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貴金属の刻印一覧|金の刻印の種類や意味を解説

貴金属の刻印一覧|金の刻印の種類や意味を解説

貴金属のジュエリーには、文字やマークが刻まれていることがあります。これらの刻印は、国や貴金属メーカーが、貴金属の品質を証明するものです。今回は、貴金属の刻印について幅広く解説します。

貴金属の刻印とは?

貴金属に施された刻印は、製品によって表記方法や内容がさまざまです。まずは、貴金属の刻印が施される理由と、その意味について解説します。

貴金属の刻印の意味

貴金属の刻印は、その金属の種類と品質を表したものです。純度や品位を保証し、刻印を読み取ることで、貴金属の正確な価値を測ることができます。しかし、貴金属の刻印は義務ではありません。

例えば、チェーン型のネックレスなどには刻印がないことや、刻印が偽物である場合もあります。真贋を見極めるには、専用の道具や知識が必要であるため、お手元の貴金属製品の真贋を確かめたい方は、専門家に相談することをお勧めします。

貴金属の刻印が示すもの

金製品を例に挙げると、純度やホールマーク、メッキ加工やカラーゴールドの種類などが代表的です。これらは、ネックレスの留め具や、指輪の内側などに刻まれています。なお、ホールマークについてはこの記事の後半で解説しています。

また、長年の使用や摩耗によって刻印が消えているものや、刻印を偽造した商品も出回っているため、刻印の有無だけで製品の真贋を判断することは難しくなっています。刻印の具体的な意味については、次の項目をご参照ください。

貴金属の純度と刻印の種類一覧

続いて、貴金属の純度と刻印をご紹介します。多くの場合、金属の種類とその純度で構成されているため、刻印を読み解くことで、貴金属製品に使用されている貴金属と純度を知ることができます。

金の純度と刻印の種類

金の刻印は、「K(カラット)」を用いた24分率や、割合を1000分率で表すなど、多様な形態が存在します。また、日本と海外では、刻印の基準や表し方も異なります。

例えば、イギリスでは厳しい刻印制度が敷かれており、フランスでは18金以上の金製品にのみ、鷹(あるいは鷲)の頭の刻印が施されます。また、イタリアでは星形の刻印が、タイでは「振和興」や「和成興」、中国では「万足金」や「千足金」などが刻印されます。

純度 刻印
99.9~100% K24、1000、Au1000、999.9、FINEGOLD、純金など
91.6% K22、916、Au916など
75% K18、750、Au750など
58.5% K14、585、Au585など
41.6% K10、416、417など
37.5% K9、375、Au375など

銀の純度と刻印の種類

銀の刻印は、「SILVER・silver・SV・S・STERLING・925(純度の1000分率表記)」の6つの中から1つ、あるいは組み合わせて打刻されることが多いです。他にも、特許技術が使われた製品には「Pat.」(Patent。特許権の意)が刻まれていることがあります。

純度の基準には、日本造幣局、日本産業規格(JIS)、国際標準化機構(ISO)、国際貴金属宝飾品連盟(CIBJO)の4つの規格がありますが、定めている品位区分はそれぞれ異なります。

純度 刻印
99.9~100% SV1000、Ag1000、SILVER1000、純銀など
95% SV950、Ag950、SILVER950など
92.5% SV925、Ag925、SILVER925、STERLING SILVERなど
90% SV900、Ag900、SILVER900など
80% SV800、Ag800、SILVER800など

プラチナの純度と刻印の種類

プラチナの刻印は、元素記号の「Pt」と、1000分率で表した含有率の数字を組み合わせたものです。もし、刻印が「Pm」であれば、刻印表記が標準化される前に作られた可能性があります。

また、最高純度のプラチナは、2012年に「Pt999」へと統一されましたが、それ以前の製品には「Pt1000」と打刻されていました。これらの刻印の違いは、打刻された時期だけであるため、製品の品質には影響しません。

純度 刻印
99.9~100% Pt1000、Pm1000、99.95、PLATINUM
95% Pt950、950
90% Pt900、Pm900、900
85% Pt850、Pm850、850

パラジウムの純度と刻印の種類

パラジウムの刻印は、元素記号「Pd」に1000分率で表した含有率の数値を組み合わせたものです。プラチナに似た輝きを持ち、投資目的にも活用される貴金属の一種ですが、近年の価格高騰を理由に、パラジウムジュエリーの販売を中止する宝飾店も、散見されるようになりました。

純度 刻印
99.9~100% Pd999、Palladium999.5
95% Pd950
90% Pd900

金の刻印の種類と使用される製品

金はその純度によって使用される範囲が異なることがあります。また、多くの分野で頻繁に使用される金合金もあれば、あまり見かけない金合金もあります。ここでは、それぞれの金合金とその使用される製品についてご紹介します。

K24(24金)が使用される製品

加工と保管が容易な特性を持ち、資産運用に適したインゴットや宝飾品、仏具など、幅広い分野で用いられています。

リングやネックレス、ブレスレットなどのアクセサリーにも利用されますが、24金は非常に柔らかく、変形しやすいため、18金などと比べると選択肢は多くありません。ただし、24金のアクセサリーは実物資産としての側面も持つため、長期的に保有する資産として魅力的です。

また、日本では仏具にも広く使用され、その歴史は奈良時代まで遡ります。純金箔は仏像に使用されるほか、食用として活用されることでも知られ、お祝いの席で、日本酒やお菓子に使われます。

それ以外にも、製品の表面に純金を薄く張り付けることもあります。金メッキや金張りと呼ばれ、主に腐食などに対して耐性を持たせる目的で使用されます。金メッキや金張りは、純金製品と見た目が似ていても、中身は別の金属が使われているため、純金製品としての価値で取引はできません。

K23(23金)が使用される製品

純金に次ぐ高純度の金ですが、日本ではあまり使用されません。ジュエリーでは18金が一般的であり、資産運用では24金が選ばれるためです。しかし、高純度の金は化学反応に強いため、主に金箔として利用されています。

安全が保障され、食用として使用できる金箔は、約94%以上の純度に限定されます。食用金箔は、厚生労働省が認めた食品添加物であり、主に着色料として使用されます。また、工芸用金箔との違いは、食品添加物としての認可を受けた純度が焦点であるため、高純度の金箔も工芸用として利用が可能です。

余談ですが、一部の食用金箔にはプルランが含まれています。本来の金箔は非常に薄く(一般的に1000分の3mm)、カットが困難なため、プルランに貼り付けることで加工を容易にする意図があります。また、海外では特にタイのアクセサリーで好まれています。

K22(22金)が使用される製品

主に海外の金貨に使われています。ウィーン金貨ハーモニーやメイプルリーフ金貨、イーグル金貨にクルーガーランド金貨、ブリタニア金貨などが挙げられます。

まず、ウィーン金貨ハーモニーは、オーストラリア政府が保証している法定通貨です。表面にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会場、裏面には複数の管弦楽器が描かれています。

次に、メイプルリーフ金貨は、カナダ中央政府が保証する法定通貨です。裏面にはカエデの葉が描かれており、国際的な信頼と評価が高い金貨となります。また、2024年4月後半から、表面の肖像デザインが、エリザベス女王からチャールズ三世へ切り替わることになりました。

また、イーグル金貨は、アメリカ合衆国で製造されています。表面には自由の女神、裏面には名前の由来である鷲(イーグル)が描かれています。

さらに、クルーガーランド金貨は、南アフリカ共和国造幣局が製造しています。表面にポール・クリューガー元大統領の肖像、裏面にスプリングボック(サバンナなどに生息するガゼルに似た動物)が描かれています。

そして、ブリタニア金貨はイギリス造幣局が製造しています。表面にエリザベス女王の肖像、裏面にはブリタニア女神(イギリスを擬神化したもの)が描かれています。

それ以外にも、歴史的価値のあるアンティーク金貨の多くは、22金で作られています。

K21.6(21.6金)が使用される製品

22金に続き、こちらも金貨に使用されました。19世紀に製造された、ドル金貨やフラン金貨などのアンティークコインに多く見られました。具体例としては、ナポレオン金貨やインディアン金貨が挙げられます。

ナポレオン金貨は、フランスで製造されていたフラン金貨です。ナポレオンといえば、フランス革命で有名なナポレオン一世を連想する方も多いでしょう。

しかし、コイン市場では、その甥であるナポレオン三世が描かれた金貨を指すことが一般的です。なお、広義的には、ナポレオン一世が描かれた金貨も含め、ナポレオン金貨と総称されるそうです。

インディアン金貨は、アメリカ合衆国で製造されていたドル金貨です。2.5ドル・5ドル・10ドルの3種類があり、10ドル金貨のみ、表面のデザインに違いがあります。

2.5ドル金貨と5ドル金貨の表面には、ネイティブ・アメリカンの男性が、裏面には白頭鷲が描かれています。一方で、10ドル金貨の表面には、ネイティブ・アメリカンの羽飾りを付けた自由の女神が描かれています。

K20(20金)が使用される製品

高品位の金の中では、20金の使用は珍しく、現在ではほとんど流通していません。しかし、この刻印は一昔前の印台リングや、懐中時計のチェーンで見られることがあります。

印台リング(別名シグネットリングやインタリオリング)は、台座に紋章などを彫刻し、封蝋に押し付けて使用していました。かつては富と権力の象徴とされていましたが、現在ではファッションアイテムとして身に着けることが一般的です。

また、20金は懐中時計と服を繋ぐチェーンにも使われていました。チェーンの種類には、ベルトを通すループ部分やボタンホールなどに取り付けるものから、繊細な意匠が施された装飾性の高いものまで、さまざまなデザインがあります。

ただし、20金の懐中時計チェーンには、金メッキなどの偽物も流通しているため、注意が必要です。

なお、日本の国旗とひし形の中に835の数字がある刻印は、造幣局がその品位を証明する刻印です。品位区分は2012年4月に廃止されていますが、品位の証明は現在も有効となっています。

K18(18金)が使用される製品

純金よりも硬度が高く、加工しやすい特性を持つため、高級感のある高品質な素材として使用されます。リングやネックレスなどの宝飾品では、ダイヤモンドなどの貴重な宝石を留めるための素材として人気があります。

宝石を美しく映えさせるだけでなく、18金の部分も上品さを感じさせるため、宝飾品にぴったりな素材です。また、耐久性が高く、劣化しにくい金属であるため、高級時計のケースやブレスレットにも選ばれます。

金特有の滑らかな肌触りも感じられる18金は、上質で豪華な外観を持ちながら、金属アレルギーのリスクが少ない合金です。そのため、時計を輝かしく見せながら、安心して素肌に身に着けることができます。

金に銀や銅、ニッケルなどの金属を混ぜることで、色味に変化を加えることも可能です。色味を変えた金はカラーゴールドと呼ばれ、そのバリエーションを多種多様に彩っています。

K17(17金)が使用される製品

純度が約70%であるため、高品位の金ではありますが、この純度の金製品が日本で作られることはほとんどありません。海外では、この純度の金製品が見られることがあります。

K16(16金)が使用される製品

前述のK17と同様に、16金のジュエリーも日本国内ではあまり見かけません。しかし、ジュエリー品の金メッキや金張りには、16金が使用されることがあります。

また、接着などの目的で、歯科用のロウに16金の金合金が用いられることもあります。金は酸に強く、錆びることがないため、安定した金属として、歯科の分野でも活躍しています。

K15(15金)が使用される製品

かつて、日本や海外で使用されていた金合金です。日本では、帯留めやハットピン(帽子などに使われる留め針)に使用されていました。また、海外ではイギリスのアンティーク品などで見ることができます。

2012年4月まで、日本造幣局が品位を保証していた金合金の1つでもあり、証明された製品には、日本国旗とひし形の中に625の刻印が施されていました。現在では、この金合金を使用したジュエリーは、あまり見かけません。

K14(14金)が使用される製品

14金も幅広いジャンルで使用されています。ジュエリーはもちろん、万年筆のペン先や、フルートなどの楽器にも使われます。

ペン先は、万年筆の中で最も重要なパーツです。インキには酸が含まれ、手に負担をかけず、滑らかなペン運びを実現させるためには、金が欠かせません。金は酸性に強く、適度な弾力と書き味があるため、ペン先に最適な素材と言えます。

フルートには14金だけでなく、24金や18金を使用したものもあります。なかでも、14金は最も理想的な金配合バランスだと言われています。14金が使用されたフルートは多くの名アーティストが愛用しており、音を滑らかにつなげ、立ち上がりはクリアに、聞く人を圧倒する表現を実現させます。

ジュエリーでは、特にハワイアンジュエリーで使用されます。ハワイの動植物などをモチーフにしたハワイアンジュエリーは、その伝統と歴史を受け継ぎ、婚約指輪などで人気のあるアクセサリーです。その意匠を、全て手作業で彫っているため、適度な硬さが必要になる関係で、ハワイアンジュエリーの多くは14金で作られています。

K12(12金)が使用される製品

リーズナブルな価格で購入できるため、ショッピングサイトなどで、多く見かける金合金の1つです。2012年4月まで、日本造幣局が品位を保証していたため、古い金製品には、日本国旗とひし形の中に「500」と刻印されたものも存在します。

また、海外の金貨にもこの金合金が使用されており、例えばバハマやケイマン諸島の50ドル金貨がその一例です。バハマの50ドル金貨は、1973年に製造され、表面にはティアラを付けたエリザベス2世女王の肖像が、裏面には2羽のフラミンゴが描かれています。

一方、ケイマン諸島の50ドル金貨は、1977年に製造され、表面にはエリザベス2世女王の肖像、裏面にはメアリー2世の肖像が描かれています。

K10(10金)が使用される製品

こちらも、リーズナブルな価格で購入できるアクセサリーとして、販売されていることの多い金合金です。金属が加えられることで彩るカラーバリエーションも豊富で、耐久性が高いため、繊細なデザインも可能です。

このため、10金を多く取り扱うジュエリーブランドも存在します。主にネックレス、リング、ブレスレットに用いられ、ネックレスにはチェーン状のものだけでなく、ダイヤモンドなどの、宝石があしらわれたものもあります。

K9(9金)が使用される製品

9金は、日本の造幣局がホールマークで保証する最低純度の金合金です。日本ではあまり見かけない一方で、イギリスでは大変に人気のある金合金となります。

金の含有率が低いため、金特有の輝きは控えめですが、イギリス王室に愛用されています。異なる金属が多く使われているため、耐久性が高く、多彩なデザインの表現を可能とします。

イギリス王室では、宝飾品のデザイン性を重視し、金の含有率よりも、芸術性が優れた宝飾品に価値があると考えられていたとされています。また、イギリスには優秀な金細工職人が多く、19世紀に登場した繊細なデザインのジュエリーが、9金のジュエリー品の需要をさらに高めたのでしょう。

そのため、9金は今でも、イギリスで高い人気を博し、「ロイヤルゴールド」や「ブリティッシュゴールド」と呼ばれ、多くの国民に愛されています。

K8(8金)が使用される製品

お手頃な価格で購入できる金合金の1つです。日本ではあまり見かけず、海外でもあまりお目にかかることはありません。時折、宝石がついた指輪などの素材として、使用されることがあります。

K7(7金)が使用される製品

お手頃な価格で購入できる金合金の1つです。過去には、この金合金を使用したアクセサリーを展開していたブランドもありました。しかし現在では、主に中古市場で流通しており、新品では10金製品が主流となっています。

K5(5金)が使用される製品

お手頃な価格で購入できる金合金の一つです。日本国内でも一部のジュエリーブランドがアクセサリーを販売しています。カラーバリエーションと頑丈さが特筆されますが、柔軟さは持ち合わせていないため、サイズ直しなどのサービスを提供しない企業も多い合金です。

貴金属のメッキ刻印の種類一覧

金属製品には、腐食への耐性や伝導率の向上などを目的に、メッキ加工が施されるものがあります。一般的に、それらは刻印を読み取ることで、その加工内容を知ることができるようになっています。ここでは、使用されることが多いメッキの刻印をご紹介します。

金メッキ

刻印 意味
GP 「GOLD PLATED」の略称
GE・GEP 「GOLD ELECTRO PLATED」の略称
HE・HGE 「HARD GOLD ELECTRO PLATED」の略称
M(1M・3M・5M) 金メッキの厚さを表している
1/10・1/20 金メッキの厚さを表している

GPは、真鍮などの合金にニッケルを重ね、その上に金をメッキします。金の層が薄いため、摩耗に弱い傾向があります。

GE・GEPとHE・HGEは、金メッキに電気分解を利用しています。GE・GEPは装飾や半導体の分野で多く利用される一方で、HE・HGEは硬度が高く、摩耗に強いため、電子部品や自動車などで活躍しています。

1Mや3Mの「M」はミクロン(1000分の1mm。1マイクロメートルとも)を意味します。「K18 5M」と刻印されていれば、5ミクロンの厚さで18金がメッキされています。

また、1/10や1/20も金メッキの厚さを表しますが、こちらは1/10ミクロンや1/20ミクロンという意味で、前述の刻印よりも薄いメッキが施されていることを示しています。

金張り

刻印 意味
GF 「GOLD FILLED」の略称
GS 「GOLD SHELLED」の略称
GR 「GOLD ROLLED」の略称
RGP 「ROLLED GOLD PLATE」の略称

GFは、真鍮ベースに金を重ねて高熱圧着(約900℃で加熱後に圧延)したものです。一般的な金メッキと比較して、層が約100倍厚いため、金の発色が良く、摩耗にも強い特性があります。

なお、物品の重量の1/20以上が金で覆われていなければ、GFと呼んではいけないとされています。また、「1/20 18K」のように、「GF」の刻印がない製品も存在します。

銀メッキや銀張り

刻印 意味
SILVER F 「SILVER FILLED」の略称。銀張りのこと
SILVER G 「SILVER GILT」の略称。銀メッキのこと
Sheffield Silver 銀メッキのこと
SP・Silver Plated 銀メッキのこと

「NICKEL SILVER」や「洋銀」と刻印されたものは、主に銅やニッケル、亜鉛から構成される合金で、実際に銀は含まれていません。

また、銀は導電性が高い特性を持つ一方で、硫黄と反応しやすい性質があります。このため、大気中などに含まれる硫黄と接触すると、銀は黄色や黒へ変色する可能性があります。

プラチナメッキやプラチナ張り

刻印 意味
PTF 「PLATINUM FILLED」の略称。プラチナ張りのこと
PP・PTP 「PLATINUM PLATED」の略称。プラチナメッキのこと

「プラチナ仕上げ」や「プラチナコーティング」という名称は、プラチナのような、白銀の輝きを再現した製品に使用されます。これらの加工には、プラチナに似た貴金属であるロジウムがコーティングされています。

そのため、プラチナの名前を冠した仕上げ加工でありながら、プラチナは使用されていません。そのため、プラチナメッキやプラチナ張りをお求めになる場合は、これらの表現が使われた製品をご購入なされないよう、ご注意ください。

【ブランド別】貴金属の刻印の種類一覧

ブランド 刻印
アイプリモ(I-PRIMO) ハートマークに筆記体のPが組み合わせたもの
ヴァンクリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels) 「Van Cleef & Arpels」、あるいはブランドロゴ
ギンザタナカ(GINZA TANAKA) 星形の中にSがある「ホシエスマーク」
ケイウノ(K.UNO) 「k.uno」
サマンサティアラ(Samantha Tiara) 「ST」
ショーメ(CHAUMET) 「CHAUMET」
ジュエリーマキ(JEWELRY MAKI) 反転した「み」を組み合わせたような、四葉のクローバーに近い形
タサキ(TASAKI) 「TASAKI」、または角が丸いひし形と小さな円に、三日月の図形が組み合わさったもの
ダミアーニ(DAMIANI) 「DAMIANI」
ティファニー(TIFFANY) 「TIFFANY & CO.」
ニナリッチ(NINA RICCI) 「NINA RICCI」
ミキモト(MIKIMOTO) 「MIKIMOTO」、あるいは貝の中にMがあるマーク
サミスターダイヤモンド※ 「SAMISTAR-D」
クイーン※ 「Queen」

※現在は製造されていないブランドです。

上記の表のように、ブランドの刻印は大きく3種類に分けられます。

1つ目は、ブランドの英字表記です。ショーメ(CHAUMET)やダミアーニ(DAMIANI)など、多くのブランドが該当します。

2つ目はブランドロゴです。ヴァンクリーフ&アーベル(Van Cleef & Arpels)やアイプリモ(I-PRIMO)が代表的です。ヴァンクリーフ&アーベルのロゴマークは、横長のひし形の中にVCAのイニシャルと、パリのヴァンドーム広場の中央に建つ円柱がデザインされています。

アイプリモのロゴは、ホームページなどでは確認できませんが、一部の本店で見ることができます。

3つ目はブランド独自のデザインです。ギンザタナカ(GINZA TANAKA)やジュエリーマキ(JEWELRY MAKI)、タサキ(TASAKI)などが挙げられます。

ギンザタナカのホシエスマークは、ブランド特有の刻印であり、品質を表しています。ギンザタナカは保証書を持っていないため、厳しい品質基準を通過したことを証明する唯一のものとなります。

貴金属の品質を保証するホールマークの種類

各国で設けられた試験を合格した貴金属には、ホールマークが刻まれます。この試験は任意で受けられますが、品質証明の信頼度が高い刻印です。今回は、国内と海外のホールマークをそれぞれ解説します。

国内のホールマーク

独立行政法人造幣局は、貴金属製品の製造・販売業者からの依頼で品位試験(貴金属製品を分析し、貴金属の純度を調べること)を行い、合格した製品には「ホールマーク」と呼ばれる証明記号を打刻します。

任意の試験であるため、全ての製品にマークが打刻されているわけではありませんが、公的な第三者が品位を証明することで、取引の安定と消費者の保護に貢献しています。日本のホールマークは、日本の国旗と、ひし形の中にある1000分率で表された純度で構成され、プラチナの場合はPtが加わります。

海外のホールマーク

フランスでは、18金以上の金に鷲(または鷹)の頭が刻印され、プラチナのジュエリーには犬の頭が打刻されます。また、他国からの輸入品や、出自不明のジュエリーが、フランスで18金以上であると証明されると、フクロウの刻印が押されます。

他にもイギリスでは、厳格なルールが設けられており、最大で5種類のマークで証明しています。また、イタリアでは、貴金属メーカーやイタリアの地方名の略称を打刻します。このように、貴金属を証明することが共通の目的でも、国によってさまざまな特色があることがわかります。

貴金属で区別が難しい刻印の種類

刻印 意味
K 「18K」のように、数字の後ろにKが続く。「アトK」とも
KP Karat Plumbの略称
KT カラット(Karat)の略称
PT100 1000分率表記であるため、プラチナの成分は10%
P/S プラチナ(Platinum)と銀(Silver)の頭文字
PWG9 9金(金含有率37.5%)のホワイトゴールドのこと

アトK・KP・KTは海外製品で見られる刻印です。また、KPの「Plumb」は「正確・きっちり・完全に」などを意味しています。これらの刻印が施された海外製品は、表記よりも金の含有率が低いことがあります。

なお、中国では「万足金」「千足金」「足金」の刻印も使用されています。それぞれ高純度の金を表していますが、メーカーによって含有率の基準が変わることもあったようです。現在では「足金」(あるいはAu999)に統一され、厳しく管理されているといわれています。

P/Sの成分は、プラチナが10%、銀が90%の合金です。プラチナが先に記載されているため、プラチナ製品だと誤解しそうですが、この成分割合から、銀製品であることがわかります。

PWG9は、とある宝飾メーカー独自の金属表示です。プラチナと金、シルバーで構成された合金を意味します。

まとめ

刻印は、貴金属製品の品質を証明する重要な要素となります。しかし、刻印の有無だけで真贋を判別することは難しいでしょう。その貴金属製品が本物かどうかわからない場合は、プロに確認していただくことをオススメします。

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