オパールの名の由来と意味
オパールの名前は、「色の変化を見る」という意味のギリシャ語「オパリオス」に由来するラテン語の「オパルス」からきています。このギリシャ語の「オパリオス」は、古代インドのサンスクリットで「貴重な石」あるいはオパールを表す「ウパラ」が変化したものです。古代サンスクリット語の「宝石」を意味する「ウパラ」が語源と知られており、宝石のように美しく光輝いていたことからこの意味の名をつけていたそうです。ギリシャ語で色の変化を見るという「オパリオス」に変化し、ラテン語の「オパルス」へ。その後、オパールと呼ばれるようになりました。
オパールの石に込められた意味は「希望」として知られ、今の人生をより楽しみ、願望を達成するためにも、ネガティブな気持ちを浄化して、心のありかたを教え、導く効果があるとされています。また、19世紀に作家サー・ウォルター・スコットが、「オパールは10月生まれ以外の人には悪運をもたらす」という迷信を言い出し、ビクトリア女王がオパールのジュエリーを王室の結婚の贈り物に使って迷信を払拭したという伝説もあります。
オパールはどこから?
オパールの原産地は、オーストラリアが有名。ほかの主な産地は、メキシコ、ペルー、日本、アフリカなどがあります。どこで取れるかによって色もそれぞれ。
オパールの魅力では欠かせないものかと思います。
オパールの様々な色
オパールの特徴でもありますが、一つの石に様々な色を出しているため、色を一言に説明するのは簡単なことではありません。見る角度によって変化のある「プレイ・オブ・カラー(遊色)」という虹色の輝きを持っています。この効果は、シャボンの泡が見せる虹の色と似ていますが、ずっとドラマティックです。これは、光の分散で起こるオパールの白っぽい青やパールのような光沢の「オパレッセンス(乳光)」とは違うものです。オパールの構造はユニークです。凝集した二酸化ケイ素の小さな球が、水と混ざることでピラミッド型の格子を作ります。この格子に小さな傷が自然にできると、独特のプレイ・オブ・カラーが見えます。
種類別で見るオパール
➀ブラック(ダーク)オパール
オパールの中でも最も希少で最も価値があるともいわれております。言葉通りに黒という色ですが、完全な黒ではありません。ブラックオパールは地が黒または青で、遊色が鮮明に現れることが特徴です。赤色の遊色の割合が高いものが最高評価で、他の6色とともに虹色の輝きを放ちます。なお、真っ黒な地色に赤が鮮明に現れるものを特にレッド・オン・ブラックと呼びます。また、オレンジやインディゴライト、グリーンなどが現れるものも美しく、高級品として扱われます。ブラックオパールには「オパールの王」と呼ばれているライトニングリッジ産のブラックオパールもあります。オーロラーのような輝きは深みを感じる独特の色合いでオパールの中でも大人気な種類の一つです。
②ホワイト オパール
白、半透明で、乳白色のようなカラーが見られるホワイトオパール。オパールと言えばコレ!と言えるほど、最も有名な外観でしょう。オパールの中でも産出量が多く、柔らかで優しいゆらめきのような輝きが人気です。最も一般的な種類のオパールですが、採掘されたオパールのうちジュエリーになるのはわずか25%しかないと言われる、とても貴重な宝石だと言われております。
③ファイヤーオパール
「メキシコオパール」と言い換えられて万民に親しまれて来たように、13世紀先住民族アステカ族によりメキシコで発見されて以来、メキシコが世界最大の産地です。オパールの黄色、オレンジまたは赤の品種で、見るもの全てに烈火の如く恋をしている太陽フレアのような石です。特に赤・オレンジが濃いものはファイヤーオパールと呼ばれており、「真っ赤に燃える」と喩えられるほど鮮烈に赤が映え、その表層を遊色効果で多彩なカラーがゆらめく様は見事と言う他ありません。
④グリーンオパール(プレーズオパール、クリソパル)
グリーンオパールは、半透明で緑色のオパールです。オパールによく見られるプレイ・オブ・カラーが無いものの、ミント色からアップルグリーンの色合いがジュエリーとして大変人気があります。
⑤ウォーターオパール(ジュエリーオパール、クリスタルオパール)
メキシコで、本当に稀に地色が美しい透明~青をしたオパールが見つかることがあり、それらはウォーターオパールと呼ばれます。ゼラチンのような見た目と、時おり強調されるオパレッセンスが特徴の、透明な純粋のオパールです。メキシコとオーストラリアで採掘されています。オーストラリアのライトニングリッジでも頻繁に発見され、その場合には本質的には地の色が黒くないブラックオパールと言えます。このようなオパールは、黒い土台(通常はブラックロジウム)をもとにしたオパールのはめこみ細工に使われ、そのあと正確にカットされたオパールの結晶をはめこみ、ジュエリーにします。日本国内では、ブラックオパールに次いで高い人気を誇ります。美しい見た目から、ジュエリー用途だけでなくルースとしてコレクションされることが多くなります。これは、ルースの方がウォーターオパールならではの美しさ・色味を存分に楽しめるから、といった理由があります。
⑥ペルー産 オパール
アンデスから運ばれ、古代インカの人々に愛されたペルー産オパールは、非常に珍しいもので、見事な半透明の色合いをしています。青やピンクがふつうですが、時には緑のものが見つかることもあります。
⑦ボルダーオパール
ボルダーオパールとは母岩についたままのオパールをそのまま研磨し、産出した状態を活かしたものです。ちなみにメキシコ産だとカンテラオパールと呼ばれ、カンテラはメキシコで母岩を意味します。あえて左右非対称の形を残し、裏面や表面には母岩がついた状態です。ただ特殊と言うわけではなく、母岩から分離してカット・研磨すれば、通常のプレシャスオパールと変わりはありません。
オパールの価値について
オパールの価格はピンキリです。物によって数百円~200万円程度の価格差がございます。その幅ですが、実はオパールには価値を変える要因がいくつかあります。まずは遊色。他の方向から眺めた時にできる光学現象のひとつで、虹色にきらめき輝く様をいいます。どのような色味のオパールでも、この遊色が大きいものほど高値がつきます。多くの色が存在していてその色のデザインの幅が広いものほど価値が高くつくのがオパールの特徴です。いくら色がきれいでもこの遊色が見られないと、価値が低くなってしまい、寒色である緑や青よりも暖色のオレンジや赤の評価が高くなります。オパールの価値について考えるときは他の要素が平均的であっても、石の明るさと輝きが特に重要です。したがって、多くの色が見られる石でも輝きが鈍いものは、輝きの良い石と同じ価値にならないことがあります。
また、オパールは単色・2色・3色・虹色の全ての色をしているものがあり、遊色効果の色の他に背景の色も存在します。これをボディカラーや地色といいますが、ブラックオパールの場合は地色が濃いものほど遊色が映えるため評価されます。それ以外にも形や内包物・透明度によって高値がついたりします。
オパールを長く使うには?
まず注意したいのがオパールを洗うときです。オパールは衝撃に弱く、高周波洗浄機で洗うと割れてしまう恐れがあるので、高周波洗浄機は使用しないようにしましょう。洗うときは、水を入れた洗面器の中で先が柔らかい筆などでこすって汚れを落とします。汚れが落ちたら、水でよくすすいでゆっくり自然乾燥させてください。このとき、早く乾かしたいからとドライヤーを使って熱をあてるのはやめましょう。オパールは急激な温度変化に弱いので、ドライヤーを当てると割れてしまうことがあります。また、オパールは熱や乾燥に弱いため、直射日光やエアコンの風が当たる場所に置いておくと乾燥して割れてしまうことがあります。そのため、保管方法には充分注意しましょう。
まとめ
幻想的なきらめきを見せるオパール。その珍しさから人の心を惹きつける美しい宝石ですね。普段からのお手入れや保管方法に気をつけることでより長く使える宝石です。色彩は、じっと眺めていると吸い込まれてしまいそうな不思議な魅力を秘めています。時が経つのも忘れて、その素敵さに魅了されてみてはいかがでしょうか。日本国内では特に人気でよく出回っていますので、ぜひご自身に合った一つを探してみてくださいね!