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買取時に身分証明書が必要な理由
買取の際に身分証明書が必要な理由は、古物営業法により、身分証明書の提出と本人確認が義務付けられているためです。そのため、物品を査定に出す際には、運転免許証や国民健康保険証などの身分証明書を提出する必要があります。
また、古物台帳の作成義務があり、買取店は確認ミスを防ぎ、犯罪を防止するために、身分証のコピーやスキャンを保存することが多いです。
そして、提出された書類は、一定期間厳重に保管する必要があります。このように、古物を売却する際には、法律に基づき、身元確認と身分証の提示が求められるのです。
帳簿に顧客情報を記録する理由
買取店は帳簿に顧客情報を適切に管理することで、盗品が発見された際に迅速な対応が可能となります。
例えば、万が一、盗品と知らずに買い取った商品を販売してしまった場合でも、出所や流通経路を容易に把握できるため、犯罪防止に役立ちます。また、コピー品や模造品、偽造品が判明した場合も同様です。
これらは知的財産権の侵害に該当し、古物営業に限らず商標法や不正競争防止法に抵触します。
さらに、本物として偽って販売した場合は、詐欺罪に問われる可能性もあります。そのため、買取店では、偽造品や模造品の売却が発覚した場合、即座に警察へ相談する対応が求められます。
一方で、買取業者が取引内容をずさんに管理していたことが明らかになった場合、行政からの指導が入る可能性があり、最悪の場合、営業停止処分を受けることも考えられます。
このように、顧客情報を帳簿に記録することは犯罪の防止に寄与するのです。
買取時に使える身分証明書
買取時に使用できる主な身分証明書は、以下の6種類です。
・運転免許証
・保険証
・パスポート
・マイナンバーカード
・住民基本台帳
・特別永住者証明書、または在留カード
では、それぞれを確認してみましょう。
運転免許証
運転免許証を身分証明書として利用する人も多いかもしれません。
しかし、身分証明書は原則として本人名義のもので、現在お住まいの住所が記載されていることが必須です。もし運転免許証の住所が更新されていない場合は、使用できないため注意が必要です。
住所変更をした際は、運転免許センターなどで更新手続きを行うと、裏面に新しい住所が記載されます。その場合は、両面を提出する必要があります。
保険証
保険証には、健康保険証と国民健康保険証の2種類があります。
健康保険証には表面に住所が記載されていないため、裏面に住所を記入して提出する必要があります。宅配買取などでコピーを提出する際は、個人情報保護の観点から「被保険者記号・番号」を必ず黒塗りして、見えないようにしましょう。
パスポート
パスポートを身分証明書として利用する際には、顔写真のページを提示します。また、最終ページの所持者記入欄に、氏名、住所、電話番号を自分で記載する必要があるため、記入漏れがないように注意しましょう。
ただし、2020年2月4日以降に発行されたパスポートには住所の記入欄がありません。
そのため、住所が記載されていない新しいパスポートは、発行日から3カ月以内の公共料金の領収書や住民票など、現住所を確認できる補助書類と併せて提出する必要があります。
なお、詳細は店舗によって若干異なる場合がありますので、ホームページで確認するか、事前にお問い合わせすることをおすすめします。
マイナンバーカード
マイナンバーカードも身分証明書として利用できます。
裏面には個人番号が記載されていますが、これは店舗で保管できないため、マイナンバーカードは表面のみの提出となります。現住所の確認が必須ですので、事前に住所更新を済ませておく必要があります。
住民基本台帳
住民基本台帳を身分証明書として利用するには、表面に写真が入っていることが条件で、裏面も一緒に提出する必要があります。また、写真なしのタイプも発行できますが、これは身分証明書として利用できないため注意が必要です。
特別永住者証明書、もしくは在留カード
外国籍の方は、特別永住者証明書または在留カードを持っていれば、身分証明ができます。運転免許証や住民票が用意できなくても、これらの書類が身分証明書として利用できます。
買取時に身分証明書として認められにくいもの
買取時に身分証明書として認められにくいものは、以下の4種類です。
・マイナンバー通知カード
・期限切れの住民票
・期限切れの印鑑証明書
・公共料金の領収書
では、それぞれ確認していきましょう。
マイナンバー通知カード
マイナンバーカード申請前の通知カードは、一般的に身分証明書として認められていません。マイナンバーや住所が記載されていますが、買取店では身元確認のための書類として扱われない場合があるため、注意が必要です。
期限切れの住民票
期限切れの住民票は当然ながら、身分証明書として利用できません。
本来、住民票には期限はありませんが、買取店などの提出先では、発行から3カ月以内という期限を定めていることがほとんどです。そのため、住民票は3カ月以内のものを用意しましょう。
期限切れの印鑑証明書
住民票と同様に、期限切れの印鑑証明書も身分証明書として利用できません。
本来、印鑑証明書も期限はありませんが、買取店などの提出先では、発行から3カ月以内という期限を定めていることがほとんどです。そのため、印鑑証明書も3カ月以内のものを用意しましょう。
公共料金の領収書
公共料金の領収書1点だけで身分証明書の代わりとするのは難しいです。一般的には、身分証明書の補助書類として扱われることが多く、以下の条件を満たすことで利用できます。
・公共料金の領収書に加えて、もう1点の身分証明書が必要
・本人名義であり、現住所が記載されている
・電気、水道、ガス、NTTの領収書
・発行から3か月以内のもの
・原本であること
このように、他の書類と併せて提出することで、身分証明書としての役割を果たすこともあります。ただし、店舗によって条件が多少異なる場合がありますので、詳細はホームページなどで確認しましょう。
買取時に身分証明書がいらない場合もある
買取時の身分証の提示が必要ない場合もあります。主に、買取金額が1万円未満の場合や、同じ顧客から同じ商品を再度買取する場合などが挙げられます。それぞれについて説明します。
・買取金額が1万円未満の場合
買取金額が1万円未満の場合には、身分確認が必須ではなくなります。
ただし、バイクやその部品、ゲームソフト、映画や音楽を記録したDVDやCD、書籍などは盗難が多いことから、例外として身分証の提示が求められることがあります。
・自店舗が売却した商品を同じ顧客から再度買取する場合
売却した商品を同じ相手から再度買い取る場合、窃盗の可能性が低いため、身分証の提示が免除されます。
しかし、店舗は同じ商品と人物の確認が必要になるため、ほとんどのケースで本人確認が求められます。また、法律上、身分証の提示が必要なくても確認を行う店舗は多いです。
これは、金額に関わらず盗難の可能性があり、真面目に店舗運営をしている場合、きちんと確認しておく必要性を感じているためです。
そのため、基本的には身分証の提示を求められると認識しておくほうが良いでしょう。
法人が買取時に必要な身分証明書
法人買取の際に必要な身分証明書は以下の3点です。
・登記事項証明書の原本、または印鑑登録証明書の原本
※上記はいずれも3カ月以内に発行されたものになります。
・社員証または名刺
・担当者の身分証明書
これらの身分証明書を基本的に提出する必要があります。
ただし、店舗によって規約が異なる場合があります。例えば、住民票が必要だったり、古物商であれば古物商許可証が求められることもありますので、事前に問い合わせて確認することをおすすめします。
対面買取と非対面買取では必要な身分証明書が異なる?
買取に必要な書類は、対面買取か非対面買取によって異なります。以下では、それぞれのケースで必要な身分証明書について解説します。
・対面買取で必要な身分証明書
対面買取では、主に運転免許証や健康保険証が求められることが多いです。
提示する身分証明書は、現在有効なものでなければなりません。場合によっては、身分証明書だけでは確認が不十分と判断され、勤務先などに問い合わせが必要になることもあります。
・非対面買取で必要な身分証明書
一方、宅配買取などの非対面買取では、顔写真付きの身分証明書の提出が一般的です。
現在では、非対面での身分証明が簡略化されており、ホームページ上で身分証明書の写真をアップロードすることで確認が完了する場合が多いです。
ただし、業者によっては、本人確認書類(コピー)の送付を求められることもありますので、事前にホームページで詳細を確認しておくことをおすすめします。
まとめ
今回は、買取の際に必要な書類についてご紹介しました。
多くの場合、運転免許証、保険証、パスポート、またはマイナンバーカードのいずれかを提出することが一般的です。ただし、買取業者によってはルールが多少異なることもありますので、事前にホームページで確認しておくことをおすすめします。
買取を検討している場合は、必要な書類を事前に準備し、スムーズな取引を心掛けましょう。