スウォッチグループとは?
そもそも、スウォッチグループとは何?という話になってきますよね。「スウォッチグループ」とは、18の時計ブランド(日本への展開は14ブランド)を含む160以上もの事業組織30か国以上に及ぶ現地法人を統括する、時計業界最大のコングロマリットになります。
今や、時計業界最大の企業連合体となっていますが、他のグループとは少しだけ成り立ちが違います。買収を繰り返し成長してきたというよりも、お互いを支え合う協同組合のようなニュアンスで大きく成長してきたグループです。現在、スウォッチグループの中には大きく分けて3つの部門で構成されています。
・時計宝飾ブランド部門
・製造部門(時計のパーツや宝飾品を手掛ける)
・エレクトロニック・システム部門(工業機器や精密機器を手掛ける)
グループのブランドは4つのカテゴリーに分けられております。
・プレステージ&ラグジュアリーレンジ
・ハイレンジ
・ミドルレンジ
・ベーシックレンジ
このように4つに分け、ターゲットに合わせてブランド戦略を行っています。
スウォッチグループの歴史
スウォッチグループの設立は1983年で、本拠地はスイス・ベルン州ビールにあります。現在160以上の独立した事業と30か国以上におよぶ現地法人を統括しております。創業者はニコラス・G・ハイエックによって設立され、現在はその子供たちが経営を任されております。これだけ大資本巨大グループはどうやって誕生したのでしょうか。
もともとスイスの時計産業は、小さな工房やパーツなどを作る中小企業のつながりによって生産されていました。したがって製造者たちは協同組合を結成し、経営危機を乗り越える文化が定着していきました。その中で、1926年にのちにスウォッチを手掛けることになるETA社をはじめとするムーブメントメーカー3社が「エボーシュSA」を設立します。
その後、世界大恐慌の煽りを受けた数々の時計メーカー達が、次々とグループを結成させます。1930年には、オメガを中心とした「SSIH」、1931年には、ロンジンを中心とする「ASUGA」が結成されます。機械式時計が主流だった当時は、息を吹き返しましたが、1969年に日本のセイコーがクオーツ時計を発表し、クオーツショックで大打撃を受けました。それにより、1983年に「SSIH」グループと「ASUGA」グループが、生き残ろうと合併しました。同時期には、「エボーシュSA」のETA社を中心に、日本製クオーツ式時計からシェアを奪い返すことを目標とした時計「スウォッチ」が発売されました。
これが、世界的なブームを巻き起こし、1985年にETA社傘下より「スウォッチ」が独立を果たします。翌年の1986年には、「エボーシュSA」・「SSIH」・「ASUGA」・スウォッチなどが合併し、「SMH(スイス時計マイクロエレクトロニック総連合)」グループが結成されました。これがのちの、「スウォッチグループ」と改名しました。
スウォッチグループの代表的ブランド
●ブレゲ(Breguet)
1775年創業。マリー・アントワネットやナポレオン・ボナパルトといった王族貴族を顧客とした、由緒正しき最高峰の時計ブランドです。創業者はアブラアン-ルイ・ブレゲで、ブレゲの代名詞でもあるトゥルービヨンを発明し、懐中時計に生じる重力の影響によるヒゲゼンマイの重心のずれによる偏差を相殺する機構を発明しました。アブラアンが亡くなると、工房を売却したり複数のグループ傘下に入ったりと紆余曲折の末、1999年にスウォッチグループに加わりました。
~定番モデル~
・「トラディション」
→衝撃吸収装置「パラシュート」を搭載し懐中時計のムーブメントを忠実に腕時計に再現したモデル。
・「クイーン・オブ・ネイプルズ」
→創業者のアブラアンがナポリ王妃の為に手掛けたレディースモデル。
・「ヘリテージ」
→湾曲したトノ―型ケース
・「マリーン」
→スポーツウォッチのライン
●ブランパン(BLANCPAIN)
1735年創業で、現在では世界最古の腕時計ブランドと呼ばれています。創業当時から、丸型の機械式時計を一貫して作り続け、シックス・マスターピース(6つの操作機構)と呼ばれる最高技術の機能を駆使した機械式時計は、今も尚、世界中の腕時計愛好家から愛され続けています。ブランパンは、一時期クオーツショック時に一時休止しますが、1922年にスウォッチグループの傘下に入り復活しました。
~定番モデル~
・「フィフティ・ファゾムス」
→現代のダイバーズウォッチの原型と言われているモデル
・「ル・ブラッシュ」
→グランドコプリケーションモデル「1735」のスピリットを受け継いだモデル
・「L-エボリューション」
→スポーティで先端技術を搭載したモデル
●オメガ(OMEGA)
1848年創業のオメガは、スイス高級時計の信頼性を象徴する時計ブランドです。1894年に発表された「19ラインキャリバー」をオメガと名付け、1903年にこれを社名にしました。1965年に、アメリカ航空宇宙局(NASA)は世界中の高性能時計の耐熱性・耐寒性・耐衝撃性などのテストを行った結果、公認クロノグラフとしてオメガの「スピードマスター」のみ採用となりました。
1969年にはアポロ計画でも正式に採用が認められ、その技術力と性能の高さを世界に知らしめました。「スピードマスタープロフェッショナル」は月面着陸から由来し、「ムーンウォッチ」とも呼ばれました。また、1932年のロサンゼルスオリンピックには、公式時計に採用され、以降現在までにオリンピックの公式時計として採用されています。
~定番モデル~
・「シーマスター」
・「スピードマスター」
・「ポラリス」など
まとめ
世界最大の時計グループと言われている「スウォッチグループ」がここまで、大きくなるまでに、色々な過程がありましたね。スウォッチグループの中のブランドは数々な有名ブランドが加入しています。ご紹介させて頂いたブランドの他に、「ハリーウィンストン」、「ロンジン」、「ラド―」など、皆様ご存知の時計ブランドが加入しています。是非、これからもスウォッチグループに注目してみましょう。「買取大吉」では、スウォッチグループ内のブランドはもちろん、状態が不動だったり、壊れていてもお買取り可能ですので、お気軽にお持ち込み下さいませ。