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銅鏡とは?時代や想いによって変わる銅鏡の種類や価値を解説

銅鏡とは?時代や想いによって変わる銅鏡の種類や価値を解説

青銅鏡は、弥生時代に中国から伝わりました。古代の日本では、鏡には神秘的な力があると信じられており、祭礼や魔除けの道具として使用されています。そこで今回は「銅鏡」とはなんなのか、また、その種類や価値についてご紹介します。

銅鏡とは?

銅鏡について漠然とした知識はあっても、詳しい意味や機能については知らない方が多いのではないでしょうか。まず最初に「銅鏡」とはなんなのかを解説しましょう。

銅鏡の意味

銅鏡とは、銅に錫と鉛を入れた合金である「青銅」で作られた鏡です。

日本では弥生時代に朝鮮半島や中国から伝えられたといわれています。鏡の形は円のものが一般的で、裏面の中央には紐を通すための「中」という凹凸があります。

「中」の周りには複数の模様が鋳込まれており、その模様の変化から製作年代を知ることができます。現在、博物館で見ることができる青銅鏡は、裏面が見えやすいように展示されていることが一般的です。なお、鏡の部分は緑色に酸化して鏡としては使えません。

しかし、製造直後の銅鏡の鏡は、黄金や銀白色の金属独特の光を放っていたといわれています。

銅鏡の機能

宗教的・儀礼的な道具として機能し、西洋からガラス鏡が伝来して普及する近代まで広く使われていました。

また、日本の近世には、大名などの婚礼道具として銅鏡などが残りました。

銅鏡の用途とは?

銅鏡は、昔のまつりごとに使用されていました。また、所有者の階級を表す道具でもありました。ここでは、鏡胴の主な使用用途について2つご紹介します。

まつりでの供物

銅鏡は、古墳時代の「まつりごと」に使用されていました。

古墳時代の「まつりごと」とは、神や精霊への祈願であり、供え物として銅鏡のほか馬具や武具、装身具、土器が使用されていたことが分かっています。

権威や階級の推察

銅鏡はかつて、物や光を反射する性質から、「特別なものを秘めている」と信じられていました。

弥生時代には人々の間に社会的格差が生じるようになり、地位の高い有力者は銅鏡を権威の象徴として多く所有するようになりました。銅鏡は死後、銅器や勾玉とともに墓に埋められたため、墓具の数や種類から被葬者の階級を判断することができます。

弥生時代末期から古墳時代に入っても、権威の象徴として銅鏡が使われ続けました。有力者の墓からは、墓具である銅鏡が数多く出土しています。

時代で移り変わる銅鏡の種類

銅鏡の種類は、時代とともに変化しています。日本と中国で異なる変化の歴史があるため、それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。

日本の銅鏡の種類

日本では弥生時代から古墳時代にかけて、中国の漢、三国、南北朝時代に造られた中国鏡が入ってきました。そして、和鏡を独自に作り上げたのです。

さらに、古墳時代末期(飛鳥時代)から平安時代にかけて、日宋貿易や遣唐使の影響で唐や宋の中国鏡が日本に大量に入り、和鏡が造られました。

工芸技術や意匠の発達とともに、日本の鏡は海上交易によって中国や朝鮮半島をはじめとした東アジアエリアに流通し、重宝されるようになります。

中国の明代に文様鏡が作られた後、中世には日本でも文様鏡が作られるようになりました。

日本において銅鏡は、武士や貴族など権力者の持ち物でしたが、徐々に広がり、江戸時代には庶民の間にも普及しました。

中国の銅鏡の種類

中国初の銅鏡は、新石器時代に中国北西部の甘粛省と青海省の斉家文化(紀元前2400年~紀元前1900年)で使用されていました。地方のものでしたが、のちに殷、周の時代にも生産されるようになります。単純な幾何学模様や模様がなく、量もそれほど多くありません。

春秋・戦国時代に入ると、さまざまな青銅鏡が大量に生産されるようになりました。それぞれの見た目は古代中国の世界観、宇宙観を表しています。

漢代になると、これまでの伝統に基づき、流行した道教の神や不死の世界の表現を取り入れたデザインが用いられました。長期支配と広い土地を得た統一王朝である漢王朝のもと、高い技術力と、個性的なデザイン、大量生産に成功し、銅鏡文化は絶頂期を迎えます。

前漢を凌ぐ世界的な帝国として反映した隋、唐の時代には、吉祥や繁栄の象徴である華麗な文様の銅鏡が流行し、シルクロードからたどり着いた外国の文様も取り入れられ、新たな青銅鏡のスタイルが誕生しました。

宋代以降、原料の不足から一時質が下がったものの、思想や学問の発達、日用品としてニーズなどの影響から、レトロな意匠や吉祥文様を施し、実用的な銅鏡が作られるようになります。

そして、価値の高い銅鏡が大量に生産され、日本各地や朝鮮半島など、当時発達していた東アジアの海上交易路の各地に流通したのです。

想いや時代が反映される銅鏡

銅鏡には、時代ごとの思想や価値観が反映されています。ここでは、方格規矩四神鏡と三角縁神獣鏡について詳しくご紹介します。

方格規矩四神鏡

方格規矩四神鏡(ほうかくきくししんきょう)は、中国の前漢末から後漢にかけて作られた銅鏡で、日本の弥生時代に相当します。

紀元前1世紀から紀元後2世紀に作られた方形四神鏡の主な紋章は、中央に方形文様(正方形)、その間に羅針盤や定規を模したT字、L字、V字の幾何学文様(矩形)が配され、四神、瑞獣、聖賢が配されていることが特徴です。

正方形は大地、円形は天を表し、天地の構造を表現しています。また、その間に配置された文様によって、当時の宇宙観を表しているとされてます。

さらに、正方形の内側に「子・丑・寅」と干支の文字が描かれていることも特徴です。正方形の標準的な長方形の鏡は、中国の鏡の一種で、「局文鏡」や英語で「TLV mirror(TLV鏡)」ともいわれます。

三角縁神獣鏡

三角縁神獣鏡(さんかくえんしんじゅうきょう)は、鏡に光を当てて壁に反射させた際に、裏面にある文様が映し出される「魔鏡」です。

縁部の切断面が三角形になっており、生き物や神の文様が入っています。多くは古墳時代前期の古墳から出土し、サイズは大きく、面径は約20〜23cm前後です。

三角縁神獣鏡には、三角縁同向式神獣鏡、三角縁三神三獣鏡などの種類があります。

銅鏡の価値は?現在の価格相場

銅鏡は、状態によって価格相場が異なります。

未使用に近い物であれば約40,000円、状態が悪いものは約3,000円ですが、あくまでも相場です。

年号が入っている銅鏡は、価値が高くなる傾向があります。

まとめ

銅鏡は骨董品として価値が高いため、所有している場合は美術品の鑑定を得意とする専門業者に相談する必要があります。銅鏡の歴史を理解したうえで、どのくらいの価値があるものなのかを確認しましょう。

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