フランチャイズ契約では、多くのトラブルが発生しているのが現状です。
例えば、フランチャイズ契約の多くでは途中解約時に違約金が発生することが一般的です。しかし、契約書の内容を十分に確認し、理解した上で加盟契約を進めないと、後々違約金の支払いを巡って本部と加盟者の間でトラブルが起きるケースも珍しくありません。
そこで、この記事では、フランチャイズ契約においてよく起こる6つのトラブルと、それらを予防するための対策方法について解説します。
目次
フランチャイズ契約で起こりがちなトラブルとは?
フランチャイズ契約において起こりやすいトラブルとして、主に以下の6つが挙げられます。
・売上が上がらず経営不振に陥る
・契約違反をしてしまう
・本部とのコミュニケーション不足
・テリトリー制度に関するトラブル
・競業避止義務に関するトラブル
・加盟金の返金に関するトラブル
ここでは、これら6つのトラブルについて詳しく解説します。
①売上が上がらず経営不振に陥る
加盟店の売上が予想以上に上がらず、経営不振に陥るケースも少なくありません。
フランチャイズ本部は、加盟前に売上予測や経費予測、利益予測を説明し、事業計画書のような資料を提示することが多いです。しかし、その資料と実際の売上や利益、経費が大きく乖離している場合、ビジネスの存続が危うくなることもあります。
こうしたトラブルを避けるためには、単に本部の話を鵜呑みにするのではなく、慎重に調査を行うことが重要です。
・同業他社の資料を確認する
・数値の根拠や妥当性を確認する
・既存の加盟店オーナーから直接話を聞く
加盟前にできることは多くありますので、これらを確認してトラブルを回避するための対策を講じることが大切です。
②契約違反をしてしまう
故意ではなくても、契約違反をしてしまうトラブルはよく見受けられます。
例えば、営業時間や定休日などの営業条件を無許可で変更したり、支払いが遅れることが挙げられます。営業条件の変更については、善意であっても独断で行うと契約違反となる場合があります。
故意でなくても契約違反が発生することがあるため、契約書やマニュアルをしっかりと確認し、疑問があれば本部に相談しましょう。
③フランチャイズ本部の支援体制に関するトラブル
フランチャイズ契約書には、基本的に本部が提供すべき支援体制やノウハウ提供義務が定められています。
実際、指導が不十分であった場合、指導援助義務違反となり、本部側が損害賠償を請求される事例もあります。運営や経営の主な責任は加盟店側にありますが、支援や指導がなく、いわゆる放置状態が続くと、クレームやトラブルに発展することもあります。
そのため、加盟前に本部の支援体制やサポートの頻度、オーナー面談の有無などを確認し、信頼できる本部かどうかを十分に調べておきましょう。
④テリトリー制度に関するトラブル
フランチャイズ契約書には、一般的に「テリトリー制度」が規定されています。
テリトリー制度とは、フランチャイズ加盟店の店舗から一定の距離以内に同じチェーンの他店舗を出店しないことを約束する制度です。この距離は、本部や業態によって異なります。
ただし、ドミナント戦略を採用しているコンビニ業態などでは、テリトリー制度が設けられていない場合もあります。テリトリー制度がない場合、近隣に本部直営店舗や他のフランチャイズ店舗が出店するリスクがあります。
そのため、同じチェーンの店舗が近隣に出店する可能性やその距離について、契約書の内容や本部の出店計画を確認し、事前に把握しておくことが重要です。
⑤競業避止義務に関するトラブル
競業避止義務とは、加盟店がフランチャイズ契約に基づいて行う事業と同種または類似の事業を行ってはいけないという契約条項です。
例えば、焼肉店のフランチャイズ加盟店は、他の焼肉店はもちろん、他の飲食業を経営することも禁止されている場合があります。また、フィットネスの加盟店では、他のフィットネスチェーンへの加盟を禁じたり、独自にフィットネス事業を行うことを禁止するケースもあります。
競業避止義務は契約期間中に限らず、契約終了後も一定期間の拘束が課されることが一般的です。将来的な影響も考慮し、事前にどのような制約があるのかをしっかり把握しておくことが重要です。
⑥加盟金の返金に関するトラブル
加盟金の返金を巡るトラブルが発生することもあります。
フランチャイズに加盟する際、最初に本部に支払うお金である加盟金は、契約書において基本的に返金不可と明記されていることがほとんどです。しかし、フランチャイズ本部側の事情や過失により営業の継続が困難になった場合、加盟金の全額または一部が返金されることが稀にあります。
とはいえ、加盟金が返金されることは基本的には少ないため、契約内容を慎重に確認したうえで加盟を検討することが重要です。
フランチャイズ契約におけるトラブルの予防と対策
フランチャイズ契約におけるトラブルの予防と対策として、以下の3つの方法が挙げられます。
・契約前にしっかりと調査する
・経営に対するサポートを確認する
・本部と密にコミュニケーションを取る
ここでは、これら3つの予防策について詳しく解説します。
①契約前にしっかりと調査する
フランチャイズに加盟する前に、以下の事前調査を行うことが重要です。
・説明会に参加する
公式サイトを確認し、資料請求を行ってから説明会に参加しましょう。最近では、オンラインでの説明会を開催している本部も増えており、遠方の方でも参加しやすくなっています。
・口コミを見る
インターネット上に掲載されている口コミやインタビュー記事を確認しましょう。他の加盟店の経験談や評価を参考にすることで、実際の運営の状況を知ることができます。
・店舗オーナーの話を聞く
実際のフランチャイズ店舗に足を運び、オーナーから話を聞くことができれば、経営に対する具体的なイメージがしやすくなります。
・契約書の内容を確認する
フランチャイズ加盟契約を結ぶ前に、その内容をしっかりと把握することは非常に重要です。
しかし、契約書の内容は膨大で、法律用語が多く使われているため、理解するのが難しいこともあります。そのような場合は、弁護士などの専門家にアドバイスを求めて、契約内容をよく理解した上で加盟を検討することをおすすめします。
これらの事前調査を行うことで、開業後のトラブルを防ぐための大切な情報を得ることができるでしょう。
②経営に対するサポートを確認する
特に完全未経験からスタートする場合、経営に対するサポートの有無を確認することは重要です。
多くのフランチャイズ本部では経営サポートがパッケージに含まれていることが一般的ですが、本部によってサポート内容や得意分野に多少の違いがあります。
例えば、フランチャイズ経営に慣れているオーナーであれば、業種特有のスキルやマーケティング支援が中心となるサポートがあれば問題ないかもしれません。しかし、完全に未経験から始める場合には、より手厚い経営サポートが必要です。
また、フランチャイズ本部によっては、複数のパッケージを提供している場合があります。
未経験者が、経験者向けのパッケージを選んでしまうと、後々トラブルに発展する可能性もあるため、サポート内容をしっかり確認することが大切です。自分の経験やニーズに合ったサポートを受けられるかどうかを見極めることが、成功へのカギとなります。
③本部と密にコミュニケーションを取る
フランチャイズ本部と密にコミュニケーションを取らないと、トラブルに発展するリスクが高まります。
例えば、本部との情報共有が不足していると、重要な情報を把握できず、必要な業務に取り組めないことがあります。これが原因で後々トラブルに繋がる可能性も考えられます。
そのため、フランチャイズ本部の担当者との信頼関係を築き、困ったことがあればすぐに相談できるように、日頃から丁寧にコミュニケーションをとることが大切です。
買取ビジネスのフランチャイズ契約におけるトラブル事例
買取フランチャイズ契約におけるトラブル事例として、主に以下の3つが挙げられます。
・計画が甘く資金が底を尽きてしまう
・中途解約によって発生する違約金
・本部選びの失敗
これらは、買取フランチャイズの加盟店がよく直面するトラブルです。そこで、ここでは、これら3つのトラブル事例について詳しく解説します。
①計画が甘く資金が底を尽きてしまう
計画性が欠けていると、たとえ潤沢な事業資金を準備していても、すぐに資金が尽きて廃業に追い込まれることがあります。
本部からのアドバイスやオーナー自身のこだわりにより、契約金や家賃が高額な物件を選んだり、内外装に過度に投資したりすると、予想以上に費用がかさんでしまうことがあります。これにより、開業前に資金を使い果たしてしまい、ランニングコストを支払えなくなるリスクが生じます。
そのため、資金ショートを避けるためにも、事業プランをしっかりと練り、運営を計画的に行うことが非常に重要になります。
②中途解約によって発生する違約金
買取フランチャイズにも、ほかの業種と同様に中途解約による違約金トラブルが見受けられることがあります。
加盟する本部によって契約期間の年数は異なりますが、契約書で定められた期間内に撤退すると、違約金が発生する場合があります。
そのため、契約前に違約金や契約内容についてしっかり確認しておきましょう。これにより、トラブルを未然に防ぐことができます。
③本部選びの失敗
本部選びの失敗は、買取フランチャイズにおけるトラブル要因の1つです。例えば、以下のような買取フランチャイズ本部を選んでしまうと、失敗のリスクが大きくなります。
・取引の主導権を渡してもらえない
・マニュアルをもとに営業していくのみ
・個別サポートがなく丸投げ状態
このような本部を選んでしまうと、加盟店側が困難に直面した際にサポートが不足し、結果として経営がうまくいかなくなるリスクが高まります。買取フランチャイズは、本部と加盟店が協力し合って成り立つビジネスモデルです。
そのため、開業後にも継続的なサポート体制がしっかりと整っている本部を選ぶことが、成功のカギとなります。
フランチャイズ契約でトラブルのない事業者を選ぶには
フランチャイズ契約において、トラブルのない加盟本部を選ぶためには、以下の3つのポイントを意識することが重要です。
・企業の信頼性と実績を確認する
・契約条件について細部まで確認する
・既加盟店の口コミを調査する
これらのポイントを踏まえて、加盟本部選びを慎重に行うことで、後々のトラブルを防ぐことができます。ここでは、これら3つのポイントについて詳しく解説します。
①企業の信頼性と実績を確認する
加盟を検討しているフランチャイズ本部については、事前に十分に調査することが大切です。その際、以下の4つのポイントを確認しましょう。
・事業の将来性
今後の市場動向や業界の成長性を見極め、長期的なビジネスの安定性を確認します。
・創業年数
本部の運営歴をチェックし、信頼性や経験を確認します。長期間にわたって運営されている本部は安心材料となります。
・実績
過去の成功事例や加盟店の成長状況を調べ、実際に儲かるビジネスモデルかどうかを判断します。
・他社との比較
同じ業界内での他のフランチャイズ本部と比較し、競争力や差別化要素を確認します。
これらのポイントをしっかりと押さえることで、フランチャイズ契約時のトラブルを回避しやすくなります。
②契約条件について細部まで確認する
トラブルを避けるためには、契約条件を細部まで確認することが非常に重要です。
実際、オーナーが契約内容を十分に把握していないために、トラブルが発生するケースは少なくありません。
特に開業後の月々のロイヤリティは、経営に大きな負担を与える可能性があるため、ロイヤリティの金額が本部のサポート内容に見合ったものであるかどうかをしっかりと見極める必要があります。
公式サイトの情報を確認するだけでなく、説明会に参加し、契約書を丁寧に読み込み理解することが大切です。しかし、契約内容が膨大で法律用語も多いため、理解が難しい場合は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
③既加盟店の口コミを調査する
加盟を検討しているフランチャイズについて、口コミの調査も重要なポイントです。
顧客の口コミだけでなく、既加盟店のオーナーの口コミや収支モデル、店舗の継続率なども確認しましょう。これにより、安定して収益を上げられるかどうかを判断することができます。
良い口コミだけでなく、悪い口コミも含めて調べることで、リスクを減らし、失敗を避けることができます。
下記の記事では、おすすめの買取フランチャイズ本部とその評判について、詳しく解説しています。
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まとめ
今回は、フランチャイズ契約で起こるトラブル事例についてご紹介しました。
フランチャイズ契約における加盟者と本部とのトラブルの多くは、お金やサポートに関連しています。過度な営業トークや、売上シミュレーションとの乖離が大きなトラブルを引き起こす原因となることもあります。
しかし、悪徳な本部だけでなく、良心的な本部であっても、加盟者と本部の認識に違いが生じることがあります。そのため、加盟前に契約書を慎重に確認し、サポート内容やパッケージの詳細を十分に聞いたうえで、よく検討することが重要です。
少しでも対価に見合わないと感じた場合は、無理に契約を進めず、見送ることも大切です。また、契約書に関して不明点や不安な点があれば、弁護士などの中立的な立場にある専門家に相談することをおすすめします。