シュプリーム（Supreme）の人気の秘密
最高、最上、至高！ シュプリーム誕生
1994年アメリカ・ニューヨークで、ジェームズ・ジェビア氏によって創業されました。シュプリームは、スケーターカルチャーに影響を受けた、ストリートファッションアイテムを提供する小さな店舗としてスタートしました。当時一般的だった商品を店内にぎっしりと陳列するディスプレイとは異なり、シュプリームは小さな店内でありながら間取りを広く使い、まるで高級ブティックのようなゆとりのある空間を作り上げました。このブランディング戦略が大成功し、シュプリームは世界中でカルト的なフォロワーシップを築くこととなります。
ちなみに『Supreme』の日本語直訳は「最高、最上、至高」です。
スケーターブランドから世界的なファッションブランドへの道
90年代当時はスケーターブランドだったシュプリームが、世界的なファッションブランドに成長したきっかけは、いくつかの重要な要因によるものです。
ストリートカルチャーへの貢献
シュプリームは創設当初からストリートカルチャーに密接に関連しており、スケートボード、ヒップホップ、アート、若者文化など、多くの要素と結びついていました。これにより、若者層を中心に熱狂的なファンを獲得しました。
ユニークなデザインとロゴ
赤いカラーのボックスロゴは、シュプリームだと一目で識別できるアイコニックなデザインです。このロゴは洗練されたシンプルさと独自性を備えており、ファッションアイコンとしての存在感を高めました。
コラボレーション戦略
他のファッションブランド、アーティスト、企業とのコラボレーションを積極的に展開しました。これにより、シュプリームのアイテムはより多くのファン層にアピールし、知名度を向上させ、限定性を高めました。
スカーシティ（希少性）戦略
消費者の心理を徹底的に研究したマーケティング戦略が挙げられます。アイテムの供給を制限し「一部のアイテムは非常に限られた数量でしかリリースしない」「一部の定番商品は除き、完売後の同一商品の再販は一切行わない」戦略を用いています。
人は手に入れることが難しいものや、または限定的なものに対して価値を感じ、それを求める傾向があります。この心理を上手く突いたこの戦略は需要を高め、希少性を生み出しました。
セレブリティの愛用
多くのセレブリティや音楽アーティストがシュプリームのアイテムを愛用しており、これらの有名人がブランドの知名度を高めました。彼らのようなファッショニスタが、若い世代に影響を与え、ブランドの支持を拡大させました。
オンライン販売とソーシャルメディア
シュプリームはオンライン販売にも積極的に参入し、アイテムの入手がより容易になりました。また、ソーシャルメディアを活用してブランドのプロモーションを行い、若い世代にアプローチしました。
シュプリームのコラボは、そのブランド価値を高める
他のファッションブランドと比べ圧倒的に多い、シュプリームのコラボレーション。シュプリームは世界中の有名なアーティストやデザイナー、ファッションブランドとコラボし、限定アパレルやアクセサリーを製作しています。そのブランドでは使わないようなデザインや素材を採用するサプライズ。その意外性から思わず入手したくなってしまいます。
ルイ・ヴィトン（Louis Vuitton）
シュプリームとルイ・ヴィトンのコラボは、高級ファッションとストリートウェアの融合として大きな話題となりました。以前、ルイ・ヴィトンとは盗用訴訟などの問題が発生しており、コラボは難しいと考えられていました。しかし、ルイ・ヴィトンは自身の伝統を大切にしながらも、新たな飛躍と広い年齢層に愛されることに挑戦し続けるブランドです。その理念に従って、ストリートファッションで圧倒的な人気を持つシュプリームと提携する決断をしました。このコラボは両ブランドのアイデンティティを融合したデザインとなり、バッグ、アクセサリー、アパレルなど数多くのアイテムが生まれました。
ナイキ（Nike）
シュプリームとナイキのコラボは非常に人気で、多くの限定スニーカーやアパレルがリリースされました。このコラボには、エアジョーダン、エアフォースワン、ダンクなどが含まれます。
ザ・ノース・フェイス（The North Face）
シュプリームとザ・ノース・フェイスは、アウトドアウェアのコラボで知られており、特にヌプシジャケットやベースキャンプダッフルバッグなどが注目されました。
コム・デ・ギャルソン（Comme des Garçons）
コム・デ・ギャルソンとのコラボでは、シュプリームのロゴを鏡文字にするなど、特徴的に使用されたアイテムが制作されました。ストリートブランドであるシュプリームが4大ファッションショー（ミラノ、パリ、ニューヨーク、ロンドンで開催されるファッションウィーク）に参加しているコム・デ・ギャルソンとコラボしたことは、モード系を好む人々を驚愕させ、結果大人気なコラボとなりました。
ヴァンズ（Vans）
ヴァンズとのコラボは、1996年からスタートしました。スケートボードカルチャーに影響を受けたスニーカーやアパレルがリリースされました。現在では「コラボレーション」はどのブランドでも行っておりますが、当時は珍しいことだったので話題を呼びました。
シュプリームのアイテムを購入する方法
シュプリームの新商品は発売開始1分以内に即完売になってしまいます。せっかく行列に並んでも限定品や人気アイテムは買えないこともあります。発売日であっても購入することが難しく、予想しているよりもずっと難易度が高いのです。対策と覚悟をして挑むことが必要です。
オフィシャルウェブサイトで購入する
シュプリームは自社の公式ウェブサイトで新商品を発売します。発売日になると、ウェブサイト上でアイテムが公開され、購入できるようになります。ただし、シュプリームのウェブサイトは非常に人気があり、競争が激しいのが現状です。発売日には多くのファンが同時にオンラインストアにアクセスするため、サイトが混雑したり、アイテムが瞬時に売り切れたりすることがよくあります。
購入を試みる際には注意しておきたい4つのポイント
①発売日の時間を把握し、早めにウェブサイトにアクセスする。
②シュプリームのアカウントを事前に作成し、必要な情報を登録しておく。
③購入するアイテムを選択し、支払い情報を事前に用意する。
④インターネット接続が安定していることを確認する。
シュプリームの実店舗で購入する
シュプリームは世界各地に実店舗を展開しており、発売日には店舗でアイテムを購入できる場合があります。ただし、こうした実店舗でもアイテムは非常に限られた数量しか用意されないため、早くから行列に並ぶことが必要です。
Supremeは国内に6店舗
［東京］Supreme渋谷
［東京］Supreme代官山
［東京］Supreme原宿
［名古屋］Supreme名古屋
［大阪］Supreme大阪
［福岡］Supreme福岡
リセール市場で購入する
シュプリームのアイテムは、発売後にリセール市場で取引されることが一般的です。リセール市場では、完売した人気のアイテムを入手できる場合がありますが、発売日よりも高い価格で取引が行われることがあるため、注意が必要です。
プレ値になる理由
シュプリームのアイテムは、定価で買うことが難しいといえるでしょう。特に人気の高いボックスロゴやコラボ商品には、定価の数倍ものプレ値が付いてしまいます。この背景には転売行為があることも無視することができません。新作や新品が出ると即完売してしまうのは、シュプリームのファン以上に転売目的の業者が購入しているからです。
勿論、シュプリームは公式に転売を支持したり、または黙認しているわけではありません。ですがそのビジネスモデルとプロダクトリリース戦略によって、転売が一定程度許容されているのではと感じてしまうでしょう。
限定性と希少性、ファン層の拡大
シュプリームはアイテムの生産数量を制限し、一部のアイテムは極めて限られた数量しかリリースしません。そのため、これらのアイテムは入手が非常に困難であり、コレクターやファッション愛好者の間で大きな注目を集めています。さらにその希少性からプレ値が付けられ、投資として購入する動機にもつながっています。多くの人々がシュプリームのアイテムに興味を持ち、それに伴いリセール市場における需要も高まっています。
発売日の体験
シュプリームは新商品を発売する際に、発売日に店頭での待機やオンラインでの購入プロセスを設けています。これが一種のファンイベントにもなっています。ファッション愛好者たちはこの発売日の体験をレクリエーションとしても楽しみ、アイテムを手に入れるために積極的に参加することもあります。
要求と供給のバランス
シュプリームは需要と供給のバランスを調整し、ファッションアイテムの希少性を保つことで、リセール市場の価格を一定の範囲内で制御しようとしているようです。一部のアイテムはプレ値で取引されることもありますが、過度な価格に高騰することは抑制しようとしています。
要するに、シュプリームは積極的な転売を支持していませんが、そのビジネスモデルやアイテムのリリース戦略によって、一定のリセール市場が存続し、需要と供給のバランスが維持されているといえるでしょう。ただし、転売がファンの購入に悪影響を及ぼすこともあるため、ファッション愛好者と転売者の関係については議論の余地があります。
まとめ
世界的なストリートファッションブランドとして知られるシュプリームと、そのプレ値について少しお話ししました。シュプリームのプレ値は「アイテムの希少性」「需要と供給のバランス」「デザインの魅力」「コラボレーションの相手」など、さまざまな要因に影響されます。将来のプレ値を期待して、アイテムごとの相場や市場の動向を注意深くモニターすることが重要だといえるでしょう。
