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日本画家『中島千波』について
1945年 日本画家中島清之の三男として疎開先の長野県に生まれる
1965年 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻に入学
1992年 長野県上高井郡小布施町におぶせミュージアム・中島千波館(名前変更後)が開館する
数々の展覧会を行い2000年に東京芸術大学美術学部教授に就任する。現在も精力的に活躍されており、今後の活動や評価も楽しみな作家さんのひとりです。少し話が逸れますが、よくお客様より<作家が亡くなった後作品の値段が上がりますよね?>という質問をいただきます。みなさん勘違いされているようですが、基本的には作家が亡くなった後に市場価値は上がりにくいです。
ただ、芸術的価値の側面では再評価される場合はあります。値段が付く市場価値と学問的な芸術的価値は、必ずしもイコールの関係ではないので注意が必要です。ゴッホなどの一部の作家は亡くなった後に評価されて、天文学的な金額まで値上がりしました。
日本人にとっては、バブル期に斎藤了英が<医師ガシェの肖像>を約124億で購入したことが思い起こされるでしょう。多くの作家の場合は、生前にどれだけ活躍するかが市場価格に影響を与え、世界的に評価される作家の場合は死後に再評価されて金額が値上がりするケースがあります。
中島千波の作品の買取価値を決めるポイントについて
技法は日本画であると高額となる前述のように中島千波は、日本画や水彩画、版画など様々な技法の絵画を制作していますが、その中では、やはり日本画の価値が高く、取引価格はより高額となる傾向にあります。日本画は1点ものなのに対し、版画は数十枚から数百枚制作されることもあり、価値に差が出てきます。
取引価格は、日本画でも版画でも作家によりある程度決まっている場合があるため、売却前に中島千波の作品の取引価格について確認できたら確認したほうがいいでしょう。
サイズが大きい絵画は高額となる
日本画、洋画に限らず、一般的に絵画は、希少価値が高い作品などの特殊な例を除けば、サイズが大きいほうが高額となります。作家によっては、サイズ毎の価格が決まっていることがあり、絵画のサイズからだいたいの価値がわかる場合もあります。作品の内容や状態により価値か変わる場合もありますが、売却する際の買取価格の目安にはなるかもしれないので、事前に確認しておくのもいいでしょう。
中島千波の署名や落款がある作品
作中に中島千波の署名や落款がある作品は、収集家の需要が高くなることから、ない作品よりも価値が高くなることがあります。中島千波の作品と判明していれば、署名や落款の有無は、作品の真贋には影響を与えないが、署名や落款は、この作品を完成した、という印と見る向きがあり、どちらかといえば署名や落款がある作品のほう好まれる傾向にあります。
共箱、共シールがある作品
日本画は桐箱に収める場合が多いですが、その桐箱に作者が署名や作品名などを記載したものを共箱(ともばこ)と呼びます。この共箱は、作者がこの作品を自分が手掛けた作品と認めた証拠となることから、作品と一緒に共箱があると、作品の価値がより高くなり、取引価格も高くなる傾向にあります。
箱に収められない日本画の場合は、裏側に作者がサインや作品名などを記載した紙片を貼ることがあり、これを共シール(ともしーる)と呼びます。この共シールも共箱同様に、作者がこの作品を自分が手掛けた作品と認めた証拠となることから、共シールが貼ってある作品は共箱と同様に作品の価値が高くなり、取引価格も高くなる傾向にあります。
状態が良い作品
中島千波の桜花図は、高額で取引されることが期待される作品でありますが、その中島千波の桜花図であっても、状態が悪い場合は取引価格は下がる可能性は高く、場合によっては取引を断られることもあります。作品の状態は、作品の価値に大きな影響を与える場合が多いです。作品の状態が悪い場合としては、日光が当たったことによる日焼けやカビ、シミ、作品の破けや欠損などがあるが、これらは、作品を保管する環境や方法が、作品を保管するのに適していなかった可能性が高いです。
作品の状態を悪化させ作品の価値を下げないためにも、作品を保管する環境や方法に注意して、状態を悪化させないようにしたほうがいいでしょう。
高価買取しやすいモチーフは桜
何といっても中島千波といえば【桜】でしょう。その為、買取に関しても桜が描かれている作品は日本画・版画(リトグラフ・シルクスクリーン・木版画)を問わず、最も評価が高いといえます。1981年から2005年の間に473点の版画(リトグラフ88点、木版149点、シルクスクリーン236点)を制作しており、流通量は比較的多いですが、桜のモチーフに関しては大きな値下がりはしていない印象です。
十年前のデータですので現在はさらに多くの作品が世に出ています。日本人作家でも有数の数でしょう。また、商売上のタイミングで、桜が咲く前に需要が高まります。年末年始から2月頭くらいにかけて最も動きが出てくるといえますので、何年も飾っていない中島千波作品をお持ちの方は、このタイミングでの売却がベストと言えるでしょう。
まとめ
日本には四季があります。近年はバランスが崩れて春と秋が多少短くなっている気がしますが、それでもなお桜は咲きますし、紅葉も見ることが出来ます。日本画というジャンルは日本に根差した表現方式ですので、四季と関係した作品が多く制作されております。一年中インテリアの一部として飾って楽しむ作品もよいですが、日本人だからこそ四季に合わせて作品を架け替える楽しみもいかがでしょうか。