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偽物の「宝石」とは?安いものは本物ではない
偽物の宝石とは天然の宝石ではなく人工的に作られたものや別の素材を使っているものを指します。
例えば、ガラスやプラスチックを使用して、本物の宝石に見えるように加工されたものがあります。このような偽物は、一般的に本物の宝石よりも価格が安いです。
安い価格の宝石は輝かしい光沢から魅力的に見えるかもしれませんが、本物であるかどうかを慎重に見極める必要があります。特に高価な宝石を購入する際には、本物か確かめるために専門家の鑑定を依頼しましょう。
また、信頼できる宝石店からの購入も大切です。偽物の宝石は見た目が似ているだけでなく、触感や重さも本物とは異なります。
そのため、宝石を購入する際には、正確な知識が求められます。
偽物として売られている宝石の種類と見分け方
多くの偽物の宝石が市場に出回っています。そこで、代表的な偽物の宝石の種類とその見分け方について説明します。
合成スピネル
合成スピネルは、天然のスピネルと似た見た目を持つ人工の宝石です。
色や透明度が天然のものとほぼ同じであるため、見分けるのは非常に難しいです。しかし、合成スピネルは通常、内部に気泡や線状のインクルージョンが見られます。これを確認するためには、ルーペや顕微鏡を使用すると良いでしょう。
合成スピネルは高温高圧で製造されるため、製造過程で気泡が混入します。この特徴を利用して、本物と偽物を見分けられます。
合成クォーツ
合成クォーツは「天然クォーツ」と非常に似ていますが、特定の条件下で作られた人工石です。天然のクォーツには内部に微細なインクルージョンが見られますが、合成クォーツにはこれらが少ないせいか、まったく見られません。
また、合成クォーツは非常に均一な色を持っています。合成クォーツは成長過程が制御されているため、外観は均一です。この均一の外観から本物のクォーツとの違いはわかります。
しかし、クォーツの判別は鑑定士でも判断は難しいので、専門機関による専用機材での鑑別を依頼するようにしましょう。
コーティング処理が施されたホワイトトパーズ
ホワイトトパーズにコーティングを施して、他の宝石のように見せかける方法があります。コーティング処理とは着色剤を使って宝石を変色する行為です。
例えば、ホワイトトパーズにブルーのコーティングを施して、ブルートパーズとして販売されているケースがあります。一見では判別しにくいですが、コーティングは表面だけに施されているため、表面の傷や剥がれを注視すると偽物かどうか判別可能です。
また、コーティングは時間が経つと剥がれるため、慎重に確認しましょう。
加熱処理で着色したオパール
オパールは加熱処理によって色を変えます。天然のオパールは内部に自然な色の変化が見られますが、加熱処理されたオパールは色が均一です。
また、加熱処理されたオパールは光が当たっても異なる色のフラッシュは見られません。なぜなら、加熱処理によりオパールの内部構造が変わり、色が均一になるからです。これにより、天然のオパールと加熱処理されたオパールは明確に見分けられます。
海外では加熱処理済みのオパールを、ライトニングリッジ産のブラックオパールと偽って販売されているので、騙されないよう注意が必要です。
素材の貼り合わせ
2つの素材の薄片を張り合わせた宝石がタブレットです。タブレットのように異なる素材を貼り合わせて、本物の宝石のように見せかけます。
例えば、薄い天然の宝石の層をガラスやプラスチックに貼り付けて、厚みを持たせる方法です。このような宝石は、側面から見ると異なる層が確認できます。貼り合わせた部分は異なる光の反射を示しており、この特徴がある場合は偽物です。
また、3つの素材を張り合わせたものはトリプレットと呼ばれます。素材量が多くても加工品の偽物には変わりありませんので、注意しましょう。
ガラス
ガラスは多くの宝石の代替品として使用されます。ガラス製の宝石は通常、内部に気泡やインクルージョンがあり硬度は低いため、簡単に傷つきます。
また、ガラスは光の屈折率が低いため光の反射が少ないです。天然石かどうか肉眼で判断する場合は、ペンライトで角度を変えつつ照らして見ると、光の屈折による違いが判別できます。
ガラスの宝石は見た目が似ていても触ったときの感触や重さが異なります。鉱物は冷たい感触なのでガラスを触りつつ比較すると、違いが分かりやすいでしょう。
ダイヤモンドの偽物として出回っている石の種類
ダイヤモンドは非常に価値の高い宝石であり、多くの偽物が出回っています。ここでは、ダイヤモンドの偽物としてよく使用される石の種類について説明します。
合成ダイヤモンド
合成ダイヤモンドは天然石と同じ物理的および化学的特性を持つ人工のダイヤモンドです。主な製造方法には高温高圧(HPHT)法や化学気相成長(CVD)法が採用されています。
合成ダイヤモンドは内部に特有のインクルージョンや成長パターンが見られるので、これを確認して天然石と違いを見分けられます。
とはいえ、天然のダイヤモンドと区別が難しいため、判別するには専門機関による専用機器の使用が的確でしょう。
ジルコン
ジルコンは天然の鉱物であり、ダイヤモンドと非常に似た外観を持っています。特に光の屈折率が高く、火の出るような輝きを持つためダイヤモンドと間違えられます。
ダイヤモンドには劣りますがジルコンもれっきとした価値のある宝石です。とはいえ、ジルコンは硬度が低いため簡単に傷つきます。
ダイヤモンドと区別する際は、ジルコンの屈折率や硬度を確認するのが良いでしょう。
キュービックジルコニア
キュービックジルコニアは人工の宝石であり、天然のダイヤモンドに似た美しい外観を持っています。ダイヤモンドに負けない輝きを持ちますが、光の屈折率は低くダイヤモンドよりも重いです。
また、内部に特有のインクルージョンや気泡が見られます。価格も非常に安価で、人工の宝石は扱いやすく、カラーバリエーションも豊富です。
入手しやすい手軽な宝石として「フェイクダイヤモンド」や「模造ダイヤモンド」などの呼ばれ方もあり、市場の評価からダイヤモンドと区別しやすいでしょう。
モアッサナイト
モアッサナイトは天然の鉱物であり、流通がジルコニアより少なく、ダイヤモンドと非常に似た外観です。天然のダイヤモンドより光の屈折率が高く、色味では独特な虹色の反射を示します。
また、ダイヤモンドよりも硬度が低いため簡単に傷つきます。肉眼で違いを判断する場合は、モアッサナイトを逆さにしてみましょう。光が反射して虹色が確認できます。
ダイヤモンドの宝石の本物と偽物の見分け方
ダイヤモンドはその美しさと希少性から非常に高価であり、そのため偽物も多く出回っています。ここでは、簡単に実施できる偽物の見分け方を紹介します。これらの方法を用いて購入前にダイヤモンドが本物か確認しましょう。
息を吹きかける
ダイヤモンドに息を吹きかけると、その表面に曇りが生じます。本物のダイヤモンドはすぐに曇りが取れますが、偽物は曇りが残ります。この現象はダイヤモンドの優れた熱伝導性によるものであり、短時間で曇りが消えるため、息を吹きかけるテストは手軽で効果的です。この方法を試す際は、環境温度や息の湿度にも注意し、正確な結果を得るために複数回試してみると良いでしょう。
例えば、ダイヤモンドの指輪を付けた際でも簡単に試せます。曇りの取り方が迅速かどうか慎重に観察して、ダイヤモンドが本物か見極めましょう。
屈折するか確認する
ダイヤモンドはその高い屈折率により、光を強く屈折させます。この現象により、ダイヤモンドを通して文字や直線は見られません。
確認するには、ダイヤモンドを新聞紙や印刷物の上に置き、文字が見えるかどうかをチェックします。本物のダイヤモンドは光を拡散させるため、文字はぼやけて見えなくなります。
一方、偽物は光の屈折率が低いため、文字がはっきりと見えます。屈折の確認は、簡単に実施できるため、特に購入前に試してみる価値があります。
油性ペンや水滴を利用する
ダイヤモンドの表面に油性ペンで線を引いたり、水滴を落としたりする方法も有効です。本物のダイヤモンドはその親水性と油忌避性により、油性ペンのインクや水滴が広がりません。
また、表面に油性ペンで線を引いても、インクが弾かれて線がくっきりと残ります。一方、偽物のダイヤモンドは表面が親油性なのでインクが広がります。水滴を落とした場合も同様に、本物は水滴が球状にとどまり、広がりません。
例えば、友人の家でダイヤモンドを確認する際に、ペンや水滴を使って試せます。これらの特性を利用して、ダイヤモンドの真偽を確認しましょう。
冷蔵庫で冷やす
ダイヤモンドを冷蔵庫で冷やした後に触る方法も有効です。本物のダイヤモンドはその高い熱伝導性により、冷えた状態でも曇りません。
この特性を利用してダイヤモンドを冷蔵庫で数分間冷やし、取り出してから息を吹きかけてみます。本物のダイヤモンドは曇りがすぐに消えますが、偽物は曇りが残ります。この方法も手軽に試せるため疑わしい場合には有効です。
また、宝石店で購入する前に冷蔵庫を利用して確認できます。冷蔵庫で冷やすテストは、購入前にダイヤモンドの真偽を確認する簡単な手段です。
ガラスで傷つくかで見分ける
ダイヤモンドは硬度が非常に高く、モース硬度スケールで最も硬い鉱物として知られています。本物か確認する場合は、ダイヤモンドをガラスの表面で軽く引っ掻いてください。本物のダイヤモンドであれば、ガラスに明確な傷がつきます。
一方、偽物のダイヤモンドは硬度が低いため、ガラスは傷つきません。ガラスを傷つけるテストは本物を見極める方法として、多くの専門家にも推奨されています。
ルビーの本物と偽物の見分け方
ルビーはその美しい赤色で知られ多くの人に愛されていますが、偽物も多く存在します。ここでは、ルビーが本物か確認する方法を紹介します。これらの方法を用いて、ルビーの本物と偽物をより正確に見分けてください。
紫外線ライトを当てる
本物のルビーは紫外線を当てると赤色またはオレンジ色の蛍光を示します。本物のルビーか確認する場合は、紫外線ライトをルビーに照射し、その蛍光の色や強さを観察します。偽物のルビーは蛍光反応が異なるか、全く変化が見られません。
自宅で検証する場合は紫外線ライトを使用して、ルビーの宝石を確認しましょう。紫外線ライトを使ったテストは、簡単に実施できるため、特に購入前に試してみる価値があります。
ルーペで中を確認する
ルビーをルーペで観察すると、本物には天然のインクルージョンや独特の結晶構造が見られます。これらのインクルージョンは、ルビーが自然に形成された過程を示す重要な特徴です。
天然のルビーには、小さな気泡や他の鉱物の微細な粒子が含まれています。偽物のルビーは粒子がほとんど見られず、内部が均一で、加工して作られた模様が見られます。このような違いはルーペで内部の構造をじっくり観察して見極めましょう。
また、宝石専門店ではルーペを使った購入前の確認が推奨されています。さらに、インクルージョンの位置や種類も重要な手掛かりなので、注意深い観察が大切です。
カット具合を確認する
本物のルビーは、カットが均一で光の反射は美しいのが特徴です。プロのジュエラーによって施された高品質なカットは、宝石の色や輝きを最大限に引き出します。
偽物のルビーはカットが不均一で、光の反射は鈍い傾向があります。特に、宝石の表面に乱れが見られる場合は、低品質な製品である可能性が高いです。
また、カットの角度や形状も重要です。宝石専門店での購入前には、専門家によるアドバイスを受けましょう。カット具合を確認する際は、ルビーを明るい光の下でじっくりと観察し、その反射の美しさや色の深みを評価します。
このような手段が価値ある宝石を見極める手助けとなります。
サファイアの本物と偽物の見分け方
サファイアはその美しい青色で多くの人々に愛されていますが、偽物も多く出回っています。ここでは、サファイアの本物と偽物を見分ける方法を紹介します。紹介する方法を用いてサファイアの本物と偽物をより正確に見分けてください。
ルーペで中を確認する
サファイアをルーペで観察すると、本物には天然のインクルージョンや独特の結晶構造が見られます。これらのインクルージョンは、宝石が自然に形成された証拠です。天然サファイアには、細かい気泡や他の鉱物の微細な粒子が見られます。
一方、合成のサファイアや偽物の場合、内部は均一でインクルージョンがほとんど見られません。本物のサファイアはルーペを使って内部の構造を観察すれば見分けられます。この方法は高額な宝石を購入する際に活用しましょう。
エメラルドの本物と偽物の見分け方
エメラルドはその美しい緑色で知られ、多くの人に愛されていますが、偽物も多く存在します。ここでは、エメラルドの本物と偽物を見分ける方法を紹介します。これらの方法を用いてエメラルドの本物と偽物をより正確に見分けてください。
傷の有無を確認する
エメラルドを確認する際は傷の有無をチェックしましょう。本物のエメラルドには、天然の成長過程で生じたインクルージョンや小さな傷が見られます。偽物のエメラルドや合成エメラルドは内部が非常に均一で、傷はほとんど見られません。
また、ルーペでエメラルドの表面と内部を観察し、天然素材の特徴を確認しましょう。傷の有無からエメラルドが本物なのか見極められます。特に、小さな傷やインクルージョンがある場合は本物の可能性が高いです。
紫外線ライトを当てる
エメラルドに紫外線ライトを当てると本物か確認できます。本物のエメラルドは紫外線に反応し、特有の蛍光を発します。偽物のエメラルドは、蛍光反応が異なるか、全く見られません。
紫外線ライトを使ったテストは、簡単に実施できるため、特に購入前に試してみる価値があります。蛍光の色や反応を慎重に観察して、エメラルドの真贋をより正確に判断しましょう。
まとめ
宝石を偽物か見極める方法は、高価な宝石を購入する際に非常に重要です。紹介した方法を実践して、宝石の本物と偽物を見分けるスキルを身につけられます。まずは紫外線ライトなど簡単に実施できる方法から試してみましょう。