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「ブランド品の鑑定士」ってよく聞くけど、これは資格なの?
メディアや新聞の折込チラシ、雑誌などでもブランドリサイクルのショップが「鑑定士」という紹介で露出したりしていますよね。まず結論を言うと、ブランド鑑定士という資格はありません。
(注意:民間の任意団体が独自でそのような資格を設けてる場合もあります。)
また宝石業界にも、ダイヤモンドの4C、宝石用の器具の使い方、ダイヤモンドの歴史・結晶学・採掘方法・類似石・流通・広告、グレーディング実習、鑑別実習等を任意団体(GIA JAPANなど)が行う宝石の鑑別・鑑定のスペシャリスト『宝石鑑定士』の講座、資格試験があります。
古美術の世界でも、自ら画廊や古美術商などを経営し、絵や美術品の価値を見抜くプロとして、『美術鑑定士』と呼ばれる人たちがいます。
しかし、ルイヴィトンやロレックスなどのブランド鑑定というものは、そのブランドを所有する会社にしかできません。「鑑定する」ということは、その価値を「保障する」ということになり、ブランドを所有する会社でない限り判断基準・権利はないのです。
確かに最近メディアやチラシ、雑誌などで「ブランド鑑定士」というものをよく目にしたり耳にしますが、実は勝手に名乗ってるだけなんです。つまり、ブランド品に関しては「査定」、「目利き」までしか出来ないのです。
もちろん当社をはじめ同業他社(リサイクルショップや質屋など)は、「査定」「目利き」までしかできませんが、ブランドを所有してる会社の判断基準(つまりは鑑定基準)に近づけるよう日々努力しております。
必須知識!古物営業法とは
警視庁のホームページには、古物営業法について、以下のように記載されています。盗品等の売買の防止、被害品の早期発見により窃盗その他の犯罪を防止し、被害を迅速に回復することを目的としています。
(警視庁「古物営業法の解説」より引用)
盗品の売買以外にも、偽ブランド品の取引の温床となることもあることから、古物営業を行うためには、身元をしっかりと証明する必要があり、そのために古物商許可の申請を行う必要があるのです。
【古物の定義】
古物営業法施行規則で定められる「古物」とは、「一度でも取引をされたことのある物品」のことです。未開封・未使用の新品であっても、一度でも使用するために取引されたものであれば、「古物」という扱いになります。いわゆる「新古品」も、法律上では「古物」です。法律には以下の13品目が、古物として定められています。
1.美術品類
2.衣類
3.時計・宝飾品類
4.自動車
5.自動二輪車および原動機付自転車
6.自転車類
7.写真機類
8.事務機器類
9.機械工具類
10.道具類
11.皮革・ゴム製品類
12.書籍
13.金券類
古物営業とは「古物」の「売買」「交換」「委託を受けて売買」「委託を受けて交換」を行うのが、古物営業です。古物営業には、以下の種類があります。
1.古物商(1号営業)
古物の売買・交換、または、委託を受けて売買・交換を行う業態のことです。以下のようなものが当てはまります。
・リサイクルショップ
・古本屋
・古着屋
・中古車販売
・中古パソコン販売
・中古CD、DVD、ゲームソフト販売
・金券ショップ
・古美術商
2.古物市場主(2号営業)
古物商同士での古物の売買、交換を行うための「古物市場」を経営する業態のことです。
3.古物競りあっせん業者(3号営業)
古物売買の斡旋を競りの方法で行う業態のことです。リサイクルショップの開業には、古物商(1号営業)の許可証があれば問題ありません。
古物商許可の申請について
古物商許可の申請は、営業を行う住所を管轄する警察署で行います。古物商担当係で申請書類をもらい、必要事項を記入し、身分証明の書類や営業所となる物件の使用承諾書といった書類を揃え、窓口で申請を行えばOKです。
申請が受理されれば、1ヶ月半~2ヶ月程度で許可が下り、古物商許可証を取得できます。
古物営業における義務について
古物商許可の免許を受けた業者には、いくつかの「遵守事項」を守る義務があります。
・「古物商許可プレート」を、店舗や事務所の見やすい場所に掲示する
・営業所ごとに、管理者を1人ずつ置く
・買取や委託の際には、相手方の身分を確認し、取引内容と共に帳簿に記録する(もし盗品や不正品の疑いがある場合には、警察に申告)
・行商、競り売りの際には古物商許可証を携帯しなくてはならない
・古物の買い受け、交換、またはその委託を行うには営業所か取引相手の住所で行う
・他人に名義貸しを行ってはならない
扱う品目によっては、売却時にも身分証明の提示を求めなくてはならないなど、細かい規定もありますので、営業を行う前に確認しておきましょう。
まとめ
リサイクルショップの運営には、関連する法律がいろいろとあります。複雑に感じるかもしれませんが、営業にあたって一度やり方を覚えてしまえば、特別気にすることが多いわけではありません。法律や制度は、強力な味方にもなるものです。