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金の種類や歴史、なぜ高価な物としてあり続けるのかを分かりやすく解説

金の種類や歴史、なぜ高価な物としてあり続けるのかを分かりやすく解説

皆さんは「金」というとどのようなイメージでしょうか?お金に代わる資産、高価な金属、様々な産業で使用される貴重な物資、と数を上げればきりがなくなります。ちょっとお堅い言い方をすると、原子番号79の元素。第11族元素に属する金属元素です。金属としては重く、軟らかく、可鍛性の幅が広いという事になります。紀元前3000年代に使われ始め、最古の金属貨幣は紀元前7 ~6世紀頃と言われています。そして、日本はかつて黄金の国と呼ばれていました。由来は東北地方で発見された砂金を遣唐使の滞在費用として持ち込まれた事となっています。日ごろ耳にする機会も多い「金」を少し深堀りしていきたいと思います。

資産価値としての金のあり方とその理由とはいったい?

歴史上、金は最も価値のある金属と考えられてきました。それは21世紀となった今現在も変わっていません。金は他の金属と比較して年代を経ても基本的な性質を損なわず、価値を保存する性質に圧倒的に優れていることが大きな理由となっています。日々の相場変動がある事によって、金は投資の手段の代表的な一つなのです。一般的に地球上の採掘可能な金の埋蔵量は50mプールをいっぱいにした量相当と言われています。限りある資源である事は間違いなく、それを際限なく作り出せればという発想は自然と起こりました。それがいわゆる錬金術です。身近な金属や物質から金を作り出す研究が盛んにおこなわれるようになりましたが、その試みは失敗に終わっています。しかしながら、

◆金の特徴

見かけは光沢のあるオレンジがかった黄色すなわち金色に輝きます。金属としては重く、軟らかく、可鍛性があります。展性と延性に富み、非常に薄く延ばしたり、広げたりすることができます。同族の銅と銀が比較的反応性に富むこととは対照的に、標準酸化還元電位に基くイオン化傾向は全金属中で最小であり、反応性が低い。金を溶解する水溶液としては、王水(塩化ニトロシル)、セレン酸(熱濃セレン酸)、ヨードチンキ、酸素存在下でのシアン化物の水溶液があります。熱水鉱床として生成され、そのまま採掘されるか、風化の結果生まれた金塊や沖積鉱床(砂金)として採集されます。

これらの性質から、金は多くの時代と地域で貴金属として価値を認められてきました。化合物ではなく単体で産出されるため精錬の必要がなく、装飾品として人類に利用された最古の金属で、美術工芸品にも多く用いられました。銀や銅と共に交換・貨幣用金属の一つであり、現代に至るまで蓄財や投資の対象となったり、金貨として加工・使用されたりしています。ISO通貨コードではXAUと表します。また、医療やエレクトロニクスなどの分野で利用されている事も認知されつつあります。

展性・延性に優れ、最も薄く延ばすことができる金属です。1グラムあれば数平方メートルまで広げることができ、長さでは約3000メートルまで延ばすことができる。平面状に延ばしたものを「金箔」(きんぱく)、金箔を和紙に貼って細く切るなど糸状に装飾しやすくしたものを「金糸」(きんし)と呼びます。華美な衣装を作るために、金糸は綿や絹など一般的な繊維素材と併用されます。逆に大きな展延性が精密加工時や加工後の製品では、耐久性が悪いという弱点にもなります。かつてよく行われていた金メダルを噛むという行為は、歯型が付くほどの展延性を持つ金であることを確かめる行為だったことに由来します(現代の金メダルは純金ではないので歯型は付かない)。

他の金属と同様に合金とすることが容易です。合金化は金にとっては硬度を上げることができ、他の金属にとっては伸長性が増し、本来の金色以外に変化に富んだ色調の地金とすることができます。銅との合金は赤く、鉄は緑、アルミニウムは紫、ガリウムやインジウムは青、パラジウムやニッケルは白、ビスマスと銀が混ざった物では黒味を帯びた色調になる。自然に存在する金には通常、10%程度の銀が含まれており、銀の含有率が20%を超える物はエレクトラム、青金または琥珀金と呼ばれます。さらに銀の量を増やしていくと、色は次第に銀白色になり、比重はそれにつれて下がります。

金は熱伝導、電気伝導ともに優れた性質を持ち、空気では浸食されません。熱、湿気、酸素、その他ほとんどの化学的腐食(通常の酸やアルカリ)に対して非常に強いです。そのため、貨幣の材料や装飾品として古くから用いられてきました。一方、金はある特殊な条件下で化合物を生成します。

◆日本での歴史

日本での古代の金製品は福岡県志賀島にて発見された漢委奴国王印などがあります。古墳時代には奈良県東大寺山古墳出土の「中平」銘鉄剣や埼玉県稲荷山古墳出土の「辛亥」銘鉄剣など、鉄地に線を彫って金線を埋め込んだ金象嵌がありました。

奈良時代までの日本は金を産出せず、供給は朝鮮半島の新羅や高句麗からの輸入に頼っていました。749年に百済王敬福が奥州(現在の東北地方)で砂金の発見を報告し、状況は一変します。8世紀後半からは逆に渤海、新羅などへ輸出され、遣唐使の滞在費用として砂金が持ち込まれることで、後の「黄金の国」のイメージの原型が形作られました。

平安時代後期には奥州を掌握した奥州藤原氏によって、産金による経済力を背景に、平泉が平安京に次ぐ日本第二の都市にまで発展しました。砂金は平安京や北宋・沿海州などとの貿易に使用されました。奥州産の金をふんだんに使用した中尊寺金色堂は、マルコ・ポーロが『東方見聞録』で紹介した黄金の国ジパングのモデルになったともされています。豊臣政権や江戸幕府は金山への支配を強め、金を含有した大判や小判を発行しました。

◆世界での歴史

世界ではコロンブスのアメリカ州到達以来、探検家や征服者(コンキスタドール)によって行われたアメリカ原住民(インカ帝国など)からの金の強奪は膨大な量に上りました。特に中央アメリカや南米大陸のペルー、コロンビアを原産とする物が多いです。それらは金と銅の合金で作られており、スペイン人たちはTumbagaと呼んでいました。金への欲望を募らせたヨーロッパ人は、金鉱あるいは採掘済みの金があると信じたエル・ドラード(黄金郷)を探し求めて南米奥地に分け入ったが、現在に至るまで該当する土地は見つかっていません。

大航海時代以降にはこのほか、日本近くにあると信じられた金銀島も探索の対象となりました。1848年、アメリカ合衆国では、ゴールドラッシュと呼ばれる、金採掘を目的としたカリフォルニア州への大規模移民が起きました。同様の現象は、現在までにアメリカ国外を含めてしばしば発生しています。

1899年から1901年まで南アフリカで起きたボーア戦争は、イギリスとボーアの鉱山労働者の権利や金の所有権に関する争いです。とどのつまりは、揺るぎのない資産価値ある物質である事に間違いなく、その際限ある資源性が理由となる訳です。歴史上の評価を総括するならば、金は最も価値のある金属と考えられてきました。また純粋、価値、特権階級の象徴としてもとらえられてきました。これは、金が他の金属と比較して年代を経ても基本的な性質を損なわず、価値を保存する性質に優れていたことが大きな理由です。したがって、その後発展した多くの通貨制度においても、金は最も上位に位置する基準とされてきた(金本位制)。ほとんどの国が管理通貨制度に移行した現代でも、多くの中央銀行や政府が、財務的な信用力を確保するため資産の一部を地金として保有しています。

◆現代での金の扱い

また金の先物取引などは、個人からヘッジファンドなどのトレーダーに至るまで投資の一手段とされています。さらに資産の一部を金地金や金貨、金装飾品で保有する個人もいます。2004年11月、ロンドン金価格に連動するETF(上場投資信託)が誕生し、一般投資家が金地金の現物を購入・保管する手間やコストなく投資可能となったことで需要が増大しました。

金は「安全資産」と看做されており、世界経済や国際情勢への不安感が増したり、金利が低下して、金利を生まない金を保有するデメリットが薄れたりすると金価格は上昇する傾向があります。金の国際相場最高値は、2011年に1トロイオンス1900ドルを超え、2020年に新型コロナウイルス感染症の影響で2000ドルを突破。日本国内では新型コロナウイルス感染症の影響で2020年4月13日、1グラム6513円と従来の最高値(消費税導入前の1980年1月に付けた6495円)を超えました。

金の採掘は比較的容易であり、1910年からこれまでに、究極可採埋蔵量のうち75%ほどの金が産出されてきたと考えられています。地質学的に、地球上にある採掘可能な金の埋蔵量は、一辺が20 mの立方体に収まる程度と考えられています。

金の種類や純度についての知識を高めるために、もっと金を知りましょう

金にはその純度によって細かく種類分けが行われています。その種類をここではご紹介したいと思います。純金(K24)、22金(K22)、21.6金(K21.6)、20金(K20)、18金(K18)、14金(K14)、10金(K10)、9金(K9)など。

※24分率による表現

それぞれが金の純度によって呼び名が異なっています。例えば、一番耳にする機会が多い18金(K18)は75%の純度の金という訳です。海外の製品で750という刻印を目にする事がありますが、千分率での表現を行うと750が18金(K18)になるという意味です。

他にもカラーゴールドと呼ばれるものもあり、特に有名であるのがホワイトゴールド・イエローゴールド・ピンクゴールドなどです。もちろん着色に伴い異物を混入させる訳ですが、混入させる異物の相場や価値によっても価格が異なってきます。

補足ですが、金属アレルギーの方にとっては純度の高い金の着用をお薦めいたします。前途したように異物を混ぜる事によって純度は下がるので18金(K18)以上のアクセサリーの使用が好ましいという事になります。

金に関しての豆知識を身に付けましょう!

金とはそもそもラテン語の「光る物」に由来しています。前途したように、金は柔らかく可鍛性に優れた金属です。そしてなんといっても錆びない金属という特徴から装飾品に適している事になります。

よく耳にする金メッキという言葉があります。真鍮などの素材に電気処理を施した処理を行いコーティングしている物を指します。元々の材質だと耐腐食性が低く、金属をコーティングする事によって耐腐食性を高くしているのです。しかしその反面、少しの衝撃でヒビが入ってしまったり、剥がれてしまったり傷がついたりします。つまりは取り扱いに十分に気をつけないとならないという事になりますね。

特に目にする機会の多い金メッキの刻印として「GP」や「GF」という刻印があります。それぞれGOLD PLATED、GOLD FILLEDの略で、金メッキと金張りという意味です。

まとめ

かつて徳川家康が徳川家の財産を埋蔵したと言い伝えられています。その埋蔵された宝には多くの金があると言われています。起源を遡れば、江戸時代よりもはるか昔から金は貴重な物という扱いをされてきました。そして現代の世の中でも変わらず金は貴重な金属として流通しています。恐らくこの先の世の中でも変わらぬ位置であり続ける事でしょう。

今回は金に関する豆知識の一部をご紹介しましたが、ごく一部であることをお伝えしておきます。金の持つ価値や用途の幅の広さなどを深く探求していくと、さらなる知識が身に付く事間違いなしです。

金は前述のような耐食性、導電性、低い電気抵抗などの優れた特性を持つため、20世紀になってからは工業金属として様々な分野で使用されているが金単体では金属加工用途としては軟らかすぎるため、通常は銅や銀、その他の金属と鍛錬されて、合金として用いられます。

金とその他の金属の合金は、その見栄えの良さや化学的特性を利用して指輪などの装飾品として、また美術工芸品や宗教用具(仏像や神像など)の材料として利用されてきました。さらに貨幣、または貨幣的物品を代替する品物として用いられてきました。

フィクションの世界では金製品の武具が多く登場するが、現実には富や力の象徴として、装飾に用いられた以外には存在しません。これは金の「軟らか過ぎる」「重過ぎる」「高価過ぎる」性質が武具の材料としては致命的に不向きなためです。

電気抵抗が小さく、延性が高いためコンピュータ(CPU)などの回路、電子部品のワイヤ・ボンディングなどに用いられます。ただし最近は、より安く導電率が同等の銅が台頭しています。

高い導電性と酸化による腐食に対する強い耐性から、表面を金メッキしたものは年月を経ても錆びないため、電子部品の電導体やコネクタの部品として広く利用されています。銀の方が導電性は高いが、空気中のオゾンや硫黄化合物によって腐食し導電性が低下するため、金のほうがコネクタの材料としては優れています。また、近年では廃棄された工業用品(主に携帯電話やスマートフォンなどの電子基板)を溶解して、金やリチウムなどの貴金属や希少金属(レアメタル)を抽出する事業(いわゆる都市鉱山)も展開されています。

明治時代になっても、金は銀行が発行する紙幣との交換(兌換)が可能で、その価値が保証されていました。1971年にアメリカが金本位制を廃止して以後、ほとんどの主要国で兌換は出来ません。キロバー(質量1キログラムの地金)の購入の場合は、地金商や鉱山会社などの貴金属専門業者等で購入するよりも商品取引員で購入するほうが、東京商品取引所の金先物市場の期近を活用しているため、東京商品取引所の受渡供用品であり、そして、受渡供用品の商号または商標の指定は出来ないが、中間マージンが低い分安いコストで購入できます。逆にキロバーを鋳造する地金商からの購入の場合は、自社で溶解し自社ブランドの刻印を刻んで販売するため、その分コストを上乗せされ販売されています。

また、金鉱床は銀、銅や水銀、硫化鉄、テルルなどのレアメタル、砒素を同時に産出することが多いです。銀やレアメタルは鉱山の収益を補えるが、脈石となる水銀や砒素はそのまま廃棄されると公害の原因になり、公害対策や公害処理の費用のために逆に収益に影響を及ぼすことがあります。

金鉱床と直接の関係は無いが、金の製錬の際にはアマルガム法(水銀)や青化法(シアン化合物)といった有毒物質を使用する場合が多く、金の生産に付随して排出される鉱滓や排水、廃液を適切に処理しないと周辺地域の環境汚染につながる場合があります。ここで興味を持って頂けた方はご自身で独自に調べてみてはいかがでしょうか。今まで興味を持ってこなかった金への投資などを行ってみようといった心境にもなる可能性がありますよね。

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