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純金とは?意味や歴史・特徴・保有するメリットとデメリットを解説

純金とは?意味や歴史・特徴・保有するメリットとデメリットを解説

「純金」という言葉は聞いたことがある人も多いかもしれません。しかし、具体的な意味まで理解している人は少ないのではないでしょうか。こちらの記事では、純金の意味や歴史、特徴、そして保有する際のメリットやデメリットについて解説します。

純金とは?

純金とは、金の純度が99.9%以上のものを指します。また、金製品に「K24」や「24K」などの刻印を見たことがあるかもしれませんが、このような「24」という数字は純金を意味します。

では、なぜ純金は「K24」や「24K」と表記されるのでしょうか。他にも「K18」や「18K」といった刻印がありますが、これらの金製品の表記の意味についてご紹介します。

金の純度を表す単位

金の純度を示す単位には「カラット(Karat)」が用いられます。金製品にはカラットの「K」と、比率を表す24分率(24を100%とした割合)の数字が刻印されます。

例えば、純金は24分率のうちすべてが金を占めるため「K24」となります。ジュエリーなどによく使われる「K18」は24分率のうち18分にあたります。つまり、金の含有量が75%の合金です。

特にジュエリーや金貨などの貴金属には、このような純度を示す「カラット」が刻印されていることがありますので、確認してみてください。

K24と24Kの違い

先述した「K18」「K24」だけでなく、「18K」「24K」など数字の後に「K」がつく金製品もあります。これは通称「アトK」と呼ばれ、海外製品の中でも古いジュエリーに多く見られます。

このように、製造された国によって表記が異なるだけで、どちらも金製品であることには変わりありません。

ただし、ごく稀にアトKの中には粗悪なものが混ざっていることがあります。刻印が24Kでも、実際には純金ではない場合もあるため、購入の際には注意が必要です。

金の純度の確認方法

お手持ちの金製品の純度がどの程度か知りたい方もいるでしょう。買取業者に査定依頼をしなくても、自分で確認する方法があります。

具体的には、「刻印で確認する」「重さや触感で確認する」「比重を測る」「試金石を使用する」です。こちらでは、これら4つの金の純度確認方法をご紹介します。

刻印で確認する

金製品の純度を確認するには、刻印を見るのが最も簡単な方法です。国内製のインゴットの表面には「24金」や「K24」が、海外製には「24K」が記載されている場合があります。

アクセサリーは目立たない部分に刻印されていることが多く、「K22」「K18」「K14」「K10」などの表示が見られます。

ただし、「K18GP」のように、純度の後にメッキを示すアルファベットが刻まれた製品もあります。これは金属自体が異なり、表面だけが18金であることを意味します。刻印が義務付けられていないため、無刻印の製品も存在しますので、注意が必要です。

重さや触感で確認する

まずは実際に金製品を手に取り、重さや感覚を確認してみましょう。本物の金は見た目以上に重く、ずっしりとした感触があります。

例えば、1立方センチメートルあたりの金の重さは約19.3gですが、銀は約10.5g、銅は約9gです。このように純金は明らかに重たく感じられます。

さらに、金は熱伝導率が高いため、最初は冷たく感じることがありますが、すぐに体温で温かくなる特性があります。重みがあり、温まる速さが早い金製品ほど、純金である可能性が高いと言えるでしょう。

比重を測る

金の純度は比重を使って測定することができます。以下の手順で金製品の比重を測定します。

①金製品をはかりの上に置いて、その重量を測定します。

②水の入った容器をはかりの上に置き、表示を「0」にリセットします。

③金製品を糸で吊るし、容器の底につかないように水に浸します。

④比重が測定されたら、以下の比重値を参照して金の純度を確認します。

純度 比重
K24 19.13〜19.51
K22 17.45〜18.24
K18 14.84〜16.12
K14 12.91〜14.44

このように、比重の値によって金の純度が異なりますので、興味のある方はこの方法を試してみてください。

試金石を使用する

試金石は、江戸時代から伝わる伝統的な鑑定方法であり、現代でも金の純度を確認するために使われることがあります。那智黒石と呼ばれる試金石を使用し、金製品を削り、金の色を見て純度を判定します。

純度が高い金は濃い色を示し、低い純度では色が薄くなります。ただし、この方法は試金石を用意する手間と、金製品に傷をつけるリスクがあります。そのため、資産となる純金の鑑定にはあまり適していません。

純金の歴史

金が発見されたのは、今から7000年~8000年前と言われています。そして、金が加工された状態で登場したのは古代エジプト時代、日本でも奈良時代から金箔を利用していました。そこでこちらでは、日本とエジプトの金の歴史についてご紹介します。

古代エジプト時代の純金の歴史

金は紀元前3000年の古代エジプト時代から人々を魅了し、宗教上も重要な金属でした。例えば、ツタンカーメンの墓から発見された黄金マスクには10kg以上の純金が使われ、ファラオの来世での使用や信仰的な役割を担っていました。

また、クレオパトラ7世は金箔のパックでスキンケアを行い、美の象徴として金を愛用していました。

さらに、インゴットも古代エジプトが発祥で、当時はドーナツ型の形で作られ、その形状が金を意味する象形文字となっていました。

日本人と純金の歴史

日本でも金は豪華さや富、文化・宗教的価値の象徴として利用されてきました。8世紀には金が発見され、752年に建立された奈良の東大寺の大仏には約150kgの金が使用されました。

岩手県の中尊寺金色堂も金箔で装飾されています。江戸時代には「佐渡金山」が発掘され、日本のゴールドラッシュが始まり、徳川幕府の財政基盤となりました。

純金の特徴

純金の特徴には「展延性に富んでいる」「化学変化が起こりにくい」「変形しやすく傷つきやすい」などが挙げられます。こちらでは、この3つの特徴についてご紹介します。

展延性に富んでいる

純金は、展延性に優れた金属であり、金箔はこの特性を利用して作られています。例えば、純金1gを叩くと、1平方メートルの面積に広げることができます。

さらに、1gの純金を限界まで引き伸ばすと、約3,000mの長さにも加工できるほど、展延性に富んだ金属です。また、このような展延性の高さを活かして、さまざまな製品に利用されています。

化学変化が起こりにくい

純金は、酸化などの化学変化がきわめて起こりにくい物質です。他の金属と異なり、錆も発生しません。また、酸やアルカリにも強く、硝酸と塩酸を混ぜた液体である「王水」以外には反応しません。

この化学的安定性のおかげで、長期間使用したり保管したりしても劣化せず、品質を保ち続けることができます。

変形しやすく傷つきやすい

純金は柔軟性に優れていますが、変形しやすく、硬度が低いため、傷がつきやすいというデメリットがあります。ビッカース硬さでは、純金の硬度はダイヤモンドや超硬合金に比べて非常に低く、モース硬度でも2.5と低い値を示します。

これは爪の硬度と同じであり、爪で引っ掻くだけでも簡単に傷がつくことを意味します。

このため、純金は日常的に着用するジュエリーやアクセサリーには適していません。日常の使用で接触や衝撃によって傷がつきやすく、品物の見た目や価値が低下する可能性があります。

純金の主な用途

純金は、その美しさだけでなく、多彩な特性を活かして現代では幅広い用途があります。例えば、ハイテク産業では電気を通しやすい性質を利用し、パソコンやスマートフォンの部品に使われています。

また、化学的安定性や耐蝕性に優れるため、医療や美容分野でも活用されています。金歯、関節リウマチの治療剤、美容整形の糸やフェイスパックなどが挙げられます。

さらに、伝統工芸や新しい工芸品、万年筆のペン先など、日常的な製品にも使われています。このように、純金は現代においても多様な分野で重宝されています。

純金の魅力や人気が高い理由

純金が人気なのは「資産価値が高い」「希少価値が高い」など、実物資産としての価値の高さはもちろんのこと、「換金のしやすさ」「不変性の高さ」も挙げられます。こちらでは、純金の魅力や人気の理由を4つご紹介します。

価値が高い

純金は普遍的な価値を持つため、時代や状況の変化によって価値が大きく崩れることはありません。実際に、長い歴史の中で金の価値がなくなったことはありません。それどころか、価格は安定して右肩上がりに推移しています。

また、金は投資や資産保護だけでなく、さまざまな用途で利用されている非常に需要の高い金属です。

そして、地球上で採掘できる金の埋蔵量には限りがあるため、需要に対して供給が追いつかなくなることも懸念されています。そのため、今後も金の価格が大きく下がったり、ゼロになる可能性は極めて低いと言えるでしょう。

世界中どこでも換金できる

金は国際的に認知された価値を持ち、市場で常に需要があるため、いつでもスムーズに換金できます。そのため、金は非常に換金性の高い資産と言えます。

また、緊急時や経済的な不安がある場合でも、金は迅速に現金に変えられるという大きな利点があります。

例えば、不動産のような同じ実物資産では、売却時に手続きや時間がかかり、買い手がすぐに見つかるとは限りませんが、金にはその心配がありません。

不変性が高い

純金の不変性の高さは、その化学的安定性に起因します。通常の環境下では腐食や錆が発生せず、その他の物質のほとんどが経年劣化で価値を下げる中、金は長期間品質を維持できます。

例えば、2015年に1000年前の金貨が海底から発掘され、美しい輝きを残したまま見つかりました。このように、金の化学的安定性と不変性の高さは、先祖代々受け継がれる資産として大きな魅力です。

希少性が高い

金は非常に希少価値の高い金属として知られています。何千年も前から利用されてきましたが、その総量はオリンピックの競泳用プール4杯分ほどしかありません。

地球上の金の3分の2は既に採掘されており、このままのペースで進めば約17年で枯渇すると言われています。残りの金は採掘困難な場所にあり、多額な採掘コストが必要になります。

金の需要は増加しており、その希少性はますます高まっています。そのため、廃棄される電子機器などから金を再利用する「都市鉱山」に注目が集まっています。これにより、金の安定供給や資源循環が期待されています。

純金を保有するメリット

純金は投資目的や資産保護のために保有する人が増えています。これには非常に多くのメリットがあるため、お金や他の資産を純金に換えているのです。そこでこちらでは、純金を保有する4つのメリットについてご紹介します。

国の経済状況の影響を受けにくい

金はそれ自体に価値があり、世界中でその価値が認知されています。そのため、「無国籍通貨」とも呼ばれ、特定の国家の影響を受けない資産としての魅力があります。

世界中の中央銀行が一定量の金を外貨準備の一部として保有していることからも、金の価値に対する共通認識がうかがえます。

また、貨幣や株式、債券などの金融資産は、その国の経済状況の影響を受けますが、金はどの国にも属さないため、世界共通の価値を持つのです。

現物資産として保有できる

資産を実物で所有したい方にとって、金は特に魅力的な資産の1つです。近年、株式や債券などはデジタル化が進み、実際に手元に保管することはほとんどありません。一方で、金は実物を手にできるため、所有感や安心感が得られる点が大きなメリットと言えるでしょう。

有事に強くインフレ対策になる

金の普遍的な価値は世界で認められており、特定の国家や企業の影響を受けにくいため、有事の際にも安定した特性を持ちます。

また、インフレが進むと物価が上昇し、お金の価値が下がる傾向にあります。しかし、金は実物資産であるため、インフレ時には価格が上昇しやすい特性があります。そのため、インフレ対策にも有効な資産と言えるでしょう。

無価値になりにくい

金の価値は世界共通で認められており、世界中で取引されているため、無価値になることは考えにくいです。例えば、貨幣や株式、債券、不動産などさまざまな資産は、さまざまな理由で価値が大幅に下がったり、失われたりすることがあります。

しかし、金は歴史的な恐慌が起きても価値が下がるどころか上がることがあります。

これは、安全資産としての需要が高まり、金相場が上昇するためです。このように、金は無価値になるリスクが極めて低いと言えます。

純金を保有するデメリット

先述したように、純金を保有することで多くのメリットは得られます。しかし、純金の保有にもデメリットはあります。そこで、純金を保有するうえで押さえておきたい3つのデメリットをご紹介します。

短期的に大きく価値が変動する可能性がある

金は長期的な資産としては安定していますが、短期的には経済情勢や政治情勢などのマーケットの動向によって価格が大きく変動する可能性があります。

例えば、世界が不安定になることで短期間で価格が上昇する場合もある他、上昇が続けば一時的に調整に入り、下落相場になることもあります。

そのため、短期的な金の売買を行うなら、常に市況を注意深く分析し、売買タイミングを見極めることがポイントになります。

インカムゲインが得られない

インカムゲインとは、株式の配当金、債券の利子、不動産の家賃収入など、保有している間に発生する利益のことです。金投資では基本的にインカムゲインは得られません。そのため、配当金や利息などの収益を期待することはできない点を念頭に置きましょう。

保管リスクがある

金は、インゴットや金貨などとして現物で所有できる利点がありますが、それには保管リスクが伴います。自宅に金製品を保管する場合、盗難や災害から守るために金庫などのセキュリティ対策が必要です。

ただし、金庫は高価であり、その維持費用も考慮する必要があります。銀行の貸金庫に預ける方法もありますが、手数料が発生するため、保管コストがかかる点がデメリットと言えます。

純金以外の金について

純金以外にもさまざまな金の種類があります。確かに資産保護や投資の目的であれば、純金を持つことが一番理想的でしょう。しかし、利用目的によっては、金の純度を下げることもあります。こちらでは、純金以外の金についてご紹介します。

純金以外の金の種類

純金以外の金は、刻印の数字が「24」よりも低いものになります。例えば、「K22」「K18」などが一般的です。また、「22金」や「18金」と表記されることもありますが、純度は同じです。こちらでは、「22金」「18金」「14金」「10金」など、純金以外の金の種類についてご紹介します。

22金

22金は金の純度が91.7%で、他の貴金属が8.3%含まれた金製品です。海外製の金貨には22金のものも多くあります。純金は柔らかい性質を持ちますが、他の貴金属と混ぜることで強度が高まります。

そのため、純金の金貨よりも傷がつきにくかったり、保管がしやすいのが22金のメリットです。また、最近ではジュエリーの素材としても広く利用されています。

18金

18金は、金の純度が75%で、他の貴金属が25%含まれた金製品です。22金と比較して多くの貴金属を混ぜ合わせているため、耐久性に優れています。そのため、ジュエリーに広く利用されています。

18金はジュエリーの他にも、メガネのフレームやライター、スマートフォンのケースなどさまざまな用途に活用されています。

14金

14金は、金の含有量が58.5%で、他の貴金属が41.5%含まれた金製品です。金の含有率が低いため、金特有の輝きは少ないですが、他の貴金属の含有率が多いため、耐久性が求められる文房具などに利用されています。

10金

10金は、金の含有率が42%で、他の貴金属が58%含まれた金製品です。金の含有率が低いため、金特有の輝きは弱くなりますが、リーズナブルな価格で購入できる点が魅力です。また、耐久性も高く、普段使いのアクセサリーとして人気があります。

純金以外の金が使用される理由

ジュエリーや工業製品などでは、純金以外の金が利用されます。純金は硬度が低く、実用的な用途には向かないため、アクセサリーや工業製品などに使用すると変形しやすく、傷がつきやすい特性があります。

そのため、金を素材とする際には、銀や銅、プラチナ、パラジウムなどの金属と合金化されます。合金化によって強度が増し、ジュエリーやその他の実用的な用途に適した素材となります。

カラーゴールドとは

カラーゴールドは、金と他の金属を混ぜて作られる合金です。混ぜる金属の種類と割合によって、さまざまな色合いを作り出すことができます。

一般的に、カラーゴールドはK18で作られます。例えば、75%の金に銅、パラジウム、銀を25%混ぜたものはピンクゴールドとなり、赤みがかった金色になります。

パラジウムや銅の比率によって赤みの強さが異なるため、ピンクゴールドには多様な色合いがあります。また、イエローゴールドやホワイトゴールドなどもカラーゴールドの一種です。

まとめ

今回は純金についてご紹介しました。古くから重宝されてきた貴金属であり、現在でもその資産価値から投資目的で保有する人も多いです。

また、純金だけでなく、金貨やアクセサリーなど、強度を上げるために純度を下げた金製品もあります。自分の目的に合わせて金の種類を選ぶことが重要です。

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