お金が必要になったときや使わなくなった物を手放したいとき、まず思い浮かべるのは質屋や買取専門店ではないでしょうか。
しかし、質屋と買取専門店ではどのように違うのか、どちらを選ぶのが適切なのか迷う人は多いかもしれません。
そこで、この記事では質屋と買取専門店の違いとそれぞれの特徴、選び方などについて解説していきます。
目次
質屋の特徴は?
質屋とは、買取サービスと質入れの両方を行っている業種のことです。リサイクルショップや買取専門店と比べて質屋の歴史はもっとも古く、その始まりは鎌倉時代といわれています。
土地の質入れという形では奈良、平安時代にはあったといわれていますが、現代のような仕組みになったのが鎌倉時代に入ってからです。江戸時代になると質屋は庶民の暮らしに浸透し、身近な金融機関として利用されるようになりました。
「質入れ」とは、品物を預ける代わりにお金を借りることです。品物と引き換えに質札を受け取り、品物を返してもらうときには元金に利息を上乗せした額を支払うのが一般的です。
もしも、元金が払えないときは、利息分だけ支払えば品物の引き取りを延長してもらえることもあります。ただし、払えない場合や品物を諦める場合は返済も免除されることになります。
もし、取り戻したいと思っても、元金と利息が払えなければ品物を返してもらうことはできません。その場合、品物はそのまま売却されることになり、これを「質流れ」といいます。
つまり、「質入れ」「質預かり」とは担保を預ける代わりに融資を受ける仕組みのことで、質屋だけに存在するサービスのことです。
しかし、質屋の数は減少しつつあり、2021年現在では全国におよそ2000店舗ほどしかありません。質屋で扱うものは昔は日用品などが主でしたが、現代においてはブランド品や貴金属、着物、食器類など多岐にわたります。
買取または質入れできる品物は、基本的に買取専門店と大きな差はないと考えていいでしょう。
フランチャイズ展開の買取専門店の特徴は?
買取専門店とは品物の買取を専門とした業種のことで、買取サービスに特化しているため、質屋のような融資は行っていません。
買取に対応しているのはブランド品や貴金属類、記念硬貨、高級酒やブランド食器などさまざまです。限定品のような希少性の高い物やシーズン物などを取扱うことも多いですが、リーズナブルな日用品まで幅広く買取ってくれます。
買取専門店は品物をまず査定し、提示した金額に相手が納得したら代金を支払って買取るという仕組みで、利用者は不用品を手放す代わりに現金を受け取ることができます。
ブランド品を買取る場合は人気の傾向や希少性といった価値はもちろん、本物であるかどうかを見極める目も必要です。そのため、買取専門店には豊富な知識と経験を持つ鑑定士が在籍している傾向があります。
品物によっては高額になりやすいのが特徴で、ラグジュアリーブランドや宝石類、ブランドジュエリーなど高額での買取を希望する場合は買取専門店に持込むケースが多いかもしれません。
また、買取専門店ではフランチャイズ展開している事も多く、店舗数が少ない質屋よりも自宅から近い所にあるので、利用しやすいこともあります。
質屋とフランチャイズ展開されている買取専門店の違い
では、実際には質屋と買取専門店ではどのような点に違いがあるのでしょうか。
ここからは質屋と買取専門店の違いについて、査定価格と品物の取り扱いに分けて紹介していきます。
査定価格
質屋は質入れがそもそものサービスですが、買取にも対応してくれる店舗は少なくありません。むしろ、一般的になりつつあります。
しかし、質入れと買取では査定にやや違いが出ることが多いため、質屋では査定額が2通りあることを押さえておくといいでしょう。
通常、質入れする方が買取してもらうよりも査定額が低くなる傾向が見られます。その理由は「質流れ」で、品物と引き換えに貸したお金が返済されない可能性もあるためです。
質流れになれば中古品として売却することになりますが、その前に顧客が返済できるかどうか一定期間待たなければなりません。品物によっては、待っている間に人気が落ちるなどして思うような価格で売れないケースも出てきます。
質入れの場合は、そのときのリスク管理として査定額を低めに設定しているのが一般的です。
価格の変動は、ブランド品などの人気だけに限定されません。貴金属の場合も同じです。地金のレートは時期に応じて変動します。もちろん、後で上がることもありますが、大幅に下がったときは質屋にとって大きなリスクになります。
そのような事情から、質入れは買取よりも査定額が低めの場合が多いのです。一方、買取専門店には買取のための査定額しかありません。買取専門店は品物を早めに売却することが可能である分、買取価格に直接反映されやすい傾向があります。
待っている間に人気が落ちるなどの変動を加味する必要がなく、質入れに比べて高額になることが多いといえます。
品物の取り扱い
説明してきたように、質屋を利用すると融資してもらう代わりとして品物を担保という形で預けます。品物を取り戻したい場合は、元金に利息を乗せて支払います。
質入れできる期限は「質屋営業法」で定められており、通常はどこの店舗でも3カ月を超えてはいけません。もしも3カ月を超えそうな場合は、利息分を支払うことでその日から3カ月未満を限度に延長してもらうことは可能です。
その間、品物は質屋で保管されることになります。品物の所有権が質屋に移動するのは、3カ月を超えてからです。
これに対して買取専門店は、はじめから品物を売るという形をとっています。代金を受け取った時点で所有権が買取専門店に移動するため、一度買取ってもらったら品物が戻ってくることはありません。
これは、質屋で買取サービスを利用したときも同じです。偽物やコピー商品の取り扱いについては、質屋も買取専門店も対応に大きな違いはなく、判明した時点で取引を断られます。
仮に取引が完了した後であっても、偽物やコピー商品であることがわかれば、契約に沿って返金を求められるのが一般的です。たとえ自分が本物と信じて購入した品でも、偽物は買取や質入れをすることはできません。
店舗数の違い
質屋とフランチャイズ展開されている買取専門店の間には、店舗数に関して大きな違いが存在します。これは、それぞれのビジネスモデルやサービス提供の仕組みによるものです。
まず、質屋に関して言えば、その歴史は古く、鎌倉時代から存在しているとされています。質屋は元々、質入れという形で品物を預かり、それに対して融資を行ってきました。
質入れという形式からもわかるように、質屋は預かった品物を担保として利用者にお金を貸し付けることが主な業務であり、そのための店舗数は限られています。
また、現代では質屋の数は減少しており、これは、社会の変化や金融機関の多様化などが影響しています。質屋が提供する質入れサービスは特定の需要に応えるものであり、その需要も限られているため、多くの店舗数を持つことは難しいと言えるでしょう。
一方で、フランチャイズ展開されている買取専門店は、近年急速に店舗数を増やしています。
フランチャイズモデルは、本部が特定のビジネスノウハウやブランド力を提供し、個々の加盟店がそのノウハウを活用しながら独立運営する仕組みです。このモデルを用いることで、多くの地域に店舗を展開しやすくなります。
買取専門店の場合、特定の商品やカテゴリに特化した専門知識を持つ鑑定士が在籍し、さまざまな品物の査定と買取を行っています。
これにより、幅広いジャンルの品物を扱いながら、査定の品質を保つことができます。そのため、多くの人々のニーズに対応できるため、フランチャイズ展開を進める買取専門店の店舗数は急増しているのです。
要するに、質屋とフランチャイズ展開されている買取専門店では、業務内容やサービス提供の仕組みに違いがあり、それに応じて店舗数も異なると言えます。
質屋は質入れという特定のビジネスモデルに特化しており、需要も一定程度の限界があるため、その店舗数は限られています。一方、買取専門店は幅広い品物を査定し買取ることが可能であり、フランチャイズ展開によって多くの店舗を展開しています。
質屋と買取専門店どちらがおすすめなの?
はじめから買取してもらうつもりなら、買取専門店がいいでしょう。
買取専門店もさまざまで、衣服やバッグ、食器などのブランド品からゲーム、コミック、刀剣や美術品までジャンルは幅広くあります。これらの中には好きな人にしかわからない価値がつく物も多く、中古品でも高額査定になることも珍しくはありません。
そのため、希少性が高いものほどそのジャンルに特化した買取専門店を選ぶことがポイントです。もちろん、質屋にも経験と知識が豊富な鑑定士は在籍しています。
しかし、買取の場合でも損をしない査定額をつけることが多く、買取専門店ほどの額は見込めないかもしれません。買取専門店は、品物を手放すことを前提に現金を作りたいときに利用してみるといいでしょう。
返済の手間や利息もかからないため、お金を借りたくない人に合っている方法です。
品物を売るつもりはないが現金が必要というときは、質屋が向いています。
買取専門店と比べて査定額が下がりやすいものの、期限内に元金と利息の支払いができれば確実に品物は戻ってきます。ボーナス前など、一時的にお金が必要になったときは質屋を利用するのもいいかもしれません。
前述したように質屋は仕入れ価格が低めな分、販売価格も良心的な傾向が見られます。そのため、購入するときも質屋の方が安く買えることもあります。
質屋と買取専門店には違いがある!自分に合った方を選ぼう!
以上、質屋と買取専門店について、それぞれの特徴と違いについて説明してきました。
この2つに共通することも見られますが、品物を担保としてお金を借りることと買取ってもらうことでは完全な違いがあります。
質屋の特徴やメリット、買取専門店の特徴やメリットをよく理解し、そのうえで自分の目的に合った方を利用しましょう。
買取大吉は買取のフランチャイズを展開しているため、全国に店舗があり、利用者にとって便利な選択肢の1つとなっており、質屋と買取専門店、どちらが自分に合っているのか、じっくりと検討してみることをおすすめします。
買取大吉では詳しい資料を請求することが可能です。また、無料の説明会も行われているので、気軽に問い合わせしてみましょう。