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金の6つの化学的特徴・性質は?純金と合金の特徴の違いも解説

金の6つの化学的特徴・性質は?純金と合金の特徴の違いも解説

金は、その高貴な輝きで人びとを魅了しています。そこで今回は、金が持っている6つの化学的な特徴と、純金と合金の違いをわかりやすくご紹介します。特性を知ることで、その魅力をより身近に感じてみてください。

金の6つの化学的特徴・性質

金は、その独特な高級感と輝きが魅力的なだけでなく、化学的にも特異な特徴をもつ金属です。では 他と異なるその性質を、6つの観点から詳しくご紹介しましょう。

純金だと錆びない

金は化学的に非常に安定しており、空気や水分に触れても酸化せず、錆びることがありません。そのため、金は長期間にわたりその輝きと美しさを保ち続けることができます。

この特性は金が反応性の低い元素であるためです。ただし、合金では混ぜられた金属が錆びることがあります。ジュエリーが変色するのは、金ではなく他の金属が原因です。

展延性が高い

金は展性と延性に優れ、1グラムの金は約3,000メートルにまで伸ばせる特性があります。展延性とは、固体物質がもつ力学的特性の一種で、素材が破断せずに柔軟に変形する限界を示しています。

そのため、極めて薄い金箔も作ることができ、ジュエリーなどの繊細な加工に適しています。金は加工のしやすさから、古くから重宝されてきました。

ただし、傷がつきやすいため、ジュエリーには合金が使用されることが一般的です。お手入れ時には、研磨剤の使用を控え、傷がつかないように注意が必要です。

比重が大きい

金の特徴として、比重が大きいことが挙げられます。比重とは、物質の密度と基準物質の密度の比です。簡単にいうと、水より軽いか重いかを比較した比率であり、比重計などで測定します。

金の比重は19.32と非常に高く、金属の中でも突出しています。たとえば、鉄の比重は7.87であるため、約2.5倍の比重であることがわかります。

同じ体積で比較すると、他の金属よりも重いのです。つまり、この高い比重により、金は比較的小さな体積でもより高い価値を持ちます。

熱や電気を通しやすい

金は、熱や電気の伝導性がとても高いことが特徴です。銀や銅に次いで高い伝導率を持ち、効率よく熱や電気を伝えることができます。

この特性により、精密さを必要とする電子機器やコンピューターの回路、さらには高精度の接触点など、さまざまな技術分野で利用されています。

金の優れた伝導性は、安定した性能と耐久性が求められるデバイスにおいて、重要な役割を果たしています。

ほとんど化学反応しない

金は、ほとんどの化学物質に影響を受けません。「王水」にのみ溶解しますが、それ以外の化学物質にはほぼ反応しません。この特性により酸化せず、時を重ねても美しい状態を保ち続けることができます。

また、腐食に強く、汗に溶け出しにくいので、金属アレルギーが起こりにくい素材として、アクセサリーや時計など多くの用途に採用されています。

融点が低い

金は、比較的低い融点を持つ金属です。融点とは物質が固体から液体に変わる温度のことで、水の場合は100度で融解します。金の融点は約1,064度で、比較的低いとされています。

この特性により、高温での加工が可能なので、複雑な形状に成形するのが容易です。金のこの性質は、精密なデザインや繊細な加工が求められるジュエリー制作において特に重宝されます。

【カラット別】金の特徴・性質

金にはさまざまな特徴があり、カラット(Karat)によってその性質が異なります。

カラットは金の純度を示す単位で、純度が変わると強度や耐久性も変化します。では、それぞれのカラットがもつ特徴について解説していきましょう。

K24

<純度 99.9%>

K24(24金)は、いわゆる純金と呼ばれるもので、純度99.9%を誇ります。そのため、酸化や変色はほとんどしません。

柔らかい性質を持ち、加工がしやすいことから、アクセサリーの素材としては適していますが、傷がつきやすい点に注意が必要です。

また、純金は金の中で最も高額であり、その高い価値ゆえに、資産や投資目的としての需要があります。形状としては、金貨やインゴットとして加工されることが多いです。

K22

<純度 91.7%>

K22(22金)は、91%の金に9%ほど他の金属が混ぜられています。そのため、K24よりも硬く、K18よりも美しい金色です。加工性も良好で、しかも見た目が綺麗なので人気があります。

その特性から注目を集めているK22は、デザインの幅が広がる優れた素材として、多くのジュエリーデザイナーに選ばれています。

K18

<純度 75%>

K18(18金)は、金が75%で、残りの25%は他の金属を混ぜた合金です。加工しやすいので、複雑な形状が求められるアクセサリーなど装飾品に適しています。

また、K18はピンクゴールドやホワイトゴールドなど、多彩な色合いを楽しめる点が魅力です。硬度が高いため、日常的な使用に耐えられるので特に人気があります。

K14

<純度 58.5%>

K14(14金)は、金が58.5%で、混合物41.5%で構成されています。金の割合が少ないため、価格が比較的安く、文房具や日用品の装飾品として使用されることが多いです。

しかし、金の含有量が少ないため、変色しにくいという金の特性が弱まるので注意が必要です。コストパフォーマンスに優れ、手軽に金の美しさを楽しめますが、適度なメンテナンスやお手入れが大切です。

純金と合金の特徴の違い

純金と合金には異なる特徴があり、用途に応じて使い分けられています。純金は高い純度と美しい輝きを持ち、合金は耐久性や強度を重視した特性があります。では、それぞれの特長を詳しく見ていきましょう。

純金

純金はその独特の黄金色と光沢が魅力で、非常に高い純度を持ちます。最大の特徴はそのやわらかさですが、この性質が原因でアクセサリーとして使用する際には傷がつきやすいという欠点があります。

そのため、やわらかすぎて日常的な装飾品にはあまり使用されません。

しかし、投資用のインゴットや地金型金貨、食用の金箔など、特定の用途で価値を発揮します。また、純金は酸化しにくく、永きにわたってその輝きを保つことができます。

合金

合金とは、異なる金属を混ぜ合わせたものです。純金は柔らかく傷がつきやすいため、他の金属を混ぜて硬度を高める工夫がされています。

これにより、強度が増し、加工もしやすくなります。ジュエリーに多く用いられるのは「K18」や「K14」です。金の含有量が減るほど、割金の色調が濃くなり、強度が向上します。

合金は金の美しさを保ちながら、耐久性や加工性などの特性を高めることができます。

カラーゴールドの種類や特徴

合金によって、色調にバリエーションを持たせた「カラーゴールド」も魅力的です。

種類 割金の素材 特徴
イエローゴールド

yellow gold

金・銀・銅 明るく華やかな黄色

金純度が高いと柔らかい

ピンクゴールド

pink gold

金・銀・銅・パラジウム 淡いピンク、ローズピンク

変色する可能性がある

グリーンゴールド

green gold

金・銀 淡い緑色

傷に弱い

レッドゴールド

red gold

金・銅 鮮やかで強い赤色

硬く加工は難しい

ホワイトゴールド

white gold

金・パラジウム プラチナに色が似ている

比較的安価

女性に人気の「ピンクゴールド」は、銅を混ぜて赤みを加え、銀やパラジウムでピンクに近づけています。肌馴染みが良く、女性のジュエリーや時計によく使われます。混ぜられた銅が硬いため、指輪のサイズ調整が難しいことがあります。

「グリーンゴールド」は、金と銀を混ぜることで、青みがかった美しい色調に仕上げた合金です。しかし、金と銀の両方が柔らかいため、加工が難しい点がデメリットです。

金の用途・身の回りの金製品

金はジュエリーなどの宝飾品や電子機器、金箔など多岐にわたる製品に使用されています。日常生活で目にする、身近な金製品を詳しく見ていきましょう。

ジュエリー

指輪やネックレスなどのジュエリーは、金の最も需要の高い用途です。これらの宝飾品には、純金に割金を加えて強度を高めた「合金」が使用されています。たとえば、K18やK14といった合金が多く用いられています。

ジュエリーには通常、目立たない部分に「刻印」が刻まれており、純度を確認する際に役立ちます。

金の美しい光沢や色合いは、ジュエリーやアクセサリーなどのデザインに高級感や華やかさを加え、引き立てる役割を果たしています。

電子機器

金は非常に高い電気伝導率を持つため、電子信号を迅速に伝達できます。また、腐食に対する耐性も優れており、長期間にわたり安定した性能を維持します。この優れた特性のため、コンピューターの回路基板や接続端子など広く活用されています。

電子機器は、目に見えない部分で金が使用されることで、信頼性と機能性を保つことができるのです。

金歯

金は被せ物としても利用され、特に歯科治療では金歯に用いられています。金歯は金に銀や銅を加えた合金で作られており、強度が高く、噛み合わせに自然に馴染みます。

さらに、密着性に優れ、酸化しにくいため、長期的に安定した性能を発揮します。コストは保険適用が可能な銀歯より高めですが、その耐久性と信頼性から安心して使用できます。

金箔

金箔は装飾や仕上げに使われる薄い金のシートです。金の柔らかさと延展性を生かし、1万分の1〜2mmの薄さまで伸ばして使用します。

和食やスイーツの装飾としてよく見かける金箔ですが、料理だけでなく漆器や陶器などの工芸品にも幅広く利用されています。主に高級感を与えるために採用され、その輝きが、食品や工芸品の美しさを引き立てています。

まとめ

金の6つの化学的特徴と純金・合金の違いについて詳しく解説しました。これらの特性を理解することで、金の価値や利用方法が一層明確になります。その高貴な輝きと多様な用途が、より身近に感じられることでしょう。

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