ダイヤモンドの歴史
人間がダイヤモンドを発見した時期は正確には不明です。しかし、古代インドの文学言語であるサンスクリット語で書かれた紀元前 4 世紀の文書には、宝石の特徴とその取引について言及されており、これはダイヤモンドに関連しているといわれています。
紀元前60年、ガイウス・プリニウス・セクンドゥスは、「自然史」でダイヤモンドについて説明しています。ダイヤモンドは、地球の深部にあるマグマの中1300°C 以上の温度、70,000 kg/cm2 の圧力下、150 km 以上の深さという「極限状態」で結晶化し何十億年も前に形成されました。ダイヤモンドが発見されたのは偶然であり、様々な例外的な要因が重なって鉱物が地中に閉じ込められた状態から抜け出したため発見されたのです。
以前は硬いきれいな石と評されていたダイヤモンドですが、15世紀にルドウィック・ヴァン・ベルケム(Lodewijk van Berken)がカットと研磨の方法を発見することにより、大きな転機を迎えました。輝きと美しさを兼ね備えたダイヤモンドは、長い間、王侯貴族やごく一部の裕福な人々だけの特権であり続けました。そして19 世紀の終わりに、南アフリカでダイヤモンドを含む鉱床が発見され、大規模な生産が可能になり、多くの人々に拡がっていきました。
ダイヤモンドの近代史は、ダイヤカッティングの中心地、アントワープから始まります。アントワープはベルギーの北部に位置しており、研磨済みダイヤモンドと原石の取引量は世界最大、全総量の8割までもがアントワープを何らかの理由で経由し、世界へ輸出されているといわれています。 20世紀にはダイヤモンドは永遠の愛を約束する宝石といわれ、ブライダルリングなどの定番アイテムになる程の存在になりました。
ダイヤモンドの唯一性
◆永続性
ダイヤモンドは自然界に存在する中で最も硬い鉱物です。そのため、磨耗せずメンテナンスの必要が少なく、大切に使用していれば家族の遺産として永遠に受け継いでいくことも可能です。ひとつひとつのダイヤモンドには歴史が刻まれます。人が亡くなってもその思いや記憶を継承し、伝えていけると考えると素敵ですね。
◆価値
ダイヤモンドは、世界標準の4Cグレーディングシステムを持つ唯一の宝石です。アントワープにあるような国際的なダイヤモンド取引所では、貨幣価値と等価交換することができます。また、自然物であるため、埋蔵量に制限があり、時間の経過とともに価値が高まります。物の流行り廃りが目まぐるしいジュエリーの世界でも時代遅れになりません。
◆象徴性
ダイヤモンドは上述のように大きさや輝きによって大きな価値があるものです。そのため、そのようなダイヤモンドを持つことは揺るぎない富とステータスの証になるといえます。
ダイヤモンドの種類
ダイヤモンドといえば、真っ先に無色透明のキラキラした石のイメージを思い浮かべます。しかし、実際には異なる形や色などに差異がある様々なダイヤモンドがあります。カラーダイヤモンドが有名ですが、それ以外にも、知名度が低く、比較的入手しやすく非常にきれいなダイヤモンドがたくさんあります。
●スライスダイヤモンド
スライスダイヤモンドはジュエリーの世界でもかなりユニークな存在です。ダイヤモンドの原石をレーザーで薄くスライスします。これにより、魅惑的な輝きと持続的な輝きが得られます。スライスダイヤモンドは透けて見えるほど薄く、多くの場合ダイヤモンドの価値を下げる悪者扱いされてしまう、インクルージョンの糸状パターンがデザインとして映えます。
●ダイヤモンドの原石
ラウンドブリリアントカットにない価値観。カットされていない 、原石のダイヤモンドは、平凡なものではない風変わりなオブジェを愛する人にとうってつけです。ダイヤモンドの原石は、通常の八面体から岩石まで、さまざまな形状で使用できます。最近では、現代の消費者の間でラウンドブリリアントカットにない価値観なものといて、ダイヤモンド原石が新たな人気を博しています。
●グレー ダイヤモンド
際立った精巧なグレー ダイヤモンドは、石内に存在する複数のインクルージョンからシルバートーンを帯びます。グレーダイヤモンドの輝きは少し控えめで、従来のホワイト ダイヤモンドよりも輝きに落ち着きがあり、そのニュートラルな色は、他の宝石と馴染みやすく、様々な使い方をされています。
●ブラウン ダイヤモンド
ブラウン ダイヤモンドは「シャンパン」や「コニャック」などのお酒の名前が名称に用いられているカラーダイヤモンドです。他のカラーダイヤモンドと同様にダイヤモンドの結晶化中に自然に着色した色味です。ほとんどのブラウンダイヤモンドは、オーストラリアのアーガイル鉱山で産出されます。 「シャンパン ダイヤモンド」という名前は、ブラウンダイヤモンドをより魅力的でユニークな宝石にするためのマーケティング フレーズとして創作されました。ブラウンダイヤモンドは、カラーダイヤモンドの中でも採掘量が多く、手頃な価格であるため、手に入れやすいダイヤモンドといえます。
●ブラック ダイヤモンド
謎めいた魅力を秘めるブラック ダイヤモンドは、ダイヤモンド内にある多数の暗いインクルージョンから色を得ています。漆黒の輝きをもつブラックダイヤモンドは、色を強調するために扱われることがあり、ホワイトダイヤモンドに取り付けられると、黒と白の光のせめぎあいがスタイリッシュで人気になっています。
まとめ
このようにダイヤモンドには様々な種類があり、それぞれに魅力があります。今回の記事を機に自分にピッタリなダイヤモンドを探してみてはいかがでしょうか?「買取大吉」では現在ジュエリーの買取を強化しております。使わなくなったダイヤモンド等がありましたら是非一度ご来店ください。