フランチャイズで成功するためには、ビジネスモデルや利益率などをしっかりと考慮することが重要です。
しかし、最も大切なのは、自分が興味のある業種を選ぶことです。この記事では、フランチャイズでの起業を考えている方々に向けて、参考になる8つの成功事例や、独立開業を成功させるためのポイント、よくある失敗例などを幅広く紹介します。
目次
そもそもフランチャイズとは?
フランチャイズとは、個人や法人がブランドやロゴ、ノウハウなどを提供するフランチャイズ本部と契約を結び、店舗などを経営するビジネスモデルを指します。フランチャイズチェーン(Franchise Chain)の頭文字を取って、「FC」と呼称されることもあります。
フランチャイズビジネスのメリットやデメリットなど、基本的な情報について知りたい方は、まずこちらの記事をご覧ください。
フランチャイズで成功事例が多い理由
フランチャイズで成功する事例が多い理由は、独立・起業するよりも有利な体制が整っているためです。特に、以下の3つのポイントはフランチャイズならではの要素と言えるでしょう。
① 認知度の高いブランドで開業
フランチャイズブランドの知名度や信用を活かすことができ、開業当初から顧客を獲得しやすくなります。
② フランチャイズ本部によるサポート
ノウハウ・経験に基づいた経営指導や店舗運営のサポート、仕入れや販促活動に関する支援を受けることができます。
③ スケールメリット
フランチャイズ本部による一括仕入れにより、低価格での商品仕入れが実現し、販促活動や広告宣伝の費用も抑えることができます。
このように、フランチャイズに加盟することで本部が提供する成功のノウハウを活用できるため、1人でビジネスを運営するよりもはるかに成功する確率が高くなると考えられます。
フランチャイズで成功するためのポイントとは?
フランチャイズで成功するためのポイントとして以下の4つが挙げられます。
・フランチャイズの本部選び
・フランチャイズ本部との関係性
・開業後は体制を整備する
・事業への熱量
ここでは、これら4つのポイントについて詳しく解説します。
1.フランチャイズの本部選び
1つ目のポイントは「フランチャイズ本部選び」です。
フランチャイズでの独立・開業は、基本的に未経験者でも挑戦しやすく、成功しやすいといわれています。しかし、信頼できる本部を選べなければ、失敗するリスクが高くなります。
せっかくお金や時間をかけて独立・開業をスタートしても、加盟金やロイヤリティに見合ったサポートが提供されない場合、最終的には廃業にまで追い込まれる可能性もあります。
そのため、フランチャイズの説明会に参加するだけでなく、既存のオーナーの話を聞くなどして、メリットとデメリットを十分に理解した上で本部を選ぶことが重要です。
2.フランチャイズ本部との関係性
2つ目のポイントは「本部との関係性」です。具体的には、「フランチャイズ本部に頼りきりにならないようにすること」を指します。
確かに、フランチャイズ加盟後は、本部が提供するマニュアルや指導に従うことが大切です。しかし、一通り学んだ後は、自分自身で店舗運営を行い、黒字経営を達成する必要があります。
そのため、フランチャイズ本部に依存せず、あくまで困ったときに相談できるパートナーとしての関係を築くことが重要です。
3.開業後は体制を整備する
3つ目のポイントは「開業後の体制づくり」です。
経営者は、目の前の業務にかかりきりにならず、「任せられるところは人に任せ、長期的な視野を持つこと」が重要です。将来的には、「自分がいなくとも現場が回るような体制」を目指すことが理想です。
そうすることで、業務負担が減り、経営に専念できるなど、ほかの重要な業務に時間を割けるようになるでしょう。
4.事業への熱量
4つ目のポイントは「事業に対する熱量」です。
顧客、スタッフ、本部の社員をはじめ、関わるすべての人にその情熱は必ず伝わります。オーナーの本気度が伝わるほど、応援してくれる人が増えるでしょう。そして、想定以上の成果が、その応援によって得られることもあります。
フランチャイズであれ、独立事業であれ、自分の事業と捉えて全力で取り組む熱量が、成功への大きな要因となるのです。
フランチャイズの成功事例8選
フランチャイズの成功事例を見てみると、過去の職歴で培ったビジネススキルを活かしているケースと、全くの未経験でも本部の充実したサポートを活用して成功を収めているケースが目立ちます。ここでは、8つの業種におけるフランチャイズの成功事例をご紹介します。
1.コンビニエンスストアの成功事例
フランチャイズの代表格とも言える「コンビニエンスストア」で、業種未経験でありながら成功を収めた事例をご紹介します。
アパレル業界で働いていた方が、コンビニエンスストアのフランチャイズを知り、思い切って独立を決意しました。
アパレル業界は流行の波が激しく、長時間の勤務や体力的な負担が大きい業界です。一方、コンビニエンスストアは商品の流行に影響されることはありますが、定番商品が多く、1年を通して需要が安定している商品が揃っています。
そのため、流行に左右されるアパレル業界と比べて、コンビニエンスストアは安定した事業を提供し、長期的に取り組みやすいビジネスと言えます。
異業種からの転職ですが、「ものを売る」という共通点があり、アパレル業界で培った接客やサービスのスキルを経営に活かすことができた点が、成功の要因として考えられます。
2.買取ビジネスの成功事例
会社員時代に営業職をしていた方が、「買取ビジネス」で充実感を得ながら売上アップも実現した成功事例をご紹介します。
営業職時代、どれだけ契約を取ってきたとしても自分の収入がほとんど変わらないことに疑問を感じていたその方は、フランチャイズで「買取ビジネス」を開業しました。フランチャイズ本部の研修では、経営や集客、目利きのテクニックなどを習得しました。
実際に事業を始めてからは、自分の努力次第で利益が直接手元に残るため、充実感が増し、仕事への意欲も高まったそうです。さらに、フランチャイズ本部の「ブランド力」によって、多くの顧客を集め、売上アップにも成功しました。
研修制度の充実やブランド力は、フランチャイズならではの大きなメリットと言えるでしょう。
3.結婚相談所の成功事例
1歳と3歳の子どもを持つ主婦が、結婚相談所のフランチャイズ加盟で成功を収めた事例をご紹介します。
結婚相談所でパートタイマーとして働いているうちに、カウンセラーの仕事に興味を持ち、挑戦しようと考えたそうです。そこで、業界に詳しい知人に相談し、結婚相談所のフランチャイズに加盟することを決意しました。
本部のサポートが充実していたことはもちろん、学生時代に友人の恋愛相談を受けた経験や、営業の経験があったため、開業に際して大きな苦労もなくスムーズにスタートできました。現在は子育てと両立しながらも、月平均で2~3名の入会と成婚1名を達成し、年収約780万円を実現しています。
この方の場合、結婚相談の仕事に対する強い興味と親和性の高い職務経験が大きな成功要因だと考えられます。
4.パソコン教室の成功事例
フランチャイズのパソコン教室を開業したある男性の成功事例をご紹介します。
開業後すぐに軌道に乗り、およそ3ヶ月で生徒数は40名以上となりました。毎月10名以上の新規入会があり、現在は2号店の計画も進行中とのことです。「休日もしっかり取れて、家族と過ごす時間が増えた」と、喜びの声があがっています。
成功の要因は、パソコンに関する知識や経営に関するアドバイスなど、起業に必要なサポートを本部からしっかりと受けられたことにあると考えられます。
この男性がパソコン教室を開いた理由は、以下の3つが挙げられます。
・初期費用が比較的少ない
・トレンドに左右されにくい
・利益率が高い
経営者視点で事業の選定を行い、さらに本部から提供されたノウハウを徹底的に実行したことが、事業の成功に繋がったのでしょう。
5.ビルメンテナンス業の成功事例
定年後に新たな仕事を始めたいという思いから、フランチャイズのビルメンテナンス業務を始めた40代女性の事例をご紹介します。
ビルメンテナンス業務の魅力は、自分のペースで働ける点です。業務に慣れた現在は、午前中だけの稼働で月35万円の利益を得ることができるようになったそうです。さらに、本部から顧客を紹介してもらえる制度があり、営業活動を行う必要はほとんどありません。
また、わからないことがあれば、本部が丁寧にサポートしてくれる点も大きな魅力だと言います。
個人で開業すると、顧客を獲得するために時間と労力がかかり、疑問を解決するのにも苦労しますが、フランチャイズではそのハードルを下げてくれるため、スムーズに運営ができます。この女性は、まさにフランチャイズのメリットをうまく活用して成功を収めた事例と言えるでしょう。
6.ジム経営の成功事例
ジムを開業するとなると、規模の大きいテナントが必要だと考える方も多いかもしれませんが、小規模のスペースで成功した事例もあります。
ある男性は、ジムのフランチャイズに加盟し、マンションの一室で開業しました。
本部のブランド力が強かったため、広さがマンションの一室しかないにもかかわらず、開業からわずか3ヶ月で売上が3桁を超えたとのことです。この成功の背景には、やはり本部のバックアップが大きく影響しているのでしょう。本部からはジム経営の成功事例を共有され、成功するイメージがつかみやすかったと言います。
7.少額投資が成功に繋がった事例
通信会社に勤務していたサラリーマンが、少額投資で成功を収めた事例をご紹介します。
以前から「家」に関わる仕事に興味を持っていた彼が出会ったのが、クロスリペアビジネスでした。加盟の決め手となったのは、開業費用の安さです。起業に必要な自己資金に余裕がなかったため、加盟金や研修費が不要という点に大きな魅力を感じました。
本部の営業方法を徹底的にコピーし、順調に契約を獲得することができました。現在、この男性は営業と経営に専念し、スタッフを1名雇用して月商150万円を達成しています。
8.研修制度の有効活用による成功事例
掃除が苦手だった主婦が、充実した研修制度を活用して成功した事例をご紹介します。
5人の子どもの母として子育てと祖父の介護をしながら、独立開業を決意した主婦は、5年前から情報収集を始めました。家事の中でも特に掃除が苦手だったものの、「自分の苦手を克服でき、子育てや介護をしている人々の助けになる仕事がしたい」と考え、選んだのが清掃業でした。
数多くのフランチャイズ本部を検討する中で、最終的な決め手となったのは「充実した研修制度」でした。50日間にわたる研修では、ハウスクリーニングの技術だけでなく、集客方法や経営ノウハウまで幅広く学ぶことができたそうです。
現在、彼女は1日1件、月20日の稼働で目標の収入を確保しています。この成功要因は、充実した研修制度にあると言えるでしょう。
フランチャイズは成功だけじゃない?よくある失敗例
フランチャイズに加盟することで成功を収めるケースが多い一方で、残念ながら廃業にいたる事例も存在します。よくある失敗例として、以下の3つが挙げられます。
・収益や費用の見積もりを誤ってしまった
・ブームが去ってしまった
・本部との方針が合わない
事前にこれらの失敗事例を把握しておくことで、成功への道をより確かなものにできるでしょう。ここでは、これら3つの失敗例について詳しく解説します。
収益や費用の見積もりを誤ってしまった
フランチャイズでよくある失敗の1つが、「収益の見積もりが甘く、思ったほど稼げなかった」というケースです。
フランチャイズ加盟前、多くのフランチャイズ本部は「どのくらい稼げるか、どのくらい費用がかかるか」という収支の見積もりを提供しています。しかし、この見積もりはあくまで「モデルケース」に過ぎず、自分の状況に必ずしも当てはまるとは限りません。
見積もりから読み取れるのは「本部が想定したケースにおける収支」であり、実際の自分の状況に当てはめて再検討することが重要です。この点を忘れないようにしましょう。
ブームが去ってしまった
特に飲食店ではよく見られるケースですが、突発的なブームに乗じてフランチャイズビジネスを始める事例は少なくありません。
しかし、かつてのタピオカブームからもわかるように、飲食業界の流行はすぐに廃れるものです。
需要が完全に消えるわけではないものの、ブーム時の収益がそのまま持続すると安易に考えるべきではありません。流行に乗る形で商品を提供するフランチャイズに加盟する場合、それが収束した後の影響も考慮し、慎重に店舗運営に取り組むことが大切です。
本部との方針が合わない
フランチャイズ本部の方針と自分の考えが合わない場合、失敗する可能性が高くなります。
「フランチャイズで成功するためのポイント」でも触れましたが、本部との良好な関係を築くことは非常に重要です。
本部との信頼関係が築けていないと、経営方針に賛同できず、せっかくのアドバイスも素直に受け入れにくくなります。その結果、自分の考えで行動してしまうことや、誤った方向に進んでしまうことがあり、成功が難しくなることがあります。
契約条件の見落とし
フランチャイズに加盟する際に特に留意すべき点は、「契約条件の見逃し」です。
一般的な失敗事例として、以下の3つが挙げられます。
① 競業避止義務による業務制限
フランチャイズにおける競業避止義務とは、フランチャイズ加盟店が契約期間中および契約終了後、一定期間にわたり、そのフランチャイズ本部に類似した事業を行うことを制限する義務のことです。
フランチャイズ加盟によって、加盟店は本部のノウハウや経営サポートを受けられますが、契約終了後の数年間は、同じ業種での事業展開を制限されることがあります。
② 業界標準より高いロイヤリティ
フランチャイズに加盟する際、知名度の高いブランドを利用できる一方で、業界の標準よりも高いロイヤリティが課せられることがあります。高いロイヤリティは経費として売上から差し引かれるため、利益を上げるのが難しくなる可能性があります。加盟前にロイヤリティの条件をよく確認しておくことが重要です。
③ テリトリー制度の不備
テリトリー制度が確立されていない場合、複数のフランチャイズ店舗が同じ集客できる範囲で競合するため、加盟店の売上が分散してしまう可能性があります。テリトリー制度がしっかりしているかどうかを確認し、加盟後の競合状況についても十分に理解しておく必要があります。
そのほかにもフランチャイズ加盟前に確認すべき注意点は多々ありますが、特にこの3つの契約条件については、しっかりと目を通しておきましょう。
下記の記事では、フランチャイズの契約条件について詳しく解説していますので、ぜひ併せてご確認ください。
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まとめ
今回は、フランチャイズの成功ポイントとその成功例、失敗例についてご紹介しました。
フランチャイズの成功にはさまざまな要因がありますが、最も重要なのは「その事業に対する熱意」です。いくら「儲かる」といわれていたとしても、興味がない事業や情熱を注げない事業では、結果はついてきません。
前述の『フランチャイズ成功事例8選』では、前職の経験を活かすなど、自分が興味を持っている事業を選んだ人が多いことがわかります。このことからも、まずは自分が関心を持てるビジネスを選ぶことが、成功への第一歩だと言えます。
これからフランチャイズに加盟して成功を目指すのであれば、まずは自分が興味を持てるジャンルをリストアップし、その中から選ぶことをおすすめします。