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金の用途でもっとも使われているのはジュエリー関連
金は様々な用途で利用されている貴金属ですが、金の需要として最も高いのは宝飾品関係の需要です。金は古来より装身具やアクセサリーとして重宝されてきた素材であり、その美しさと輝きは現在でも多くの人を魅了しています。金がアクセサリーとして優れている点はその輝きもありますが、それ以外にも酸化しない金属であるため、金として劣化することがなく、千年後であったとしてもその美しい輝きが失われない不変性だといえるでしょう。この特性により、金の装飾品は世代を超えて使い続ける事もでき、鋳つぶして金の素材としての状態に戻すことによって新しいアクセサリーに作り直す事も可能です。金は希少性の高い金属といわれていますが、現在世界に存在する金の半分以上は宝飾品として用いられていることからもその人気の高さが伺えます。
ジュエリー関連以外にも使われている金の用途
金には酸化しにくく、金属イオン化傾向が低いため、金属アレルギーを起こしにくい、電気抵抗が小さいため電気をよく通すなどといった様々な優れた特性があります。また、展延性が優れており細長く引き伸ばしたり糸状にしたり、薄く拡げて金箔にしたりと様々な形に加工され私たちが生活の中で使う様々な商品に利用されています。ここではそんなジュエリー以外の用途で使われている金についてご紹介します。
医療用器具としての需要
金は貴金属の中でも特にアレルギーを引き起こしにくい金属です。また、酸や塩基にも強く、長時間水分にさらされても問題が起きないため、医療用品に使われることも多いです。歯の治療目的で用いられる金歯や、ペースメーカーやステンドなど、直接埋め込んだり体内に入れるものやカテーテル治療の器具や鍼治療ようの鍼にも用いられることがあります。
工業用品としての需要
工業用品としても金は優れた素材とにあるスマートフォンやパソコンなど様々な電子機器に金が含まれています。このような電子機器に含まれている金はひとつひとつの量は少ないですが、電子機器のして用いられています。金は電気抵抗が小さい(電気を通しやすい)素材のため、電子機器の基盤部分のメッキ加工として使われる事も多く、みなさんの身近数が多いため、集めるとかなりの量になります。実際、廃棄された電子機器に用いられていた金を再利用する動きがあり、都市部に電子機器が集中している事から都市鉱山という言葉もあります。
投資用商品としての需要
金は世界共通の価値があり、インゴットや金貨にすることで世界の市場で取引可能な資産になります。金の価値はある程度変動するものの安定しており、有事の際に強い特徴があるため、現物資産として堅実な投資を考える人に好まれるのです。
その他の用途としての需要
金の宝飾品以外の用途は、医療用器具や工業用品だけではありません。楽器や仏具、さらに万年筆やメガネのフレームなど日用品にも利用されています。楽器や仏具は金メッキの製品も多くありますがありますが、金合金で作られているものもあり、その中の一部は全て純金で作られる場合もあるようです。金を使うことで表面が錆びにくくなり、汚れも付着しにくくなるといわれています。
金をそのまま使ったもの以外にも、金の展延性を利用し、金自体を加工して金糸や金箔にすることで、着物や建築物、食用に至るまで、それらを華やかに彩る装飾としても金が使われています。
プラチナの利用用途
金以外の代表的な貴金属としてプラチナがありますが、こちらの利用用途はどうなのでしょう。プラチナも利用用途としては宝飾品や工業利用など金と同様な場面で使われている事が多いです。しかし、その需要の割合が金とプラチナでは大きく異なっており、プラチナは工業用品としての需要が最も高いです。特にプラチナは自動車産業の分野で使われることが多く、排ガス用の触媒として用いられています。2015年に起きたディーゼル車の排ガス規制によって需要の落ち込みが見られましたが、ガソリンに代わる新たな燃料として期待されている水素自動車の分野においてもプラチナは触媒としての役割を果たすため、今後も自動車産業での需要が上がっていくと思われます。
まとめ
今回は金の利用方法について詳しくご紹介しました。様々なジュエリーに姿を変えて私たちを楽しませてくれる金ですが、それ以外にも様々な用途で使われており、私たちの生活に欠かせないものです。金の埋蔵量の上限や昨今の世界情勢から金の価格が急騰しており、金の再利用などの重要性が上がっているといえるのではないでしょうか。