フランチャイズにはさまざまな業種があり、加盟者の経験や目的によっておすすめの業種は異なります。今回の記事では、未経験者でも参入できる業種から、副業に適した業界まで、フランチャイズ選びの参考となる情報をお届けします。
目次
フランチャイズの業種における近年の市場動向
参照元:一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会「フランチャイズチェーン統計調査」2022年度・2023年度をもとに作成(参照日:2024年11月12日)
フランチャイズ業界における近年の市場動向について、日本フランチャイズチェーン協会「フランチャイズチェーン統計調査」によると、右肩上がりの成長を続けています。
また、「フランチャイズチェーン統計調査(2023年度)」には、以下のように記載されています。
《全体動向》
① 日本国内のフランチャイズチェーン数は、1,285 チェーンで、昨年度より3 チェーン増(+0.2%)となり、2018 年度から続いた減少傾向からプラスに転じた。
② 国内の総店舗数(直営店と加盟店の合計)は25 万2,783 店舗で、昨年度より3,467 店舗増(+1.4%)となり、昨年度からプラスに転じた。
③ 売上高は28 兆2,528 億円で、昨年度より1 兆2,649 億円増(+4.7%)と、3 年連続でプラスとなった。
このように、売上高は3年連続で増加しており、フランチャイズ業界は近年非常に成長していることがわかります。
【フランチャイズ】未経験でも開業可能な業種
フランチャイズ未経験者でも参入しやすい業界として、「ハウスクリーニング業界」と「介護業界」の2つが挙げられます。どちらの業界も国内で高い需要があり、未経験者でも比較的運営しやすいでしょう。ここでは、これらの業界が開業しやすい理由について詳しく解説します。
ハウスクリーニング業界
以下では、ハウスクリーニング業界が未経験者にも開業可能とされている理由を5つのポイントに分けて詳しく解説します。
① 成長産業で、売り手市場
現在、ハウスクリーニング業界は急成長しており、求職者よりも求人数が上回っている売り手市場の状態が続いています。
専門家の予測では、ハウスクリーニング業界の市場規模は今後も成長を続け、最終的には1兆5,000億円に達することが見込まれています。さらに、ハウジングサービス業界全体(ハウスクリーニングや害虫駆除などを含む)の2025年の市場規模は、8,000億円に達するとの試算もあります。
しかしながら、この急激な市場の拡大に伴う人手不足が原因で、依然として売り手市場が続いています。
② 無店舗型開業が可能
ハウスクリーニングは、無店舗でも開業することができます。
フランチャイズを開業する際、物件の確保が難しい場合があります。良い物件を見つけても取得費用が高額だったり、フランチャイズ本部の規格に合わなかったりすることや、不動産会社との交渉が難航することもあります。
しかし、ハウスクリーニングの場合、必要なものは清掃用具のみで、店舗を持つ必要がありません。場合によっては、清掃用具の収納スペースをレンタルすることもありますが、自宅に保管することも可能です。そのため、無店舗でも開業することができるのです。
③ 初期費用がリーズナブル
ハウスクリーニングのフランチャイズ開業に必要な初期費用は、一般的に300万円から400万円程度とされています。その中には、250万円ほどで開業できる場合もありますが、それでもほかの業種と比べると比較的リーズナブルと言えるでしょう。
④ 充実した研修制度
ハウスクリーニングのフランチャイズでは、加盟店に対して充実した研修制度が提供されています。
家庭内の掃除とは異なり、お客様からお金をいただく以上、一定の技術が必要になります。そのため、フランチャイズ本部によっては、45日間もの徹底した研修が行われるところもあります。このような研修を経て、しっかりとした技術と知識を身につけることができます。
⑤ 本部による集客・案件紹介
フランチャイズ本部が集客を行い、各加盟店に案件を紹介するシステムが整っています。これにより、加盟者は集客や営業活動に費やす時間を減らし、業務や技術力向上に集中することができます。
介護業界
以下では、介護業界が未経験者にも開業可能とされている理由を4つのポイントに分けて詳しく解説します。
① 日本の高齢化と慢性的な人手不足
日本全体での高齢化と介護業界の慢性的な人手不足は、よく知られている課題です。高齢者の数が増える一方で、介護を担う人手が不足しているため、介護サービスの需要は非常に高く、ビジネスとしても成立しやすい状況です。
介護業務は多岐にわたるため、簡単ではありませんが、フランチャイズ本部では開業前に介護技術研修を受けられるところが多く、未経験者でも安心して始めることができます。
② 国や地方自治体から報酬を得られる
介護サービスを利用するには、まず要介護か要支援認定を受ける必要があります。認定を受けた方は、収入に応じて介護費用の1割から3割を自己負担しますが、残りの費用は介護保険制度を通じて、40歳以上の国民が支払う保険料や税金から補填されます。
そのため、介護事業者の収益は、国や地方自治体によって支えられることになり、安定した収入源が確保できるというメリットがあります。
③ 景気や経済情勢に左右されにくい
一般的なビジネスは景気や経済情勢に影響を受けがちですが、介護業界はほかの業種に比べてその影響を受けにくい傾向があります。高齢化社会が進む中、介護サービスの需要は今後ますます高まることが予測されており、安定してサービスを提供できる業界です。
一方で、急激な成長は難しいと考えられています。そのため、大きな利益をあげられる可能性は低いと言えます。それでも、介護にかけられる国家予算が大幅に削減されることは考えにくいため、安定した経営が可能です。
④ 高い初期費用と複数の優遇措置
介護事業を開業するためには、一般的に300万円から2,000万円程度の初期投資が必要とされています。
介護事業にもさまざまな種類があり、デイサービスと訪問介護では初期投資額が異なります。デイサービスの場合、施設のバリアフリー改修やリハビリ機器、入浴補助器具などの導入が必要となるため、開業資金は高額になります。
一方、訪問介護は、デイサービスに比べて事業規模が小さく、初期費用を抑えやすいという特徴があります。
また、介護事業には日本政策金融公庫の特別融資枠や、地方自治体からの助成金が提供されることがあります。これらの優遇措置を活用することで、初期投資の負担を軽減できる場合があります。
【フランチャイズ】需要が高まっている業種
現在、急成長している業界として、「リサイクル業界」「リフォーム業界」「家事サポート業界」などが挙げられます。
これらの業界では、フランチャイズ展開を行っている企業も多く、開業しやすい環境が整っています。ここでは、これら3つの業界における需要の高まりの理由について解説します。
① リサイクル業界
近年、消費者の節約志向が強まっており、新品ではなくとも新品同様に使えるものに対する需要が増えています。
リサイクル業界では、使用済みの商品を再利用することで、環境にも優しく、コストを抑えた販売が可能です。このため、リサイクル業界の需要は年々高まっています。
② リフォーム業界
経費削減の意識が高まり、新しいビルを建てるよりも、既存の建物をリフォームして再利用する方針が増えています。
特に、新耐震基準を満たした既存ビルのリフォームは、建設費用を抑えるための有力な候補となっています。リフォーム業界は、こうしたニーズに応える形で、需要が拡大しています。
③ 家事サポート業界
共働きの家庭が増加する中、掃除、整理整頓、食事準備などの家事を外部に依頼する需要が高まっています。
特に、時間に追われる現代のライフスタイルにおいて、家事をサポートするサービスの利用者は徐々に増加しており、家事サポート業界の成長が期待されています。
【フランチャイズ】競争が激しい業種
フランチャイズ展開している業種の中でも、「小売業」や「印刷業」などは近年、競争が激化しています。ここでは、これらの業種の競争が激しくなっている理由について解説します。
① 小売業
日本の人口減少や店舗の統廃合が進む中、新規店舗の拡大や経営維持が以前より難しくなっています。
さらに、オンラインショッピングの普及により、消費者が商品をインターネットを通じて購入する傾向が強まっています。このため、従来の小売業では競争が激化し、利益をあげるのは以前よりも厳しい状態にあります。
② 印刷業
さまざまな情報がデジタルデータで作成されることが多くなったことで、雑誌や新聞ではなく、パソコンやスマートフォンでメディアを閲覧することが一般的になっています。
また、保存方法も紙媒体から電子媒体に移り変わり、ハードディスクやUSBメモリなどの記憶媒体が用いられるようになりました。さらには、インターネットを通じてデータを保存するクラウドストレージを選択する傾向も強まっています。これにより、印刷業界は需要が減少し、競争が一層厳しくなっています。
【フランチャイズ】人手不足の業種
人手不足が深刻化している業界として、「コンビニ業界」や「リフォーム業界」が挙げられます。ここでは、これらの業界が人手不足に直面している理由について詳しく解説します。
コンビニ業界
コンビニは小売業の中でも競争が激しい業界ですが、それにもかかわらず人手不足が問題となっている理由は何でしょうか?
その原因は、入社する従業員よりも辞めていく従業員の数が上回っていることにあります。経済産業省が過去1年以内に勤務経験がある元従業員200人を対象に行ったインターネットアンケート調査によると、以下のような要因が挙げられています。
コンビニの仕事を辞めた理由として、50%以上が「自己都合(就職・転職、転居等)」と回答しており、これが顕著に高いことがわかります。これらの理由が重なることで、コンビニアルバイトの離職率が高くなり、結果的に人手不足が続いているのです。
リフォーム業界
リフォーム業界は、人手不足が深刻な問題となっている業種の1つです。
その主な理由は、リフォーム業界にある「3K(きつい、汚い、危険)」のイメージから、若者の目には魅力的に映らず、人手が集まりにくい状況が続いています。このため、事業を引き継ぐ後継者が見つからず、最終的に廃業に追い込まれる会社も少なくありません。
ただし、参入者が少ない一方で、リフォーム業界は右肩上がりで成長しているため、正しい技術を身につければ、非常に大きなビジネスチャンスを掴める分野とも言えます。
【フランチャイズ】初期費用を抑えたい人におすすめの業種
フランチャイズに加盟する際、できるだけ初期費用を抑えたい場合は、「インターネットショップ」「結婚相談所」「高齢者向け配食サービス」がおすすめです。
これらのビジネスの共通点は、テナント費用や人件費をかけずに始められることです。そのため、初期費用や人件費を抑えることができます。ここでは、これら3つのビジネスについて詳しく解説します。
1.インターネットショップ
インターネットショップのフランチャイズビジネスは、「パソコン1台で開業できる」といった手軽さが魅力で、資金が少ない方にもおすすめです。
人を雇う必要がないため人件費がかからず、加盟先に支払う費用も比較的安価なことが多いです。また、自宅で開業すれば、オフィスの維持費も不要なので、低コストでスタートできます。
2.結婚相談所
結婚相談所は、少ない費用で開業しやすいビジネスの1つです。
商材ではなくサービスを提供するため、在庫や設備をほとんど必要としません。また、最近ではオンライン相談が増えているため、自宅の一室をオフィスとして利用し、低コストで開業することも可能です。
3.高齢者向け配食サービス
高齢者向け配食サービスは、近年需要が急増しているお弁当の配達サービスです。
フランチャイズ本部で作られた料理の盛り付けと配達が主な業務となります。担当する顧客の規模にもよりますが、オーナー1人で業務をこなすことも可能で、大規模な店舗や人件費を必要としません。
【フランチャイズ】1人で開業できる業種
フランチャイズに加盟する際、1人で仕事をしたいのであれば、「リペア業」や「ハウスクリーニング業」がおすすめです。これらのビジネスは、顧客とのやり取りはありますが、基本的には1人で業務をこなすことができます。ここでは、これら2つのビジネスについて詳しく解説します。
1.リペア業
リペアビジネスは、スマホや家具などの傷を補修するサービスで、1人で開業したい方には特におすすめです。
受注件数を適切に絞ることで、1人でも十分に業務をこなすことができ、相応の利益を見込むことができます。また、作業場を確保できれば自宅での開業も可能なので、コンパクトにビジネスをスタートしたい方にぴったりです。
2.ハウスクリーニング業
訪問タイプのハウスクリーニング業も、1人で開業できるビジネスです。
作業者が自分だけの場合、対応できる依頼数は限られますが、逆に言えば、1人でこなせる件数に絞ることでスタッフを雇わずに運営することが可能です。これは、出張ビジネスならではの強みと言えるでしょう。
【フランチャイズ】未経験で飲食業に挑戦したい人におすすめの業種
未経験で飲食業界のフランチャイズに加盟する場合、以下の特徴を持つ業種がおすすめです。
・比較的回転率が良い飲食店
・テイクアウト専門の飲食店
飲食業界は元々利益率が低い傾向にあるため、回転率を上げたり、テナント費用を削減することが重要です。ここでは、これらの特徴について詳しく解説します。
1.比較的回転率が良い飲食店
比較的回転率が良い飲食業は、未経験者にもおすすめのビジネスです。
店舗によって詳細は異なりますが、立ち食いそばなどの顧客の流動性が高い業態では時間あたりの利益が大きくなりやすく、効率的に収益をあげることができます。また、狭い店舗でも高い売上をあげやすく、店舗維持費に対して利益が出やすいという特徴もあります。
さらに、飲食業には知名度の高いブランドが多く、充実した研修や教育制度を提供している加盟先もあるため、未経験者でも安心して始められる点が魅力です。
2.テイクアウト専門の飲食店
テイクアウト専門の飲食店は、回転率を高めやすいため、未経験者にもおすすめのビジネスです。
また、販売がメインとなるため、広い店舗や座席を必要とせず、テナント費用を削減できます。さらに、テイクアウト専門であれば1人での開業も可能で、人件費を抑えることもできます。
【フランチャイズ】副業に向いている業種
副業としてフランチャイズを始めたい場合は、「駐車場経営」「コインランドリー」「輸入代行」といったビジネスがおすすめです。これらのビジネスは、ほかのフランチャイズに比べて労働時間が少なく、副業としても始めやすい特徴があります。ここでは、これら3つのビジネスモデルについて詳しく解説します。
1.駐車場経営
余っている土地がある場合、駐車場経営は非常におすすめのビジネスです。
基本的に人手を必要とせず、駐車場が自動的に収益をあげてくれるため、本業に影響を与えることなく運営できます。初期費用はある程度必要ですが、設備や事業を維持するための費用が少ない点も大きな魅力です。
2.コインランドリー
まとまった資金がある場合、コインランドリーの経営もおすすめです。
最近では、店舗管理や機械の修理などをフランチャイズ本部が代行してくれる場合も多く、ほとんど「お金を投資するだけ」で開業できるケースが増えています。
そのため、「資金はあるが時間がない」という方にとって、非常に適したビジネスと言えます。
3.輸入代行
海外の商品を顧客に代わって輸入する「輸入代行」ビジネスも、副業として非常に適しています。
パソコン1台で開業できるブランドが多く、隙間時間を有効に使いながら、まとまった収入を得ることができます。本業に少し余裕があり、空いた時間で副業をしたい方におすすめのビジネスです。
フランチャイズの業種を選ぶ際のポイント
フランチャイズで成功を目指すなら、以下の3つのポイントを参考にして選びましょう。
・業務に慣れているか
・研修システムの充実度
・自分の裁量がどこまで認められるか
加盟しようとするフランチャイズの業種が前職に近い場合は、未経験者よりも有利となります。一方で、未経験者の場合は、研修制度が充実しているかどうかが非常に重要なポイントとなります。ここでは、これらの3つのポイントについて詳しく解説します。
業務に慣れているか
過去に経験したことがある業務内容の業種を選択肢に入れるのも1つの方法です。
たとえば、モバイルショップの代理店での勤務経験がある場合、携帯電話関連のフランチャイズに加盟することで、ビジネスを円滑に進めやすくなります。特に、長期間その業種に従事していた場合、実務経験が豊富であるため、フランチャイズの運営においてもスムーズに取り組むことができるでしょう。
研修システムの整備
未経験の業種に挑戦したい方は、研修システムが整ったフランチャイズ本部を選ぶことをおすすめします。
多くのフランチャイズ本部では、未経験者でも安心してスタートできるよう、充実した研修制度やサポートを提供しています。未経験の業種でも、諦めずにチャレンジできる点が、フランチャイズの大きな魅力と言えるでしょう。
自分の裁量がどこまで承認されるか
フランチャイズに加盟する際、仕事を進める上でどこまで自分の考えや方法を反映できるかを事前に確認することは非常に重要です。
特に、自分の裁量で仕事を進めたいと考えている方は、その裁量がどの程度認めてもらえるのかをしっかりと確認しておきましょう。
フランチャイズ開業は「買取大吉」にご相談ください
「買取大吉」では、フランチャイズ加盟店を募集しています。買取フランチャイズの成功を目指すなら、買取大吉にお任せください。
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・直営店の成功事例に基づいた「運営サポート」
・折り込みチラシやWEB広告を活用した「集客サポート」
買取大吉のフランチャイズでは、開業前後の徹底したサポート体制が整っているため、未経験の方でも安心してスタートできます。
まとめ
今回は、フランチャイズ加盟におけるおすすめの業種や、未経験者でも参入しやすい業種をご紹介しました。
フランチャイズには、ビジネスの運営が大変なもの、初期投資が高いもの、少額からスタートできるものなど、さまざまな種類があります。
自分の予算や利益の出しやすさを考えることは大切ですが、最も重要なのは、継続してビジネスを運営できるかどうかです。
フランチャイズは儲かりやすいと言われていますが、自分に合わない業種を選んでしまうと、失敗のリスクが高まります。フランチャイズ加盟を検討されている方は、まずは自分との相性をしっかりと考えることが大切です。