ダイヤモンド
ダイヤモンドは古くから人々を魅了してきました。その並外れた硬度も有名ですが、ダイヤモンドが最も素晴らしい宝石である所以はその輝きです。この貴石は立方体の炭素原子で構成されており、極端な温度と圧力の条件の下、地下150~200キロメートルで結晶化します。
ダイヤモンドの色
ホワイト(無色の)ダイヤモンドは、ダイヤモンドにおいて最もよく知られています。色の変化の原因となるインクルージョンや自然着色がないことで、他のファンシーカラーダイヤモンドと区別されます。
様々な検証方法
ダイヤモンドを購入したり、受け継いだりした場合、そのダイヤモンドが果たして本物なのかということは、はっきりさせておきたいですよね。実はその真贋について自宅で検証できる簡単なテストがあります。
●サンドペーパーによるテスト
サンドペーパーによるテストは、石が本物かどうかを見分ける特に簡単な方法です。サンドペーパーを取り、石にこすりつけます。本物のダイヤモンドは無傷のまま残りますが、ジルコニアなどの他の石は損傷します。なので、傷がついては困る場合、この方法はリスクを伴います。
●フォグテスト
この方法は石に熱風を当てるだけです。石の表面上が曇ったり、水滴がつく場合は、その石がダイヤモンドではないことがわかります。ダイヤモンドは熱を放射するため、すぐに曇ることはありません。
●「完璧すぎ」は怪しい
ジュエリーランプや虫眼鏡も、石の欠陥を判断するのに役立ちます。一般に、「完璧すぎる」ように見える石はすべて偽物です。自然界の本物の石には、インクルージョン(内包物)と呼ばれる不純物が含まれています。
●コップ一杯の水
水を入れたコップに石を落とします。ダイヤモンドであれば石は水の底に沈みますが、そうでなければ浮上する可能性があります。
●X線装置
X線装置を手に入れば、確信性の高いテストを行うことができます。本物のダイヤモンドは、放射線透過性の分子構造を持っているため、X 線には映りません。これに対して、立方ジルコニウムや結晶などの他の材料は、放射線不透過性構造を持っています。
また、ダイヤモンドの光の反射の質をチェックすることで、本物か偽物かを簡単に見分けることができます。石を直接見て、光が石をどのように通過するかを調べます。本物のダイヤモンドは、グレーと白の色合いを反映するか、石自体の中で輝きます。外側では、ダイヤモンドが虹色に反射します。ダイヤモンドでない、モアッサナイトのような石は、内部に虹を映します。光の強さは、ダイヤモンドの性質を測る有用なバロメーターです。
●資格のあるダイヤモンドの専門家に連絡する
ダイヤモンドついて質問がある場合は、ダイヤモンドの専門家に相談するのが確実です。GIAのような専門機関はもちろん、「買取大吉」のようなプロの鑑定士が在籍する買取店で査定を行うのも一つの手段です。それが本物の石なのか人工のものなのか、恒久的または一時的な処理が施されているのかなど、様々な質問に答えてくれるでしょう。また、ダイヤモンドに個人的な「痕跡」を付けて、盗難の際に追跡できるようにすることもできます。
合成ダイヤモンド
天然ダイヤモンドと模造品、人口ダイヤモンドを混同しないように注意してください。確かに、人工ダイヤモンドは人によって作りだされますが、鉱山から摘出されたダイヤモンドと同じ特性を持つ本物のダイヤモンドです。
●HPHT(High Pression High Temperature)法
この方法は、ダイヤモンド形成の自然な生成プロセスを再現するために、非常に高い圧力と温度で炭素源をダイヤモンドにします。いまのところ、この手法で得られるのはカラーダイヤモンド (イエロー、オレンジ、ピンク、ブルー)のみです。
●化学蒸着法(CVD法)
この方法では、化学的に気体状態から積層させる合成法により、ダイヤモンドを作成します。得られたダイヤモンドは、HPHT法よりも純度が高いものになりますが、耐性は低くなります。この技術は、アルコールを構成する炭素原子と水素原子、酸素原子を分子レベルで分解し、炭素原子のみを基板上で結合するという方法です。
●ダイヤモンドのイミテーション(模倣)
高級なダイヤモンドを模倣するために、さまざまな合成結晶または天然結晶が使用されます。
・ジルコニア(酸化ジルコニウム)
透明なセラミックです。天然石であるジルコンとは別のものです。ダイヤモンドに似た高い屈折率を有するためダイヤモンドの模倣石としてよく使われます。
・モアッサナイト
炭化ケイ素です。ダイヤモンドを凌ぐほどの輝きを持つ宝石と言われます。天然のものは希少性が非常に高いので、模倣品として市場に流通するものは人工のモアッサナイトであることが多いです。
まとめ
今回、ダイヤモンドの真贋方法についてご紹介しました。簡単にできるものもありますのでお手持ちのダイヤモンドを真贋する際はご活用いただければ幸いです。