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メッキ(鍍金)とは
メッキとは、デジタル大辞泉によると「金属または非金属の表面を他の金属の薄膜で覆うこと。」とのことです。メッキの技術は歴史的にも古く、日本ではなんと古墳時代にはメッキが用いられていたということです。奈良の大仏様もかつては黄金に輝いていたと言われていますが、これも金メッキによってなされたようです。
メッキのメリット
現在では、メッキは装飾品にも工業製品においても広く応用されています。メッキを施すメリットはいくつかあります。
コストパフォーマンスに優れる
ジュエリーにおいては、金メッキが応用される主たる理由がこれです。ゴールド素材のジュエリーよりも低価格でゴールドジュエリーのような美しさを手に入れることができます。
金のいいところと他の金属のいいところを融合させられる
金以外に様々な金属をベースとすることができるので、様々なジュエリーの表現が可能となります。また工業製品としては金の熱伝導率や電気伝導率の高さを、ケーブルや半導体などにして利用することができます。
耐久性・耐蝕性を向上させる
金の特性として腐食に強いという性質があります。そのため、他の金属に金をまとわせることで地の金属の耐久性を向上させることができます。
アレルギー反応を出しにくくする
ジュエリーにおいて、金は金属アレルギーになりにくい金属と言われています。そのため、純金メッキを施したピアスやネックレスは、金属アレルギーのリスクを大幅に軽減することができます。しかし、メッキが剝がれてしまい、下地のニッケルが露呈すると逆に金属アレルギーが発生する可能性が出てきますので、完璧なアレルギー対策とは言えないのも事実です。
金メッキ方法
洗浄
まずメッキする製品を洗浄します。特に製品に付着している油分を除去する洗浄を行います。煮沸によるものや電気分解(電解)による方法、超音波による洗浄などがあります。お湯で食器を洗ったほうが油分が落ちやすいように、煮沸による脱脂方法は私たちの日常でもイメージできるような洗浄方法ですね。電気分解はアルカリ性溶液に浸して電気分解を行う方法、酸性溶液に浸して電気分解を行う方法、+・-という電流の流れを交互に切り替えておこなうPR電解洗浄などがあります。PR電解洗浄は洗浄速度が速く洗浄力も高い洗浄法です。超音波洗浄は細かな気泡が破裂する衝撃を利用して洗浄する方法で、細部におよぶ洗浄が可能です。
下地づくり
金メッキを施す前に、金がのりやすいよう“下地づくり”の段階があります。まず「活性化」とよばれる、メッキを施す製品の表面に存在する被膜を除去し、下地が密着しやすい状態にします。そしてニッケルストライク(ストライクニッケル)と呼ばれる、素地の保護と密着度を高めるための薄いメッキを施します。その後、金メッキの下地としてニッケルをメッキします。ニッケルを下地としてメッキすることで、耐蝕性が向上します。また素地が銅の場合、性質上、金を銅にメッキすると銅が金と混ざり合ってしまうので、間にニッケルをメッキすることによって銅の拡散を抑える効果もあります。
金メッキ
こうして下地を形成したら、いよいよ金メッキです。金メッキには大きく「金メッキ(軟質金メッキ)」と「金合金メッキ(硬質金メッキ)」の2つにわけられます。
金メッキ(軟質金メッキ)は、純金メッキのことで金含有率99.9%以上の純度の金をメッキします。
金合金メッキ(硬質金メッキ)はその名の通り、金に他の金属を合わせた合金をメッキします。金合金の場合、金含有率は58.5%~99.9%未満となります。
金メッキ製品は買取できるのか
正直申し上げると、金メッキ製品という点で高額買取はなかなか難しいのが実情です。理由として、金の含有量が低いこと、メッキは経年劣化が顕著なことが多いことなどが挙げられます。しかし、例えば装飾品であれば、アンティークものやヴィンテージものだったり、有名ブランドのデザインだったりする場合は、そういった側面から価値を見出すことができるため、買取が可能なケースもあります。
まとめ
金メッキは古くから世界中で使用されている、金の被膜を物質にまとわせる技術です。装飾品においては、金製品よりも圧倒的に安く金の美しさをもつ製品を作ることができるため重宝され、工業製品の世界では、金の熱伝導率や電気伝導率の高さ、耐蝕性などを利用した製品づくりが行われます。金メッキのアクセサリーを買取ってもらうのは、実態としては難しいケースが多いですが、その品がアンティーク価値やブランド価値があるものであれば、買い取ってもらえる可能性もあるため、簡単にあきらめずに、買取店の無料査定を依頼してみるのもいいかもしれませんね。