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エルメスが展開する「ピコタン」と「ピコタンロック」の違い

エルメスが展開する「ピコタン」と「ピコタンロック」の違い

2003年に発売されたピコタンですが、2008年頃、新しく”ピコタンロック”が発売されました。ピコタンとピコタンロックで大きく異なる点は、その名の通りピコタンロックには南京錠とカギが付属しており、バッグ自体にカギが取り付けれる構造になっています。エルメスの歴史やピコタンの由来について紹介します。

エルメス誕生の歴史

フランスを代表するラグジュアリーブランド「エルメス」ですが、誰もが知っているブランドと言っても過言ではありません。

そんな「エルメス」ですが、多くのラグジュアリーブランドがLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)やケリング(KERING)といった、巨大ラグジュアリー・コングロマリット(直接の関係を持たない複合企業体)の傘下に属すことが潮流となるなか、創業から6代に渡り一族経営を続けている稀有なブランドでもあります。

創業者であるティエリー・エルメスは、1801年に当時フランス領であった現ドイツ・クレフェルドに生まれます。ティエリーの父は、地元で酒場を営んでおり、幼いティエリーは、酒場に乗りつけたお客の馬車の整備や馬の世話をしていたと言われています。特に、馬車に使われる馬具の整備が地元で評判を呼び、わずか13歳でパリに出て、馬具屋の見習い職人として修行に励みます。

その後、馬具の製作だけでは物足りず、皮革のなめしや選定も学び極め、1837年パリに自身の馬具工房を構えます。これがエルメスの始まりになります。彼が製作する最高峰の馬具はたちまち人気を博し、パリ万国博覧会においては、1867年に銀メダル、1878年にはグランプリを受賞するほどでした。

ティエリーの息子シャルル・エミール・エルメスが2代目を継ぐと、1880年には工房を移転し店舗を併設します。この移転先こそが現在のフォーブル・サントノーレ通り24番地にある、エルメスの本店になります。そしてここから、高級馬具の直接販売を始め、ヨーロッパ中に名声を轟かせていきます。1892年には、馬具の鞍を入れるための鞄「オータクロア」を製作します。この「オータクロア」こそが、後にエルメスの代名詞となるバッグ「バーキン」の前身となります。

シャルル・エミールの息子エミール・モーリス・エルメスが3代目として就任した頃、世の中は馬車から自動車の時代に変貌を遂げていきます。この社会変化に柔軟に対応し、現在に至る「エルメス」の基盤を作ったのが、3代目エミール・モーリスです。馬具で培った技術で、バッグをはじめとする皮革製品、シルク製品などの販売を展開していきます。

1923年に発表されたバッグ「ブガッティ(後のボリード)」は、世界初のバッグにファスナー(ジッパー)を取り付けたことで有名です。そして、1927年に腕時計、1937年にはこちらも後にブランドの代名詞となる初めてのシルクスカーフ「カレ」を発表しました。そのほかにも、香水、メンズワードローブとしてシルクのネクタイなど、多角的に事業を広げていきます。

4人の娘の父であったエミール・モーリスは、1951年に次女の娘婿であったロベール・デュマに4代目を託し、「エルメス」は目覚ましい発展を遂げていきます。ロベール・デュマ・エルメスとなった彼は、シルクスカーフ「カレ」をはじめとする、先代の時代に発表したラインの名声を押し上げるとともに、1935年に自身がデザインし発表したバッグ「サック・ア・クロア」は、1956年にグレース・ケリーが手にしていた報道が世界中に映されたことで爆発的な人気を博し、後に「ケリー・バッグ」の呼び名でブランドの象徴となります。また、現在も人気を誇るブレスレット「シェーヌ・ダンクル」も彼の代に生まれました。

ロベール・デュマの息子で、1978年に5代目に就任したジャン・ルイ・デュマは、「エルメス」をさらなる高みに飛躍させていきます。時代のニーズに沿った経営戦略で、当時中高年を中心とした購買層を、若い女性中心のターゲット層に転換し、ブランドイメージを刷新することで見事成功に導きます。その代表例が、1984年に発表された、イギリスの人気女優ジェーン・バーキンの名をとった「バーキン」になります。

そして2006年ジャン・ルイ・デュマが退任すると、後継としてまだ若かった甥のピエール・アレクシィ・デュマに代わり、ジャン・ルイ・デュマの右腕として活躍したパトリック・トマが、創業一族以外で初めて一時的な中継ぎ役として経営の舵取りを担います。2013年正式にピエール・アレクシィ・デュマが6代目に就任し、エルメスは現在に至ります。

ピコタンの由来

2003年に発売されたピコタンですが、名前の由来は中世フランスまで遡ります。中世フランスでは、牛や馬の餌を入れるボワソー升(約12.7リットル)の4分の1を示すのに「ピコタン」という単位を用いていました。日本で例えるなら、”升”や”合”などお酒を入れる容器の単位に近いイメージでしょうか。

また、オープン型のシンプルなデザインは、牛や馬が歩きながら餌を食べられるバッグのデザインを参考にしていると言われています。これは、馬具工房として創業したエルメスらしいデザインともいえるのではないでしょうか。

ピコタン4サイズをご紹介!

エルメスのバッグには、ニーズに合わせて、豊富なサイズ展開がされています。それはピコタンも同じです。ピコタンもサイズによって、収納力はもちろん、シーンやコーデでの雰囲気が異なります。ピコタンを購入するなら、まずは自分がもつサイズを選ぶことから始めましょう。今回はピコタンで展開されている4つのサイズを紹介します。

 

◆PMサイズ:W18×H18×D13.5cm

PMサイズは、ピコタンの中で最も小ぶりなサイズです。「Petit Model (プチモデル)」という意味の通り、お手軽なサイズ感が特徴的なアイテムです。スマホはもちろん、小さめなポーチやハンカチ、2つ折り財布やコインケースなども収納できるサイジングで、普段から荷物が少ない方にぴったりです。またピコタンの特徴である可愛らしいコロンとしたフォルムがサイズも相まって、最も楽しめるアイテムとなります。腕にハンドルをかけて持ち歩くのに最適なピコタンPMはセカンドバッグとしても注目されています。お出かけバッグにも最適ですね。

 

◆MMサイズ:W22×H22×D18cm

PMサイズを一回り大きくしたのがMMサイズです。「Moyen Model (モワヤンモデル)」というフランス語でミドルモデルを意味する言葉です。サイズだけではなく、収納力もアップしたMMサイズはピコタンの中でも高い人気を誇るアイテムになります。スマホにポーチ、また手帳や長財布まで収納できるサイズ感です。筆記用具やコンパクトなタブレットも入るので、ビジネスバッグにも最適です。また自転車のかごにもぴったり入るサイズでもあるため、お散歩やショッピングなどのカジュアルシーンにも便利なアイテムです。

 

◆GMサイズ:W26×H26×D21cm

小ぶりなピコタンからは想像できない大容量バッグであるGMサイズは「Grand Model (グランモデル)」を略した言葉で、ピコタン以外にも使用されています。大きいサイズ感でもあるため、荷物の取り出しも簡単で使いやすいアイテムです。普段から荷物が多い方や必要なものが何かと多い、稽古用やママさんバッグとしても人気を集めています。

またブラックなどの控えめなトーンのピコタンGMなら、ビジネスバッグにも最適です。長財布やポーチなどはもちろん、折りたたみ傘やボトルなども収納できるGMサイズは、小旅行バッグとしても活躍が期待されています。

 

◆TGMサイズ:W31×H31×D23cm

男性にもおすすめなのがピコタンのTGMサイズです。エルメスが展開するピコタンの中で最も大きいサイズのアイテムです。GMサイズよりもさらに大きいTGMサイズは、開け口も大きい仕様になっています。システムノートも収納できるサイズ感を誇るTGMサイズは、シンプルなデザインのピコタンと相まって男性からも支持されているアイテムとなります。

使いやすいピコタンで、もっと収納力を高めてほしい!という要望から生まれたピコタンTGMは、ビジネスバッグや旅行バッグにもぴったりです。

エルメス「ピコタン」の人気カラーと素材

20年近く発売されているピコタンシリーズですが、展開されている素材は様々な種類があります。その中で、人気のカラーと素材について説明します。

 

【カラー】

◆シンプルでエレガントなブラック・グレー

もともと上品なミニサイズのピコタンですが、シックなカラーになるとより一層、大人な印象を演出してくれます。

 

◆差し色になるピンク・イエロー・ブルー

明るいカラーになると、可愛らしい印象が際立ちます。落ち着いたカラーの洋服が多い方は、差し色になるカラーを選んでみてもよいかもしれません。シンプルなお色味はもちろん、あまり人と被らないカラーも綺麗で可愛いですね。

 

【素材】

◆人気定番素材はトリヨンクレマンス

現在、ピコタンシリーズの主な素材は”トリヨンクレマンス”になります。トリヨンクレマンスは牛革の素材ですが、その特徴は「傷が目立ちにくい型押し」、「トリヨンクレマンス特有の柔らかさ」にあります。フォーマル・クラシックな印象になりがちな固い革素材と比較して、柔らかいトリヨンクレマンスは、カジュアルな装いにもピッタリです。

 

◆きめ細かい型押しが特徴のトリヨンモーリス

近年新たに登場した素材の1つに”トリヨンモーリス”があります。トリヨンクレマンスの柔らかさはそのままに、きめ細かい型押しが引き締まった印象を与えてくれます。

 

◆なめらかな手触りと可愛さが合わさったドブリス

人気素材でもあるドブリスは、スエード特有の温かみと可愛らしさが、ピコタンの魅力を引き立たせてくれます。

 

◆ラグジュアリーで艶美な高級革であるアリゲーターマット

アリゲーターは、アメリカのミシシッピ川に生息するワニを指し、大きな竹斑が特徴のワニ革です。通常の光沢感あるワニ革とはまた違った質感を味わうことができます。ピコタンロック タッチでは、ハンドル部分に使用されているモデルもあります。

まとめ

2000年代から発売されたピコタンシリーズは、創業160年の歴史あるエルメスの中で、比較的新しい製品になりますが、人気は絶大でブランドを代表するアイコンバッグです。また、カラーバリエーションも多彩です。

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