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ジュエリー 宝石の刻印意味
宝石の価値は、一般的にカラット数(重さ)に左右されます。そのため、高級な宝石が留まっているジュエリーについては、その宝石の種類とカラット数を記載することが多いです。この刻印のことを「石目」や「キャラ目」と呼びます。石目・キャラ目の刻印方法としては、宝石の名称の頭文字と、キャラット数の数字のみを刻印することがほとんどです。たとえば、ダイアモンド(0.23カラット)を留めた指輪であれば、「D0.23」と刻印します。同じように、宝石がサファイア(0.23カラット)なら「S0.23」、エメラルド(0.23カラット)なら「E0.23」となります。
通常は小数点第2位までを刻印しますが、鑑定済みの宝石の場合は、スペースがあれば小数点第3位まで刻印することもあります。また、メインの宝石(中石)とサブの宝石(脇石)が留めてある場合は、両方のカラット数を刻印します(同じ宝石だったとしても、それぞれ刻印します)。ジュエリーの刻印には、「金属や宝石の品質」を示すものと、「持ち主の思いを込めたメッセージ」を表すものの2種類があります。
「金属や宝石の品質」を示す刻印は、ジュエリーが本物であるかどうかを証明するものなので、必ず確認することが大切です。小さい文字だからこそ紛らわしい刻印もあるので、購入前には必ずプロにも確認してもらいましょう。「持ち主の思いを込めたメッセージ」を表す刻印は、婚約指輪・結婚指輪に刻まれることが多く、大半のカップルが刻印しています。刻印できるスペースには制限があるので、どんな刻印が2人にとってベストなのかよく相談して、納得のいく刻印をしてくださいね。
イニシャルなど刻印有でも売れる?
夫婦で結婚指輪をつけているという人も多いことだろう。円満な夫婦関係が一生続けばいいのだが、人生というのはそううまくはいかないもの。というのも、価値観の違いなどにより、結果的に離婚となることもあるからだ。そうなると、結婚指輪が不要になる。
最近では捨てるのはもったいないということで、結婚指輪の買取を希望する人が増えている。指輪を売りたい時に、気になってくるのが結婚指輪の買取相場。カルティエやハリーウィンストン等の人気ブランドならまだしも、4℃やアイプリモ、ティファニーの結婚指輪であっても売ることができるのか、といった点だ。また、イニシャルやメッセ―ジといった刻印がある場合、買取してもらえないのではないかと不安になる人もいる。
素材としての買取
基本的に刻印に関しての買取はケースバイケースである。というのも、結婚指輪の買取は大きくわけて二種類の方法があるのだ。一つ目は指輪として、もうひとつは金やプラチナなど貴金属素材としての買い取りである。指輪として買い取る場合、刻印を消すことになる。つまり、指輪の刻印のある部分を削るのである。これには手間もお金もかかるため、その分買取価格が下がる。
また、ものによっては削ることができず、そうなれば「買取不可」ということで価格がつかないこともある。指輪を素材として買い取る場合には刻印はまったく関係がない。あくまでもその素材としてどれだけの重量があるのかというところが見られるため、刻印のせいで買取価格が下がるということはない。
刻印の種類
刻印の入れ方には2種類の方法があります。まず1つは、専用の機械を使って文字やモチーフを刻む「レーザー刻印」。もう1つは、熟練の職人が1つ1つ手作業で行う「手彫り」です。方法は異なりますが、どちらも素敵な刻印ができるので、安心して大切な指輪を預けることができます。また、どちらにもそれぞれの魅力や特徴があるので、どちらを選べばより自分たちの望むものを良い形で叶えることができるかをよく考えることが大切です。
【レーザー刻印】
指輪への刻印方法の1つとして「レーザー刻印」というものがあります。これは、レーザー機器から照射される光によって指輪に文字やモチーフを刻むというもの。レーザー刻印の特徴は、固い素材の指輪でも刻印が可能なこと、刻印可能な文字やモチーフが豊富という点です。このレーザー刻印は機械を使って刻印をするものですが、そのセッティングや確認は全て手作業で行われ、数時間かけて指輪の測定やセッティングが行われます。愛の誓いを形にした大切な指輪だからこそ、丁寧に何度も確認を重ねるのです。テスト照射を行い、OKが出たらいよいよ本番のレーザー照射が始まります。
コンピューターとレーザー機器を連動させて、文字やモチーフの情報を取りこみ、時間をかけてゆっくりと刻印がされていくのです。文字の形や数によっても仕上がりまでの時間は変わります。刻印が終了したあと、最後は職人の手によって仕上げがほどこされます。一流の技を持つ職人だからこその精巧な技術で、指輪に輝きが与えられるのです。レーザーならではの緻密な刻印と、知識が豊富な職人の技が合わさるからこそできる繊細な刻印の完成です。
【手彫り】
超一流の刻印技術を持つ職人が手作業で行う「手彫り」は、0.1mm以下の世界で作業が進められます。全て丁寧な手作業で仕上げられた刻印は、手彫りならではの風合いや味が出て、唯一無二の指輪を手に入れることができるという特徴があります。職人の強い想いが込められた刻印は、大切な指輪に命が吹き込まれたような仕上がりに。一切の狂いも許されないという緊張の状態をキープしながら、神経を集中させて刻印を行っていくのです。ルーペを使って、細かく確認を重ねながら1つ1つ刻印が進められていきます。はじめの準備から最終チェックまでの時間は数時間にもおよび、最後の最後まで一切の油断をすることなく、完成を迎えるのです。
職人の技が凝縮され、丹精込めて作られた刻印は、世界にたった1つの完全オリジナルというのが最大の魅力です。匠の手によって刻まれた刻印の指輪は、人の温もりが加わって、愛にあふれた指輪となるでしょう。
【刻印機】
もっとも定番の刻印方法が、刻印機を使った入れ方です。刻印機はアクセサリーショップなどでも機材が用意されていることが多く、専用の機械ですぐに文字を入れられます。方法は刻印機に指輪をセットして、その内側に機械に入力した文字を入れていくだけ。刻印機にあらかじめ記録されたアルファベットや数字を、大きさ・フォント違わず正確に入れることができます。刻印の入れ方でももっともリーズナブルで手軽なので、多くの方がこの刻印機を使った刻印の入った指輪を愛用しているかもしれません。
【刻印打棒】
刻印打とは、金属製の棒状の道具の先端に刻印用のスタンプのようなものを取り付けて打ち込むことで刻印します。刻印機に比べると比較的アナログな方法ですが、様々な文字を打つことができ、老舗のアクセサリー店などでは広く使用されています。また、道具を揃えやすいのでハンドメイドなどで使われることもある刻印方法でもありますね。この場合も、刻印機と同様の仕上がりになり、刻印方法としては比較的定番な部類として知られています。
【レーザー消し】
レーザー消しの場合は、金属を削るのではなく、レーザーを使ってピンポイントに金属を溶かして刻印を消します。現在多くのアクセサリーのリフォーム業者などで使われている方法で、溶かして再度固めるので、サイズが変わったり、金属が減ることはありません。様々な刻印に対応した刻印の消し方で、複雑な刻印にも対応可能なのがその魅力です。
【研磨消し】
研磨消しは、表面の金属を研磨して刻印を消す方法です。刻印の消し方の中でも特にイメージする方が多いのがこちらの方法で、研磨する以上表面の金属はやや削ることとなります。レーザーをはじめとした特殊な機材を必要としない刻印の消し方なので、様々ある刻印の消し方の中でも最もリーズナブルです。ただ、金属を削る以上、指輪にはある程度の厚みがないと難しい方法でもあります。厚みのある指輪や刻印面に複雑な刻印が無ければ検討するメリットのある刻印の消し方です。
【ロー材流し】
ロー材流しとは、金属に似た、溶けやすい素材である「ロー材」を刻印部分に流し込む方法です。仕上がりはほとんど目立たず、厚みが減ることもありません。ですのでレーザーや研磨での消し方が難しい場合にオススメの刻印の消し方だといえます。特に刻印が深く掘られている場合などにオススメの消し方で、刻印が深くても問題なく綺麗に刻印を消すことができます。
【共付け】
共付けはレーザー刻印とやや似ている方法で、指輪と似た色味の素材を、レーザー溶接機を使って指輪の内側に溶接する方法です。特に指輪が薄く、削る方法やレーザーが使いにくい場合に使われることがあります。共付けの場合は特に材料費がかかるので、高額な素材の指輪であればあるほど、コストがかかる方法でもあります。
鑑別書・鑑定書・鑑別鑑定書について
【鑑別書】
鑑別書は、すべての宝石に発行可能で、科学的な調査をもとにその宝石が「天然」なのか「人工的」なのか鑑別され、宝石が「本物」なのか「偽物」なのかが記載されます。鑑別された宝石の価値については触れられず、あくまで調査と分析(重さやカット、屈折率など)の結果が記載されているのが鑑別書です。
「すべての宝石に発行が可能」という点で、たとえば河川敷に落ちている石の成分を調べたいときも鑑別可能なんです。また、小さなルビーが散りばめられたようなジュエリーにも、鑑別書を発行できます。
【鑑定書 グレーディング・レポート】
鑑定書は、別名「ダイヤモンド・グレーティング・レポート」と呼ばれています。内容としては、世界共通で用いられているダイヤモンドの品質評価基準「4C」が記載された、いわば「ダイヤモンドの成績表」。鑑別書との大きな違いとしては、「ダイヤモンドのみにしか発行できない」点と、4Cをもとにした「ダイヤモンドの品質(=価値)」が明記されている点です。
【鑑別鑑定書】
「真珠鑑別鑑定書」と呼ばれることもあり、真珠のみに発行されます。クロチョウ真珠、シロチョウ真珠も鑑定鑑別の対象となります。実は、真珠もシンプルに「鑑別書」を発行してもらう場合があるのですが、ヤマトヤではテリの良いアコヤ真珠に対しては「真珠鑑別鑑定書」を発行してもらうことが多いんです♪テリ(光沢感)が美しいアコヤ真珠。テリの秘密が真珠層の巻き圧と関連しているのですが、その詳細が「真珠鑑別鑑定書」には記載されているからです。
小粒のダイヤモンドには鑑定書がつかない
小粒のダイヤモンドには、鑑定書はつきません。具体的には、約0.15ct未満のダイヤモンドです。ネックレスやリングなどのダイヤモンドに鑑定書がつかないのは、ダイヤモンドが小粒であることが原因となっています。小粒のダイヤモンドに鑑定書がつかないのは、ダイヤモンドが小さすぎてカットの評価測定に誤差が発生してしまうからです。また、「小粒のダイヤモンドの鑑定費用が高く、商品代金がより高額になってしまうため」という理由もあります。
鑑定書がついていないことによって、小粒のダイヤモンドが今の価格で購入できるのです。小粒のダイヤモンドの鑑定書はないので、探す必要はありません。
鑑定書等ない場合
鑑定書と鑑別書にははっきりとした違いがあります。簡単に違いを説明すると、詳しい情報が載っているのが「鑑定書」で、簡単な情報しか載っていないものが「鑑別書」です。なので、「鑑別書」があっても残念ながら買取りの査定にはあまり影響はありません。一方「鑑定書」関しても、査定がUPする場合とあまり変わらない場合があります。鑑定書はいろいろな鑑定機関が発行をしており、その鑑定機関は信頼度によってランク付けがされています。当然ランクの高い鑑定機関が発行した鑑定書ならば買取り査定にもプラスに働きます。一方ランクの低い鑑定機関の発行した鑑定書にはあまり効力がありません。
また、1ctを超える大きなダイヤや、傷のほとんどないきれいなダイヤの場合、鑑定書の有無が査定に影響しますが、小さなダイヤやあまりきれいではないダイヤの場合には、鑑定書の影響はあまりありません。
鑑定書はあった方が安心できる
鑑定書があれば、ダイヤモンドの買取価格が下がることはまずないため、安心して買取に出せます。また、鑑定書さえあれば、ネットで簡単に買取相場を把握することも可能です。使い方も、「鑑定書に記載されている品質を入力するだけ」と簡単なところが多く、誰でも気軽に買取相場を確認できます。このように、鑑定書があるとないとでは、ダイヤモンドを売るときの安心感が変わります。
鑑定書自体に価値はない
鑑定書は、あくまでも「ダイヤモンドの大きさや品質を記載した紙」という立ち位置です。そのため、鑑定書自体に価値はありません。一緒に買取に出しても買取価格が上がらないことを知ったうえで、再発行しましょう。ダイヤモンドは鑑定書なしでも売れて、買取価格が下がることもありません。ただ、鑑定書があると安心できるため、不安なら鑑定書を再発行することをおすすめします。