現代の金と銀の価値
2023年現在、ロシア・ウクライナ間の戦争をはじめとした地政学リスクや、アメリカの中堅銀行であるシリコンバレー銀行の経営破綻の影響を受け、金や銀の相場が高騰しており、金は1グラムあたり9,600円を超える金額で取引されています。また、銀の価格も金ほど顕著ではありませんが、近年上昇しており、現在の取引価格は1グラムあたり110円を超えています。
金よりも銀の方が高い時代があった
現代を生きる私たちにとっては「金は銀よりも価値が高い」というのは、当たり前のことといえます。しかし長い歴史の中では、「金よりも銀の価値が高い」という時代がありました。ツタンカーメンの黄金マスクなどで有名な古代エジプト文明はきらびやかな金を多用したことで知られていますが、金よりも銀の方が入手困難で、価値が高いとされていました。当時の金銀比価は2:5といわれており、遺跡から出土した装飾品の中には、金製品に銀メッキを施したものも存在しています。
金よりも銀が高く評価されていたのは、古代エジプトだけではありません。昔のヨーロッパでは、「銀を採取するためには金以上に手間がかかる」という理由から、価値が高いと考えられてきました。金の採取は主に川から砂金を採る事によって、純度の高い金を入手することが可能ですが、銀を入手する場合銀鉱山で大規模に採掘作業をする必要があり、莫大なコストと労働力をかけるしかありませんでした。このため、歴史上の長い期間「銀の方が、金よりも希少価値が高い」と判断されていたのです。
銀と金の価値の逆転
銀の方が高価だった時代は終わりを迎えました。きっかけとなったのは技術革新によって銀の採掘が容易に行えるようになったことです。金の埋蔵量は23万トンといわれていますが、銀の埋蔵量は140万トンといわれています。そのため、技術が向上し、同様に採掘が出来るようになれば銀の価格が下がっていくのは明白ですね。これによって銀の相場は暴落し、現在の金の価格が銀よりも高いという認識が根付いていきました。
投資商品としての価値は銀の方が高い?
このように紀元前の一部地域・期間を除いて、その希少性から金の方が高いといえるでしょう。一方で投資商品としての価値という観点の場合、銀は金を凌駕する可能性があるのです。
投資商品としての金
投資商品としての金は「安全資産」「有事の金」などといわれ、リスクヘッジの手段としても用いられる金の投資ですが、これは金が現物資産であり、ペーパー資産などと異なり、価値が0になることがありません。そのため、昨今の世界情勢から金の需要が増え、投資としての金の人気が高まっています。
投資商品としての銀
昔から、金は高くて気軽に買えませんが、銀なら手軽に買え、金と同様の値動きをしやすい側面から銀は貧者の金ともよばれており、今日でも、実物資産や投資用として根強い人気があります。銀は金と比べて同金額内で購入できる量が多くなるため、微細な値動きでも大きな利益や損失を生み出す側面もあり、金よりもハイリスクハイリターンな投資商材といえます。
先物取引の銀は特に注意
銀は金と似た値動きをしやすい一方で、金と比べると工業用の需要が大きいため、景気動向に左右されやすいといった特徴があります。そのため先物取引を銀で行う際は特に注意が必要です。先物取引は基本的に物品を手元に所有することがなく売買を行います。その関係上、所有金額以上の取引を行う事ができるため、微細な幅で大きな損益を生み出す銀は思いもよらない利益も生み出す力を秘めていますが、逆にとんでもない損失をだす可能性も視野にいれ、取引する必要があります。
まとめ
今回は金と銀の価値観の推移についてご紹介しました。金や銀は現在の不安定な世界情勢を受けて価格の高騰が顕著に表れている貴金属になります。「買取大吉」では金・貴金属の買取を強化しており、品質・状態や重さを問わず、高価買取を行っております。査定・ご相談は無料で行っておりますので是非一度お近くの「買取大吉」までご来店ください。