エブリンの原点
エブリンは1978年にHERMESが高級馬具工房だった時からのデザインディレクターであった「エヴリン・ベルトラン」の名前にちなんで登場しました。彼が考えたのは、馬具用品を出し入れしやすい広い開口部、たくさん収められるようなマチ、良い状態を保つ為の通気用の穴でした。これを馬の蹄鉄を思い起こさせる縦に少し細長く、角が丸い形を美しい曲線で表現し完成させました。
そして通気用の穴をHERMESの頭文字の「H」の形にパンチングするという無駄のないデザイン、さらに「エブリン」にはフランス語で「生き生きとした」、「気持ちの良い」という意味もあり、言葉の意味通り、シンプルかつ丈夫で、使いやすいバッグとしてファンを集めました。
エブリンのバッグ
ショルダータイプでカジュアルテイストが強く、様々なファッションに合わせやすいエブリンですが、実はこれまでに何度かモデルチェンジを繰り返しより使いやすくバージョンアップしています。それぞれの特徴を紹介します。
・Ⅰ(アン)
1978年に登場した最初のモデルです。初期に製造されたものは馬具を収納することが目的だったためか、かなりシンプルな構造です。ショルダーの調節は出来ず、最低限の機能だけ備えたデザインとなっています。内部にはポケットも付いていて小物を収納する事が可能です。製造刻印はストラップの付け根の革に彫り込まれています。
・Ⅱ(ドゥ)
2006年ごろに登場したモデルです。内部のポケットがなくなった代わりに、外側にバックポケットが付きました。小物をさっと入れられるバックポケットにより、機能性が少し上がっています。Ⅱ以降、製造刻印は前面のベルト部分の裏側になりました。しかし初期タイプと同じくストラップの付け根の革に刻印されていることもあります。エルメスの製造刻印は一つ一つが職人による手打ちなため、場所や順番がアイテムによって違う事が多々あります。
・Ⅲ(トロワ)
2014年ごろから製造され始めたモデルです。ここからショルダーの調整が出来るようになり、身長やファッションによって長さを変えられるようになりました。ショルダーベルトの長さを調整してコーディネートの雰囲気を変えられるので、より機能性とデザイン性が高まったと言えます。デザインそのものには大きな変更はありませんが、細かな調整により使い勝手がさらに良くなりました。
サイズ展開
エブリンのバッグのサイズはポシェットサイズから通勤カバンサイズまでの、5種類から選べます。シンプルなデザインの代りにサイズ展開がとても豊富なのでこちらも紹介します。是非自分にあったサイズを見つけてみてください。
・TPM:縦18cm×幅16cm×マチ5cmのポシェットサイズ
スマートフォンや財布など、必要最低限の荷物でお出かけする時に向いています。最近では、ミニバッグがトレンドになっているので、「ミニエブリン」として大人気なサイズです。人気の理由は何と言っても、可愛らしいフォルムです。小さく上品なエブリンを斜めがけすれば、普段のカジュアルファッションを格上げしてくれます。
・PM:縦30cm×幅29cm×マチ10cmのB5が収納できるサイズ
エヴリンバッグの中で特に人気のサイズです。スマートフォンや財布に加えて、タブレットや水筒なども収納できる大きさです。小さすぎず、大きすぎない丁度良いサイズ感のPMは、日本人女性の身長にぴったりです。お出かけに必要なものは、すべて収納できるので、女性からの人気を集めています。ある程度の荷物が入る、実用的なショルダーバッグを探している方に、おすすめのサイズです。
・MM:縦32cm×幅30cm×マチ10cm
PMとGMの間サイズです。PMもGMも試しに見てみたが、間のサイズが欲しいという方には、こちらがおすすめです。
・GM:縦32cm×幅33cm×マチ10cmのA4が収納できるサイズ
PMに比べて縦が2cm、幅が4cm大きいので、大きな荷物も入れやすいサイズです。それ故に主に男性に人気のサイズとなっています。女性には大きい印象がありますね。身長や体格によっても異なりますが、身幅に対してバックの方が大きくなってしまうこともあります。
・TGM:縦38cm×幅41cm×マチ8cm
GMよりもさらに大きいサイズとなります。エブリンの丈夫さ故にたくさん荷物を入れたい方には、こちらがおすすめです。
カラー展開
エルメスのカラー展開は、200色を超えるとも言われており、他のブランドに比べても群を抜いています。毎年、新色・復刻色などが発表されるたびに、ワクワクする方も多いのではないでしょうか。そんなエルメスのエブリンも、もちろんカラー展開が豊富でとてもここでは紹介しきれないですね。そこで今回は代表的な色3点を紹介します。
・エトゥープ
エトゥープは、ブラウンとグレーが混ざったような美しい定番カラーです。深みのあるブラウン系のグレーカラーは、人工的でない自然な魅力を感じます。中間色であるエトゥープは、さまざまな色合いや雰囲気に合わせやすいのが魅力です。
・オレンジ
エルメスの箱に使用されているあの鮮やかなブランドカラー、一目でエルメスと分かるオレンジはエブリンでも人気の色です。一言にオレンジと言っても、エルメスには10色以上のバリエーションが存在し、分かりやすいカラー名の「オレンジ」をはじめ、「マンゴー」や「オレンジポピー」、「アプリコット」、「タンジェリン」など、それぞれに名前が付けられています。それぞれ微妙に色味が異なりますので、お気に入りのオレンジ色を見つけみてはいかがでしょうか。
・ノワール
ノワールは、誰にとっても使いやすいバッグの定番カラーと言えます。フランス語で「黒」を意味するノワールは、誰にとっても使いやすい、定番カラーですね。深みのある黒は、間違いない高級感が漂います。モノトーンやシンプルなコーディネートに統一感を持たせたい時にも、遊びのあるコーディネートを引き締めたい時にも活躍することでしょう。エブリンは、長く使える上質なバッグだからこそ、定番色のノワールを選択するのも良いのではないでしょか。
・ブルー
エルメスは2020年の秋冬に「BLUE FRIDA(ブルーフリーダ)」というを新色を発表しており、過去にブルーカラーだけでも10種類以上、展開されています。同系統のカラーでも10色以上の種類が展開されていると、どの色がどのような名前なのか把握するのも大変ですね。
エブリン財布
バッグと同じく「H」のパンチングが特徴的で、実際に穴が開けられています。財布の場合、「H」が正面に来ているものもあれば、斜めにデザインされているものもあります。エブリンのバッグとお揃いで使えたら気分が上がりますよね。そんなエブリンの財布には、4種類ほどラインナップがあります。大きさに加えて、デザインが異なるので紹介します。
・エブリン・ロング
エブリン・ロングは、縦10.5cm×幅20cmのロングサイズの財布です。一般的な長財布と同じサイズで、カードポケットが12個付いており機能的です。現金もカードも持ち歩きたい、長財布が好みという方にはこちらをおすすめします。
・エブリン・コンパクトMM
エブリン・コンパクトには長財布と正方形の2タイプがあり、そのうちの長財布タイプになります。コンパクトという名の通り、他のHERMESの財布に比べ薄型でお札とカードの収納だけで、コインケースがついていないのが特徴です。その代わりカードケースが両側に付いており、たっぷりと収納できるので、持ち歩くカードの種類が多い方、普段現金を使わず、クレジットカードやQR決済が多い方にはこちらをおすすめします。
・エブリン・コンパクトPM
エブリン・コンパクトの正方形タイプです。「MM」よりもさらにコンパクトにしたモデルです。出かける時は必要最低限のカードのみ持ち運びたいという方にはこちらをおすすめします。
・エブリン・コインケース
エブリン・コインケースは、縦8.5cm×幅11.5cmの楕円形が特徴的なコインケースです。4種類の財布の中でパンチングがもっとも目立つデザインで、楕円の縁と真ん中に、丸で囲った「H」がほどこされているのが特徴です。
エブリン財布のカラー
パステルカラーがメインのエブリンの財布は、柔らかく愛らしい印象をうむことが出来ます。エブリンの持つカジュアルさは、このパステルカラーが果たすところも大きいと思います。財布のような小物類はカジュアルなカラーを差してみたい方にはぴったりですね。エルメスのショップカラーとしても人気が高いオレンジ色は、エブリンの財布でも同様に、高い人気を誇っています。実は男性人気も高めのカラーです。大人の上品な色気を感じることが出来るカラーで、女性人気が高いカラーです。
スフレ×グリベールは、黄色が主体の鮮やかなカラーリングで幅広い年代層から人気が高いカラーとなっています。ここまでのバリエーションがあると洋服やバッグに合わせていくつか欲しくなってしまいますね。
まとめ
ここまでエブリンのバッグ・財布について紹介しましたが、共通して言えることは豊富なサイズ展開とカラー展開により我々使用者を決して飽きさせず、使用者のニーズに合わせ常に進化し続けているということです。次はどんなモデルが出るのか日々ワクワクさせてくれますね。まずは自分にあったモデルを見つけることを楽しんでみて下さい。その後は是非他のモデルの良さを見つけコレクションを増やしてみては如何でしょうか。