目次
貴金属投資にも使える有名地金型銀貨4選
地金型銀貨は投資目的用として各国の政府が鋳造した銀貨で、品位(銀の含有率)や重量に関しては、各国の政府が保証しています。銀貨には、金額が表示されており、通常の通貨としても使用可能です。しかし、表記金額自体は銀の素材としての価値より大幅に下げられた金額のため、貨幣としての金額よりも投資用の銀としての意味合いが強いといえます。今回はそんな地金型銀貨の中でも有名かつ人気のある銀貨を4つご紹介します。
メイプルリーフ銀貨
メイプルリーフ銀貨は、カナダ王室造幣局が発行している地金型銀貨です。1998年の誕生以来、毎年発行されており、メイプルリーフ(楓の葉)と英国エリザベス2世の横顔が片面ずつレリーフされ、純度は99.99%です。この銀貨は、世界一有名な地金型硬貨といえ、流通量も世界一を誇っています。
イーグル銀貨
イーグル銀貨はアメリカ造幣局が1986年から毎年発行している地金型銀貨です。表面に自由の女神像、裏面に鷲の姿がレリーフされており、アメリカ政府が純度99.9%を保証しています。レリーフデザインの人気が高く、世界中の銀貨ファンやコレクターの間で高い人気を誇る銀貨です。
ブリタニア銀貨
ブリタニア銀貨は王立造幣局が1997年から毎年発行している地金型銀貨です。銀の純度が年度によって異なり、2012年までは純度95.8%、2013年以降は純度99.9%の純銀でつくられています。こちらもイギリス政府が品位と重量を保証しており、表面にはエリザベス女王が、裏面にはブリタニア女神というイギリスを擬人化した女神の姿がリーフされており、デザイン的にも世界中のコレクターからの人気が高い銀貨です。
ウィーン銀貨
ウィーン銀貨はオーストラリア造幣局により毎年発行されている銀貨です。表面にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会場である黄金の間のパイプオルガンをモチーフにしています。裏面にはウィンナホルン、ハープ、チェロ、ビオラ、バイオリン、ファゴットの6種類の管弦楽器がレリーフされています。このデザインは金貨・プラチナ貨でも同じであり、それらに比べてお手軽な金額で購入できるため人気があります。
コレクター垂涎の希少銀貨4選
銀貨は上述した地金型銀貨以外にも、過去に実際に流通していた銀貨や記念で作られた記念硬貨があります。これらは希少価値もあり、高い金額で取引される事も少なくありません。今回はそんな中でも人気の銀貨を4つご紹介します。
スリー・グレイセスプルーフ純銀貨
2020年にイギリス、ロイヤルミントから発行されたスリー・グレイセスの5ポンド(2オンス)の銀貨です。ロイヤルミントから2019年に発行された超人気コインであるウナ&ライオンに続いて発行された銀貨で、発行枚数自体が3,510枚しかなく、入手すること自体が困難な逸品です。額面価格は5ポンド、重量は63.42gの純銀性で、ウィリアム・ワイオンの秀逸なるデザインによるスリー・グレーセスが彫られています。
東京オリンピック記念メダル
コロナ禍の関係で2021年に延びてしまった、2020東京オリンピックを覚えている方も多いのではないでしょうか、この時も記念硬貨は発行されていますが、希少価値の高い記念銀貨は前回大会である1964年の東京オリンピック時に発行された記念硬貨です。
東京オリンピックは当時、アジアで初めて開催された記念大会で、その際に発行された銀メダルは純度92.5%、重さが18.6gの銀貨です。記念硬貨としては珍しく、かなりの枚数が発行されました。
これは、その売上を使って当時のオリンピックの運営費に充てるためだと考えられます。発行枚数自体は多いのですが、美品となると数が少なく、値段が一気に上がる硬貨であり、日本を代表するグラフィックデザイナー・亀倉雄策が手掛けた富士山と桜のデザインが美しく、人気の高い銀貨といえます。
一円銀貨(一圓銀貨)
一円銀貨とは、1870年の明治3年に発行が開始され、当初は貿易用として使われていた貨幣です。銀貨の表面には、素晴らしい龍の図案があしらわれており、縁に額面や発行年数、「大日本」といった言葉などが彫られているのが特徴です。このデザインから「龍圓一圓銀貨」と呼ばれることもあります。発行された年数によって微妙にデザインが変わっていますが、この龍だけは変化せずに荘厳な印象を与えています。
この銀貨で特に価値の高い物といわれているのが旧一円銀貨といわれている最初に発行された一円銀貨です。この型式は2年間しか発行されていないうえに、使用用途を貿易に限定していたため、日本では流通していません。そのため、発行枚数や日本での流通数が極端に少なく、特に高額で取引されています。
モルガンダラー銀貨
1794年に発行が始まったアメリカの1ドル銀貨も、コレクターの間で人気のある銀貨です。その中でも特に人気があるのがモルガン・ダラー銀貨で、1878年から1921年まで発行されていた銀貨になります。この銀貨は1905年から1920年の間は発行を中止していたこともあり、現存数が少なく、希少価値が特に高く人気を集めています。
同じモルガン・ダラー銀貨でも、発行場所や発行年によって価値が大きく変わり、5万円前後から20万円程度の値がつく銀貨が多い中、特に価値が高いとされているのが1895年にフィラデルフィアで発行されたモルガン・ダラー銀貨は、プレミア的価値が高く、200万円から250万円の高値で取引されることもあります。
同じ種類でも状態によって価値が変わりますので、もしモルガン・ダラー銀貨を所有している場合は、「買取大吉」などの専門家に査定を依頼してみると良いでしょう。状態が悪く値段がつかないと思っていた銀貨が数万円の値がつくことも多く、みなさん驚かれています。
銀貨の価格はこれからどうなる
銀はアクセサリーだけでなく、食器や工業品などさまざまな物に用いられる金属です。また、金属の埋蔵量自体にも限りがあるため、供給量は今後確実な減少が見込まれます。その一方で、インフレ対策として投資目的の貴金属の購入が近年盛んとなっており、銀を含む貴金属の需要は増加傾向にあります。こうした状況を踏まえると、銀自体の価値が今後高まっていくといえ、銀を原料とする銀貨の価値は上昇すると予想できます。
銀貨を高く売るためにはどうしたらよいか
銀貨の売却を考えた時、重要になるのはやはり買取価格だと思います。ここでは査定に関係する要素2点についてご紹介します。
銀貨自体の価値がわかるお店に持ち込む
銀貨は金貨に比べ、素材自体の価値が高くないため、上記で紹介したような希少価値の高い銀貨かどうかはかなり重要な要素です。銀貨の査定は難しく、それが希少な物とわからずに銀としての買取とされてしまう場合も少なくありません。そのため、「買取大吉」のような、専属の鑑定士が在籍するお店に依頼をだすようにしましょう。
銀貨の状態
銀貨の魅力は白銀の輝きとそこに彫られているデザインであるといえます。しかし、銀は非常に酸化しやすい金属であり、金やプラチナと異なり、黒ズミなどの変色がしやすい性質をもっています。
変色してしまった銀貨はその魅力である輝きやデザインの価値がどうしても落ちてしまい、査定額が大きく下がってしまいます。そのため、専用のケースなどで保管し、良い状態を保っておくのが大切です。
万が一、変色等が発生した場合でも、自身で研磨するのは厳禁です。研磨=削ると同様の行為となるため、キズや変形の原因となる事も多く、最悪の場合、銀貨として認められないという可能性もでてきます。状態が悪い銀貨でも、銀として買い取られるよりはずっと価値のあるものになるので、そのままの状態で持っていきプロに任せるようにしましょう。
まとめ
今回は高額取引されている銀貨についてご紹介しました。金貨の影に隠れがちな銀貨ですが、上述したように価値の高い銀貨も多数存在しています。また、地金型銀貨は金貨に比べ、少額で買える事もあり、初めての貴金属投資としてもオススメできるものとなっています。これを機に銀貨を入手し、その魅力に触れてみるのはいかがでしょうか。