宝石の属性と歴史について
名前はオパール(Opal)日本語では漢字で蛋白石(たんぱくせき)と呼ばれています。色は、 無色・乳白色・褐色・黄・緑・青・オレンジ・赤とあります。宝石の中のグループとしては、クリストバライト・トリディマイト・フィオライトのグループになります。硬さは、5-6.5あります。光沢は、ガラス光沢・樹脂光沢です。化学成分は、SiO2・nH2Oです。結晶系は、非晶質(潜晶質)になります。
誕生石は10月で、宝石言葉は「希望」「潔白」「幸福」「安楽」です。意味は、「希望にあふれ、幸福感に包まれる潔白な心」という意味になります。オパールは10月の誕生石として有名ですが、また、さそり座の人を災いから守り、幸運をもたらす守護石とされています。
同じ10月の誕生石には、トルマリンという石もあります。オパールのような虹色のきらめきはありませんが、「すべての色がある」と言われるほどカラーバリエーションが豊富でファッションジュエリーとして人気です。プレゼントとしても良いかもしれないですね!
オパールの歴史は、古代ローマやギリシャ時代に遡ります。その神秘的な見た目から古来では予知能力を実体化したものだと考えられていたり、「神の石」と呼ばれ神聖なものとされていました。また、歴史上の著名な人物たちとの逸話も多く残されています。例えば古代ローマの政治家だったマルクス・アントニウスです。
元老院議員の持っていたオパールに一目ぼれをした彼は、クレオパトラに贈るために譲ってほしいと頼んだものの叶わず、その元老院議員を国外追放します。イギリスのビクトリア女王が愛し、娘たちの結婚祝いに贈った宝石としても有名です。小説や詩の中に書かれることも多く、文豪シェークスピアの小説の中では「宝石の女王」と記されています。
オパールの産出国
オパールの主な産地はオーストラリアとメキシコです。特にオーストラリアは世界の産出量の約9割を占めているほどです。ほかにも、エチオピアやブラジル、インドネシアなどで採掘されていますが、オーストラリアやメキシコで産出されるものの方が高品質であると評されています。
オーストラリア産
オーストラリア産のオパールは、種類ごとに産出される州が違います。主な種類は3つあります。
① 「ライトオパール」:サウスオーストラリア州で産出されます。
ホワイトオパールと呼ばれることもあり、ベースの色が無色か白、クリームからグレーまでのものを指します。ちなみに、ライトオパールは、香港やドイツで研磨された後、再びオーストラリアに輸入されます。
② 「ブラックオパール」:ニューサウスウェールズ州で産出されます。
ベースがダークグレーからブラックのものまでを指します。本格的に採掘され始めたのは100年ほど前からで、地色が黒いものほど価値が高いとされています。
③ 「ボルダーオパール」:クイーンズランド州で産出されます。
母岩の隙間に入るような形で採掘され、その褐鉄鋼の母岩を裏面など一部として残して研磨されます。この母岩がどのように入っているかと、遊色効果の強さが価値を決める要素になりますが、見た目が似ているブラックオパールと比べると、その価値は3分の1程度だと言われています。
メキシコ産
メキシコ産のオパールというと、メキシコのケレタロやマクダレーナ付近で1870年頃から採掘され始めた「ファイヤーオパール」です。水分が多く含まれているため、比重が軽いことと、赤やオレンジで透明度が高いことが特徴です。遊色を示しているものの方が高価とされ、遊色効果が顕著である「メキシコ・オパール」と呼ばれるタイプは、1960年代にはかなりの量が日本に輸入されていました。
オパールの特徴と特性について
オパールは、ケイ酸鉱物の一種で、成分中に約10%まで水分を含有する石です。鉱物はその定義に「結晶構造を持っている」というものがありますが、オパールは非晶質(潜晶質)のため、厳格に言えば準鉱物です。そのため、38か国の団体にて組織されている国産鉱物学連合では、例外としてオパールを正式な鉱物として認めています。
オパールの特徴といえば、角度によって変化する虹色のきらめきです。青や紫、黄色、赤といった色とりどりの揺らめきは、見るたびに異なる色を見せてくれるため、ずっと見ていても飽きることがありません。「遊色効果」と呼ばれる現象は、たくさんの宝石があるなかでもオパールにしか見られない特別なものです。遊色効果が生まれる秘密は、オパールの形成過程にあります。
ミネラルの一種である、シリカという成分を豊富に含んだ地下水が岩の隙間に入り込み、蒸発を繰り返すことによって堆積され、何百万年もかけて生成されるのがオパールです。オパールの名前の語源は、古代インドのサンスクリット語で貴重な石を意味する「ウパラ」からきています。
その後、ギリシャ語で「色の変化を見る」という意味の「オリパス」に、ラテン語で「尊い石」や「宝石」の意味を持つ「オルパス」に変化し、オパールと呼ばれるようになったといわれています。日本語では「蛋白石(たんぱくせき)」と呼ばれていますが、ホワイトオパールが卵の白身に似ていることからその名前が付けられたといわれています。
オパールの価値はどのくらい?
オパールの価値は、遊色効果がどのように見られるかとその色であるといっても過言ではありません。また、オパールの種類によっても価値が異なります。その中でも最も価値が高いのは「ブラックオパール」です。ファイヤーオパールやウォーターオパールも市場価値としては高いものの、ブラックオパールには及びません。ホワイトオパールに関しては、産出量が多く、価値は低めです。
基本的には、オパールの価値は遊色効果の見え方に尽きます。バランスよく遊色が見られ、そこに見られる色に暖色(赤やオレンジ等)が多いほど高く評価されます。希少性の高い遊色の出方のパターンは、ピエロ服のような鮮やかな模様が見られるハーレクインや、細いラインが斜めに走り、まるで漢字が書かれているかのように見えるチャイニーズライティングといった遊色効果のものがあり、これも高い評価となります。
オパールは、カボションカットされることが多いです。カボションの形が線対称(ある直線を軸に反転させると完全に重なる)なもの、また、カボション部分が通常よりも厚いハイカボションも高評価となります。
オパールの手入れ方法について
オパールは、産地により石自体に様々な特徴を有する石ですので、保存方法もその特徴に合わせたものとなります。大きくはハイドロフェーンオパールか、そうでないかで分けられます。ハイドロフェーンオパールは、水分を吸収・発散しやすいという、デリケートな特徴を有することから、乾燥に弱い石でもあります。
保管時は、乾燥する場所を避け、ショーケースに入れる場合には、コップなどに入れた水を近くに置くなどの配慮が必要です。まれに水を置かなければいけないようなオパールは、宝石と呼べない、程度の悪いオパールであるといった記載をみることがありますが、それは間違いで、石の性質によるものです。
その他、ハイドロフェーンオパールは、汗や汚れにも弱い性質がありますので、できれば肌に直接触れるような使い方は避けるようにしてください。これは、水分を吸収しやすい性質から、汗や汚れで変色してしまう可能性があるからです。同様に、水洗いする際にも、その水分に含まれる物質により変色してしまうことがあります。
洗浄したい場合には、精製水での洗浄がおすすめです。ハイドロフェーンオパール以外のオパールは通常の宝石と同様です。オパールに最も適したお手入れ方法は、水やぬるま湯での洗浄です。キッチン用の中性洗剤を薄めた液での洗浄も可能です。ただし、つけ置き洗いはせずに洗浄後は柔らかい布などで水分をしっかりと拭き取ってから、極度に乾燥する場所を避けて、柔らかい布などに包んでから保管するようにしてください。
なお、全てのオパールは衝撃に弱く、ヒビが入ったり、欠けたりしやすい性質ですがありますので、他の宝石と擦れ合う可能性のある保管方法は避けてください。また、日光などの紫外線に長く当たることでひび割れや変色する可能性がありますので、紫外線の届かない入れ物などの中に保管することをおすすめします。
まとめ
オパールは、いくつもの層が重なり合う事で美しい虹色の輝きを生み出し、ポジティブなエネルギーをもたらしてくれます。色の揺らめきを楽しみたいオパールは、地色を引き立て虹色とのコントラストをより美しく見せてくれるプラチナのジュエリーがおすすめです。
内なる魅力を引き出し、自らを輝かせてくれるパワーを秘めたオパールは、しなやかで真っ直ぐな輝きを持つプラチナと組み合わせることによって、より魅力的な女性を演出してくれると思います。
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