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スタグフレーションとは?意味や原因・対策をわかりやすく解説

スタグフレーションとは?意味や原因・対策をわかりやすく解説

スタグフレーションとは、景気が悪いまま上昇しない状態で、物の値段が高くなり続ける状態です。戦争、紛争などで供給が追いつかずに起こることがあります。今回は、スタグフレーションとはどのような状態なのかを解説し、原因や対策もあわせて紹介します。

スタグフレーションとは?

新聞や雑誌、SNS、テレビ番組などでさまざまな言葉が飛び交っていますが、最近よく耳にするようになった言葉にスタグフレーションがあります。 

株式市場や経済に関連する言葉なため、ワードは耳にしたことがあるものの、どういう意味なのかわからないという方も多いかもしれません。

最初に、スタグフレーションとは何か、経済に与える影響について紹介します。

スタグフレーションの意味

スタグフレーションとは、経済状況が滞るという意味がある「stagnation」と、全般的な物価水準の上昇を意味する「inflation」で作られた合成語です。

物価が持続的に上昇している経済状態を表現するワードです。経済が活発に動いていないときに、物の値段が上がり続けることを指します。

通常、景気が悪くなるとモノが売れなくなり、その結果、物価が下がるように経済が動きます。しかし、景気が停滞していても物価が上がり続けることがスタグフレーションです。

物価と景気の関係性

原則として、物価は景気の良い時に上がり、悪い時に下がります。なお、経済の動きのみで物の値段が決定されるわけではありません。

多くのケースでは基本的に景気が良いときには企業の売り上げが増え、設備への投資や従業員の給与が上がります。消費者の購買力が高まると消費が刺激され、需要が供給を上回ると物価が上昇します。 

一方、不況になると企業の売上は下がり、設備投資や従業員への給与を減らすことが多いです。結果、貨幣価値が上昇し、消費行動は抑制され、物の値段は下がります。これが物の値段が変動する基本のメカニズムです。

インフレーションとの違い

インフレーションとは、企業の売上や利益が増加し、従業員の給与も上がり、消費活動も活性化されることで物価が上昇し続ける状態です。

スタグフレーションとの大きな違いは、景気が停滞しているか、上昇基調にあるかです。そのため、スタグフレーションは「悪いインフレーション」と呼ばれることもあります。

デフレーションとの違い

デフレーションとは、企業の売上や利益が減少するとともに従業員の賃金が低下し、消費が減少することで、物価が下がり続ける状態のことです。

スタグフレーションとの大きな違いは、物の値段が上がっているか、下がっているかです。 一方、スタグフレーションもデフレーションも、経済が停滞するという点では同じです。

スタグフレーションのリスク

一般的に、デフレーションで物の値段が下落しているときには、消費や投資を促すために政策金利を引き下げる措置がとられます。一方、インフレ傾向があるときは、景気の過熱を防ぐために政策金利を引き上げることが一般的です。

しかし、スタグフレーションは、物の値段が継続的に上がっていても政策金利を引き上げられない場合があります。

スタグフレーションでは、働く人々の収入が上がらない状態で金利と物の値段が上がるため、政策金利を引き上げると更に景気が後退するリスクがあるためです。

スタグフレーションの発生原因

好景気によるインフレーションは一般に賃金の上昇を伴いますが、給与が上昇しないまま物と金利が上昇するスタグフレーションは、経済状況の厳しさを招きます。ここでは、主な発生原因について解説します。

供給ショック

スタグフレーションの要因の一つである物の値段の上昇は、供給が不足することによって引き起こされます。 

好景気であれば、物価上昇によって需要が増え、物やサービスが不足します。 しかし、近年の供給が不足している原因は別にあります。

例えば、COVID-19の蔓延は労働力不足や、製品の原材料やパーツの調達~販売までのルートの混乱を引き起こし、その結果製品を作ることができない事態を招いています。

他にも戦争、自然災害、政情不安など突然起こるものによって引き起こされ、各企業は活動の制限を余儀なくされます。 例えば、天候が不安定による不作、石油危機などが供給ショックの例です。

円安での輸入価格上昇 

日本では、円安により他の国よりも物価上昇の影響を受けやすくなっています。このまま円安が進むと、弾みがついて更に円安になる可能性があります。

また、物価の低下率が滞ることも考えられ、そうなると消費者の物やサービスの購入を妨げる可能性も高いです。

構造的失業

構造的失業とは、ある職業に適した労働力が不足している場合に発生する状態を指します。 求人数は多いものの、職を求める人たちに経験やスキルがなく、失業状態が続く状況をいいます。

例えば、特定の産業で需要が落ち込み、該当の産業で働いている従業員が職を失うとした場合、当然職を失った方は他産業への転職を考えるでしょう。しかし、転職先の産業に向いていなかったり、必要なスキルがなかったりすると転職は困難です。

結果、生産性が下がり、賃金の平均値も下がって需要が減るという負のループに陥り、スタグフレーションに陥る可能性が高いです。

財政政策・金政策の失敗

財政政策や金融政策が成功しないと、スタグフレーションを引き起こします。

財政政策では、景気が滞っている状態で公共支出を増やす、減税などをすれば、インフレを引き起こす可能性があります。

金融政策では、金融緩和が長期間続き、低金利が続けば、価値や不動産価値が上がり、インフレにつながる可能性が高いです。

スタグフレーションの過去の事例

スタグフレーションは、世界中で過去にいくつか起こっています。ここでは、2つの代表的な例を紹介します。

オイルショック

1973年、第四次中東戦争を契機に石油輸出国機構(OPEC)が原油の供給制限と輸出価格を上げたことで、原油の国際価格が約3カ月で約4倍に高騰しました。

原油の供給が逼迫し、石油関連製品の価格が上昇したため、国内市場は後に「インフレ狂乱」と呼ばれる急激な物価上昇に見舞われました。その結果、経済は滞り、物価が上がるという現象が同時に起こります。

世界的な大混乱は「第一次オイルショック」と呼ばれ、日本では洗剤やトイレットペーパーを大量購入する、買い占めるなど全国で混乱が起こりました。

イギリスのEU離脱

2016年6月、英国でEU離脱の是非を問う国民投票が実施され、結果英国は2020年1月に正式にEUを離脱します。

原則として、EU加盟国は国家間の行き来が自由であり、英国では移民が増えたことが原因で失業率が上がり、税負担が社会問題となっています。

結果、英ポンド安が加速し、輸入インフレにつながりました。経済が停滞すると同時に物価が上昇し、スタグフレーションの状況になっていることが見て取れます。

スタグフレーション滞るが及ぼす影響

失業や物の価格が上昇すると、生活にさまざまな影響が出ます。ここでは、具体的にどのような影響が及ぶのかを解説します。

家計がひっ迫する

スタグフレーションによる経済や消費者への主な影響として、2点が挙げられています。

スタグフレーションでは、一般的に消費者の収入は上がらず、物価が上がります。衣食住や生活必需品だけではなく、光熱費も高騰し、家計の負担となります。結果、消費者は物やサービスの購入を控えざるを得ない状態になるのです。 

また、全体として消費行動が活発に行われない状況のなかで、製品やサービスの売り上げを得られない企業は、人件費削減を余儀なくされます。

賃金が下がれば、消費者は物やサービスを買いにくくなり、企業はさらに人件費を削るという悪循環が起こります。結果、消費者は投資や貯金をする経済的な余裕を失っていくでしょう。

将来を予測しにくく行動しづらくなる

突然の失業や止まらない円安など、ここ数年国内で問題視されている状況を予測しながら生活してきた人は少ないでしょう。

直近数年間の日本経済は、ウイルスの蔓延、他国の紛争、円安による輸入コストの上昇など、複数の原因が重なり、スタグフレーションに陥っています。

しかし、病気や紛争などは、何年も前に予測できるものではありません。「予測しないことが起こる」という現実を目の当たりにすると、将来の予測をしにくく、行動に移せなくなります。

雇用環境が悪化する

先行きの予測が困難な経済状況では、消費者は投資や物の購入を控えるようになります。そして、企業の成長、発展は停滞し、働く方の給与は上がらないまま、雇用が不安定になるでしょう。

スタグフレーションが進めば、景気後退によって企業業績がよくならず、経営状況が更に悪くなるリスクがあります。結果、企業は採用を控え、雇用創出は減少します。

失業率が上がると、職を求める方は就職難に陥り、新卒者、中高年の就業率も悪化するでしょう。

貯金が減る

家計の圧迫を少しでも予防するためには、貯金が重要です。しかし、スタグフレーションになっている状況では、貯蓄が難しくなります。

物価上昇に生活費が追いつかないためです。生活費が足りなくなると、消費者は貯蓄を減らして生活費をカバーしようとします。

さらに、資産運用や投資による収益も低下するため、スタグフレーション前のように貯蓄することが難しくなるでしょう。

資産価値が下がる

スタグフレーションが加速すると、企業業績が悪化し、株価が下がる傾向があるため、資産価値が下落する可能性があります。

また、不動産においても需要の減少が予想されるため、建物や土地の価値は下落します。これらの要因により、株式や不動産の資産価値が下落し、投資家や不動産所有者に影響を与えるでしょう。

個人ができるスタグフレーション対策

スタグフレーションの悪影響を軽減するためには、資産を分散する、外貨にも目を向けることが重要です。ここでは、個人でできる対策を紹介します。

スタグフレーションに強い資産に分散投資をする

スタグフレーションでは、お金の価値が下がります。お金の価値が下がることによる損失を減らすためには、現金以外の資産保有を意識することが重要です。 

例えば、現金だけで資産を保有していると、資産全体が為替変動の悪影響を受けることになります。リスクを予防する代表的な方法として、現物資産の保有が挙げられます。現物資産の例としては、金やプラチナなどの貴金属、土地や建物などの不動産です。 

さまざまな形で資産を保有することで、リスクを分散・管理ができるでしょう。すべての資産が、金銭的価値だけに左右されるような事態を脱することができます。

外貨で資産を保有する

スタグフレーションの影響を防ぐためには、日本円のほか米ドルなど需要の高い外貨を保有することも重要です。

全部の資産を日本円のみで保有していると、円安によって資産価値が目減りする可能性があります。近年では円安が進んでいるため、日本円の資産は特に為替変動による経済的損失の影響を受けやすいといえます。

このような為替変動による損失を軽減するためには、円建て資産と外貨建て資産をバランスを見て保有することが重要です。

企業ができるスタグフレーション対策

スタグフレーションが起きても全企業の経営が悪化するわけではなく、ビジネスチャンスをつかみ、利益を上げる企業も多いです。スタグフレーション時に企業ができることを紹介します。 

商品・サービスの付加価値やブランディングを向上させる

企業ができる対策は、商品やサービスの価格が上がっても選ばれ続けるような商品づくりやブランド化です。 値上げしても受け入れられる商品を作り、ブランド化することでスタグフレーションに立ち向かう必要があります。

スタグフレーションの影響のなかで、多くの企業を苦しめていることは消費者の買い控えです。 景気が悪化し、モノやサービスの値段が上がれば、消費者は買い控えをします。 

しかし、価格を上げたくないと考えていても、原材料の価格上昇やコスト負担をカバーしなければなりません。そして、競合他社と安売り競争をしても、利益は減るばかりです。 

そのため、価格以外のところで勝負していくことが大事です。

ターゲット層を広げる

どれほどよい製品やサービスでも、ターゲットとする市場を間違えれば利益は出ません。特に需要が停滞するスタグフレーション下では、幅広い層をターゲットにして市場を拡大することが重要です。 

スタグフレーションのなかで、どのようなところに注目が集まっているのか、どこにお金が集中しているのかに注目して、売れるマーケットを見つけるようにしましょう。

販売経路を増やす

店舗販売だけでは、実際に来店してくれたお客様にしか商品の魅力を伝えることができません。そのため、実店舗のみの販売ではなく、WEBサイトを立ち上げたり、SNSを使って集客してみましょう。 

購買意欲が低下しているときに販路を限定してしまうと、特定の販路での販売が止まったときに全体への影響が大きくなります。 リスク分散を意識して、さまざまな販路の開拓を検討しましょう。

消費者のニーズや動向を探る

消費者のニーズも常に変化しており、特にインターネットが普及して世界中の情報がリアルタイムで行き渡るようになってからは、その変化のスピードはさらに増しています。 

簡単に情報を入手できる消費者は、損をしないように、より効果的にニーズに応えられる商品やサービスを求めています。 

企業も消費者ニーズの変化に遅れをとらないよう、短期間でサービスや物を提供することを求められています。機敏に、顧客のニーズに応えていきましょう。

経営状況を見直す

利益が伸び悩んでいるときは、経営成績や財務諸表を分析しましょう。企業の財務基盤が安定しているかどうかをチェックするには、キャッシュフロー分析も重要です。

利益を残すためには、原価、売価、販売数量、固定費などさまざまな要素が絡んできます。スタグフレーションの場合、原価や固定費がどの程度になりそうかをあらかじめ見積もっておきましょう。

また、消費者の購買意欲によっても販売量は変化するので、リピーターを増やし、利用頻度を高めて販売量を増やすことも大事です。

どのような影響が出るかを事前にシミュレーションすると同時に、企業の安全性を分析し、事業継続が可能か、資金繰りに支障はないかを検討しましょう。

国ができるスタグフレーション対策

スタグフレーション対策は、いくつかの観点から検討する必要があります。以下、スタグフレーション対策として、それぞれの問題をどのように解決していくかのポイントを解説します。

金融政策を見直す

インフレーションと経済成長の滞る状態が同時進行したスタグフレーションでは、日銀は適切な金融政策運営を行わなければなりません。

日銀の金融政策で見直すポイントは2つあります。

・通貨安政策...通貨の価値が下がるため

・社会保障制度...所得が低下する可能性があるため

さらに、財政政策と金融政策のバランスも重要です。財政政策と金融政策のパワーバランスが崩れると、インフレーションやデフレーションが起きることもあります。

経済の生産性を上げる

構造改革では、経済生産性を高めることが大切です。

具体的には、規制緩和、市場競争の促進、人材流動性の向上、技術革新の促進など、さまざまな施策が考えられるでしょう。さまざまな取り組みにより、企業競争力が向上し、物価が下がり、経済生産性が向上します。

産業競争力の面では、企業の海外進出、製品に高い付加価値を付ける、研究・開発を進める、教育制度の見直しなどの方法が挙げられます。

供給側の政策を改善する

主な政策は、以下のようなものが考えられます。

・研究・開発を進める...新しい技術や新しい製品の開発・生産プロセスの改善は、生産性を向上させ、製品に付加価値を付けたり品質を高めたりします。

・規制緩和と金融支援...新産業の育成を行うことで失業者の雇用を促進し、新たな需要を生み出すことが期待されます。

・グローバル市場への参入...内需だけではなく、新たな需要を開拓できます。

・労働市場の柔軟性を向上させる...雇用制度の改革や働く時間を短縮するにより、企業が従業員を増やせるようにします。

さまざまな政策は、企業の生産性を高め、物価が上がることによる負担を軽減することにつながるでしょう。

積極財政と規律財政のバランスをとる

積極的な財政政策は景気刺激策として効果がありますが、過剰な財政支出はインフレを招き、結果としてスタグフレーションにつながる可能性があります。 

規律ある財政政策は財政の健全性を保つことができますが、景気回復の遅れを招くこともあるのです。つまり、財政政策のバランスを重視しなければなりません。 

主な方法は、各国が協力して貿易政策や為替レートを検討し、公平になるように調整することです。

国際協力を行う

複数の政策を推進するためには、国際機関との協力も必要です。

それぞれの国が協力し、公平になるよう調整ができれば、スタグフレーションの解消につながるかもしれません。 

日本は現在スタグフレーション間近?いつ発生する?

賃上げの多くは年齢給などの定期的な昇給であり、本当の賃上げに相当するベースアップ額は1%にも満たないものです。消費者物価指数は4月にすでに2.5%であったため、賃金は実質マイナスといえるでしょう。

物価が上がっても賃金が物価に追いつかない状態であり、見方によってはすでにスタグフレーションに陥っていると考えることもできます。

まとめ

スタグフレーションとは、景気が悪化しても物価が上昇する状態のことです。商品やサービスが売れなくても、企業は業態を変えることが求められます。新型コロナウイルス感染や軍事侵攻など、社会情勢にはまだまだ目が離せません。スタグフレーション下でも安定した収入を確保するために、早めに対策を講じましょう。

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