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5月の誕生石「エメラルド」の基本情報
エメラルドの基本情報を以下の表にまとめてみました。
英名 | Emerald |
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鉱物名 | ベリル |
和名 | 緑柱石 |
分類 | ケイ酸塩鉱物 |
化学式 | Be3Al2(SiO3)6+Cr |
色 | 緑色 |
モース硬度 | 7.5 |
劈開性 | 不明瞭 |
屈折率 | 1.57-1.58 |
結晶系 | 三方晶系(六方晶系) |
断口 | 貝殻状-不平担状 |
条痕 | 白色 |
比重 | 2.71 |
光沢 | ガラス状 |
主な産地 | コロンビア等 |
結晶系 | 「愛」「夫婦愛」「幸福」 |
いかがでしょうか。エメラルドは見たことあるけど、その構造や性質などはなかなか分からないと思います。
この表を踏まえて、エメラルドがどのような宝石なのか深掘りしてみます。
エメラルドの特徴
上記の表の通り、エメラルドは、ベリル鉱物に属するケイ酸塩鉱物です。鉱物の内部にはクロムやバナジウムという元素が含まれており、鉱物と結びつくことでエメラルドの結晶へと変わっていきます。そのため、結晶を生成する過程で傷や別の鉱物が内部に含まれていることが多いです。
つまり、原石の中でもこの内包物(インクルージョン)が少ない綺麗なものは高価と言えるでしょう。
希少性も高く、「世界四大宝石」の1つとされています。
エメラルドのモース硬度
モース硬度とは、アメリカの地質学者ヘンリー・モースが提唱した物質の硬さを表す指標です。エメラルドはモース硬度が7.5なので、宝石の中でも硬い部類に入ります。ですが、内包物を多く含む鉱物のため、割れやすい性質があります。
そのため、商品として販売する際は、「オイル処理」が施されています。割れないようにエメラルド内部の亀裂にオイルを入れて、傷や内包物を目立たなくしているのです。
処理していないのも流通していますが、出回ることが少ないようです。
エメラルドの原産地
現在、エメラルドが一番採掘される国は、コロンビアです。他にはザンビアやブラジル、ペルー、パキスタン、インドなどといった国々にもエメラルドが採掘されます。日本でも採ることができます。
エメラルドの色味は、国ごとに違いがあります。コロンビアでは深みのある緑色で、品質も最高級です。ブラジル産は少し黒味があるエメラルド、ザンビア産は透明度が高いエメラルドが採れます。
このように、エメラルドは国の土地柄によって色味が変わる面白い宝石です。
エメラルドの歴史
エメラルドは紀元前から宝石として人々に珍重されていました。
古代エジプト時代では緑色が不死の象徴とされており、死と復活の神として祀られているオリシスも緑色で表現されていました。そのため、死後の世界を重要視していた古代エジプト人は、エメラルドを死者とともに埋葬したというエピソードがあります。
クレオパトラもエメラルドを愛用しており、古い時代から神秘的な魅力がエメラルドにはあったことが言えます。
エメラルドの意味と宝石言葉
エメラルドには、以下の4つの宝石言葉があります。豊かな緑色を持つエメラルドを身に着けることの意味について、考えてみましょう。
「幸」
エメラルドには幸福へ導くパワーがあります。
結婚55周年をお祝いするエメラルド婚式があるように、「幸せな夫婦の生活が長く続くように」という願いも込められており、幸せな結婚のお守りとして重宝されています。
四葉のクローバーのように持ち主の幸せを運んでくれる、そんな幸運の力が期待できます。
「愛」
エメラルドは「愛情」などといった、「愛」にまつわる宝石言葉があります。そのため、「愛の石」と呼ばれ、愛する人と結ばれるパワーがあると信じられています。
緑色には恋の成長を促進する力があると言われていますが、それと同じように愛を育む効果がエメラルドにはあるので、「恋愛成就のお守り」として身に着けるとよいでしょう。
ちなみに、お互いの浮気防止効果もエメラルドにはあります。
「癒し」
緑色のカラーイメージには安らぎや落ち着きを与えるといったリラックス効果がありますが、エメラルドにもそのような癒しの力があります。
肉体疲労を回復させ、不安定な精神を整える働きがあり、古代からヒーリングストーンとして治療に用いられるほどです。
自然界のありとあらゆるパワーの源が、エメラルドにはあるのです。
「知性・未来」
エメラルドは「先見の明」、「希望」といった先を見据える言葉も込められています。未来を予測する力があり、深い知性や叡智のパワーを持っています。
仕事を効率的よく進める力が期待でき、起業家や投資家といった、「先を読む力」が必要な方にはおすすめです。
男性用のアクセサリーも販売しているので、探してみてはどうでしょうか。
エメラルドに秘められたスピリチュアルな意味
宝石にはスピリチュアルなパワーが秘められており、エメラルドにもその力はあります。そこには人生を明るい方へ好転する効果がありました。
真実を見透かす力
エメラルドは紀元前から様々な伝説や信仰と結びついています。そのなかの1つに「真実を見透かす力」があると信じられ、宗教儀式で使用していたと考えられる民族がいます。古代インカ族です。
言い伝えによると、着用者がエメラルドを舌の下に置いたら未来を見ることができるとされています。ということは、「予言ができる」ということです。そのため、恋人との将来を明らかにしたい時などにエメラルドが使われていたようです。
叡智や自信を授けてくれる
前述でもお伝えしたように、エメラルドは「叡智」のパワーが秘められています。思考力や判断力、洞察力を高めるといった、自分の進むべき道を切り開く力を与えてくれるのです。併せて精神のバランスを整える効果もあるので、仕事などで自信を持ちたい方にはおすすめです。
知恵を授けてくれるとも言われているので、新しいことにチャレンジするときの強い味方にもなってくれるでしょう。
繁殖と生命のシンボル
エメラルドは現在、コロンビアを中心に採掘されていますが、昔はエジプトが中心でした。
古代エジプト人は、エメラルドを「繁殖と生命のシンボル」として親しまれていました。そのため、エメラルドは永遠の若さの象徴となり、クレオパトラが愛用していたとの文献が残っています。
その愛着ぶりは、エメラルドが採掘される鉱山に自分の名前を付けるほどでした。
エメラルドを身につけると現れる効果
では、実際にエメラルドを身に着けるとどのような効果があるのでしょうか。今までご紹介してきたスピリチュアルパワーに関連して、以下のような効果があるとされています。
夫婦円満・浮気防止効果
エメラルドには「愛情」や「幸福」といった、「愛」や「幸せ」に関連した宝石言葉があり、愛する人と結ばれるパワーがあると説明しました。その効果の通り、夫婦円満の力もエメラルドには宿っています。
持ち主と思いやりの心が強くなることから、家庭運アップのお守りとなります。つまり、浮気防止のお守りとしても効果的です。
パートナーと一緒に持っておけば、夫婦円満の効果がさらに高まるでしょう。
魔除け効果
古来よりエメラルドは、「魔法の石」として様々な民族に崇められており、魔除け効果や邪気払いができる宝石として信じられていました。「エメラルドがあれば、魔女は近づけない」とも言われ、魔を払う宝石としても重宝されていたようです。
この魔除け効果があるからこそ、浮気防止効果があると言われる由縁なのかもしれません。
邪気を払い、良縁を引き寄せましょう。
目の視力・疲労回復効果
緑色には眼精疲労の回復効果があると科学的に証明されていますが、古代からエメラルドを利用した目の治療がありました。エメラルドから発せられる緑の光は、疲れ目や視力を回復させる力があると考えられていたようです。
ローマ皇帝のネロがエメラルドの眼鏡を使用していたという逸話があり、そのため、エメラルドは「瞳を美しくする石」とも呼ばれています。
治療・治癒効果
目の治療にも使われてきたように、エメラルドは「治癒の石」としても重宝されてきました。
気持ちを落ち着かせて思考力を高めると同時に記憶力も高めてくれるので、物忘れを予防する効果があります。身に着けることにより、脳の疲れを癒すヒーリング効果が期待できるでしょう。
そんな神秘的な力があるからこそ、エメラルドの豊かな緑色に惹かれてしまうのかもしれません。
エメラルドは結婚55周年の結婚記念石
エメラルドが結婚55周年の記念石として使われていることはご存じでしょうか。
金婚式から5年間、健康に過ごすことができた夫婦を「エメラルド婚式」でお祝いします。緑豊かなエメラルドの色合いから、「静かで尊い暮らしを願っています」という意味をなぞらえたのが由来です。
また、エメラルドは身に着けると「人として成長できる」効果があり、宝石言葉に「愛情」があります。このことからエメラルドは、熟成された関係性を表すにはふさわしい宝石と言えます。
エメラルドを身につける時に気を付けること
エメラルドはジュエリーショップなどでアクセサリーや指輪など、商品が豊富にあります。購入したものはできるだけ長く身に着けたいと思うところでありますが、身に着ける時の注意点を事前に知っておく必要があります。
エメラルドは内包物(インクルージョン)が多く含む鉱物で、割れやすい性質があります。そのため、エメラルドの内部を「オイル処理」で内包物を見えにくくし、割れないように処置をしているのがほとんどです。
よって、水やお湯に長時間つけるとオイルが溶けてしまい変色し、加工前の割れが表れる場合があります。
また、大きな力を加えるのも危険です。元々が割れやすい性質ですので、処理されているとしても割れる可能性があります。
デリケートな性質ですので、就寝時や運動時には外すようにしましょう。
エメラルドのお手入れ・保管方法
繊細な性質をもつエメラルドだからこそ、品質を保つためには丁寧な対応をしなければなりません。エメラルドが汚れた際のお手入れ方法と保管方法について解説します。
エメラルドのお手入れ方法
先述の通り、エメラルドはオイル処理を施しているため、水やお湯をかけて洗浄するのは危険です。なので、柔らかい布を使って優しくお手入れをしましょう。もちろん、から拭きです。
もし、拭いても汚れがどうしても取れない箇所がある場合は、業者にお願いしましょう。ブラシと湯水を使って洗浄することもできますが、加減を間違えると逆に傷がひどくなる恐れがあります。
汚れがひどい時は、ジュエリー専門の店舗などに依頼しましょう。
エメラルドの保管方法
オイル処理を施しているので、乾燥した場所で保管するのは危険です。なぜなら、オイルが蒸発して割れる恐れがあるからです。
また、エメラルドは紫外線にも弱いです。直射日光から発せられる紫外線に当てると変色する可能性があります。
この2点に気を付けて、ジュエリーケースに収めましょう。
その際も衝撃を与えると割れる可能性があるため、他の宝石とは別にして保管してください。エアコンの風が当たる場所も避けましょう。
まとめ
エメラルドには「愛」や「知」、「健康」に関わる宝石言葉やスピリチュアルなパワーが秘められています。大切な人との生涯の幸せを築くお守りとなりますので、ぜひパートナーの方と一緒に身に着けてみてはいかがでしょうか。
また、お手入れする際は割れやすい性質ですので、丁寧に磨いて品質を保つよう心がけましょう。