ルイ・ヴィトンの黎明期
創業者のルイ・ヴィトンは16歳にして、生まれ故郷のフランス・ジュラからパリに向けて旅立ちます。パリまでの400キロの道のりを、なんと歩いて移動したそうです。そうしてたどり着いたパリでルイ・ヴィトンは「layetier-emballeur-malletier」、日本語にすると「荷造り用木箱製造および荷造り職人」の見習いとして働きます。1852年、31歳の頃には皇后ウジェニーの身支度を任されるほどの腕利きとなり、その評判は皇后以外の富裕層にも知られていました。この頃は産業革命が本格化し、輸送手段が発達、ルイ・ヴィトンは革新的で高品質な旅行鞄の必要性を感じていました。
1854年、彼はクレマンス=エミリー・パリオーと結婚し、自身のトランク製造店であるルイ・ヴィトンを設立し、パリのヴァンドーム広場近くのヌーヴ・デ・カプシーヌ通り4番地に最初の店を構えました。ヴァンドーム広場は高級ホテルが軒を連ね、世界中の富裕層が宿泊する場所で、この頃はそんな宿泊客に向けて宝飾店や仕立屋が集まるエリアとなっていました。その後、ルイ・ヴィトンはフラット トランクを発明しました。これは、従来の湾曲したトランクよりも簡単に積み重ねることができるため、大荷物でも場所をとらないというメリットがありました。
ブランドの成長期、ダミエやモノグラムの誕生
メゾンは業績をあげ続け拡大し、アトリエは河川輸送を活用できるセーヌ川に接した、パリ郊外の町アニエールに移されました。ヴィトン夫婦の家はアトリエの隣に隣接されました。これは現在、ルイ・ヴィトンの博物館となっています。
さらに息子のジョルジュ・ヴィトンのイニシアティブにより、ルイ・ヴィトンは海外進出をはじめ、1885年にロンドン、ニューヨーク、そしてフィラデルフィアに国外で最初の店舗をオープンしました。すでにこの頃からルイ・ヴィトンの偽物が登場し、本家を悩ませました。数年後、「ルイ・ヴィトンの登録商標」と刻まれたベージュと茶色の市松模様のプリント(ダミエ)でルイ・ヴィトン製品をドレスアップすることで、偽造品に対処します。1892年に父であり創業者のルイ・ヴィトンが亡くなった後、ジョルジュはメゾンを引き継ぎます。4年後の1896年、ジャカード織機で織られたリネンの有名な“LV”モノグラムキャンバスが張られたトランクが誕生しました。
1959年、ルイヴィトンのモノグラムキャンバスはさらに進化し、ジョルジュの長男であるガストン=ルイとその息子のクロード=ルイが、コットンリネンキャンバスにPVCコーティングを施したモノグラムキャンバスを開発します。1987年、ヴーヴ・クリコすでに傘下に収めていたルイ・ヴィトン SAは、ワインやスピリッツを取り扱うモエ・ヘネシーと合併して、世界最大級のコングロマリットLVMH(エルブイエムアッシュ:モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)を形成しました。その2年後、ベルナール・アルノーがLVMHの支配権を握り、ルイ・ヴィトンブランドの裾野を広げ、プレタポルテ(既製服)、靴、時計、香水なども展開していくことを決定します。
ルイ・ヴィトンの何がいいの?
このように優れたトランクメーカーとして歴史が始まり、今や世界最大のブランド帝国のトップに君臨するルイ・ヴィトンですが、「何がそんなにいいの?」と素朴な疑問を抱える人も少なくないのではないでしょうか?特にルイ・ヴィトンの十八番であるバッグに注目してそんな疑問に答えてみます。
丈夫
先述のようにルイ・ヴィトンは上質なトランクメーカーとして名を馳せたブランドです。旅行鞄の老舗なので、縫製の丁寧さや生地の耐久性に定評があります。また、モノグラムキャンバスは革ではないため雨にぬれても変質しません。
流行を超越している
定番のモノグラムやダミエは毎シーズン新しいデザインが発表されていますが、もはやルイ・ヴィトンを象徴するアイコンとして、トレンドに左右されることのない明確な世界観を持っています。そのためTPOを選ばず、あらゆるシーンで使える上、正規店では修理を受け付けているので、永く愛用することができます。
知名度
ルイ・ヴィトンは数ある高級ブランドの中でも、売上(圧倒的)1位を誇ります。世界中で高級ブランドとしての名声を確立しているため、普遍的なブランド価値があります。そのため、不要になっても状態が良ければ、高値で買取ってもらえる場合が多いです。
バリエーション
トランクメーカーとしてスタートしたルイ・ヴィトンですが、現在は幅広くアイテムを展開しています。バッグもトランクから、膝裏に乗るほどの“BBサイズ”のハンドバッグまで、非常に多様なモデルが展開されています。定番のモノグラムから最旬のアーティストの草間彌生コラボレーションモデルまで幅広いチョイスがあるので、きっと自分にぴったりのバッグが見つかります。
まとめ
世界的に有名なブランド「ルイ・ヴィトン」。街を歩いていても目にしない日はないというくらい、ルイ・ヴィトンのバッグを目にします。そんなに人気の「ルイ・ヴィトン、何がいいの?」と思うほどですが、ルイ・ヴィトンのバッグは耐久性やデザイン、使い勝手、知名度など総合的にパフォーマンスに優れたアイテムが多いというが人気の秘密なのではないでしょうか。