目次
貴金属の主な買取方法と買取手順
貴金属の一般的な買取方法には、店頭買取、宅配買取、催事買取などがあります。それぞれどのような買取方法なのかを紹介します。
店頭買取
店頭買取は、売りたいものを自分で店舗に持って行き、すぐに買い取ってもらう方法です。
持ち込まれた貴金属は店舗の鑑定士が鑑定し、査定額が適正であれば売却して買取金額を受け取ります。売却を見送る際は、貴金属・金は持ち帰ります。
出張買取
出張買取は訪問買取とも呼ばれ、鑑定士が自宅を訪問して鑑定・買取する方法です。
査定結果に納得がいけば、その場で売却して買取金額を受け取ることができます。
ただし、貴金属・金の数量や買取価格によっては、即日現金で受け取りが不可の場合もあるため注意しましょう。
宅配買取
宅配買取とは、宅配便や郵便を利用した査定・買取方法です。
各買取専門店から宅配キットが配布され、キットの中に売りたい品物を入れて自宅から送ります。査定後、買取価格が提示され、顧客が納得すれば買取完了です。
買取代金は銀行振り込みが一般的です。もし、貴金属・金を売りたくない場合は、商品は返却されます。
催事買取
催事買取とは、消費者から特定の商品や品物を買い取るイベントや企画のことです。
買取品目は、貴金属・金のほか、時計、ブランド品、宝飾品、骨董品、着物、切手、アート作品などがあります。
貴金属の一般的な買取手順
貴金属買取の一般的な手順は以下の通りです。
➀貴金属・金を鑑定士が査定
➁買取額の見積もり(査定額)を提示
➂買取を希望する場合は契約
➃商品を分解し、貴金属・金の重量を計測
⑤最終的な買取価格を算出し、現金または銀行振込で支払い
身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)を提示のうえ、買取申込書に必要事項を記入し契約となります。
古物営業法で本人確認が義務付けられており、通信販売やインターネットでの買取申し込みの場合でも必ず身分証明書の提示をしなければなりません。
本人確認を行い、買取申込書に必要事項を記入することで、利用規約に同意したものとみなされます。
貴金属の買取でよくある4つのトラブル
実際に貴金属の買取ではどのような違法トラブルがあるのでしょうか。貴金属・金の買取トラブル、違法トラブルの例を紹介します。
相場以下で買取される
最も起こりやすい買取トラブルは、相場より安い価格で買い取らされることです。
買取価格の算出方法は業者ごとに違いがあるため、査定額に差が出ることもあります。
しかし、悪質な販売店では、保管状態が悪いことを理由に、大幅に安い価格を提示することもあるようです。
強引な方法で買取される
恐喝まがいの方法で「買い取り」を強要するケースもあります。
特に訪問販売の場合に発生しやすく、高齢者や女性がトラブルに巻き込まれるケースが多いです。
また、貴金属・金の買取や査定だけという話で訪問に応じたところ、当初予定していなかった貴金属の買取を依頼されるケースもあります。
断っても帰らない
訪問買取で起こりやすいトラブルは、買取業者が自宅に長時間滞在することです。
訪問買取では、査定額に納得がいかなければ売買をせず、買取業者は帰ります。
しかし、悪質な買取業者は、貴金属・金を買取るまで居座り、脅すなど違法行為をすることがあります。毅然と対応するか、警察に通報しましょう。
買取のキャンセルや返金対応ができない
悪質な訪問買取業者が買取を強引に進めようとする場合は、買取をキャンセルしたほうがよいでしょう。
契約してしまった場合、「もう手元にないから返せない」「同意書にサインしたから無理だ」などと話し、取引の中止に応じないケースもあるようです。
貴金属の買取トラブルを避けるためのコツ
貴金属・金の買取で違法トラブルを回避するためには、あらかじめ貴金属の買取システムを把握し、ポイントを押さえておくことが重要です。ここでは、買取の際に注意すべきことを紹介します。
キャンセルやクーリングオフ制度を理解する
クーリング・オフとは、契約をした後でも契約の再考や申込みの撤回・取消しができる制度です。
訪問買取であれば「特定商取引に関する法律」に基づき、申込書を受け取ってから8日間はクーリングオフ制度で取引を中止できます。
ただし、店舗買取や宅配買取の場合はクーリングオフ制度は適用されません。これは、自分で商品を持参したり送付したりするため、購入者から購入を強要されたとは考えにくいためです。
店舗買取や宅配買取を利用する際は、査定のタイミングで買取価格や内容をよく確認し、納得できないのであればその時点でキャンセルするようにしましょう。
信頼できる買取店に買取に出す
貴金属の買取でトラブルが起こるのは、利益優先の悪徳買取業者と取引してしまうことが多いためです。
なかには詐欺などの犯罪に手を染める業者もあります。そのため、信用できる買取業者を見つけることが最も重要です。
運営歴が長い買取店や実績があるお店、口コミなどさまざまな情報を確認し、実際に問い合わせをした際の対応なども見て総合的に判断しましょう。
即決せず他の業者でも見積もりを取る
貴金属の買取でトラブルに巻き込まれないようにするためには、買取を即決しないことが大切です。売りたい貴金属の相場や価値を理解するためには、複数の買取店で見積もりを取りましょう。
また、査定だけ依頼し、ゆっくりかけて考えて友人や知人、家族に相談するのもおすすめです。
特に、訪問買取を利用する際は、その場で売却を急かす業者には注意が必要です。落ち着いて毅然とした態度で臨みましょう。
相場を確認しておく
貴金属・金を売るときは、必ず自分で相場を確認しましょう。
貴金属・金の相場は常に変動しています。あらかじめ相場を知っておかないと、買取業者から提示された査定結果が適正価格なのか判断できません。
相場はインターネットで簡単に調べることができるため、査定前に必ず確認しましょう。
見積書を出してもらう
査定をする際には、必ず見積もりを出してもらいましょう。
評判の良い買取店や買取業者であれば、必ず提出してくれるはずです。見積もりの提出をためらうようであれば、その時点で取引の中止をおすすめします。
また、見積もりを出してもらったからといって100%信頼せず、必要項目の内容もチェックしましょう。
漏れや間違いがないかチェックするポイントは、日付、購入品目、会社名です。不明な点はすぐに確認することも重要です。
怪しい場合はきっぱり断る
貴金属・金の査定方法が不明な場合や、鑑定士の言動に不審を感じた場合は、しっかりと断りましょう。
違法な業者は、強く主張しない方や優柔不断な方をターゲットにして不公正な買取をします。そのため、最初から最後まで緊張感のある態度で対応することが大切です。
脅されたり、家に居座られたりした場合は、迷わず警察に通報しましょう。
突然訪問してくる業者は断る
アポなしで訪問してくる業者は、違法な悪質業者の可能性が高いです。信頼できる業者、大手業者は、強引なセールスはしません。
違法な業者は、「不要なものはありませんか?何でも買取ります」と一方的に言い、相手の状況を問わず話を続けることが多いです。
セールス電話を行う業者は断る
電話で金買取の営業をかけてくる業者には要注意です。評判のよい業者ほど、個別の営業に力を入れていません。
評判が良ければ口コミで利用者が増えるため、広告は出しても個別の営業をする必要がないためです。
そのため、営業スタッフのペースに乗せられず、営業電話での買取は断りましょう。
買取価格を明記していない業者は断る
店頭で購入する場合、金の買取価格を公開していない買取業者の利用は止めましょう。
買取価格を公表していない業者は、他の店よりも買取額が低いかもしれません。
店頭で「本日の金買取価格」などと公表していれば、優良業者の可能性が高いです。
怪しい貴金属買取業者の見分け方
違法な業者には特徴や共通点、対処法があります。違法な業者の特徴を把握することで、取引を未然に防ぐことができるでしょう。ここでは、違法業者の特徴を詳しく解説します。
身元や素性がわからない
貴金属・金の売買は価格が高いため、素性のはっきりしない業者に売るのは危険です。まず、販売業者の身元を必ず確認しましょう。
名刺がもらえるようならもらい、社名や電話番号、住所などを確認します。可能であれば、その場でスマートフォンで販売店を検索することをおすすめします。
販売店に実店舗がない場合は、その時点で悪徳業者と判断してよいでしょう。
見積書を提示しない
違法な業者のほとんどは、証拠が残らないため見積もりを出しません。買取価格も口頭で伝えることが多いです。
見積もりを出しても「貴金属の買取価格○○円」と大まかな内容で、社名や電話番号も記載されていない場合は、違法業者の可能性が高いでしょう。
貴金属の知識が乏しい
貴金属の買取業者はその道のプロであるべきです。
貴金属についての幅広い知識がなければ、査定はできません。知識がなかったり、少なかったりした場合は、怪しいと判断してよいでしょう。
どの貴金属が一番高く売れるのか、相場の推移についてなど、いろいろな質問をしてみてください。ただし、知識が豊富な悪徳業者も存在するため、それだけで判断するのは危険です。
買取を急かされる
評判のよい業者は、顧客と長期的な関係を築きたいため、購入を急がせたりはしません。
一方、悪徳業者は顧客の気が変わる前に早く取引を完了させたいため、売却を急がせようとすることが多いです。
「特別キャンペーンで買取価格を20%アップします」などの謳い文句で引き付けるケースも珍しくありません。実際には相場よりはるかに安い価格で買い取られてしまうこともあるため注意が必要です。
貴金属の専門鑑定士がいない
貴金属を扱う鑑定士には、貴金属・金についての深い知識が求められます。知識のない業者は、違法な業者の可能性が高いです。
相手の貴金属・金の知識が十分かどうかをチェックするためには、次のような質問をしてみましょう。
・買取価格を決めた理由
・現在の金の相場
・貴金属を売るベストなタイミング
上記を質問し、確かな理由とともに答えてくれるかどうかを確認しましょう。不信感を覚えたり、答えがあいまいだった場合は、契約を結ばないことをおすすめします。
貴金属買取業者の失敗しない選び方
買取で失敗しないために、自分で適切な判断できる知識を身につけましょう。ここでは、貴金属買取でトラブルにならないために良い業者を選ぶコツを紹介します。
買取実績を確認する
業者の買取実績を確認することが大切です。
業者がきちんと運営されているかどうかは、店舗数や創業年など、店舗のホームページを見れば確認できます。
また、貴金属の買取実績や専門の鑑定士がいるかどうかも確認しましょう。
態度や対応が良い業者を選ぶ
対応するスタッフの雰囲気や対応の良さも注意したいポイントです。
査定時に商品を乱暴に扱わないか、買取金額を丁寧に説明してくれるか、質問に的確に答えてくれるかなどを確認します。
また、電話やメールの対応からもスタッフの雰囲気を知ることができるでしょう。
目の前で査定する業者を選ぶ
悪徳な売買店は秘密裏に鑑定し、貴金属・金のグラム数を偽っている場合があります。
実績があり安全な売買店であればよいですが、少しでも不審なときは、その場で鑑定してもらえるかどうかを確認しましょう。
口コミや評価の良い業者を選ぶ
貴金属の買取店に迷ったら、利用者の評価を参考にする方法も有効です。
インターネットで売買店名を検索すると口コミが見られることがあります。お店の信頼性を確認する目安になるでしょう。
実店舗があるか確認する
出張買取業者と取引する場合は、実店舗があるかどうか確認しましょう。
店舗がない場合、売却後に連絡が取れなくなる可能性があります。
しかし、店舗があるといっていても、地図で見るとマンションだったり戸建てだったりするケースもあります。そのため、店舗があるからといって必ずしも安心はできません。
運営歴を確認する
創業間もない会社よりも、創業年数の長い会社を選んだ方が安心です。公式サイトを見て、会社概要のページを確認しましょう。
創業年数が長いということは、それだけ利用者に支持されている会社ということです。
実績を積み重ねている会社であれば、安心して貴金属・金の売却ができると考えてよいでしょう。
しっかりした説明がある業者を選ぶ
優良業者であれば、貴金属の査定について「なぜその値段になったのか」を丁寧に説明をしてくれます。
優良業者というのは、お客さんと長いお付き合いをするために、たとえ買取できなかったとしても気持ちの良い対応をします。
一方、違法業者は目先の利益を追求することしか考えていないため、接客の良し悪しを考えていないことが多いです。
査定額の理由や買取の方法、支払いなどを細かく説明してくれるところに買取りをしてもらいましょう。
まとめ
貴金属・金の買取に関しては、誰でもトラブルに巻き込まれる可能性があります。「自分は大丈夫」と過信せず、「いつ被害にあってもおかしくない」ということを理解しましょう。
特に訪問買取の業者を利用する場合は注意が必要です。すべての訪問業者が悪いというわけではありませんが、実際に違法業者とのトラブルは多く発生しています。
必ず訪問してきた鑑定士の身元をチェックし、見積もりも出してもらいます。今回紹介したポイントを踏まえて、信頼できる業者に貴金属・金を買取ってもらいましょう。