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ダイヤモンドの価値選定に重要な「4C」とは?
ダイヤモンドの価値は、通常、4つの指標によって評価されます。これらの指標は、「4C」として知られており、それぞれ次のような要素を表しています。
Carat(カラット)
Caratはダイヤモンドの重さです。一般的には、1カラットは0.2gです。ダイヤモンドの選択では、一般的に0.2カラットから0.3カラットが好まれますが、価格は他の要素とのバランスによって変わります。
Color(カラー)
Colorはダイヤモンドの色を指します。無色透明に近いほど価値が高まります。評価は、「D(無色透明)」から「Z(黄みが強い)」までのアルファベットで行われます。
Clarity(クラリティ)
Clarityはダイヤモンドの透明度の指標です。不純物や傷、欠けなどの有無によって評価されます。評価は、「FL(フローレス)」から「I3(インクルーデッド)」までの11段階に分かれます。
Cut(カット)
Cutはダイヤモンドの輝きを示し、職人の加工技術に依存します。評価は、「Excellent(最上級品)」「VeryGood(理想的)」「Good(良好)」「Fair(やや劣る)」「Poor(劣る)」までの5段階に分かれます。
ダイヤモンドの価格相場に影響をもたらす要素
ダイヤモンドの価格相場にはいくつかの要素が影響を与えます。4Cで評価される品質はもちろん、需給のバランス、経済状況、為替レート、流通市場など。これらはダイヤモンドの価格相場を理解する上で重要な要素です。
生産量と供給量
皆さんはダイヤモンドと聞いてどういうものをイメージしますか? パッと浮かぶのは結婚指輪にセットされた眩く輝く貴石、高嶺の花、高級品、そんなイメージではないでしょうか。実はこういったイメージはダイヤモンド産業において大きな存在であるデビアス社によって巧みに築き上げられたものなのです。
ロンドンに本社を構える世界的企業デビアス社では、ダイヤモンドの加工や流通に関わっています。以前はダイヤモンド原石市場で独占的な立場にあり、価値の急落を防ぐために供給量を調整していました。
現在はその独占状態は解消されましたが、依然として世界中の多くのダイヤモンド原石が、デビアス社によって供給調整されています。そのため、ダイヤモンド価格相場にも大きな影響を与えています。
世界の情勢
国際情勢も、ダイヤモンドの価格相場に大きな影響を及ぼす要因のひとつです。例えば、2020年頃からの新型コロナウイルスの世界的な拡大は、一時的にダイヤモンド鉱山の閉鎖をもたらし、採掘量の減少につながりました。
同様に、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻も、ダイヤモンド市場に大きな影響を与えました。ロシアは世界のダイヤモンドの約3割を生産しており、その供給が激減すると、ダイヤモンドの価格相場に大きな変動が生じると予測されています。
海外為替相場
外国為替相場での円安状況が続くと、日本のようなダイヤモンドの採掘ルートのない国では、他国からの輸入が増えてしまいます。そのため国内のダイヤモンド価格も上昇します。
日本のダイヤモンド市場では、ダイヤモンドの価格相場だけではなく、為替の動向も考慮して、取引のタイミングを見極める必要があります。
流通コスト
ダイヤモンドは鉱山で採掘され、そして宝石店へ並ぶまでに様々な経路を経ています。この流通するまでの過程にはカッティングセンターや取引所、商社、メーカーなどが関わります。
輸入国の場合、流通経路はより長くなり、人件費や運送費などの流通コストが増加します。その結果、ダイヤモンドの価格相場も上昇する傾向にあるのです。
2022年までのダイヤモンドの価格推移と値上がりの背景
世界最大のダイヤモンドセンターであり、アントワープ(ベルギー)の有名な宝石商「Ajediam(アジェディアム)」によると、1960年以降、ダイヤモンドの価格は年々上昇しています。特にここ20年で上昇スピードがさらに加速しており、ダイヤモンドの価格は現在でも増加傾向です。
2009年 リーマンショック後の金融緩和
2009年は、前年にリーマンショックが発生し、世界中の経済が混乱した時期でした。株価や価格が大きく下落し、人々の生活に大きな影響を与えましたが、ダイヤモンドの価格はわずかな減少にとどまりました。
これは、リーマンショック後に金融緩和策がすぐに行われ、富裕層の資金が比較的早くダイヤモンド市場に戻ったためです。その結果、ダイヤモンド価格は上昇し、2010年には過去最高価格を記録しました。
2011年 新興国での需要増加
2011年は、中国やインドなどの新興国の需要が増加しています。そのためダイヤモンド市場は上昇傾向にありました。しかし、日本では東日本大震災、ヨーロッパでは債務危機が発生し、これらの影響を受けた先進国では需要があまり伸びませんでした。
2012年 デアビス社からレポートが発表
2012年のダイヤモンド相場は、中国やインドなどの需要が増加し、全体的に需要が堅調でした。また、世界的な需要拡大に伴い、ダイヤモンド価格も上昇傾向にありました。一方で、前年に発生したヨーロッパ債務危機の影響がまだ響いていたヨーロッパでは、引き続き需要が低迷していました。
2015年 0.3カラットのダイヤモンド市場が好調
2012年から2015年までの間、ダイヤモンド市場は穏やかな上昇傾向を続けました。特に、0.3カラットのダイヤモンド市場が好調であり、需要が拡大していました。この時期の市場レポートや業界ニュースによれば、結婚指輪やアクセサリーなどの小型の宝飾品が人気でした。
そのため0.3カラットのダイヤモンドに対する需要が高まったことが要因として挙げられます。
しかし日本では、この時期円高の状態が続いており、ダイヤモンド市場全体の成長はやや伸び悩んでいました。
2018年 生産数増加により供給過多
2018年のダイヤモンド市場は、需要は堅調でしたが、価格相場は前年と比べてやや低調でした。この背景には、主要な鉱山での生産量が増加し、供給が過剰になったことが影響しています。
これにより、市場では需要と供給のバランスが崩れ、価格が押し下げられたとされています。
2020年 コロナショックにより相場低迷
2020年のダイヤモンド市場は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞や、需要の減少などの影響を受けています。ダイヤモンド市場は、厳しい状況に直面しました。
しかし、年の終わりには、需要の回復の兆しが見られ、アメリカや中国などで価格相場が徐々に回復する動きもみられています。
2021年 徐々に価格が復活
2021年のダイヤモンド市場は、新型コロナウイルスのハンデミックが続く中でも、需要が徐々に回復し、価格も高騰しました。これは鉱山での採掘量が限られており、生産が停滞していることが要因です。
また、ダイヤモンドへの投資需要が高まり、その希少性が注目されたことも市場の価格上昇に寄与しました。
2022年 ウクライナ問題や世界経済の影響で価格高騰
2022年、ダイヤモンド市場において価格高騰が見られた要因として、ロシアのウクライナ侵攻問題が挙げられます。この侵攻に伴う世界的な経済制裁や不安定な政治情勢が市場に影響を与え、需要と供給のバランスに変化をもたらしました。
さらに、経済制裁やインフレ、円安・ドル高などの要因も価格高騰に寄与しました。これらの要素が相まって、ダイヤモンドの価格が高騰する結果となりました。
ダイヤモンドの価格は今後高騰する?価格に影響を及ぼす事象
今後のダイヤモンドの価格動向について、2023年以降の価格推移を予測してみたいと思います。今後の価格に影響を及ぼしそうな要因について、以下のような要素が考えられます。
ウィズコロナからアフターコロナへ
新型コロナウイルスの流行が「アフターコロナ」時代への移行を促し、世界中でのワクチン接種が進んだことで、ダイヤモンド市場も次第に落ち着きを取り戻しています。
これにより、一時的な下落傾向にあったダイヤモンド価格も徐々に回復し始めました。将来への不安が和らぎ、高級品への需要も再び高まっているため、ダイヤモンド価格の上昇が期待されています。
戦争などの世界の情勢
国際情勢の変化として、2022年にはウクライナ侵攻がありました。この出来事に対し、アメリカやイギリスなどがロシアに経済制裁を課し、ロシア産ダイヤモンドの供給が激減しました。
ロシアの主要ダイヤモンド企業であるアルロサ社は、世界のダイヤモンド市場に大きな影響を及ぼしています。アルロサ社との取引が制限されることで、ダイヤモンドの供給が急激に減少し、価格高騰がさらに進む可能性があるでしょう。
円安ドル高の為替相場
外国為替市場では円安ドル高が続いています。2022年9月には、一時1ドル144円台を突破し、1998年8月以来の安値水準に達しました。この傾向はしばらく続くと予想され、先行きが不透明な状況が続いています。
日本はダイヤモンドを輸入しているため、円安の状態は大きな打撃となります。このまま続けば、ダイヤモンドの価格が一層上昇する可能性があるでしょう。
経済成長している国での需要の増加
ダイヤモンドは世界的な需要の増加が見込まれています。特に、経済成長が著しいインドや中国では、経済が発展するにつれて、ダイヤモンドへの関心が高まるでしょう。また、富裕層を中心に、ダイヤモンドを資産保全の手段として見る動きが強まっています。
ダイヤモンド価格は安定しており、過去のリーマンショックでもわずかな価格変動しかありませんでした。そのため不安定な世界情勢に対する備えとして、ダイヤモンドの購入を検討する人が増えています。
2023年以降もダイヤモンド価格は高騰が予想される
ダイヤモンドの価格は、需要と供給だけでなく、世界情勢の影響も受けます。ロシア・ウクライナ危機で世界が揺れ、各国がロシア産ダイヤモンドの輸入を禁止する動きが加速しています。
外国為替市場も不安定で、これらの要因から2023年以降のダイヤモンド価格は上昇しています。この状況はしばらく続く見込みであり、高値での売却タイミングを検討するのが良いでしょう。
値上がりしていくダイヤモンドは今が買い時?
ダイヤモンドの高騰は、関連するすべての商品に大きな価格変動をもたらします。ダイヤモンドジュエリーはその典型であり、高騰前に購入することが賢明です。
ダイヤモンドジュエリーにはさまざまな種類があり、使用されるダイヤモンドの量によって価格が変動します。近年の世界的なパンデミックの影響を受け、ダイヤモンドの供給量は減少しています。
しかし、この状況が収束すれば価格は必ず高騰します。ダイヤモンドの需要は、手に入れたいと考える人が増えるため、安値で購入できる今が貴重です。
高騰中のダイヤモンドを高価買取してもらう方法
ダイヤモンドを高く売るためには、まずダイヤモンドの価格推移を把握することが肝要です。しかし、それだけではなく、以下のポイントにも注意を払うことが重要です。
良い状態を保っておく
ダイヤモンドの価値を維持するためには、定期的なメンテナンスが重要です。ダイヤモンドの状態を良くしておきましょう。ダイヤモンドは油分が付着しやすいため、中性洗剤を染み込ませた布やキッチンペーパーで汚れを丁寧に拭き取ることが必要です。
また、専用のジュエリークリーナーを使用すると、輝きを長持ちさせることができます。
さらに、ジュエリーを保管する際には、柔らかい布やジュエリーボックスを利用して、表面に傷がつかないよう保護しましょう。
付属品を揃えておく
ダイヤモンドを少しでも高く売るためには、付属品も一緒に用意しておくことがおすすめです。鑑定書やジュエリーケース、台座などは、買い取り時に価値を高める重要な要素となります。
また、購入時のレシートや説明書も持参するとさらに高額査定を狙えるでしょう。これらの付属品が揃っていると、買い取り価格がアップする可能性が高まります。ダイヤモンドを購入した際は、将来の売却に備えて、これらの付属品を大切に保管しましょう。
高価買取の実績のある買取専門店に出す
ダイヤモンドを売る際は、査定実績が豊富な買取専門店を選ぶのが重要です。専門店にはプロの宝石鑑定士が在籍し、より正確な査定が期待できます。たとえば、米国宝石学会(GIA)の資格を持つ鑑定士が在籍している買取店は信頼できます。
また、独自のメンテナンス技術を持つ店舗は、状態の悪いダイヤモンドでも高値で買い取ってくれることがあります。痛みや汚れがある場合でも、安心して売却できる買取店を選びましょう。
まとめ
ダイヤモンドの価格は、需要の拡大と共に上昇傾向にあります。海外情勢や為替市場の不安要素が存在しますが、過去の推移を踏まえると大幅な変動は予測されません。
高値での売却を望むなら、買取時期や場所を慎重に選ぶことが重要です。また、ダイヤモンドの価値に影響するポイントを把握し、知識を深めることで、安心して取引できるでしょう。