多くの人が「買取業界は不況にあえいでいる」と唱えています。
しかし、実態を詳しく教えてくれる言説はそれほど広まっていません。
買取業界は本当に苦しい状況なのか、判断がつかなくなってしまう場合もあります。こ
の記事では、買取業界のビジネスモデルや正しい現状といった、基本的な情報をおさらいしていきます。
目次
買取業界のビジネスモデル
そもそも買取業界とは、「顧客から買い取ったものを、それ以上の額で売って利益にする」ビジネスモデルのもと、商売をしている業界を指しています。
買い取られた品は大きく分けて、2種類のさばき方をされます。
まずは、店頭やネットで販売される「小売り」です。
そして、もう一つは「卸売り」と呼ばれ、業者間のネットワークやオークションを通して買い手を探す方法です。
高値で品物を販売するなら小売りが、確実に大量の品物をさばきたいなら卸売りが適しています。
買取ビジネスには経費を抑えつつ利益を出せる仕組みがあるため、比較的開業しやすいといえるでしょう。
また、必ずしも広い店舗を構えなくてもいいので、家賃も少なくて済みます。人手が少なくても成立する結果、人件費を抑えられるのもメリットです。
ただし、買取業界ではビジネスモデルが多様化し、個人開業による新規参入で儲けるのが難しくなってきました。
もしも業界に挑戦するのであれば、買取査定のノウハウを研究しつつ、マーケティングや販売経路、在庫管理などについても深く学んでいくことが必須です。
買取業界の現状は?
買取業界は変化の時期を迎えています。
フリマアプリなどが台頭し、これまでのように店舗が顧客とやりとりをするのではなく、顧客同士がつながって取引をする「CtoCサービス」が一般化してきた影響です。
今までは店舗に出されていた中古品の多くは、メルカリなどのフリマアプリに流れています。
一方で、買取業界全体でみると、根強い顧客をつかみ続けてもいます。
たとえば、金融危機をきっかけに国内の経済は停滞し、個人消費も落ち込みました。
しかし、消費者の節約への意識が高まったため、安価に品物を選べるリサイクルショップの支持はかえって強まったのです。
世間的に買取業界は「景気に左右されにくい業界」とのイメージが残っています。
もちろん、フリマアプリやネットオークションが実店舗を脅かしている状況は変わりません。
実店舗型のリサイクルショップはデジタル面を強化し、ネットビジネスに参入していけるかが大きなテーマです。
買取業界の将来性は?
「不況に関係なく成長できる業界」として、買取業界は評価されてきました。
そもそも日本には数多くの退蔵品があり、少子高齢化社会ではますます退蔵品の傾向が強まっていくとみられています。
そして、こうした退蔵品には高額でありながら、まだ市場に出ていないものもたくさん眠っています。
これまでの「不用品を売りたい人から買い取る」という考え方を転換する時期に差し掛かっているといえるでしょう。
むしろ、「買取業者を求めているのは誰なのか」という根本を考え直し、新しい視点から市場を分析していくことが肝心です。
たとえば、携帯電話やスマホを使って、手軽にお金を儲けたり買い物を楽しんだりしたい人は増えてきました。
これらの層は、各買取業界の新しいターゲットです。さらに、高齢化社会においては、生前整理の際に買取業者を利用する人もますます現れるでしょう。
買取業界のビジネスチャンスはさまざまな場所に転がっており、将来性は高いといえます。
下記記事では買取業界の市場成長について詳しく説明しています。
買取業界で成功するコツ
実店舗型やネット型が入り乱れる買取業界では、どんどん競争が激しくなっていくと予想されています。
生き残り、成長していく企業はどのような戦略を設けているのでしょうか。
ここからは、買取業界で成功する企業の心がけを、一部、紹介していきます。
集客に注力する
まずは顧客に認知されなければ、買取業界で儲けていくことはできません。
顧客は既存の有名な店舗、アプリを積極的に利用するので、知名度の低い新規事業者になかなか流れてこないのです。
買取業界に参入するなら、最初に広告戦略をしっかり立てましょう。
ネット広告やメディアで情報を拡散するほか、ブログやSNSへの投稿も無料で宣伝できる場として効果的です。
投稿は継続的に行うことで注目度を高め、集客へとつなげられます。
また、費用対効果も算出するようにします。
大々的な広告戦略を実践するとして、経費をかけた分だけ回収できるのか、入念に測定しておきましょう。
たとえば、店舗型のビジネスでは、看板やデジタルサイネージにお金をかけているところもあります。
しかし、人通りの少ない場所でこれらの宣伝をしても、費用対効果は得られません。
店舗の場所、周辺環境も踏まえて、かけるお金を考えることも大事です。
そして、知名度を上げるためには、開業した時点で宣伝を意識し、買取ビジネスを展開していくようにします。
接客スキルを身に付ける
買取業は大きく分類すれば「サービス業」に該当します。
顧客の満足度を高め、信頼を集めることでリピーターは増えていきます。
リピーターを増やすためには目先の利益だけを重視しすぎないようにしましょう。強引に高額商品を売りつけたり、査定額を低く設定しすぎたりしても、一度限りの利益にしかなりません。
むしろ、顧客がサービスに不満を抱いてしまうので、再び利用してくれにくくなります。
世間のニーズに応えられるような仕組みを作るためには、目の前の顧客に喜んでもらえるような接客スキルを身につけることが肝心です。
意識するべきポイントは「顧客目線」です。
顧客の立場を想像しながら接客すれば、自然に満足度は上がっていきます。
「価格交渉には丁寧に対応する」「商品知識を学び、質問に答えられるようにする」といった点を押さえられれば、顧客から評価してもらえるでしょう。
こうした接客を継続的に行っていると、良い口コミが広がっていきます。
そうやって知名度が上がれば、顧客に喜んでもらえて利益も安定する店舗になっていくでしょう。
在庫管理を入念に行う
買取業では、在庫管理がコストを左右します。
在庫が多くなれば、新たに仕入れた品物を置けるスペースが少なくなり、ビジネスが回転しづらくなっていきます。また、たくさんの在庫を常にチェックするだけでも労力と時間がかかるでしょう。
在庫管理のミスが起こりやすく、数を間違えたり、消費期限の過ぎた品を置き続けたりするリスクも高まっていきます。
在庫リスクを回避するには、買い取った品物をできるだけすぐ販売できる流れを作り上げなくてはなりません。
キャッシュフローが安定すれば、在庫に関する無駄なコストも減っていきます。
そうとはいえ、知名度の低い新規参入者が在庫をスムーズにさばくルートをすぐに確立させるのは困難です。
フランチャイズ開業であれば、本部が築いてきた独自の販売ルートを利用できるため、キャッシュフローが円滑になります。
在庫が換金されるまでの期間も短くなり、コストがかかりません。本部が在庫を買い取ってくれるケースもあります。
買取フランチャイズ運営で成功するためには、フランチャイズ店舗選びが重要です。
下記記事では買取フランチャイズの事業形態やおすすめの本部について解説しています。
買取業界で成功するにはフランチャイズが有利!
どのように買取業界が動いていて、これからどう変わっていくのかを理解できましたか。
買取業界は個人で参入することも可能です。ただし、宣伝や在庫管理を考えれば、フランチャイズ開業するのもひとつの方法です。
「買取専門店大吉」では業界に興味を持っている人のため、セミナーや資料送付を行っているので気軽に問い合わせてみましょう。