ダイヤモンドの原石の生成
ダイヤは地下約140~190kmの高圧・高温のマグマの中で結晶になり地殻変動で地表近くに出てきます。最も古いダイヤモンドは約45億年前に生成されたものと言われています。
ダイヤモンドの価値は昔から高かったのか?
ダイヤモンドは古代より宝石として認められていましたが、現在より価値は低いとされルビーやエメラルドに比べて8分の1以下と言われていました。当時は、研磨方法が発見されておらず、価値をより高くするにダイヤモンドは、あまりにも強く、固かったのです。
一気にダイヤモンドの価値が上昇、その研磨方法とは
15世紀になり「ダイヤモンドはダイヤモンドで磨く」という研磨方法が考えだされ次第に宝石として価値を持ち始めるようになります。これはオランダのベルケムという宝石職人が考案したと伝えられています。それでも美しさを引き出す屈折のうち、反射を良くするということに重点が置かれました。原石のすりガラス状の表面を削って光沢を出すのです。そして不要な角の部分を剃り落とす程度でした。当時のカットはポイントカットと呼ばれました。その後研磨技術の向上とカット方法の研究が行われ宝石の中でも徐々に高い価値を持つようになります。16世紀には「ローズカット」17世紀には「ブリオレットカット」が施されたダイヤジュエリーが残されています。1700年頃はダイヤモンドのもつ輝きを最大限に引き出す「ラウンドブリリアントカット」がイタリア・ベネチアのビンセントベルッチによって原型が開発されました。その後トルコウスキーなどの研究によってダイヤモンドを最も美しく見せる今日のブリリアントカットが今も受け継がれています。長い間、ダイヤモンドはインドでしか産出されませんでしたが1730年にブラジルでも発見されインド以外では初めてのダイヤの産地となりました。ダイヤモンドの価値にいち早く気づき、ダイヤモンドを流通したのがイスラエルに住むユダヤ人の流浪の民です。持ち運びが軽くて便利で価値が高い宝石が珍重されました。現在でもユダヤ人が作り上げたデビアス社は、ダイヤモンドの流通の要になっています。1860年代にはブラジル産のダイヤモンドは枯渇してしまいましたが、1866年に南アフリカで世界最大級のダイヤ鉱脈が発見され、供給量も増え、人口も多くなりゴールドラッシュならぬ、ダイヤラッシュという現象が起こるのです。
天然ダイヤモンドの価値
1950年代までは天然ダイヤのみの流通でした。ダイヤモンドの生成には地下140~190kmで10億年以上の歳月がかかり、人の手に渡るのは地質変化や地殻変動で地表近くに押し上げられたダイヤモンドだけでした。そんな希少な状況から20世紀、ダイヤモンドを作り出すことに成功しました。人工ダイヤモンドの登場です。以前から模造品はありましたが極小粒のものしか作れず、また天然ダイヤよりもコストがかかってしまいました。これらの人工ダイヤの多くは工業用に使用されています。合成ダイヤが開発された時は、今後合成ダイヤモンド(人工ダイヤモンド)の技術が進み天然ダイヤモンドの価値が無くなってしまうのではないか?との疑問の声が聞かれましたが、ルビー、エメラルドなどの色石も合成ルビー、合成エメラルドなどが作られ市場に出回っていますが、今でも天然ものは希少価値が高く、天然ものの価格に影響していません。ダイヤモンドは人類の歴史と文化の一部として今後も価値を保っていくと考えられます。
ダイヤモンドの性質
ダイヤモンドが硬いことは一般的に知られていますが、この硬さは表面に傷が付きにくいという硬さです。
他の宝石よりもかなり高い硬度を持っているので複数のジュエリーを一緒に持ち運ぶと、ダイヤモンドが他の宝石に当たって傷をつけてしまうことがあるので注意が必要です。一方、ダイヤモンドは、衝撃に対して割れやすいという性質も持ち合わせています。「ダイヤは硬い」ということが知られているため割れにくいと誤解されやすいですが、落としたりぶつけたりすると割れてしまうことがあります。また、ダイヤモンドは油になじみやすい「親油性」という性質があり、着用によって皮脂などの汚れがつくと油の膜によって輝きが鈍くなってしまうことがあります。その場合は中性洗剤などでやさしく洗うことで輝きが復活します。
まとめ
誰をも虜にしてしまうダイヤモンドの美しさ。性質を知り、大切にケアして頂くことで美しいまま末永くご愛用いただけます。