評価基準『4C』とは
『4C』とは頭文「C」から始まる下記の4つの単語から来ています。
●カラット(Carat):重量
これはダイヤモンドの重さを表す単位で、『1ct=0.2グラム』となります。もちろんカラットは、大きければ大きいほど価値もお値段も高くなります。
●カラー(Color):色
通常のダイヤモンドはごく僅かに緑がかった黄色をしていることが多いため、無色に近いものほど希少価値があります。
●クラリティ(Clarity):透明感
ダイヤモンドにも1つ1つ個性があり、傷やインクルージョンと呼ばれる内包物が存在します。ルーペや肉眼でダイヤモンドを覗いた時に見られる黒い点や白いモヤモヤなどのことです。これら内包物の有無や大きさから、ダイヤモンドの透明度、または透澄度を表したものがクラリティです。傷や内包物の少ないものほど光を透過させ、抜群に輝きます。
●カット(Cut):研磨
4Cの中で唯一人が関与する部分で、他の3つのCに重大な影響を及ぼすのがカットです。もともとの原石の形状、カラーグレード、クラリティを検討しながら最大限のカットが施されるためです。そして、ダイヤモンド特有の美しい煌めきは、高い屈折率と分散を生かしたバランスの良い正確なカットから生まれます。
この4Cの評価によってダイヤモンドの価値が決まります。そのため、同じカラットのダイヤモンドでも1つ1つ評価が異なるため、価格は大幅に変わることも珍しくありません。しかし、地中の奥深くで形成される天然の宝石「ダイヤモンド」は、採掘される原石の大きさも様々で希少性の高さゆえに大きなダイヤモンドが採れることは非常に珍しく、価値があり、莫大な金額で取引をされるようになります。
世界最大のダイヤモンド
そんなダイヤモンドの中で、史上最大の原石が1905年に南アフリカで発見されました。大きさは3106カラット。長さ101mm、高さ63.5mm、幅50.8mm。 鉱山の所有者であったトーマス・カリナンの名前にちなんで「カリナン」と命名されました。ダイヤモンドは1カラットが0.2グラムと言われており、3,106カラットのカリナンはおよそ621グラム。野球ボールより大きくずっしりとした感じです。3,106カラットのカリナンの金額的価値は想像を絶するものがあり、現在の金額に換算すると2000億円以上と言われています。
世界最大のダイヤモンドのその後
当初カリナンは、ヨハネスブルグとロンドンで展示されていました。高価すぎるあまり、なかなか買い手が付きませんでした。しばらくしてカリナンは、南アフリカのトランスヴァール政府に買い取られます。トランスヴァール政府は1907年、66歳の誕生日を迎えたイギリス国王・エドワード7世に、カリナンを献上しました。
エドワード7世はカリナンを原石のまま保存するべきか、カットをするべきか、それまで世界最大とされていた955カラットのダイヤモンド原石「エクセルシオー」のカットを成功させた、天才ダイヤモンドカッター師「ジョセフ・アッシャー」に相談しました。ジョセフ・アッシャーはエドワード7世に「ダイヤモンドは、輝いてこそダイヤモンド」と伝え、カリナンのカットをすることとなります。
莫大な保険金もかけられていたカリナンのカットには相当な時間がかかりましたが、見事にジョセフ・アッシャーの手によって9つの大きな石と96個の小さな石に美しくカットされました。
カットされた大きな9つのダイヤモンドは、それぞれ大きいものから順にカリナンⅠ世~Ⅸ世と名付けられました。特に530カラットのカリナンⅠ世は英国王室の王笏に、317カラットのカリナンⅡ世は王冠の額の部分に留められています。
最後に
このようなストーリーを聞くと、ダイヤモンドの希少性やカットを施すことの難しさ、そしてそこから生まれる永遠の輝きは本当に奇跡が積み重なり生まれるものだと言えます。4Cのすべての要素で高い評価を得たダイヤモンドは、ルースと呼ばれるどれも最高級のダイヤモンドです。ダイヤモンドの原石は形も品質も価値もそれぞれです。あなたのこだわりとご予算に合ったあなただけのダイヤモンドをぜひ見つけてくださいね。