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ダイヤモンドのカラーグレードチャートとは? 評価要素と選び方も解説

ダイヤモンドのカラーグレードチャートとは? 評価要素と選び方も解説

ダイヤモンドはその品質やカット、カラーなどによって、評価に大きな違いが生じます。ダイヤモンドは、カラー、カラット、クラリティー、そしてカットの4項目で評価されることが一般的です。今回は「カラー」に焦点を当ててみましょう。

ダイヤモンドの色の特徴

ダイヤモンドの色は、無色が最も価値が高く、微細な色の違いが評価されます。黄味や茶色みがあると価値が下がります。ランクはDからZまであり、Dが最も無色に近く、Zになるほど色が目視できるようになります。

ダイヤモンドはさまざまな要因で色が変わる

ダイヤモンドの色が決定するには、さまざまな要因があります。炭素(元素記号:C)で構成されるダイヤモンドは、形成される段階で不純物が入ると色がつくのです。

また、結晶構造の欠陥や歪みも色の変化を引き起こします。

要因
イエロー 窒素(元素記号:N)を含む
ブルー ホウ素(元素記号:B)を含む
ブラウン 窒素を含む または  結晶格子の歪み
グリーン 空孔と窒素をを含む または  結晶構造の欠陥
ピンク 結晶構造の欠陥
レッド 結晶構造の欠陥
ブラック 黒鉛が全体に広がる

ダイヤモンドは不純物が含まれておらず、結晶に問題がない最高品質のものです。

ダイヤモンドの最も一般的な色は、窒素(元素記号:N)が混ざることによる黄色です。窒素が多いほど黄色味が強くなりますが、その他の要因も色の変化に影響します。ですがまだ、色の変化に関して科学的に完全には、解明されていません。

蛍光性のあるダイヤモンドは天然の証

ダイヤモンドの蛍光性は、その天然性を証明しています。世界的な鑑別機関GIAの鑑定書には、「Fluorescent(蛍光性)」という項目があります。蛍光性は紫外線やX線などを照射すると、ダイヤモンドが様々な色と強さの蛍光を発する特性です。

蛍光性を持つダイヤモンドは全体の3割前後であり、ダイヤモンドの価値には直接影響しませんが、個人の好みによって蛍光性が強いダイヤモンドを選ぶ人も増えています。

一方、人工ダイヤのキュービックジルコニアやモアッサナイトなどのイミテーションダイヤには蛍光性がありません。

ダイヤモンドのカラーグレードについて

ダイヤモンドのカラーグレードは、ダイヤモンドの色合いの品質を評価するための基準です。一般的に、ダイヤモンドのカラーグレードは、DからZまでのアルファベットで表されます。

GIAが定める23種類のカラーグレード

鑑定書では、GIAにより定められたカラーグレードが採用されています。DからZまでの23段階のグレードがあり、各グレードには基準となるマスターストーンが用意されています。熟練者はこれらを比較し、ダイヤモンドのカラーグレードを決定します。

グレーディングは機器ではほとんど区別できず、微細な色の違いが評価に影響します。人間の感覚は疲れや休養状態で変わるため、作業は最適な条件で慎重に行われています。同じダイヤモンドでも、鑑別機関によって結果が異なることがあるのは、それだけカラーグレーディングが難しいからです。

ダイヤモンドのカラーグレードチャート

グレード カラー等級 ダイヤモンドの見え方
D・E・F

Colorless

無色

熟練者が観察しても

ほとんど無色

G・H

Near Colorless

ほぼ無色

熟練者が観察して

わずかに黄色味がある

I・J

Near Colorless

ほぼ無色

熟練者が観察して、小粒は無色

大粒はやや黄色みがある

K・L・M

Faint Yellow

僅かな黄色

熟練者でなくとも

黄色みを感じる

N・O

Very Light Yellow

非常に薄い黄色

熟練者でなくとも

黄色みを感じる

P~Z・

Fancy

Very Light Yellow

非常に薄い黄色

熟練者でなくとも

黄色みを強く感じる

カラーグレードが「D」から始まる理由

GIAのカラーグレードは、なぜ「D」から始まるのでしょうか。

これは、以前のグレーディングが統一されておらず、様々な方法で行われていたためです。GIAは新しいカラーグレードを設定するため、未使用のアルファベットである「D」を最高とし、Zまでのアルファベット順に23段階に分類しました。

現在では、ほとんどの鑑別機関がGIAのカラーグレードを採用し、世界的に統一された基準として使用されています。

ダイヤモンドの評価要素と選び方

ダイヤモンドの選び方について、カラーとクラリティ(透明度)の両方が評価要素として考えられます。しかし、どちらを優先すべきかについては、カラーを選択すべきでしょう。

なぜなら、カラーのグレードが上がると同時にクラリティも向上するためです。ダイヤモンドの内部に含まれた不純物や結晶の構造がカラーとクラリティの両方に影響するからです。

したがって、少しでも高品質なダイヤモンドを選びたい場合は、カラーを重視すべきです。

ファンシーカラーダイヤモンドとは

ファンシーカラーダイヤモンドは、通常のクリアなダイヤモンドとは異なり、色がついているダイヤモンドのことです。これらのダイヤモンドは、黄色、ピンク、ブルー、グリーンなどの様々な色合いを持ち、希少価値が高く、高額で取引されることがあります。

Z以降のダイヤモンドはファンシーカラーに分類

Z以降の濃い色のダイヤモンドは、ファンシーカラーダイヤモンドとして知られます。これらは色で分類され、明度・彩度でさらに分けられます。ファンシーカラーダイヤモンドには、市場に出回る頻度がまれな希少なものから一般的なものまであります。

ファンシーカラーは8つのカラーに大別され、その希少性が表されます。価値はクラリティーやカットなどによって変わりますので、一覧をご用意しました。ぜひご参考までにご覧ください。

ファンシーカラー表と希少性一覧

ファンシーカラーは、市場にほとんど出回らない非常に希少なものから、一般的に見られるものまで、さまざまな希少性が存在します。

希少性 色(8つの色に分類)
最も高い レッド・パープル・ピンク
高い ミディアムブルー・グリーン
やや高い ライトブルー
普通 オレンジ・イエロー

ファンシーカラーダイヤモンドの希少性は、おおよそ8つのカラーに分類されます。ただし、価値はクラリティーやカットなどによって変わります。

明度・彩度で変わるファンシーカラーダイヤモンドの価値

ファンシーカラーダイヤモンドの明度・彩度は、様々なバリエーションをより詳細に分類し、その大きな違いが価値に影響します。特に、上質で鮮やかな色合いを持つファンシービビットは、非常に高い価値があります。

2013年11月12日に行われたクリスティーズのジュネーブオークションでは、14.82ctのファンシービビットオレンジダイヤモンドが3260万スイスフランで落札され、1ct当たりの価格で最高記録を樹立しました。

名称 色の濃さ(色合い)
ファンシービビット 上質で鮮やか
ファンシーディープ 上質で深い
ファンシーダーク 上質で暗い
ファンシーインテンス 上質で濃い
ファンシー 上質
ファンシーライト 上質で薄い
ライト 薄い
ベリーライト 非常に薄い
フェイント 弱い

ファンシーカラーダイヤモンドの代表的な色

代表的なファンシーカラーダイヤモンドといえば、3つのカラーがあります。いずれも希少性や美しさから高い評価を受けています。

ファンシーイエロー

ファンシーイエローダイヤモンドは、南アフリカのケープ州で多く産出され、色合いが濃いものは特に美しいとされます。鮮やかで明るい黄色の色合いを持ち、市場で最も一般的なファンシーカラーダイヤモンドの一つです。

明るい色調ほど希少性が高く、濃いイエローは特に価値が高いです。そのため鮮やかなカナリヤ色や、レモン色が好まれます。ただし、カラーエンハンスメントや合成品も存在するため、購入時には注意が必要です。

ファンシーピンク

ファンシーピンクダイヤモンドは、アーガイル鉱山などで産出され、非常に希少で高価です。淡いピンクの色調を持ち、華やかで美しいダイヤモンドです。大粒のものは稀で、多くが再販品です。

ファンシーのランクに及ばないピンクダイヤモンドは、比較的手頃な価格で人気があります。ですが、人工処理や合成品も存在するため、購入するときは注意が必要です。

ファンシーブルー

ファンシーブルーダイヤモンドは、南アフリカのプレミア鉱山などから稀に産出される、青い色合いを持つ稀少なダイヤモンドのことです。希少性が高く、その美しさから高い評価を受けています。

理想的な品質は薄くても、グレーがかっていないものです。その産出量は非常に少ないため、理想の品質を見つけることは困難でしょう。とても珍しく貴重なため、その価値をさらに高めています。

世界的に有名なカラーダイヤモンド

世界で最も有名なカラーダイヤモンドには、いくつかの顕著な例があります。その中でも特に有名なダイヤモンドは、それぞれの独特な色合いと歴史的な背景から、世界中で広く知られています。

ホープダイヤモンド

<カラー:Fancy Dark Grayish Blue>

ホープダイヤモンドは、9世紀にインド南部のデカン高原で発見されました。所有者に不幸をもたらし「呪いの宝石」として知られてています。

もともとは112.50ctで大きく重たいダイヤモンドでしたが、フランス王国国王ルイ14世の所有時にハート型にリカットされ、69.03ctへとサイズダウンしました。

その後、4辺の長さが等しい「アンティーククッションカット」に再度リカットされ、44.52ctに形を変えます。

現在はアメリカの国立自然史博物館に収蔵され、多くの人々を魅了し続けています。

ドレスデン・グリーン

<カラー:Fancy Intense Blueish Green>

ドレスデン・グリーンは、約300年前にインドのアーンドラ・プラデーシュ州のコラール鉱山で発見されました。

長い間、ドイツ・ザクセン州の州都ドレスデンで展示されていたことからその名が付けられました。ザクセン王家の宝物館に所蔵されていましたが、現在は新設されたノイ・グリュネ・ゲポルベで展示されています。

このダイヤモンドのサイズは41ctで、内部に傷がなく、炭素のみで構成された、不純物元素が混入していない貴重なⅡa型です。Ⅱa型の割合は大変珍しく、全体の2%以下だといわれています。

ピンク・スター

<カラー:Fancy Vivid Pink>

ピンク・スターは、GIAによってファンシー・ビビッドピンクと評価された、世界最大の41ctであるピンクダイヤモンドです。

2013年にサザビーズが開催したオークションで史上最高額の7632万スイス・フラン(約83億円)で落札されました。1999年に南アフリカで発見され、20ヶ月かけてミックスオーバルブリリアントカットに研磨されました。

かつてはシュタインメッツピンクと呼ばれましたが、2007年に新たな所有者によって「ピンク・スター」に改名されました。

ティファニーイエローダイヤモンド

<カラー:Fancy Yellow>

ティファニーイエローダイヤモンドは、1878年に南アフリカのキンバリー鉱山で発見された、287.42ctのファンシーイエローダイヤモンドです。

ティファニーが買取り、鉱物学者のジョージ・フレデリック・クンツによって研磨されました。ラウンドブリリアントカットよりも面(ファセット)が多い、90面のクッションブリリアントカットに研磨されています。この美しいイエローダイヤモンドは、この研磨により128.54ctになりました。

1983年にティファニーが販売した価格はなんと約14億円でした。

これまでに、アメリカ外交官であるエドウィン・シェルドン・ホワイトハウス夫人や世界的大女優オードリー・ヘプバーン、世界の歌姫レディー・ガガ、ハリウッドで活躍するイスラエルの女優ガル・ガドットの4名だけが着用しています。

まとめ

ダイヤモンドのカラーは、その価値や美しさに大きな影響を与える重要な要素です。今回は主要なダイヤモンドのカラーグレードをまとめてみました。

完全に無色から黄色みがかったものまでの範囲で、ダイヤモンドのカラーは評価されます。ぜひ、カラーダイヤモンドの購入や評価の際に役立てください。

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