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改めて黒真珠(タヒチアン・ブラックパール)とは
POERAVA(ポエラヴァ タヒチアン・パール)
タヒチ語で「黒真珠」の事をポエラヴァ(POERAVA)と言います。
黒真珠と呼ばれる真珠は「黒蝶貝」から採れる黒真珠のみを言い「タヒチ産黒真珠」「タヒチアンパール」と呼ばれています。9割以上がタヒチで養殖されており、黒蝶貝自体が10~20cmほどの為、大粒の黒真珠は非常に希少です。最近は「白蝶貝」から採れるシルバー系の真珠を「南洋黒真珠」として市場でも見かけることもありますが、「白蝶貝」は20~30cmにもなる物もあるため真珠の球自体も大きくなりますが、「黒蝶貝」から採れるタヒチ産の黒真珠とは異なり価値も違います。
遠い昔からタヒチに伝わる伝説では、豊穣や戦いの神、オロが人々に黒蝶貝を与えたとか、オロ神がボラボラ島に住んでいた美しい女性に永遠の愛のしるしとして贈った、と言われています。また、黒蝶貝が神官や戦士の装飾品や釣り針の素材として重宝されていました。世界中の女性がその美しさに魅了されるタヒチアン・パールは、色、大きさ、形、光沢、表面の品質によって、バリエーションに富んでいるのが特徴。美しいタヒチアン・パールは透明度が非常に高いラグーンでしか採れないため、ツアモツ諸島とガンビエ諸島で主に養殖されています。
今もタヒチの女性は、デートや仕事へ行く時だけでなく、普段さりげなくパールを身に着けています。ネックレス、ピアス、ブレスレット、リングなど、様々なデザインや大きさのものを揃えて持っている人も少なくありません。タヒチアン・パールは男性のペンダントヘッドとしても人気があります。タヒチの黒蝶真珠養殖は1960年代に日本の技術がタヒチに伝えられ成功しました。養殖を成功させた室井忠六氏は、黒真珠の父とも呼ばれており、タヒチ政府から功績が称えられて勲章も授与されていらっしゃるようです。それまで黒蝶貝のほとんどはYシャツのボタンなどに加工されるだけだったのです。
宝石言葉・意味
宝石言葉:継続、実行力、意思を貫く、成功
意味:目標に向かって邁進(まいしん)し、成功をつかみ取る
タヒチパールとは、条件をクリアした良質な黒蝶真珠
黒真珠とは、一般的に黒い色をした真珠の総称をいいます。その中にはアコヤ真珠や淡水真珠を黒色染料によって黒く染めたり、放射線の照射による青変処理、銀塩処理などほかの化学薬品による黒色加工したものも含まれます。タヒチパールとは、タヒチ=フレンチポリネシア海域(500万平方km、およそEU全域の面積に等しい)に棲息する黒蝶貝を母貝としてタヒチで養殖されたものです。タヒチ政府によって定められた基準に従い検査され、納税し承認を受けて出荷された、良質の黒蝶貝養殖真珠のことをいいます。
タヒチパールは黒蝶貝と呼ばれる熱帯から亜熱帯の海に棲息する、幅15~20cmほどの大きな二枚貝を使って養殖されています。貝を開くと蝶の形に似ていることから、この名が授けられました。黒蝶貝の棲息する条件は、海が汚染されていない南洋の人里離れた潮通しのよい珊瑚環礁の内海域が、最も適しています。南の島、タヒチを中心としてフレンチポリネシア海域及びクック諸島、フィジー島などで養殖されていますが、特にタヒチで全世界の生産量の約95%以上が採れます。日本では戦前、沖縄とパラオで養殖され、現在は沖縄で養殖されています。タヒチパールを輸出するには、更に厳しい基準があります。
輸出検査の基準は真珠層の厚さが0.8mm以上あり、表面の80%以上が真珠層でてきていること、キズ面積が真珠表面の60%以内のもので、十分な照りを持ったものとされ、基準を満たさないものは輸出ができません。真珠層の厚さの計測はレントゲンとコンピューター化された装置で1個1個機械的に検査されます。輸出にあたっては1gあたり200Fcpおよそ230円の輸出税を納めるのです。
タヒチアンパールの魅力とは
タヒチパールの魅力はなんといっても多彩な色どりと様々な形があることです。まず色について、意外にもタヒチパールには黒の色素はありません。タヒチパールの色はダーク系が多いのですが実際には3つの色素が混ざりあって多彩な色を演出しています。3つの色素とは赤・青・黄色系で色の三原色と同じです。3色が混ざって黒色に見えます。そこに光の反射、拡散などによっておこる干渉が加わりシャボン玉がきれいな虹色のように見える現象がおきて多彩で神秘的な色を醸しだします。
次に形についてですが、様々な形の真珠が採れます。このように微妙な色あいと、1つ1つ違った形がタヒチパールの特徴であり、これが大変個性的な魅力となっています。
タヒチパールの品質を決める要素は何?
真珠の品質はマキ(巻き)、テリ(光沢)、色、カタチ(形)、キズ等の要素で決まりますが、実際に的確に評価できるノウハウを身につけるには長年の経験が必要です。熟練者はこれら要素別に評価することはなくこれらを総合して瞬時のうちに評価額を算出します。珠の選び方の基本となる品質を極める要素を説明します。
■マキ(巻き)
マキとは真珠の核を巻いている真珠層の厚さを表す言葉で真珠の価値を決める基本的な要素です。マキが厚い、薄いそしてまんべんなく均一性を持って核を取り巻いているかが評価の大切な要素です。例えば薄マキ珠は耐久性に問題があり評価が下がります。真珠層一枚の厚さは平均0.35ミクロン程ですので1mmの厚さは片側1~3mm程ありますからマキの厚さは十分です。
■テリ(光沢)
テリとは主に物理的現象の光の干渉によって生ずる干渉色のことです。水面上の油膜やシャボン玉の表面の虹色と同じ原理で発色します。この発色でテリが良いか悪いかが決まる訳ですが、これは真珠層が均一に、きめ細かく巻かれているか否かで異なります。干渉色が出る厚さは0.2mm~0.3mmの範囲内でおきます。
(テリは透明感や色調と密接な関係にあり真珠の表面光沢が良くても中身の透明感が無ければ良いテリは出ません。)
■色
真珠の色は干渉色と実体色と地色と呼ばれる3種類があります。干渉色は真珠層の中に含まれる色素と真珠層の中に入った光が屈折、反射、拡散し混ざり光のにじみを起こして発色します。実体色(ボディーカラー)とは真珠層を形成するコンキオリンと呼ばれるタンパク質に含まれている赤、青、黄色系の3つの色素成分のことです。
地色は真珠の核と真珠層の間に介在する有機質が半透明の真珠層を通して見える色です。この色はグレー系、褐色系の色に見えます。これら3つの要素が複雑に影響し合い神秘的な色を発するのです。
■カタチ(形)
真珠は一般に希少性から真円真珠が最も評価されていますが、最近ではより均整のとれた美しい形をしたドロップ形は真円より高く評価されます。またユニークな形のバロック、タヒチパールの特徴でもある真珠表面がリング状に波うった形のサークル珠など個性的な形があります。
■キズ
真珠でいうキズとは天然にできた凸凹のことで別名スポット、トッキといわれており、擦り傷や引っ掻き傷など後天的な傷とは分けて考えられています。キズはどうしてできるのか成因はよく分かっていませんが、殆どの真珠に存在します。それだけに無傷の真珠というだけで評価が上がります。
黒蝶真珠の形の種類
黒蝶真珠の形(シェイプ)は、ラウンドやセミラウンド、ドロップ(しずく型)、トップ、ボタン、セミバロック、バロック、ケシなど色々な形があります。主に、ラウンドとセミラウンドの形が多く産出され、その理由としては母貝に球体の核を挿入して養殖するためです。また、貝の中で自然に育まれるため、ドロップやバロックなど自然な風合いを感じるシェイプもあります。しかしケシだけは少し異なります。ケシ(芥子)とは無核真珠の呼名で、これは養殖の際に副産物として採取(浜挙げ)された真珠をさします。形を楽しむなら、バロックやケシがお勧めです。美しい海と母貝が育んだユニークでバリエーションに富んだ形を楽しんでいただけます。
芥子珠って何?
芥子(ケシ)珠は天然真珠と養殖真珠の2種類あります。天然真珠は貝の体内で偶然作られるものですが、アコヤ真珠の場合ほとんどが小粒であり芥子の実の大きさに似ているところから芥子珠と呼ばれるようになりました。これとは別に真珠を養殖する際に核と細胞を密着するように貝の体内に挿核するのですが、このとき密着せずに細胞だけが独立して真珠を作る場合があります。これも芥子珠(無核真珠)またはピース芥子と呼ばれます。この両者はピース芥子の方が若干大きいだけで外観上は区別がつきません。
一方、黒蝶貝や白蝶貝からも同じ原理で芥子珠が採れますが、貝が大きい分だけ芥子珠も大形になります。特にピース芥子は10mm以上に成長するものも珍しくありません。
冠婚葬祭すべての場でご愛用できる
黒蝶真珠は、黒色系の色味から仏事でご利用いただくことが定番のイメージとなっておりますが、仏事のみならず披露宴などの華やかな席でも全く問題なくご使用いただけます。黒色=弔事というイメージから、「華やかな席での黒蝶真珠の使用は失礼」とお考えになられている方もいらっしゃいますが、決してそのようなことはございません。また、カジュアルな普段のファッションアイテムの一つとしてももちろんご使用いただけます。
パールのお手入れ方法
パールは汗や酸、水に弱い宝石です。汗や皮脂が付着したままにしておくと、光沢が無くなり変色の原因になります。メイクやヘアセットが終わってから身に着け、外したらやわらかな布で優しく拭きましょう。表面が柔らかく傷がつきやすいため、他のジュエリーと分けて収納することも大切です。
まとめ
「タヒチパール」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説・歴史についてご紹介いたしました。6月の誕生石としても知られるパール。ぜひ守護石として身に着けてみてはいかがでしょうか?