高齢者向けビジネスとは?成功事例とともに学ぶ有効な手法

高齢者向けビジネスとは? 成功事例とともに学ぶ有効な手法

ビジネスチャンスを求めて多くの企業が工夫を凝らしている中で、ホットな市場だといわれているのがシニア市場です。

シニア市場での成功は、企業の成長に大きく影響するでしょう。

しかし、手当たり次第に施策を打ったとしても、成功する可能性は低く現実的ではありません。

本記事では、高齢者向けビジネスの概要や現状、高齢者向けビジネスのポイントを成功事例とともに紹介します。

高齢者向けビジネスの概要と現状

高齢者向けのビジネスは、健康づくり・マッサージ・介護・住宅・趣味に関するものなど高齢者を対象としたビジネス全般を指す言葉でサービスの内容は、多岐にわたります。

高齢者向けビジネスが注目されている背景には、2025年問題があります。

2025年問題とは、団塊世代(1947年~1949年生まれ)が後期高齢者である75歳になることで、雇用や医療などをはじめとしたさまざまな分野に深刻な影響を及ぼすとされている社会問題のことです。

過去に例を見ない超高齢化社会が到来するためシニア市場は大きく伸びると予想されています。

高齢者向けマーケットの市場規模の推移

高齢者向けマーケットは、病院の費用など医療に関わる「医療・医薬産業」、訪問介護やデイサービスなどを代表とする「介護産業」、高齢者に向けたそのほかのさまざまなサービスを扱う「生活産業」の3つに分けることができます。

これらの全ての項目で、市場規模が大きく拡大すると予測されており、全体の規模としても62.9兆円規模から101.3兆円規模と60%以上の上昇が見込まれています。

今後も市場規模の拡大は継続すると考えられており、多くの企業がシニア市場への参入を決めています。

高齢者向けビジネスの現状

このような予測を受け、大手会社も含めてシニア市場への新たな参入や、すでにシニア市場へ参入している企業は多く、現状でも競争は激しくなりつつあり、すでにレッドオーシャンになっているともいわれています。

そのため、簡単に参入ができるものではなくなっており、需要が増えているからと安易な考えで参入するのはリスクが高いです。

それでも、決してビジネスチャンスがないわけではありません。

ターゲット把握と十分な投資をしっかりと行えば、高齢者向けビジネスで成功できる確率も高くなるでしょう。

高齢者向けビジネスの成功ポイント

どんなビジネスでも同じことがいえますが、高齢者向けビジネスを成功させるためには、まずビジネス対象となる人達の特徴やニーズを正確に把握し深掘りしていく必要があります。

シニア世代の特徴を知る

一般的に高齢者は豊富な貯蓄があるため、高齢者向けのサービスはビジネスチャンスが多いと思われがちです。

しかし、シニア層といってもライフスタイルや健康状態には大きな違いがあるため、高齢者向けビジネスにおいては、各シニアの特徴や傾向を掴むことが重要です。

高齢者のタイプは大きく「アクティブシニア」「ディフェンシブシニア」「ギャップシニア」「ケアシニア」 の4つに分類することが可能です。

アクティブシニア

年齢に囚われず、健康的で仕事や趣味等にも意欲的で、交友関係も広い傾向にあります。

仕事をしている方も多く、金銭的にやや余裕がある割合が高く、人口は約910万人います。

ディフェンシブシニア

健康かつ時間の余裕があるため、自由に過ごしている層で約1150万人います。

主な収入源が年金であるため、消費には消極的な傾向にあります。

ギャップシニア

介護予備軍とも呼ばれており、日常的に通院するわけではないが、身体能力の衰えからできることが減っている層です。

理想と現実にギャップを感じ、健康状態や将来に不安を抱えている場合が多く、人口は約880万人います。

ケアシニア

身体機能に障害を抱え、自治体から要介護認定をされている層です。

家族やヘルパーなどの介護・医療が必要で人口は約680万人います。

高齢者のニーズを考える

一口に高齢者といっても、さまざまなニーズがあります。旅行などの趣味活動に興味がある人もいれば、自分の死後に遺産相続などで揉めないかどうかが心配な人もいます。

体が思うように動かなくなることや病気のリスクに不安を感じて、健康増進や介護予防に興味がある人もいるでしょう。

高齢者が興味を持つものに対して不安なく楽しめるようなサービスを提供したり、どんな悩みを抱えているのかしっかりと把握し解決につながるようなサービスを提供したりすることが大切です。

シニア市場についての情報を集め、現状すでにあるサービスはどんなものなのかについて知り、そこからポジショニング戦略をとっていくことが重要です。

どの層の高齢者をターゲットにするかを明確にする

シニア世代はタイプによって求めているものに大きな違いがあります。

たとえば、旅行をテーマにマーケティングする場合、消費に対して積極的なアクティブシニアをターゲットにすると、特別な体験やテーマなどの付加価値を重視したものとなるでしょう。

ケアシニアをターゲットとする場合は、体が思うように動かない方々でも楽しめる旅行が考えられます。

このように同じジャンルであっても内容やサービスは大きく変わるため、自分が行う事業がどの層をターゲットに展開していくのかを明確にし、最適なビジネスを発足させることが、成功のカギといえます。

高齢者向けビジネスの成功事例

高齢者向けビジネスを成功させるにあたって、過去の慣習や事例から学ぶことも大切なのではないでしょうか。

高齢者向けビジネスでの成功事例を、企業ごとに紹介していきます。

クラブツーリズム

高齢者の中でも仕事や健康に対する意識が高く、比較的金銭の余裕がある高齢者をアクティブシニアといい、そのような層をターゲットにして成功している旅行会社がクラブツーリズムです。

アクティブシニアには、現役時代にさまざまな場所に訪れた経験がある方も多いことから、クラブツーリズムでは、「テーマのある旅」を提供しています。

ツアーごとにテーマを設定し、それを達成できるように計画するため、ただ旅先に行くだけでなく、今までの旅行とは違った体験ができることも多いです。

一緒にツアーを楽しんだ仲間との団結力を感じられたり、テーマを達成するというゲーム的な要素が楽しかったりと、旅行先で素敵な体験ができることによってクラブツーリズムはシニア層から絶大な支持を得ることができています。

参考:クラブツーリズム公式ホームページ. (http://www.club-t.com/), (2024年11月参照)

カーブス、ビッグ・エス

高齢者の中には、自身の体のケアや健康を重視している人もいます。そういった健康増進や介護予防に興味のあるシニア層をターゲットにして成功したのが、カーブスとビッグ・エスです。

カーブスは、「女性だけの30分フィットネス」をキャッチコピーとしています。

健康や運動に興味のある女性のみにターゲットを絞り、会員もコーチも女性のみで構成するというスタイルや予約不要の手軽さなどを売り文句にして展開し、大きく成功しました。

カーブスの公式サイトによると、会員の34%が60代であり、70歳以上も30%近くを占めているとのことです。

ビッグ・エスは、「60歳からの楽楽フィットネス」をうたっており、快活・楽楽倶楽部という高齢者向けのプログラムを提供しています。

骨の歪みや筋力低下、体力低下などにより要介護生活になりやすくなるとし、快活・楽楽倶楽部では健康増進や介護予防になるような運動プログラムを実施しているのです。

プログラムに参加した人のアンケート結果を見ると、日常生活動作が楽になったという回答が41%、痛みの改善や姿勢の改善が見られたという回答が53%もありました。

心身ともに元気になったという回答が多く、高齢者の満足度の高さがうかがえるでしょう。

参考1:カーブス公式ホームページ. (https://www.curves.co.jp/), (2024年11月参照)

参考2:ビッグ・エス公式ホームページ

パークウェルステイト浜田山

パークウェルステイトは、三井不動産レジデンシャルグループが手がけるシニア向けの住まい事業です。

高齢者が老後生活を自由にのんびりと過ごすことができるようなケアサービスつきの住まいを提供するものです。

公式サイトによると、人生に新たな物語を生むことをコンセプトに、快適な老後生活をイメージさせるものとなっています。

高齢者の中でも富裕層をターゲットとしているため、クオリティの高い空間と上質なサービスが特徴です。

具体的には、入居者となる高齢者と利用契約を結び、住まいと介護、毎日の食事や娯楽などを一括で提供するサービスつきの高齢者向け住宅です。

いわゆる高齢者施設の一種でありながら、高齢者施設のイメージを一変させるような高級感あふれる空間が持ち味といえます。

旅行などといった趣味活動に力を注ぐよりも、居心地の良い場所でゆっくりと老後を過ごしたいと考える高齢者も数多くいます。

アクティブシニアとはまた違ったニーズにしっかりと応える形のサービスだといえるでしょう。

参考:三井不動産レジデンシャルウェルネス. (https://www.mfrw.co.jp/bukken/N1701/index.html), (2024年11月参照)

買取大吉

買取大吉は、全国で1100店舗以上を展開している大手買取専門店事業で、市場規模も業界の成長とともに年々拡大しているリユース業界の企業です。

買取ビジネスはリユース品への忌避感の減少や、環境・資源問題などを追い風に、2022年には3兆円、2025年には3兆5,000億円規模になると予測されている業界です。

リユース事業というと若者が利用しているイメージが強いかもしれませんが、実際にはシニア世代も多く利用しています。

特に、販売を行わず、買取に特化している「買取大吉」ではその傾向が強く、利用者の約37%は60歳以上の高齢者です。

親からの依頼で持ってきた方や生前整理などの依頼を含めると潜在的な利用者の割合はさらに高まります。

このように高齢者から高い支持を受けている理由は、買取金額の高さはもちろんですが、居心地の良い店内やアクセスの良さ、スタッフの対応などに力を入れているためであり、実際にそのような声も多くあります。

高齢者向けビジネスを成功させて幸せなセカンドライフを送ろう

シニア市場にはさまざまなニーズがあり、ビジネスチャンスがあるホットな市場です。

迫りくる超高齢化社会に向けて高齢者向けビジネスを成功させられるかどうかは、しっかりと情報収集して高齢者のニーズを把握できるかどうかにかかっています。

高齢者向けビジネスを成功させて、セカンドライフを充実させてみてはいかがでしょうか。

サポートが手厚いフランチャイズならば、未経験者でも安心です。

買取大吉は気軽にお問い合わせすることもできるため、まずは相談してみることから始めましょう。

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