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オパールの歴史
オパールの歴史は古く、古代ローマ時代には「神の石」として親しまれていました。古代ギリシャにおいてオパールは、予知力や洞察力が形になったものだと信じられ、アラブでは稲光が宝石になったものだと考えられていたようです。シェークスピアの小説の中では「宝石の女王」とも記されていますね。虹を閉じ込めたようなオパールは幸福や希望を表すといわれており、メキシコでも神事の装飾に使われるなど世界中で重宝されている宝石です。
ホワイトオパールの特徴と石にまつわる言葉の意味
オパールは外観の色によって複数の種類に分けられています。ホワイトオパールは白い色をしていますが、多くのものは純粋な白ではなく不透明な白をしているのが特徴です。 乳白色と言われることも多く、この独特の白い色がオパールの魅力となっています。 透明な白よりも全体的にやわらかい雰囲気があり、女性らしいファッションにも似合う宝石です。オパールは日本語で蛋白石と言い、10月生まれの人の誕生石です。表面には樹脂のような輝きがあり、非常に美しい宝石です。ホワイトオパールには宝石言葉もあり、その一つが幸せです。幸せな日常生活を送れるように、パワーストーン代わりにこの宝石を身に着けている人もいて、幸福を象徴する石として多くの人に愛されています。またオパールは「希望の石」として、ネガティブな気持ちを取り去り、希望達成のための積極的な行動力へと導く効果があるといいます。内面の美しさと才能を引き出すとされるオパールは、別名「キューピッドストーン」と呼ばれ、愛する人との出会いを呼び寄せ、縁を結ぶパワーストーンとして人気があります。先が見えない不安におちいったときや、能力の限界を感じて夢を投げ出しそうになったときは、この石をじっと見つめてみてください。無限の可能性の宝庫とされるオパールは、否定的な感情をぬぐい去り、希望と幸福感をもたらしてくれるでしょう。持ち主に変化をもたらすとされる効果は、希望達成のための積極的な行動力へと導くといわれています。明確な意志をもって願いを託してみてください。上手に願いを込めることができれば、状況をよい方向へと転換させてくれるでしょう。新たな夢や目標が欲しいときにも、思いがけない可能性をみせてくれるでしょう。自分に自信がもてないときには、身につけることで、しだいに否定的な思いが解消し、希望が芽生えてくるはずです。「アーティストの石」と呼ばれるオパールは、芸術的な才能を伸ばしたいときにもおすすめのパワーストーンです。クリエイティブな仕事や活動に携わる人をサポートし、感性を磨いてくれるでしょう。直感力を養うともいわれています。
魅力的な遊色効果をもつホワイトオパール
オパールの魅力は、なんといっても幻想的な遊色効果ではないでしょうか。光を当てると浮かび上がる不思議な色のパターン(模様)は、ずっと見ていても飽きないほどに魅力的ですよね。オパールは非晶質の宝石で、シリカゲルが硬化したものです。原石はシリカの層が幾重にも重なって生成したもので、殆どが1500万年以上前にシリカに富んだ砂漠地帯で形成したものだと考えられています。オパールは、大まかに分けて遊色効果を見せるプレシャスオパールと、遊色効果を見せないコモンオパールの2種類があります。遊色効果とは、オパールの表面で虹色の模様が揺れ動くように現れる効果のことです。英語でも、和名と同様に色が遊ぶという意味のプレイオブカラーと呼ばれています。ちなみにホワイトオパールはプレシャスオパールに分類されます。ホワイトオパールは白い色をしていますが、多くのものは純粋な白ではなく不透明な白をしているのが特徴です。この種類の宝石の中には、透明度の高い白をしたものもあり、明るい灰色をしているものもあります。ホワイトオパールと同じように乳白色のオパールを指す言葉として、ライトオパールという言い方もあります。この二つは同じような意味で使われることもありますが、白以外のものもホワイトオパールに分類することはおかしいと考えた人が現れたために、新しい言葉として使われるようになりました。2つの言葉を正しく使い分けるために、白や白をベースにした半透明のものをホワイトオパールと呼び、白以外の半透明のものがライトオパールに分類されたりもします。ですが、全ての宝石店でこのように分けられているわけではなく、白いものと透明なものをあわせてホワイトオパールと呼んでいるお店の方が多いようです。
ホワイトオパールの主な産出国は?
ホワイトオパールは、世界中の広い地域で産出されている宝石です。特に有名な産地として知られているのがオーストラリアで、国内のさまざまな地域にこの宝石を採掘できる場所があります。その一つである、南オーストラリア州のクーバー・ペディ(Coober Pedy)ではオパール鉱山や採掘場や、切削作業の実演を見学することができます。夏の乾燥と猛暑は想像を絶するほどで、これを避けるため、クーバー・ペディでは、住民の大部分が、地下に作った家で暮らしています。地下にはなんとホテルや教会、お店などもあって、これがオパールと並ぶ観光名所にもなっています。
ホワイトオパールのお手入れ方法
オパールは、お手入れ方法が難しいと思われることが多いのですが、宝飾品として正規店で販売されているホワイトオパールのほとんどは、通常の宝石のお手入れ方法とほぼ同じで大丈夫です。唯一、注意が必要なオパールは、エチオピア産の一部に多い水分を吸収してしまう性質のオパールです。これは“ホワイトオパール”と記載の他に“ハイドロフェーンオパール”とも商品に記載があるはずですので、購入時に確かめましょう。このオパールだけは、水分を吸収してしまうため、水や洗剤での洗浄はおすすめできません。同じ理由で、不用意に色の付いた水分などにつけてしまったり、ファンデーションや汗が付いてしまったりすると色が抜けなくなることもあります。お手入れ方法としては、清潔で乾いた柔らかい布でやさしく汚れを落とし、新しく用意した柔らかい布に包んでから、極度に乾燥する場所は避けて冷暗所に保管すると良いでしょう。なお、その他の一般的なオパールは、取りきれない皮脂や汗などの汚れが気になった時には、キッチン用の中性洗剤を水で薄めた洗浄液の中に浸しながら、指ややわらかい穂先のブラシ等でやさしくこすり洗いすることができます。ただし、つけ置き洗いはおすすめできません。なるべく短い時間で洗浄を行い、汚れが取れたら清潔な水でしっかり洗浄成分は落としましょう。その後、しっかりと柔らかい布などで水分を拭き取り、乾燥する場所は避けて、紫外線などの届かない冷暗所に保管します。オパールは衝撃に弱い性質がありますので、他の宝石と重なったり触れ合ったりする保管方法は避けましょう。やわらかい布などにひとつずつ包んで保管する方法がすすめです。
色、透明度の違いによるホワイトオパールの市場での価値
ホワイトオパールの市場価値は、さまざまな要素を総合的に判断して決められています。価値を決めるうえで重要なポイントとなっているのが石の色です。同じホワイトオパールに分類されるものでも、色は石によって若干の違いがあるので、石の色が違えば価値にも違いが出ます。ホワイトオパールは、濁りのない白や乳白色のもの、色にムラのないものが高評価となります。また、不透明に近いものよりも、透明に近づくほど価値が高くなります。なお、透明なものはウォーターオパール(クリスタルオパール)と呼び名を変えて、高級な物として流通していますが、境界線が曖昧で基準も明確なものはありません。遊色効果の強さもホワイトオパールの価値を決める時のポイントになり、石の表面にさまざまな色が虹のように輝いているものほど、価値が高くなります。その色の種類によっても価値には違いがあり、特に高く評価されているのは赤い輝きがはっきりと見えるものです。青い光が強いものも、高額で評価されているようです。
色、透明度以外の評価基準はあるのか?
ホワイトオパールは、そのほとんどが丸く山なりに研磨するカボションカットやその変形カットなど、遊色効果を最大限魅力的に見せるカットが施されます。このカットのプロポーションが左右均等で、美しいものの評価が高くなります。なお、クラック(ひび割れ)やフラクチャー(内部亀裂)のあるもの、欠けや穴のあるもの、研磨が十分でない部分があるものもマイナス評価の対象となります。
貝の形をしたホワイトオパールも存在するのか?
オパールは、単純に言えば二酸化ケイ素と水分が融合してできた化合物です。この主成分である二酸化ケイ素が大量に堆積された土地に、様々な自然現象が重なることで成分が染み込み、長い年月をかけて固形化したものがオパールなのです。この時に、貝の化石にも成分が染み込みオパール化することがありました。これが貝の形をしたオパールの正体で、シェルオパールと呼ばれて一般にも流通しています。形としては二枚貝のものが多く、まれに巻き貝のオパールも採石されます。なお、貝以外にもオパール化したものはあり、動物や植物などが発見されています。中にはジュラ紀から白亜紀に活動していた恐竜の骨など、希少価値のあるものも採石されています。
まとめ
虹色の輝きを有するオパール。キラキラとした輝きの宝石とはまた違った独特の魅力があります。個性的なオパールの輝きは、ジュエリーコーディネートの幅を広げてくれそうですね。