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フランスを代表する磁器・焼き物「リモージュ」とは?

フランスを代表する磁器・焼き物「リモージュ」とは?

焼き物や陶磁器は世界中の様々なところで昔から作られていますが、セーブルやパリ窯で有名なフランスにおいて、もっとも代表的で人々から愛されているのはリモージュ磁器(リモージュ焼き)ではないでしょうか。ここではフランス旅行のお土産としても有名なリモージュ磁器について、その魅力と歴史を紹介します。

リモージュ磁器(リモージュ焼き)とは

リモージュとは、七宝焼きや焼き物の街として世界的に有名なフランスのリムーザンという地方における中心都市の名前であり、その地方でつくられる磁器を総称してリモージュ磁器(リモージュ焼き)と呼びます。リモージュの街の美術館には七宝焼きやリモージュ焼きをはじめとする世界各地の陶磁器が展示されており、まさに陶磁器の街と言っても過言ではないかと思います。

リモージュ磁器の最大の特徴はその製法で、素焼きしたものに絵付けをする通常の方法とは異なり、白い生地に絵付けをしてからそれを焼き付けるという手法になります。これによりその透き通るような白の美しさは「リモージュの白」と言われ、高い評価を得ています。

この手法によりリモージュ磁器は透き通るような白磁に繊細で色鮮やかな絵付けがなされているのです。気品あるデザインの最古の窯「ロワイヤル・リモージュ」をはじめ、「ベルナルド」、「アビランド」など数多くのブランドが今なお第一線で活躍しているのです。

フランスの三ツ星レストランやセレブも愛用するリモージュ

リモージュのテーブルウェアは、洗練されたデザインと上品な佇まいは、フランスの多くのレストランでも愛用され、三ツ星レストランの一流シェフたちもこぞって愛用しているようです。

さまざまな装飾が施された小物入れはリモージュボックスと呼ばれ、ジュエリーなどの貴重品をしまっておくものとして広く愛用されており、大切な人へのプレゼントとしても好まれております。

各国の大統領や貴族、著名人などのセレブにもリモージュボックスのコレクターが多く、ヒラリー・クリントンも愛好家として有名です。ホワイトハウスでは大統領就任時にリモージュボックスを美術コレクションに追加するのが慣わしとされているそうです。

リモージュ磁器のはじまり

ヨーロッパでの磁器の始まりは16世紀ごろで、中国から持ち込まれたものとされており、国内で生産できるようになったのは、18世紀初期のドイツのマイセンが最初でした。

マイセン近郊では原料となるカオリンが採れることから発展したものでありましたが、マイセン自体原料やその製造方法を外部に出すことはなく、依然としてヨーロッパ全土には広がらないものでした。

フランスでもやはり、マイセンの独占状況を鑑み国内での磁器の製造は急務とされていましたが、それには製造技術と原料の採掘が課題となっておりました。

1768年にとあることから石鹸として使っていた白い粘土がカオリンであると確認されます。これを受け、地域の産業育成に力を入れていたリムーザンの知事がリモージュに「アルトワ伯爵製陶所」を立てる事となりました。

その後、もともとのリモージュが持つ七宝焼きなどで培った技術やデザインを流用する形で装飾師により多様なモチーフをデザインされていました。しかし、経営不振により製陶所自体の売却が行われたり、フランス革命の影響で贅沢品とみなされ、磁器の製造自体が禁止されてしまいます。

19世紀初頭までは、世界的に見てとてもメジャーと呼べるような産業品ではありませんでした。

リモージュ磁器の発展

19世紀初頭、リモージュ近辺では、6つの製陶所が建てられており、後年の評価によれば、このころから質の良い磁器が製造され始めたと評されています。もともとアルトワ伯爵製陶所に在籍しており、その技術を高く評価されていた技術者の絵ティエンヌ・ベニョルが「セイニー伯爵製陶所」を引継ぎ、「ベニョル製陶所」とし、1802年のパリ芸術産業展示会に出展した作品が高評価を受けております。

実は、当時のリモージュ焼きはまだ微かに黄色味がかった素地だったと言われており、今のリモージュ磁器の白さを開発・発展させたのもこの時期で、1788年に「アルトワ製陶所」を父から引き継いだフランソワ・アリュオーと言われております。

アリュオーは鉱物学者でもあり、金属酸化物を用いた独特の絵付け手法により、その他にも茶色の新色も編み出しております。この時期から、パリの職人たちがリモージュに移住し、レリーフや人物像と言った立体装飾、そして絵付けのデザインに大きく影響を与えたとされています。

リモージュ磁器が世界で有名になる火付け役となったのが、1842年にニューヨークからリモージュを訪れたダビド・アビランドです。数年間の滞在中に多くのリモージュ磁器を親戚を通じてアメリカに紹介いたしました。

これによりアメリカでの販路が広がり世界へと評価が広がるのです。1851年には、ロンドンで開かれた国際万国博覧会に、多くの窯が出品し評価を得ることになり、こと「プイヤ製陶所」の出品した作品は極めて美しく質の高い白の傑作と評価されました。

こうして、リモージュ磁器は名実共に急成長と遂げる事となるのです。またこのころから多くの製陶所が製品に窯印を付けるようになったと言われています。

現在のリモージュ磁器に至るまで

20世紀に入るころには、石炭焼き上げの技法であったり、釉薬を使わない素焼きの作品も発表され、使用可能な色の種類も増加したことにより、さらなる進化を遂げる事となります。

また絵付けの方法として、素焼きに絵付けをして焼くのではなく、白い生地に絵付けをしてからさらに焼き付けています。これは、現在のリモージュ焼きの技法であり、さらなる繊細で鮮やかな絵付けが可能になりました。

その後も様々な技術の革新と時代の流行をモチーフとして取り入れ、今なお多くのモチーフやデザインの開発が続けられております。自国以外で生産することが多くなったヨーロッパの陶磁器ですが、リモージュは昔から変わらずフランス国内で制作することにこだわり、現在も多くの人々に愛されております。

まとめ

フランスのリモージュは、世界中で愛されています。美しい白に施された繊細なデザインは、多くの人々の心を魅了してきたことでしょう。国内外で高い評価を得るリモージュの作品は、買取査定の評価が高い品物の一つです。

実は、「白い宝石」などと呼ばれリモージュはその白さと繊細な絵付けのデザインが評価のポイントとされていますが、コレクターの世界では骨董としての価値もあります。リモージュの初期の作品、つまりは少し黄色味がかったものや窯印がないものなども高く査定されることがあります。

傷やシミがついてしまったものであっても、作品の多くが高値で取引されています。リモージュの買取を検討している方は、「買取大吉」にお気軽にご相談ください。

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