目次
グリーンゴールドの基礎知識
グリーンゴールドを理解するためには、「合金」や「割金」などのワードについての基礎知識を身につけることが大切です。そこで、グリーンゴールドとはなにか、基礎知識を解説します。
グリーンゴールドとは
グリーンゴールドは、カラーゴールドのひとつです。
カラーゴールドとは、金に別の金属を混合させ、純度を落とした合金のことを指します。なお、純金に混合する金属は「合金」といわれます。
合金とは
合金とは、いくつかの金属を混ぜて作られた金属のことです。例えば、グリーンゴールドは金と銀、ピンクゴールドは金と銅を主成分とする合金です。
合金に使用される金属の比率、種類で色が異なり、純金とは異なる独特のカラーを出すことが可能です。特にホワイトゴールドやピンクゴールドは有名で、世界的に有名なカラーゴールドです。
カラーゴールドのなかでも、最近人気を集めているものがグリーンゴールドです。その名の通り、グリーンゴールドは他のカラーゴールドに比べて緑色が強いことが特徴です。また、美しい淡い緑色と明るい白色を帯びています。
グリーンゴールドは「アオワリ」ともいわれ、国内では一般的ではありません。そのため、希少なカラーゴールドといえるでしょう。
割金とは
グリーンゴールドは金と銀を合金として混ぜて作られます。銀を主成分とすることで、純金のオレンジ色が抑えられ、緑がかった独特の色になります。
金合金を作る際、合金に含まれる金の量は「24分率」という基準で表されることが特徴です。
ただし、合金の配分は工房やブランドごとに違いがあり、合金の比率を企業秘密にして公表しないケースも少なくありません。
「K24」も100%金と言うわけではない
金はパーセンテージで表されず、「24分率」という伝統的な単位で測定されます。18/24や12/24の場合、金の含有量はそれぞれ約75%、約50%です。
24/24は「組成の100%が金」とイメージするかもしれませんが、K24であっても金の含有量は100%ではありません。理由は、含有率は高くても99.99%程度だからです。
「合金」と「金メッキ・金張り」の違い
合金は金原子と他の原子が完全に混ざり合って化学的に結合させていますが、「金メッキ」や「金張り」は金で別の金属の表面を覆うように加工したものです。
金メッキは電気を利用して真鍮に金を付着させる方法で、非常に薄い金膜です。そのため、薄い金を直接貼り付ける方法とは特徴が大幅に異なります。
グリーンゴールドの色や種類・成分
グリーンゴールドの色や種類、成分に関して紹介していきます。
グリーンゴールドの色
グリーンゴールドの色は以下の2種類です。
・淡い黄緑色で光沢のある色合い
・白緑色(びゃくろく)
グリーンゴールドの種類
金の含有率を変えることで、グリーンゴールドのバリエーションを増やすことは可能です。しかし、主なグリーンゴールドはK18とK10のみです。
金の含有率や、どのような割金がどのくらい混ぜられているのかによって刻印の数字が異なります。ここでは金の含有率と割金に関して、K18とK10をチェックしてみましょう。
種類 | 金の含有率 | ||
---|---|---|---|
K18 | 75% | ||
K10 | 42% |
グリーンゴールドの成分
グリーンゴールドは、金と銀が75%:25%で混合された金合金を指します。グリーンゴールドを造っている元素は、金(Au)と銀(Ag)、そのほかには銅(Cu)を含んでいることも多いです。
グリーンゴールドは「K18GG」や「Au750GG」などの表記で刻印されています。自宅にあるグリーンゴールドを使用したアクセサリーがある方は、刻印をチェックしてみましょう。
「GG」はグリーンゴールドの略です。ライムゴールドとも呼ばれ晴れやかな印象がありますが、金属原子の割合によって深い緑色を出すことができ、若者から大人まで幅広い年齢層に似合うカラーゴールドです。
カラーゴールド全体の金含有率
金の含有量は、カラーゴールドの種類によって異なります。以下の一覧表で、金の含有率、使用する金属の種類などを確認しましょう。
種類 | 金含有率 | 含まれる金属 | 特徴 | ||
---|---|---|---|---|---|
ピンクゴールド | 金75%、銅25% | 銀、パラジウム |
・硬いため製品にしにくい |
||
レッドゴールド | 金75%、銅25% | 金、銀、銅、パラジウム | ・ピンクゴールドと比較しても硬く製品にしにくい | ||
ブラックゴールド | 金75%、銀とプラチナ25% | 金、銀、プラチナ | ・漆黒ではなく、やや黒い色をしている | ||
ホワイトゴールド | 金75%、ニッケル25% またはパラジウム25% |
金、銀、パラジウム |
・ロジウムメッキ加工をしている |
||
イエローゴールド | 金75%、銀と銅25% | 金、銀、銅 |
・ゴールドよりも光って見える |
||
パープルゴールド | 金75%、アルミニウム25% | 金、アルミニウム | ・日本で生まれたカラーゴールド |
金の含有率は、ピンクゴールドとレッドゴールドがほぼ同じです。種類ごとに特徴が異なるため、購入や売却を検討している方はカラーゴールドごとの魅力も把握しておくとよいでしょう。
グリーンゴールドの特徴
グリーンゴールドは、日常使いに適したカラーですが、個性も出せることが魅力です。ここでは、グリーンゴールドの主な特徴を紹介します。
普段使いしやすい色
グリーンゴールドは緑がかった色で、他のカラーゴールドに比べると落ち着いた色合いです。
日常使いのほかにも、結婚式、パーティーなどで身につけてもよいでしょう。あらゆる場面で身につけられることがグリーンゴールドのメリットです。
珍しいので個性を出せる
日本ではまだグリーンゴールドのアクセサリーを扱うお店が少なく、目にする機会が少ないでしょう。
そのため、他の人とかぶらず、個性的で目立つアクセサリーを探している方には、グリーンゴールドのアクセサリーがおすすめです。
柔らかい性質で加工しやすい
グリーンゴールドを構成している金と銀は、どちらも柔らかいことが特徴です。そのため、加工もしやすいです。
グリーンゴールドの特性を活かし、繊細なデザインや、細かい加工を施したアクセサリーも発売されています。
変色しやすい
銀は硫黄と反応して黒く変色しやすく、他の金と比べても変色しやすいため注意しましょう。硫黄と聞くと温泉を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、硫黄は以下のように身近なところにもたくさんあります。
・マッチの着火剤
・ゴム手袋、輪ゴム、タイヤ
・食品廃棄物
・空気中のタンパク質や皮脂
グリーンゴールドの製品は、日常的に身につけているだけで変色の危険性があるといえるでしょう。
アレルギー反応が起きにくい
グリーンゴールドはアレルギーを発症する確率が低いことが特徴です。
純金は、アレルギーリスクが低い性質があります。純銀もアレルギーを起こしにくい金属なため、純金に銀を合金として混ぜて作られるグリーンゴールドは、比較的安心して身につけられるカラーゴールドということです。
誕生石である
誕生石には、さまざまな宝石が認められていますが、グリーンゴールドは5月20日の誕生石です。
誕生石にはそれぞれ効果やパワーがあるとされており、周りに同じ誕生日の人がいれば贈ってみると良いでしょう。なお、その他のカラーゴールドの誕生石として、4月3日の3色ゴールド、4月18日のレッドゴールドも挙げられます。
グリーンゴールドが似合う人の特徴
グリーンゴールドは特徴的なカラーであり、自分に似合うのかどうか気になる方も多いでしょう。そこで、グリーンゴールドが似合う人の特徴を紹介するため、自分に当てはまるかどうかチェックしてみてください。
他の人とアクセサリーが被りたくない人
グリーンゴールドは流通量が少ないため、身につけている方はあまりいません。そのため、身近な方が使うことは少ないといえます。
また、普段使用するものとは異なるアクセサリーを使いたい方は、グリーンゴールドのアクセサリーで個性を出すのもおすすめです。
結婚指輪としてずっと着けていたい人
結婚指輪は、多くの方が一生身に着けるものです。
しかし、年を取ると体型が変化し、指輪のサイズが変わることもあります。グリーンゴールドの結婚指輪は柔らかく、再加工しやすいことから、サイズ直しが可能です。
さらに、落ち着いたグリーン系は、年齢を重ねるごとにしっくりくるかもしれません。結婚指輪の種類に迷ったら、グリーンゴールドを選んでみるのもよいでしょう。
パーソナルカラーが「イエローベース」の人
肌の色から考えると、グリーンゴールドはイエローが基調の方に似合う色です。誰にでもパーソナルカラーがあり、黄色っぽい肌の方はイエローベース、青っぽい肌の方はブルーベースといわれています。
パーソナルカラーは一概に決められるものではないため、「イエローベースの方のみグリーンゴールドが似合う」ということはもちろんありません。
好みのアクセサリーを楽しむことが重要です。自分の好みであれば、ブルーベースの方もグリーンゴールドのアクセサリーをコーディネートに取り入れてみましょう。
主張しすぎない金を身に着けたい人
グリーンゴールドは、その緑色から柔らかい印象を与えるカラーゴールドです。そのため、他のアクセサリーと比較して日常使いに向いているカラーゴールドといえます。
しかし、グリーンゴールドのアクセサリーは大人っぽい雰囲気になるため、普段使いに最適です。少しアクセントを加えたいものの、落ち着いた雰囲気にしたいという場合におすすめです。
男性でも持ちやすい金を身に着けたい人
目立つファッションアイテムを使用することは、少し躊躇する方もいるかもしれません。
しかし、金メッキのアイテムやアクセサリーとは違い、グリーンゴールドのアイテムやアクセサリーは品がある印象です。
周囲から「金のアイテムを身につけている」と注目されたくない方でも、グリーンゴールドのアイテムはさりげなく着用できるでしょう。
グリーンゴールドの価値
グリーンゴールドは金と銀が主成分の合金かつ、貴金属です。日常使いしやすいことから人気がありますが、資産価値はあるのでしょうか。そこで、資産の観点からグリーンゴールドの価値を紹介します。
海外では流通数が少なくない
グリーンゴールドは、日本の製品としては珍しい色の金です。
しかし、外国では数百年前から使用されているカラーゴールドであり、店頭でよく見かけます。そのため、海外よりも日本のほうが価値が高いと言えます。
資産価値は十分高い
グリーンゴールドも18金の成分の約75%が金であるため、資産価値があります。ただし、銀が含まれているため、純金とは価値が異なり、18金に分類されます。
グリーンゴールドの取引を考えている場合は、最初に18金の買取相場を確認しながら金相場全体を把握し、いくらになるのかを考えましょう。
グリーンゴールドの注意点
グリーンゴールドは、比較的扱いにくいゴールドと言われています。そこで、グリーンゴールドに関しての注意点を紹介します。
珍しいので理想的な商品が見つけにくい
カラーゴールドのなかでも、グリーンゴールドは珍しい色です。そのため、全国の店舗を見ても、なかなか理想的な商品に出会えません。
希望を汲んでくれる店舗や、オーダーメイドを受けつけてくれるお店を見つければ、お気に入りのグリーンゴールドのアイテムやアクセサリーが見つかるはずです。
しかし、既製品を探すとなると、なかなか好みのデザインが見つからないというデメリットがあります。
傷つきやすく変色しやすい
グリーンゴールドは純金に比べるとかなり硬いですが、他の色の金と比較すると柔らかい合金です。そのため、加工しやすいというメリットがある反面、変形しやすく、傷つきやすいデメリットがあります。
乱暴に扱うと破損してしまうリスクが上がるため、グリーンゴールドを使用したアクセサリーや製品は、他の素材よりも優しく扱う必要があります。
グリーンゴールドのアクセサリーはどこで売ってる?
現在、日本でグリーンゴールドのアクセサリーを扱っているお店は少ないです。各ブランドショップやデパートのジュエリー売り場などに問い合わせれば、近隣の店舗で販売しているかどうか確認できます。
また、ネットで購入できるものもあるため、チェックしてみると好みのデザインが見つかるかもしれません。
グリーンゴールドのアクセサリーのお手入れ方法
グリーンゴールドは、適切な方法でお手入れをしなければ劣化する可能性があります。そこで、アクセサリーのお手入れ方法、注意店を紹介します。
使用後は柔らかい布で拭く
グリーンゴールドのアクセサリーは、使用後そのままにしておくと、皮脂やメイク用品の成分が原因で酸化することがあります。そのため、メガネ拭きや専用クロスなどの柔らかい布で丁寧に拭きましょう。
タオルやティッシュといった目が粗いもので拭くと、表面に細かい傷がついてしまうことがあるため、必ず目の細かい柔らかい布で拭くことが大事です
中性洗剤で浸け置きする
毎日布で拭いても、汚れを落としきれない場合があります。汚れやくすみが気になる場合は、次の方法でお手入れをしましょう。
➀ぬるま湯と中性洗剤を1:1で混ぜる
➁グリーンゴールドを浸して約5分置く
➂十分にすすぐ
➃柔らかい布で拭く
汚れが気にならない方でも、1〜2ヶ月に1回は中性洗剤でメンテナンスをすると、グリーンゴールドの輝きが長持ちします。普段使わないアクセサリーは、上記のお手入れをしてから保管しておきましょう。
購入店舗でクリーニングしてもらう
グリーンゴールドは、購入したお店に持ち込んでクリーニングしてもらうことができます。汚れを除去するだけではなく、磨いて新品のような輝きを取り戻しましょう。
定期的なお手入れをしても汚れを除去できないときや、長期間使用していてくすんでしまった場合は、専門業者に依頼することが大事です。
グリーンゴールドを高価買取してもらうコツ
グリーンゴールドの売却を検討している場合、少しでも高く買取をしてもらいたいと考えるでしょう。ここでは、高価買取をしてもらうコツ、準備すべきことを紹介します。
綺麗な状態で保管しておく
貴金属については、一般的に「グラム(重さ)」で買取価格が決まります。そのため、ブランド品などと違い、状態が悪いという理由で査定額が下がることはありません。
しかし、大量の汚れが付着していると、自身で計測した際とお店できれいにしてから計測した際で重さに若干の誤差が生じる可能性があります。
査定時のトラブルを避けるため、貴金属を売る前にまずは除去できる汚れはきれいにしておきましょう。
傷や変色を防ぐためにメンテナンスしておく
K18は合金のため、変色に注意が必要です。変色を防ぐためには、K18などの金製品を使用した後は、必ず汗や汚れを拭き取ることが大切です。
また、コスメや香水は変色の原因になります。グリーンゴールドを身に着けているときに香水や化粧をすると、ゴールドが香水に直接触れて変色する危険性が高いです。
そのため、メイクや香水を使用してから、グリーンゴールドを着けるようにしましょう。
相場を確認してから買取に出す
グリーンゴールドの高額査定を目指すためには、相場をチェックすることが重要です。
グリーンゴールドには純金が配合されているため、査定額は金相場に大きく影響されます。K18であれば、K18相場をチェックし、高いタイミングで売ることをおすすめします。
ブランド買取店にも買取に出す
金買取の実績がある買取業者に依頼することも大切です。金の買取実績が多い、もしくは長い買取業者を選べば、適切な値段をつけてくれる傾向が高いです。
なお、ブランド品や宝石を使ったアクセサリーの場合、金買取業者ではなく、ブランド買取店の方が高く売れることもあります。金の重さだけではなく、ブランドや宝石に対する価値も加味して査定してくれるため、買取価格が高くなる可能性があるでしょう。
他の金属と一緒に買取に出す
複数の金製品を持っている場合は、1点ずつ査定を受けるのではなく、まとめて査定をした方がお得な場合もあります。
買取専門店によっては、期間限定でまとめ売りのキャンペーンを行っていることもあるため、あらかじめホームページやSNSを確認しておきましょう。
付属品を準備しておく
宝石付きの金製品の場合、鑑定書や保証書といった付属品を持っていくと、本物であることの証明になります。
付属品の有無は、査定時に宝石を高く売るためのポイントです。なお、付属品は必ずしも査定に必要なわけではありません。
まとめ
グリーンゴールドは、優しい色合いが特徴のカラーゴールドの一種です。グリーンゴールドには金が配合されており、資産価値もあります。自然な緑色をしているため、女性的なアイテムや目立つアクセサリーは使用したくない方、男性でも身につけやすいのが特徴です。グリーンゴールドのことを深く知れば、身につけることが楽しくなるかもしれません。