目次
エルメスの時計「ケープコッド」とは
ケープコッドとは、高級ブランドであるエルメスが手掛けた時計です。
エルメスと言えば、バーキンなどの高級カバンやカレなどのスカーフが思い浮かびますが、時計もファッション視点で手掛けた独創的なデザイン性で、レディースファッションのアイテムとして親しまれてきました。
丸みのある長方形の枠の中に正方形の文字盤が配置されており、女性らしさのある柔らかなデザインとなっています。ベルトは交換することができ、季節や気分に合わせて交換が可能です。
エルメスの時計「ケープコッド」の歴史
ケープコッドの誕生は1991年です。
当時、エルメスのデザイナーであるアンリ・ドリニー氏が手掛けました。エルメスの定番アクセサリーであるシェーヌ・タングルを参考に、デザインされました。
独創的なデザイン性は瞬く間に人気を呼び、1998年にはドゥブルトゥールモデルが登場しました。ベルトを手首に2回巻きつけるという、エルメスが注いできた、ファッションアイテムが引き出す華やかさを表現しています。
時計の高級ブランドはロレックスやオメガと言った機能性に特化したものが多いですが、エルメスはその路線に一石を投じたのです。
エルメスの時計「ケープコッド」の特徴
ケープコッドは、ファッションアイテムとしての時計の華やかさや美しさを考え抜いたデザインです。どのようなアイデアが詰まっているのでしょうか。ケープコッドの特徴を見ていきましょう。
滑らかで美しい曲線ライン
ケープコッドのアイデンティティである滑らかな美しい曲線は、エルメスが培ってきた「上品な女性らしさ」を表していると言っていいでしょう。船にある錨(いかり)の形を表したシェーヌ・タングルのような形の枠は、エルメスらしさを感じます。
正方形の文字盤のフォントは、枠の曲線に習ったかのように滑らかで、柔らかな印象を持ちます。
モデルの一部には、枠にダイヤモンドを施しているものがあり、高級感がさらに増しています。
アメリカの高級リゾート地を再現
ケープコッドは、アメリカのマサチューセッツ州の東端にある避暑地「ケープコッド」をイメージして作られています。そして、先ほどお伝えした曲線のデザインは、波打ち際の「波」を表現し、デザインの元となったシェーヌ・タングルは、船にある「錨」の形をモチーフにしています。
つまり、ケープコッドは「海」がキーワードとなっているのです。
海の見えるリゾート地で時計を優雅に身に着けてほしいという、アンリ・ドリニー氏の思いが込められているのではないでしょうか。
カスタマイズ可能なベルト
ケープコッドはベルトのカスタマイズが可能です。簡単に取り外しができ、気分に合わせて変えることができます。カラーバリエーションが豊富にあるので、自分好みのケープコッドがすぐにできるでしょう。
このような仕組みが、ケープコッドを人気商品にしたポイントの1つであると言えます。
他社製のベルトも販売されていますが、エルメスの商品としての魅力が損なうので、エルメス純正のものを購入しましょう。
腕時計の中で初めてベルト二重巻きを採用
先述でもご紹介したように、ケープコッドにはドゥブルトゥールモデルというのが、1998年から販売されています。ドゥブルトゥールとは「二重巻き」を表しており、手首にベルトを2回巻くという、斬新なモデルです。
考案者は、当時のレディースプレタポルテデザイナーであるマルタン・マルジェラです。
機能性とラグジュアリー感を兼ね備えており、発売してすぐ大人気となりました。
エルメス「ケープコッド」をおすすめできる人
ケープコッドは、どのような方に対しておすすめできる商品でしょうか?ライフスタイルや好みもありますので、以下のような3つの例をご紹介します。
様々なシーンで着用したい人
ケープコッドはどんなシーンでも親和性の高い時計です。お出かけするときやビジネスシーン、どんな場所で身に着けても、さりげない上品さを引き立ててくれます。
高級ブランドという「特別感」が、日常の彩りを、より鮮明なものにしてくれるでしょう。
気取らない上品さを求める人
ケープコッドはファッションのいちアイテムとしての特徴も備えているので、着用者自身の自然な上品さが映えます。
明らかに高級感の漂うキラキラしたものよりも、「シンプル」なものを身に着けたい方におすすめです。
ハイブランドとは思えない目立たなさが、ケープコッドの魅力でもあります。
好みに合わせてカスタマイズしたい人
先述でご紹介したように、ケープコッドはベルトを手軽に付け替えることができます。
これはデートをするときにつけるもの、これはビジネスシーンでつけるもの、というように、シチュエーションに応じて複数用意するとよいでしょう。その日の状況に合わせて、おしゃれを楽しむことができます。
エルメス「ケープコッド」が人気の理由
エルメスの時計商品の中でもケープコッドは特に人気が高いです。発売から30年以上が経過しますが、人気を維持しているポイントはどんなところにあるのでしょうか?人気の秘訣を探ってみます。
時代を超えて愛されているから
ケープコッドは、エルメスの定番アクセサリーであるシェーヌ・タングルを参考にしています。シェーヌ・タングルは1938年に発表され、時代を超えて人々に愛されています。
そんなアクセサリーを参考にした商品であれば、形を変えてでも欲しくなってしまうのはごく自然な流れです。
このように、愛される商品はコンセプトがしっかりしているからこそ、世代が変わっても人気を維持しているのです。
周りと差別化できるから
時計と言えば、機能性を重視した商品を求める方が多いのではないでしょうか。そんな高級時計ブランドの代表格といえば、ロレックスやオメガが思い浮かびます。
しかし、エルメスは高級ブランドでありながら身近なおしゃれアイテムという、「ファッション重視」に力を入れた時計を提案しました。
ケープコッドのように有名時計メーカーとは一線を画す商品だからこそ、周りに被らない独自のファッションを楽しむことができます。
ブレスレットとして使えるから
ケープコッドはファッション性の高い時計なので、ブレスレットみたいに身に着けることができます。
特に、1998年に誕生したドゥブルトゥールモデルは、二重巻きのレザーストラップが付いているので、シンプルなファッションでも映える人気モデルです。
女性だけでなく男性用のデザインもあるので、カップルで楽しむこともできます。お揃いのケープコッドを着けてみてはいかがでしょうか。
エルメス「ケープコッド」の評判
どの人気商品でもありがちなことですが、ケープコッドにもメリットとデメリットがあります。一旦、冷静になって、良い点と悪い点を整理してみましょう。
【メリット】どんなコーディネートにも合う
シェーヌ・タングルなどのブレスレットのように、ケープコッドはミニマムなデザインなので、どんなコーディネートにも違和感がありません。
落ち着いたもの、個性を主張した派手なものであっても違和感なく溶け込むことができるでしょう。
ベルトを変えることができるので、簡単にその日のファッションに合うものにすることができます。
【メリット】エルメスを着けている優越感が湧く
エルメスはファッション業界における高級ブランドです。エルメスというネームバリューのある商品を身に着けるということは、優越感を持つことができます。
自分に自信をつけることができるので、ファッションから自己肯定感を高めてみるのも良いでしょう。
ビジネスシーンでも、大事な場面でのお守り代わりとなるでしょう。
【デメリット】生産が終了していて手に入りにくい
ケープコッドはすでに生産が終了しているため、正直、手の届く商品とは言い難いです。
ただ、中古品やアンティークを販売している店舗であれば、販売している可能性があります。ネット通販でもよく見かけますので、情報をしっかり収集し、信頼できる場所で購入しましょう。
【デメリット】値段が高い
エルメスという高級ブランドの商品ですので、決して安価ではありません。中古品でも10万円以上のものが多いです。中には30万円前後の商品もあります。
高級ブランドだからというのも理由の一つですが、値崩れしないのは、時計としてのクオリティーが高いのが一番の理由でしょう。
人気商品であったからこそ、商品価値がずっと高い水準にあるのです。
エルメス「ケープコッド」のサイズ展開
ケープコッドはファッションを重視した時計なので、サイズは小さいです。例えば、文字盤が内部にあるケース全体の大きさは、全長23mm~30mmほどです。
一般の時計のケースは小さくても38mmほどなので、ケープコッドはミニマムなサイズだと言えるでしょう。
エルメス「ケープコッド」の二重巻きの巻き方
ケープコッドのドゥブルトゥールモデルは、ベルトが二重巻きになっていますが、どのように巻けばよいのでしょうか。以下の手順でやってみましょう。
①通常の腕時計をつけるように、ケースを手首の上に置きます。
②長い方のベルトを持ち、2回手首に巻き付けます。
③腕の大きさに合わせて、ベルトをバックルに通して完成です。
一般の腕時計の着け方と同じ感覚でできるので、すぐに装着できるでしょう。
エルメス「ケープコッド」の3つの種類
ケープコッドは、気軽にベルトをカスタマイズすることができます。種類が豊富にあるとお伝えしましたが、大きく分けて以下の3つの種類に分けることができます。カスタマイズに迷ったときの参考にしてみてください。
最も人気の上品なレザー
ケープコッドのベルトで最も人気なのが、レザー製のベルトです。
軽量で上質な素材が、ケープコッドのケースとマッチしており、清潔で上品な雰囲気にしてくれます。
デザインは縫い目を見せて親しみやすくしているもの、質感を前面に出した艶のあるものなど様々あります。カラーもフォーマル寄りのものからカジュアルものまで豊富にあります。
お好みに合わせて選ぶことができるでしょう。
フォーマルスタイルに合うステンレス
ケープコッドはレザー以外にも、フォーマルな場面に合うステンレスタイプのベルトがあります。
仕事用でケープコッドを着用したい方は、このベルトがおすすめです。落ち着いたデザインが、お客様から誠実な印象を与えることができるでしょう。
また、女性用のみならず男性用の商品もあり、男性にも人気の高い商品です。
縦長が特徴のケープコッド・ドゥゾーン
こちらはケース全体のデザインが縦長になった、細身なフォルムになっています。
時刻表示が縦に2つ並ぶ独創的な造りで、それぞれ別の時刻を設定することができるのが特徴です。ベルトは上記でご紹介したレザーとステンレスの2種類があり、どんな場面でも着用できます。
エルメスならではの個性が光るモデルです。
エルメス「ケープコッド」おすすめモデル5選
ケープコッドには様々なモデルがあります。魅力的であるが故に、「これだ!」と決めるのは悩ましいところです。そこで、ケープコッドのモデルを5つピックアップしてみました。5つ星のケープコッドと出会うための一助にしてください。
ケープコッド(シルバーオパーリン製文字盤)
シンプルな文字盤が特徴的なケープコッドです。シルバーオパーリンとは乳白色の文字盤のことで、色味に合わせて必要なものだけをデザインとして押し込んでいます。
全体的にすっきりとした印象で、程よいカジュアルさがあります。
ドゥブルトゥールモデルのものもあり、二重巻きにしてもファッションの雰囲気を崩すことなく身に着けられます。
ケープコッド(ピンクサファイア8個付き)
こちらはシルバーオパーリン製の文字盤にピンクサファイアが8個ついている、華やかな印象のデザインです。可愛らしい雰囲気がケース全体で表現されており、桜が咲く季節や旅行に行くときにぴったりです。
ベルトはレザーの他にワニ革も採用しており、つやつやな質感がエレガントさを引き立てます。
ケープコッド(ピンクゴールド・ダイヤモンド付き)
その名の通り、ピンクゴールドのケースでゴージャスな印象を放つデザインです。文字盤の中にはダイヤモンドが埋め込まれています。
ケープコッドの中でも派手なデザインではありますが、上品なデザインにより派手さを抑えています。
そのため、ビジネスシーンにもなじみやすく、女性らしい上品さを演出してくれます。
ケープコッド(ダイヤモンド付きホワイトマザーオブパール製文字盤)
ケースにダイヤモンドがあしらわれているケープコッドです。ダイヤモンドから放たれる程よい輝きが、時計全体の華やかさを引き立てています。
文字盤は真珠を作る母貝の層を薄く削ることで作られたホワイトマザーオブパール製で、真珠の光沢感が時計全体の美しさを引き出すアクセントになっています。
ベルトはレザー以外にもワニ革が使われています。真珠のようなつやつやな質感と模様が、全体のデザインを落ち着いた雰囲気にしてくれています。
ケープコッド(ダイヤモンド付きスパークリングホワイトラッカー文字盤)
正方形のような文字盤が描かれているケープコッドです。
数字から数字を辿る線の中にダイヤモンドが埋め込まれているのが特徴です。遊び心のあるユニークなデザインの中に、可愛らしさを兼ね備えています。
ケースは23mmのスモールサイズで、ベルトはドゥブルトゥールモデルとなっています。
まとめ
ケープコッドはファッション性に重点を置いた、上品な時計です。手軽にベルトを付け替えることができ、どんなシチュエーションでも親和性の高い万能時計と言えます。機能性ばかりに目が行きがちな時計ブランドですが、「華やかさ」などといったエルメスらしい視点は、新鮮味のあるアイデアであったと言えるでしょう。だからこそ、廃盤になっても、ケープコッドは人々に愛される商品なのです。