なぜiPhoneは日本で人気なのか?
iPhoneの日本での人気は、同国における経済成長の歴史が背景と考えられます。1970年代の高度経済成長期から、日本は90年代前半までGDPを伸ばし続けました。バブル崩壊後の2000年前後をはじめ、成長が停滞した時期もありましたが、それでも先進国としての水準は保っています。 世界的にはiPhoneは「高級品」との呼び声がつくほど相場が高く、発展途上国では手に入りづらい印象です。しかし経済成長を経た日本では、割引制度などの助けもあって多くの人が手に入れやすくなっています。 以上から日本の経済成長が、iPhoneを受け入れる素地を固めたと言えます。 日本国内における販売ルートの豊富さもiPhone人気を後押ししています。現在国内ではソフトバンク、au、docomoなど多くの携帯電話事業者がiPhone製品を展開しています。そのため自宅近くの携帯電話ショップでiPhoneを手に入れられる人が多い状況です。 大手の携帯電話事業者がこぞってサービス競争をした結果、相場が下がり、カスタマーがお得にiPhoneを手に入れられる状況が整いました。
サービス競争には割引制度の充実やキャンペーンなどが挙がります。 近年はワイモバイルやUQモバイルなどの格安スマートフォンも話題となっていますが、いずれもiPhone製品です。このように日本ではiPhoneをプッシュする動きの高まりから、知名度でAndroidなどに差をつけています。 日本国内ではiPhoneの方がAndroidよりもお得に売りやすいと言えます。iPhoneはシンプルな機能や構造によりユーザーが使いやすいだけでなく、携帯電話ショップの従業員にとっても説明しやすく、商品をプッシュする雰囲気が整っています。 割引制度や格安スマホなどの充実により、現在では多くの人がiPhoneを求めている状況です。 一方でAndroidはiPhoneが日本に流通した当時は機能性に優れていませんでした。そこでAndroidを手がける日本のメーカーがiPhoneとの差別化を図るべく、おサイフケータイや赤外線通信などの独自機能を入れました。 しかしこの結果、製造コストが高まりiPhoneよりも相場が高くなることがありました。世界的にはAndroidの相場はiPhoneよりも安かったのですが、日本ではこの持ち味が生かせませんでした。 以上から、日本ではiPhoneがお得というイメージです。
iPhoneの買取価格が下がらない理由とは?
なぜiPhoneシリーズは、定価に対して買取価格が下がりにくいのか。その答えは買い取られた商品の販売先にあった。買取されたiPhoneはどこに流通していくのか。その疑問に答えよう。 国内の「下取り」で大量に買い取られるスマホ 上述のような買取業者だけでなく、docomoやauなど携帯大手各社も中古スマホの回収に注力しているのは周知の事実ではなかろうか。
「下取り」と言われるものだ。昨年、ソフトバンクが世界最大の端末卸売業者であるブライトスターを買収し、話題となった。そのブライトスターが最も重視しているのが中古スマホの下取りビジネスであるといいます。 実際に中古スマホの需要は世界規模で拡大しており、ソフトバンクはもちろん大手各社が下取りサービスに力を入れている。ブライトスターは米国をはじめ、日本、西欧諸国で端末を下取りし、新興国市場に卸している。ここまで下取りできるのも、ユーザーが2年にも満たない素早い買い替えサイクルの中で端末を手放していくからだろう。メーカーが新モデルを毎年発売することによって、買い替えサイクルは早まっています。 ユーザーからすると、iPhoneの下取りはあくまでユーザーを囲うための仕掛けにしか見えないが、自社がかけたSIMロックを自ら解除することで海外市場へと中古スマホを流している実態があります。 下取りされると毎月の携帯料金から割引される形式となるので、すぐに現金化されないデメリットがあり、また割引適用期間中に解約しにくいといった問題があるが、割引の金額だけを見ればなかなかに大きいのでユーザーも活用する。そこで得た中古のiPhoneをSIMフリー化して価値を高め、海外に流しているのです。
世界的に人気なスマホ端末は?
グローバルな視点で見るとAndroidがスマートフォン市場をリードしています。主にインド、中国、韓国などの中東・アジア圏、イタリア、フランス、ドイツなどのヨーロッパ圏で人気を得ています。 アメリカやカナダではiPhoneも人気ですが、Androidもひけを取らない状況です。このように世界的なシェアはAndroidが大きく占めています。 Androidは2008年9月にアメリカから「T-Mobile G1」が登場して以来、世界的に開発や発売が進むようになりました。日本でも2010年にAndroidのスマートフォンが流通を始めていますが、iPhoneほどの人気は得られない状況でした。 しかし世界的に見ると、世界中のさまざまな大手メーカーがAndroid系スマホの売り上げを伸ばしています。
新興国の中古スマホ需要
日本で買い取られたスマホがそのまま国内に出回ることはもちろんありますが、そこまで大きな市場とは言えないと思われます。ユーザーからすると、携帯大手各社の販売店を通じて契約を結び、端末を購入するのが主流となっている日本では、当たり前の状況ともいえます。大量に買い取られたスマホはどこに流れているのか。 日本の中古スマホは海外で、特に新興国で大人気なのです。新興国では数年前のモデルも需要があるうえ、価格が下がる中古品は幅広い層の手が届きますよね。例えば、日本ではiPhone14、iPhone13、iPhoneSEといった新モデルが人気を博しているが、新興国ではiPhone12やiPhone11の人気が高いです。型落ち商品が新興国の人にとって、また中古であるからこそ安くなり買いやすい商品となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?日本での中古スマホ需要はますます高まってくると考えられます。日本から中古のスマートフォンが輸出されていくこの様相は、中古車が過去に日本から輸出されていく歴史に近いものがあります。先進国の人気モデルが型落ちになった中古商品が新興国で購入されていきます。それを狙った買取業者が日本で増加しています。まだまだ発展途上ともいえるiPhone買取市場。今後もその動向から目が話せません。