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プレシャスオパールとは?コモンオパールとの違いは?
オパールは2つの区分に分けることができます。プレシャスオパールとコモンオパールです。この2つの違いですが、以下のようにまとめることができます。
プレシャスオパール:
遊色効果のあるオパールです。石の地色の奥からキラキラと輝きます。そのため、宝石の価値は高めです。
コモンオパール:
遊色効果のない、石の地色のみのオパールです。プレシャスオパールと比較すると価値は低めとなっています。
以上のように、遊色効果の有無によって決まります。遊色効果は宝石の表面から様々な色がゆらゆらと沸き上がる効果のことを言い、その幻想的な色彩は、まるで虹やオーロラのようです。別名「プレイオブカラー」とも呼ばれています。
プレシャスオパールの基本情報
プレシャスオパールの情報についてまとめました。以下の表の通りです。
名前 | プレシャスオパール |
---|---|
英語名 | Precious Opal |
和名 | 蛋白石(たんぱくせき) |
色 | 乳白色、褐色、黄、緑、青、オレンジ、赤 |
グループ(種・変種) | クリストバライト、トリディマイト、フィオライト |
硬さ(モース硬度) | 5-6.5 |
光沢 | ガラス光沢、樹脂光沢 |
化学成分 | SiO2・nH2O |
結晶系 | 非晶質(潜晶質) |
誕生石 | 10月 |
以上が基本情報となります。では、産出国やスピリチュアル的な観点からプレシャスオパールの性質について見ていきましょう。
プレシャスオパールのスピリチュアな意味と宝石言葉
プレシャスオパールは幸せや希望を象徴するオパールです。仕事運や恋愛運など持っているだけであらゆる場面での運気を上昇し、幸福へ導く力があります。
特に「人生の変化」が起きた時、つまり、新しい仕事を始めるときの環境の変化や弱気な自分を変えたいときなどの心境の変化のサポートにも向いています。
そのため、宝石に込められた言葉は「希望・幸福・純真」などがあります。どんなことでも前向きになり、どんな困難も乗り越えられるでしょう。
プレシャスオパールの産出国や産地
プレシャスオパールは世界各地で採掘できることが確認されています。全世界のオパールの採掘量でおよそ9割を占めるオーストラリアを筆頭に、メキシコ、アメリカ、ブラジルなどで主に発掘されています。
オーストラリアのニューサウスウェールズ州のライトニングヘッジでは、プレシャスオパールの中でも希少な「ブラックオパール」が採れることで有名です。
それ以外のプレシャスオパールも他の国と比べて遊色効果が高いものが採ることができ、高品質なものであれば「オーストラリア産」のオパールを目にすることが多いです。
プレシャスオパールの効果や効能
先ほどもご紹介したように、プレシャスオパールには希望や幸福の運気を上昇させる力を持っていますので、持ち続けるだけでポジティブになれるでしょう。
また、虹のような遊色効果を持つため、「創造力」を発揮させる力もあると言われています。土壇場の閃きや仕事のやり方の改善、または芸術性・アーティスト性など、自分に眠っていた「力」を呼び覚ますことが期待されます。動画作成や音楽など、クリエイティブな仕事をしている方におすすめです。
プレシャスオパールの遊色パターンや模様の特徴
プレシャスオパールは様々な遊色パターンがあります。今回は代表的な9つのパターンをご紹介します。
・ハーレクイン
ピエロの衣装のように、色が格子状に繰り返されています。色が規則正しく並んでいるため、遊色効果の中で最も評価が高いです。
・リボン
リボンのような帯が横切っているパターンです。こちらもとても珍しく、ブラックオパールによく見られる遊色効果です。
・ストロー
ストロー(straw)とは麦わら帽子のことで、様々な色合いの遊色が網目のように交差しており、それが「麦わら帽子」のように見える遊色効果です。
・シャフ
シャフ(chaff)はもみ殻のことで、そのような模様が表れる珍しいパターンです。
・チャイニーズライティング
中国語で使用される漢字が書かれているように見えるパターンです。たくさんの直線が交差したものが漢字のように見えるため、このような名前になったとのことです。
・フラッシュ
プレシャスオパールの角度を変えると、カメラで撮るときのフラッシュのように強烈な色が表れます。
・ピンファイヤー
ピンでつついたような細かな模様が、火花のように見えるパターンです。発色のバランスの良ければ、華やかな美しさを見せてくれます。
・パレット
画家が使用するパレットのような遊色パターンです。カラフルな色合いが特徴です。
・フレーム
石全体にわたって赤みがかった帯や筋が広がるパターンです。
プレシャスオパールの種類
プレシャスオパールは遊色効果のあるオパールの総称です。では、どのくらいの種類がプレシャスオパールにあたるのでしょうか?
ここではプレシャスオパールの種類と、それぞれのオパールが持つ個性的な特徴についてご紹介します。
ホワイトオパール(オーストラリアオパール)
白地のベースカラー(地色)に遊色が浮き上がる種類のもので、通称、ホワイトオパールと呼ばれています。オパール中でも一番代表的なもので、オパールと言えばこのホワイトオパールを想像するのではないでしょうか。オーストラリアでよく採れるので、オーストラリアオパールと呼ばれることもあります。
外見の色が乳白色で、つやつやとした質感が特徴的です。ジュエリーはもちろん、アクセサリーに加工してお店に並ぶことも多いです。
ブラックオパール
プレシャスオパールの中でも少量しか採れない希少なオパールです。
採掘量が少ないので、1カラットあたりの価格は高額になることが多いです。オーストラリアのニューサウスウェールズ州北部のライトニングリッジで産出されるものしかお店に並ばないという背景があるからです。
原石の地色が黒かそれに近い暗い色が特徴で、地色が濃いほど石の価値は上がります。
遊色効果はとても鮮やかで黒に近い地色の相性が良く、希少性も高いため、オパールの中でも非常に人気が高いです。
ファイアオパール(メキシコオパール)
ファイアオパールは火山岩のなかから採掘されます。地色は主にレッド、イエロー、オレンジです。その鮮やかな色から現れる遊色は、まるで太陽フレアのようです。
文字通り、「炎」を象徴する宝石で、主にメキシコで採れることから「メキシコオパール」、もしくは「メキシカンファイアオパール」とも呼ばれています。
ウォーターオパール
全体の透明度が高く、一滴の清らかな水が溜まっているかのように見えるオパールです。水滴のような表面から現れる遊色効果は、ブラックオパールに匹敵する美しさです。別名で「クリスタルオパール」と呼ばれます。
オパールは水分が含まれている唯一の宝石ですが、他のオパールよりも水の含有量が高いのが特徴です。
ボルダーオパール
母岩である堆積岩や鉄鉱石の隙間に張り付いているオパール層を母岩ごとカットして採掘したオパールです。母岩がついたままでカットするので、形は様々です。中にはホワイトオパールやブラックオパールの層からカットしたものもあります。
カット方法によってオパール層の模様を楽しむことができ、収集家たちにも重宝されるオパールです。
プレシャスオパールお手入れ方法と保管方法
プレシャスオパールは高温や乾燥に弱くてひび割れしやすいので、お手入れするときとお手入れした後の保管方法は細心の注意が必要です。
お手入れするときは、薄い汚れの場合は乾いた布で乾拭きしましょう。しかし、それでも拭き取れない場合は、中性洗剤を使用した水洗いとなります。
泡立てた中性洗剤を柔らかい筆などにつけて汚れを浮かし、すすぎ洗いで洗剤を完全に落としてください。時間をかけずに手早く洗うのがコツです。
乾燥させる場合は自然乾燥させて乾かしてください。プレシャスオパールは宝石の中でも水分を含みますので、ドライヤーやエアコンなどで急激に乾かしたらオパール内の水分が一気に抜けだし、ひび割れを起こす危険性があります。
保管方法については直射日光を避けましょう。柔らかい布に包んでエアコンのない暗室で保管してください。衝撃に弱いので、他の宝石やアクセサリーと同じ場所に置かないようにしてください。
プレシャスオパールが偽物か見分ける方法
宝石は高価だからこそ、偽物が多く流通するのものです。プレシャスオパールも類に漏れず、見分けがつきにくい偽物が存在します。偽物が少しでも見分けがつくために、以下の点を抑えておきましょう。
裏が金属に覆われていないかをチェック
プレシャスオパールの裏が金属で接合していれば、偽物の可能性が高いです。なぜなら、天然のオパールの場合は裏を完全に防いでいるケースが少ないからです。
もしもそのような加工が施されていた場合は、お店の販売員の方に確認してみましょう。
横から見て柱状構造になっているかをチェック
プレシャスオパールを横から見て、模様を確認するのも見分け方の1つです。柱のような模様があれば、合成オパールの可能性があります。柱状構造は合成オパールでは隠し切れない部分です。
巧妙に作られた偽物はオパール層の境目をぼかしているものがありますが、ルーペで見れば判別できます。
プレシャスオパールの価値基準
プレシャスオパールの価値はどこで決まるのでしょうか。これが基準である・・・・・・とはっきりしたものは言えませんが、以下の5つの基準が、プレシャスオパールの価値を決める大きな要因になっています。
基準①遊色効果による価値
遊色効果の鮮明さはプレシャスオパールの価値を決めるうえでも重要なポイントです。遊色がはっきりしたもの、たくさんの色がバランスよく出ているものは評価が高いです。
特に青などの寒色系よりも赤などの暖色系がはっきりしたものが高い評価を得ています。
基準➁模様による価値
前述でご紹介したような遊色の模様があれば価値が高くなります。最も価値がある模様はハーレクインです。また、リボンやチャイニーズライティングの評価も高いようです。
ですが、模様を評価するときは遊色効果の鮮やかさや模様の形状、そして遊色が発現しない「デッドスポット」についても考慮しなくてはなりません。珍しい模様だからといっても見栄えが悪ければ評価は落ちてしまいます。
特にデッドスポットの箇所が多いと評価が低くなりますので注意しましょう。
基準③地色による価値
プレシャスオパールの種類によって地色は変わりますが、一番評価が高いのは「ブラックオパール」です。先ほどご紹介したように採掘量も少ないため、価値が必然的に高くなるようです。
また、暖色系の鮮やかな遊色効果が評価されるように、赤やオレンジが地色の「ファイアーオパール」も価値が高いです。特にオレンジが濃いものは評価されます。
地色に白または乳白色をもつホワイトオパール、ウォーターオパールは透明度が高いほど価値が高くなります。
ボルダーオパールは他のオパールとは異なり、母岩の地色の美しさによって左右されます。ですが、地色よりも母岩とオパール層のバランス、遊色の模様や形状の美しさといった、「見た目」を総合的に見て価値を決める傾向になっています。
基準④カット方法による価値
プレシャスオパールはカット(研磨)方法でも評価が左右されます。プレシャスオパールはカポションカットで施されているのが多く、美しいシンメトリーと厚さのあるものは評価が高いです。
ボルダーオパールは母岩と共にカットされるので様々なカット方法がありますが、その中でもオパール層に対して垂直にカットしたものは評価が高いです。模様のように浮き上がり、美的なものほど価値は高くなります。
例に挙げたカット方法以外にも、カーピングカットで施されたものがあります。プレシャスオパールの良さを最大限に生かしたカット方法で、彫刻のような独自性の高い美しいものであれば評価が高いです。
基準⑤状態による価値
品質維持が保たれている点も評価の分かれ目です。プレシャスオパールが変色していないか、遊色効果の配色に偏りがないか、ひび割れしていないかなど、品質が悪ければ当然、評価は低くなります。
プレシャスオパールは水分を含んだ宝石ですので、他の宝石よりも丁寧なお手入れが必要です。美しさを損なわないよう心がけましょう。
プレシャスオパールの販売価格と買取価格
市場でのプレシャスオパールの販売価格はいくらなのでしょうか?買取相場と併せて見ていきましょう。
なお、価格は社会情勢によって日々変動しますので、「参考価格」としての説明となります。
プレシャスオパールの販売価格
プレシャスオパールの一般的な価格は1カラットにつきおよそ1万円~5万円ほどになります。ホワイトオパールの場合は流通量が多いので、アクセサリーやイヤリングが数千円で購入できることがあります。
ただ、どのオパールでも言えることですが、ダイヤモンドのような高価な貴金属と組み合わせた場合は10万円以上になり、価格は高くなります。
特に希少性の高いブラックオパールは、1カラット以下でもダイヤモンドと組み合わせたアクセサリーであれば20万円前後となります。遊色効果の模様がハーレクインであれば数千万円以上となる商品もあります。
高価な貴金属と組み合わせ、かつ希少価値があって遊色効果の強いものはやはり、高額になる傾向にあるようです。
プレシャスオパールの買取相場価格
プレシャスオパールの買取相場は、1カラットで1万円~3万円程度となります。プレシャスオパールの種類にもよりますが、希少性のあるものやダイヤモンドのような貴金属と組み合わせた商品であれば8万円~15万円ほど、ブラックオパールであれば50万円前後の高価買取になることがあります。
評価の高いプレシャスオパールは高額買取につながるようですが、品質が悪ければ5カラットのものでも1万円以下になる可能性がありますので、要注意です。
また、プレシャスオパールには明確な査定基準がなく、買取業者の技量によって左右されることが多いです。買取実績が豊富な鑑定士が在籍している業者を選びましょう。
まとめ
今回はプレシャスオパールの種類と特徴についてまとめました。それぞれに個性があり、どれも魅力的な美しさがありました。形や輝き方がオパールによって違いますので、自分の個性が色濃く反映されるでしょう。
自分好みのオパールを身に着けたい方は、是非参考にしてください。