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信楽焼の歴史
信楽焼といえばたぬきというほど有名ですが、実は信楽焼の狸の置物の歴史は比較的浅く、1951年の明治期に陶芸家の藤原銕造が作ったものが最初と言われています。昭和天皇が信楽町行幸の際、たくさんの信楽狸に日の丸の小旗を持たせ沿道に設置したところ、狸たちが延々と続く情景に感興を覚え、御製を詠んだ逸話が新聞で報道され、全国に知られるようになりました。
信楽焼のスタートは、鎌倉時代後期、常滑焼の技術が伝わり窖窯(あながま)、によって壺、甕、擂鉢などの焼き物づくりが始められ、日本独自の陶器産地として歴史が始まりました。室町・桃山時代以降、茶道の隆盛とともに「茶陶信楽」として茶人をはじめとする文化人に素朴さのなかに、日本人の風情を表現したものとして、親しまれ、重宝されました。
江戸時代には、商業の発達にともない、茶壺をはじめ、土鍋、徳利、水甕などの日常雑器が大量に生産され、幕末には陶器製灯明具の一大産地であった。将軍に献上する新茶の茶壷に使われ、大名にも親しまれました。明治期には、新しく開発された「なまこ釉」を使った火鉢生産がはじまり、火鉢の全国シェアの80%を占めていました。
また、作家によって、焼き〆や粉引など実にバラエティーに富んだ焼き物を楽しめる事も信楽焼の特徴に挙げられます。従って、現代の信楽焼は様々な技法が用いられる個性あふれる器であると言える。
信楽焼の技法・作家
技法
・陶土
水簸(すいひ)せず、製造すること。
・成形
轆轤(ろくろ)成形、押型成形または手ひねり成形による。
・素地の模様づけをする場合
「松皮」、「虫喰(く)い手」、「布目」、「印花」、「線彫り」、「櫛描」、「トチリ」、「掻き落とし」、または「化粧掛け」によるものである。
・絵付
手描きによる下絵付。この場合、顔料は鬼板または呉須を使用。
・釉(くすり)掛けをする場合
「重ね掛け」、「流し掛け」、「ろう抜き」、「イッチン」、「片身掛け」、「吹き掛け」、「はけ掛け」、または「はけ目」による。
・素地の模様付け、絵付および釉掛けをしない場合
登窯または穴窯による自然釉または火色を現出させる。
主な作家
・加藤土師萌
・大西忠左
・富本憲吉
・荒川豊蔵
・近藤悠三
・上田寿方
日本の伝統工芸品の1つでもある信楽焼は、日本のみならず、海外の美術館にも展示されています。
信楽焼の高額査定
日本には有名なご当地焼き物が数多くありますが、その中でも「NHK朝の連続テレビ小説」の題材になるなど、最も注目度が増していると言えるのが信楽焼でしょう。良質の陶土による土の質感が存分に楽しめる信楽焼にはファンも多く、骨董品買取市場においても高い価格で取引されるケースが見られます。信楽焼の概要や有名作家に加えて、買取相場、高く売れやすい信楽焼の特徴、少しでも高く売るためのポイントなどをご紹介します。
信楽焼の価値
信楽町は良質な陶土が多く採れること、茶道が栄えていた京や奈良に近いことから、室町・桃山時代ごろから茶陶信楽が発展していったようです。明治時代以降は、青みがかった美しい色に焼きあがる「なまこ釉」を用いて、さらに幅広い種類の陶器を生産していきます。「わびさび」が感じられる信楽焼は、茶人をはじめとする日本人や、海外からも評価が高い焼き物です。
古信楽も骨董市場では人気が高い
信楽焼の中でも、鎌倉から室町時代の間に作られた信楽焼のことを「古信楽」と言います。そもそも素地が荒くて土の質感が特徴の信楽焼ですが、中でも古信楽は古い琵琶湖層から採れた細かい石粒を使うことで、より土の風合いを強く感じる作品群となっています。独特の風合いが感じられることと、古いために希少性が増していることから、買取市場において古信楽は美術品としても骨董品としても価値が高い焼き物として評価されます。
お持ちの焼き物が古信楽に該当するかどうか知りたいという人は、骨董品を専門に扱う買取業者に1度見てもらいましょう。
信楽焼の買取相場
骨董品買取市場における信楽焼の買取相場はどれくらいになるでしょうか。実は、信楽焼に限らずなのですが、陶芸作品の買取において「買取相場はこれくらい」と一概に言うのは難しいものがあります。理由としては、素材が土や石であるため素材自体に決まった価値がないこと、作品それぞれが一点ものであるためそもそも「定価」のようなものが存在しないことが挙げられます。
実際の買取市場での取引でも、信楽焼を含む焼き物の買取金額の幅は非常に広くなっています。お持ちの信楽焼の価値を正確に知りたければ、骨董品専門の買取業者に見てもらうほかはないでしょう。
しかしながら、「有名作家の作品で、保存状態が良ければ高く買取されやすい」といった、ある程度の傾向があります。例えば、信楽焼を手掛ける代表的な作家である北大路魯山人の作品で、高いものであれば100万円前後の買取相場になるでしょう。ただし、作品の保存状態などによっても買取価格は大きく変動しますので、あくまで参考程度と考えてください。
高額買取されやすい信楽焼の特徴
買取市場で高額がつくケースも多い信楽焼ですが、具体的にはどのような特徴のものが高く買取されやすいのでしょうか。信楽焼を含む焼き物の買取において特に重要視される3つの査定ポイントから、高価買取されやすい信楽焼の特徴を見ていきましょう。
① 有名作家が手掛けた信楽焼
信楽焼を含む焼き物の買取において、最も大きく買取価格を左右するポイントの1つが、作者です。有名作家が手掛けた信楽焼であれば、高価買取の可能性は高くなります。信楽焼には、以下のような有名作家たちが存在します。
神崎紫峰、高橋春斎、北大路魯山人、鈴木治、杉本貞光、辻清明、上田(谷井)直方、古谷道生
保庭楽入、高橋楽斎、中井和仁、小川得斎、辻村史朗、今井道平、高井明山、奥田三楽、信開山
もちろん、ここに挙げた以外にも数多くの作家がおり、高く買取される作品もあります。お持ちの信楽焼が作家物かどうかを知りたいときには、作品本体の裏面に押されていることの多い作者の印である「落款(陶印)」で確認することが可能な場合もあります。しかし、専門家でない人が落款を見ても正確な判断は難しい上に、中には落款を押さない作家物の信楽焼もあります。お持ちの信楽焼が作家ものかどうか知りたいときは、骨董品に特化した買取業者に見てもらいましょう。
② 共箱が付属している信楽焼
信楽焼に限らず、有名作家が手掛けた焼き物は共箱と呼ばれる箱に入っていることが多いです。共箱は一般的には木製の箱で、蓋などに作品名や作家名が墨書きされています。骨董品コレクターにとっては共箱も重要なコレクションの一部であり、墨書きによって有名作家本人の作であることが証明できるため、共箱の有無は信楽焼の買取において非常に重要な査定ポイントです。あるはずの共箱が付いていないと、買取価格は下がってしまう恐れがあります。
ただし、共箱が無いからといって買取に出せないわけではありません。信楽焼には元々共箱がない作品も存在するため、共箱がなくてもまずは査定を受けて、お持ちの信楽焼の価値を確かめてみましょう。
③ 保存状態の良い信楽焼
信楽焼を含む陶芸作品の買取においては、作品の保存状態が買取価格を大きく左右する場合があります。いくら価値の高い信楽焼であっても、ヒビ・キズ・デザインの欠け・割れがあるなど、保存状態が悪ければ買取価格は下がってしまう可能性が高いです。反対に、ヒビや傷などがない綺麗な状態の良信楽焼であれば、高価買取される可能性も高くなるでしょう。ヒビや割れの原因となるような大きな衝撃を与えないように、信楽焼などの焼き物は必ず箱に入れて保管するなど、普段から丁寧に扱うようにしましょう。
まとめ
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