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ウォーターオパールとは?ホワイトオパールとの違いは?
ウォーターオパールは、ホワイトオパールと比べてベースカラーが透明に近い色であること、遊色効果が虹のような色合いが揺らめくのが特徴です。
石の中に一雫の水が溜まっているかのような美しさから、「クリスタルオパール」という別名がつけられています。
とは言え、ホワイトオパールと合わせてみるとなかなか区別ができないと思います。そのようなときは以下の基準から判断しましょう。
1.下にある文字が読める位の透明感をもっていること
2.地色が無色〜やや乳白色をしたものであること
この2点を判断基準にし、魅力的なウォーターオパールを探してみましょう。
ウォーターオパールの基本情報
ウォーターオパールの基本情報は以下の通りです。名前の通り、オパールの一種です。
名前 | ウォーターオパール |
---|---|
英語名 | Water Opal |
和名 | 蛋白石(たんぱくせき) |
色 | 透明 |
グループ(種・変種) | クリストバライト、トリディマイト、フィオライト |
硬さ(モース硬度) | 5-6.5 |
光沢 | ガラス光沢、樹脂光沢 |
化学成分 | 光沢SiO2・nH2O |
結晶系 | 非晶質(潜晶質) |
誕生石 | 10月 |
以上を踏まえた上で、「ウォーターオパール」の実態についてみていきましょう。宝石言葉、産地という観点からウォーターオパールはどんなものなのかをご紹介します。
ウォーターオパールの意味と宝石言葉
パワーストーンとしてのウォーターオパールは、幸運を招くものであり、「女性の幸せ」を象徴する石とされています。心の内に秘めている熱く燃えるような情熱的なパワーを引き出し、自分らしく生きる活力を与えてくれると言われています。まさにウォーターオパールの特徴そのものをスピリチュアル視点でとらえたものだと感じます。
また、宝石言葉としての意味は「乙女の恋心・無限の可能性・願望・解放・幸福」などといった、背中を押してくれる言葉が多く、窮地に立ち向かう力を与えてくれます。
このように目標に向かう人をサポートしてくれる宝石として高い人気があります。
ウォーターオパールの産出国や産地
ウォーターオパールの産地として有名なのはメキシコです。オーストラリアをはじめとして世界各地の地層でオパールは採掘されますが、ウォーターオパールについてはメキシコ産のものが主に流通しています。近年ではエチオピア産のウォーターオパールが増えており、日本でも多く流通されています。
メキシコとエチオピア以外でウォーターオパールが採れる国は、以下の通りとなります。ウォーターオパールは地色や模様などの特徴から判断されますので、意外と多いです。日本でもごく稀に採れることがあります。
・オーストラリア
・アメリカ
・ブラジル
・ペルー
・タンザニア
・ジンバブエ
・南アフリカ共和国
・カザフスタン共和国
・日本
ウォーターオパールの効果や効能
ウォーターオパールは、先述のとおり「女性の幸せ」を象徴する石です。「女性の守護石」とも呼ばれ、女性の運気を全体的に上げてくれる効果があります。
全体的にというのは、恋愛運はもちろん、仕事、プライベート、金運に関わるものです。また、ホワイトオパールと同じように才能の開花や人に流されずに自分らしさを発揮できる期待もあります。
心の精神を整え、人生の幸福度をあげるためのサポートをするオパールと言えるでしょう。
ウォーターオパールの特徴や魅力
次にウォーターオパールそのものの特徴とその輝きが放つ魅力についてご紹介します。他のオパールとは一線を画すものがあります。
ウォーターオパールはプレシャスオパールの一種
オパールは、大きく分けると「プレシャスオパール」と「コモンオパール」の2種類に分類されます。
プレシャスオパール:
遊色効果のあるオパールです。プレシャスオパールで有名なものは、ホワイトオパール、ブラックオパール、ボルダーオパールなどがあります。
コモンオパール:
遊色効果のないオパールです。ベースカラーは、ブルー、イエロー、ピンク、無色など様々です。ウランを含む無色~黄緑色でガラス光沢をもつハイアライトオパール、内包物が模様のように見えるデンドリティックオパールなど、珍しいタイプが産出されています。
以上のように、遊色効果の有無によってグループが決められます。
ウォーターオパールはプレシャスオパールに属します。
遊色効果で多彩な色が現れる
ほとんどのプレシャスオパールの遊色効果は、ブルーやグリーンが発色することが多いです。ですが、ウォーターオパールは虹色のような7色の遊色効果があります。
全ての色合いが現れるのはウォーターオパール特有で、他のオパールにはない幻想的な美しさに、私たちは惹かれてしまうのです。
多彩な色がはっきりと現れるほど、ウォーターオパールの希少価値は高まります。特に赤色やオレンジなどの暖色系の色で鮮やかなものは価値が高いです。
ウォーターオパールのお手入れ方法と注意点
オパールの中でもウォーターオパールは非常にデリケートな宝石です。お手入れするにも繊細に取り扱う必要があります。長く身に着けられるよう、ここでしっかり整理しておきましょう。
ウォーターオパールのお手入れ方法と保管方法
まずはオパールという宝石についておさらいしましょう。オパールは宝石の中で唯一、水分を含みます。水分を吸収するということは、乾燥に弱いということです。つまり、直射日光などで乾燥させると水分が抜かれ、ひび割れを起こす恐れがあるのです。
その特質を踏まえると、ウォーターオパールも同様のことが言えます。
基本は乾いた布でカラ拭きでお手入れすることをおすすめします。そして保管する場所は、直射日光を避けた場所に保管しましょう。他のオパールよりも水分量は多く、急激な温度変化への適応は厳しいので、エアコンのある部屋などに保管するのは避けてください。
また、衝撃にも弱いので、他の宝石やアクセサリーと同じ場所に置かないようにしましょう。
ウォーターオパールを水洗いする時の注意点
汚れが取れない場合は水洗いをすることができます。ですが、長時間水につけておくと変色する恐れもあるので、手早く洗いましょう。
泡立てた中性洗剤を柔らかい筆などにつけて汚れを浮かし、すすぎ洗いで洗剤を完全に落としてください。強くこするのではなく、優しく洗うのがコツです。
乾燥させる際は、柔らかい布に包んで自然乾燥をしましょう。先述の通り、直射日光を避けた場所で保管してください。エアコンのある部屋も避けてください。
この方法でも汚れが落ちない場合は30分ほど水に浸すか、宝石店に持って行ってプロにお任せするのが安心です。
また、ウォーターオパールの種類には水分の吸収効果が高い「ハイドロフェン効果」をもつ、エチオピア産のオパールがあります。この効果をもつエチオピア産オパールは、水道水に含まれる物質や中性洗剤の成分によって変色することがあるため、水洗いはやめましょう。
ウォーターオパールの偽物の見分け方
他のオパールと同じように、ウォーターオパールも合成石などの模造石も多く出回っています。合成石と明記して売っている場合は問題ありませんが、天然のウォーターオパールとして販売されている場合もありますので要注意です。本物との判別が難しいものが多いですが、以下の方法である程度の真偽を見分けることができます。
●柱状構造
柱状構造とは、柱のように見える模様がある構造です。ウォーターオパールを横から見て柱のような模様があれば、合成オパールの可能性が高いです。合成オパールには、この柱状構造がよく見られます。
●モザイク状の斑点
合成オパールの表面を見ると、遊色効果の斑点が「モザイク状」になっていることが多いです。モザイク状も合成オパールの特徴ですので、必ず確認するようにしましょう。
ルーペで確認することも可能です。
●リザードスキン
柱状構造やモザイクでも分からない時には、顕微鏡で確かめる必要があります。表面に「トカゲのウロコ」に似た模様が確認できた場合は、合成の可能性が高いです。
以上、3つの方法をご紹介しましたが、素人の目で見分けるのはやはり難しいです。不安であれば、信頼できるプロに鑑別してもらうことをおすすめします。
ウォーターオパールの価値基準
ウォーターオパールが高額取引される基準はどこにあるのでしょうか。ここでは高評価されるポイントについてお伝えします。
見た目や遊色効果が良いものと出会うためにはどこを見たらいいのか、ウォーターオパール選びの基準をはっきりさせましょう。
基準①カットの厚みや形
オパールの多くは、見た目がドーム状で丸くツルンとした「カボションカット」という加工が施されています。その中でも、ドームを高くした「ハイカボションカット」と呼ばれている分厚いカットであれば、ウォーターオパールの価値はぐっと上がります。
シンメトリーであること、そして美しいドームであることが大切です。
基準➁ベースカラーの透明度
ウォーターオパールを評価する際には、透明感のある地色であるほど価値が高くなります。透明感が高ければ、3カラットでおよそ100万円の価値がつくこともあります。
逆に、曇っていたり乳白色の濁りなどで透明度が低ければ、評価が下がります。
基準③遊色効果の現れ方
先述でもご紹介しましたが、遊色効果も評価の対象です。遊色効果が明るく鮮やかで、赤系統の暖色が最も評価が高いです。1番は赤、次点でオレンジが評価が高く、黄・緑・青・藍・紫色の順序で評価が異なります。
また、ウォーターオパールの最大の特徴は、まるで光を水の中に閉じ込めたような神秘的な輝きです。虹やオーロラのような遊色効果がハッキリと見えて、かつ透明感の高いものは価値が高いです。
ウォーターオパールの販売価格と買取価格
ウォーターオパールは希少価値が高く、ホワイトオパールと比べると流通量は少ないです。だからこそ、価格も高めとなっています。では、現在の販売価格と買取相場はいくらになるのでしょうか。
価格は社会情勢に比例して変動しますので、あくまでも「参考価格」としてご紹介いたします。
ウォーターオパールの販売価格
1カラットあたり7万円~10万円程度が一般的で、カボションカットしている商品が多いです。品質やサイズによっては1万円前後で買えるものがあります。
また、指輪やアクセサリーの装飾として使用している貴金属によって価格が変動することもあります。例えば、ダイヤモンドと組み合わせた場合は、20万円前後の価格になります。
ルース(裸石)の状態では、およそ1万円~5万円前後が一般的ですが、遊色が美しく透明感の高い高品質のものは100万円以上するものがあります。
ウォーターオパールの買取相場価格
ホワイトオパールと同様に、ダイヤモンドなどの高価な貴金属と組み合わせた商品であれば高価買取につながります。
ルース(裸石)の状態でも、ウォーターオパールの特徴である遊色効果の鮮やかさやサイズによっては20万円以上の買取になる場合があります。
ウォーターオパールは繊細な宝石ですので、丁寧なお手入れが必要不可欠です。扱い方に気を付けて高価買取につなげてみましょう。
ウォーターオパールの失敗しない選び方
何度もお伝えしていますが、ウォーターオパールの評価を決めるのは、透明度の高さと遊色効果の鮮明さです。少し濁ったものではなく透き通ったベースカラーであることと、赤などの暖色系の色がはっきりしたものを選びましょう。
また、ウォーターオパールの厚みも美しさの指標の一つです。カラットの数値が高いものも高評価のポイントとなります。
希少価値が高いウォーターオパールですが、意外にも取り扱っているお店は多いです。特にルースでの扱いは多く、オンラインショップでもよく見かけます。ジュエリーやアクセサリーになったものを販売しているお店もありますので、気に入ったデザインのジュエリーを見つけることもできるかもしれません。いくつかの商品を見比べ、自分と相性の合うものを選びましょう。
ただし、合成オパールという偽物が出回っていますので、高額のものを購入する際は注意が必要です。信頼のおける鑑別機関の鑑別書が付いたものやオプションで付けられるところで購入した方が安心かと思います。
まとめ
神秘的な輝きを持つウォーターオパールをご紹介しました。「クリスタルオパール」とも呼ばれる鮮明で情熱的な輝きは他のオパールにはない美麗さがあります。ぜひ直接目でご覧になり、奥に潜む眩さに触れてみてください。
また、その性質からオパールの中で希少価値が高いと言われていますが、意外にもジュエリーやアクセサリーとして安い価格で購入できます。ネットなどで探してみてはいかがでしょうか。