を確保しています。また、国内での買取価格が低い場合には、海外に転売することもあります。
2.再加工
破損や欠損により、アイテムとしての価値がない金製品は、溶解の後に再加工されます。再加工された金は、以下のようなさまざまな金製品に利用されます。
・指輪やピアスなどのジュエリー
・インゴット
・精密機器の基盤
・時計などの金メッキ
金の買取業者の中には、小さな金を集めて再加工し、大きな金として販売するところも多くあります。
また、高く売れる分は顧客の買取金額に上乗せされることがあります。お手持ちの金製品を少しでも高く売却したいのであれば、ぜひ一度買取専門店に相談してみてください。
3.メンテナンス後に再販
金製品として価値がある場合は、メンテナンスを行うことできれいに仕上げられ、再販されます。たとえば、工芸品や高級アクセサリーなどが挙げられます。リサイクルショップなどでは、迅速にメンテナンスを行い、店頭で販売されることが一般的です。
買取ビジネスを始めるならフランチャイズがおすすめ
買取業界に新規参入する際は、フランチャイズ加盟を検討してみましょう。
フランチャイズでは、フランチャイズ本部(以下本部)にロイヤリティと呼ばれる対価を支払う必要があるため、自力で買取業者を開業したいと考える方もいるかもしれません。しかし、買取ビジネスは競合他社が多いため、新規参入者が利用者を集めるのは難しいのが実情です。
特に金買取のような高額取引では、査定ミスが致命的な結果を招くことがあります。また、高額で買い取った金を販売して利益をあげられなければ、赤字になるリスクも伴います。そのため、買取業者を始めるには、正しい知識とノウハウが不可欠です。
フランチャイズに加盟することで、以下のようなメリットが得られます。
・本部のノウハウや知名度を活用できる
・本部独自の販売ルートがあるため、開業直後から利益をあげやすい
・経営に関する悩みを相談できたり、研修会に参加できたりと、本部からのサポートが受けられる
・本部の知名度により、開業直後から一定の集客が見込める
このように、買取ビジネスを始めるなら自力で起業するよりもフランチャイズに加盟する方が多くのメリットがあります。
下記記事では買取フランチャイズの評判とおすすめの本部について詳しく解説しています。
サポートを受けながら買取ビジネスにチャレンジしてみよう
金は大きな利益を得られる可能性がある一方で、取り扱いには専門的な知識が必要になります。
もし、開業を目指すのであれば、買取専門店のフランチャイズに加盟し、専門知識をしっかりと身につけることが重要です。特に「買取大吉」では、初心者でも本部の豊富な知識やノウハウを活用できるため、まずは相談してみることをおすすめします。
・事業成功率90%以上を可能にした「店舗OJTサポート」
・直営店の成功事例に基づいた「運営サポート」
・折り込みチラシやWEB広告を活用した「集客サポート」
買取大吉のフランチャイズでは、開業前後の徹底したサポート体制が整っているため、未経験の方でも安心してスタートできます。
まとめ
今回は「金買取で儲かる仕組み」について解説しました。
金は埋蔵量が限られており、古くからその価値が世界的に認知されています。通貨などに比べて安全性が高く、長い歴史の中でも近年は右肩上がりで価値が増している資産です。そのため、買取業者は金を大量に買い集めることで利益をあげています。
しかし、誰でも金の買取を始めれば簡単に儲かるわけではありません。高価な商品であるため、正確な査定を行えるスキルが必要です。また、売却できなければ赤字になるリスクもあります。
もし金の買取ビジネスを始めたいと考えているのであれば、まずは信頼できる買取専門店のフランチャイズ本部に相談することをおすすめします。