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貴金属の訪問買取は怪しい?悪質手口の事例や詐欺防止策を解説

貴金属の訪問買取は怪しい?悪質手口の事例や詐欺防止策を解説

貴金属の買取は、種類によっては高額な取引になることがあります。しかし、その反面、大金が絡むために悪質な事例や詐欺が発生することも少なくありません。そこで、貴金属の訪問買取における悪質な手口や事例、そして詐欺の防止策についてご紹介します。

貴金属買取の詐欺は主に「訪問買取業者」

貴金属買取の依頼方法としては、直接店舗に出向いたり、宅配便で依頼したりすることが一般的です。

他にも、鑑定士や鑑定人を自宅に招く訪問買取もあります。このうち、詐欺に遭いやすいのは訪問買取です。

訪問買取とは

訪問買取とは、買取業者の鑑定士が依頼者の自宅に訪問し、自宅で査定を実施するサービスです。もちろん、そのまま売ることに同意すれば、その場で現金を受け取ることができます。

通常であればお店に行く手間とお金がかかり、売りたいものを梱包して発送する手間もかかります。

訪問買取では時間と手間が省けるため、忙しい人には最適な買取方法です。

訪問買取自体は違法ではない

近年は大手の買取業者が訪問買取を実施しており、訪問買取そのものは違法ではありません。

買い手は古物行商従業者証や古物商許可証を取得する必要があり、取引の際には契約書を交わします。書面の内容も法律で定められており、クーリング・オフについても記載が必要です。

その他、貴金属の訪問買取を行う際には法律で定められた事項が多くあり、ルールを守っている業者であれば安全に利用できます。

貴金属の怪しい訪問買取業者の悪質な手口

貴金属の訪問買取で、少しでも不自然な点がある場合、その場で判断しないことが重要です。

貴金属買取において「自分は悪質な詐欺を見抜ける」と考えていても、詐欺の被害に遭うことがあります。具体的な詐欺内容を把握することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

怪しい貴金属買取の詐欺には、どのような手口があるのでしょうか。

契約解除ができない

法改正により、訪問買取クーリングオフ制度も施行されました。

しかし、契約解除を申し出ようと連絡をしても、「すでに契約してしまったから」と断固拒否されるケースがあります。

連絡なく突然訪問する

事前の連絡をせずに、突然自宅に来て売却を勧める怪しい訪問業者も多いです。

「すぐに売却をしないと損だ」「相場よりも高値で買い取る」といった売り文句で、契約の説明もなく押し切ることが特徴です。

このような業者は、相手に考える隙を与えず決断を迫ってくるので、注意しましょう。

ボランティア業者を装う

詐欺の手口のなかには、問題のない行動をしているように見えるケースもあります。

たとえば、日本で地震や自然災害が発生した際、ボランティアのふりをして貴金属を不当な価格で買い取ろうとする業者がいます。

彼らは「被災者支援にご協力いただけませんか」と声をかけ、相場よりも安い価格で買い取ろうとするのです。この場合、「被災した方を助ける」という内容で近づいてくるため、断ることを躊躇う方が多いです。 

そのため、多くの方は買取に応じる傾向があります。もちろん、お金は怪しい会社の利益にしかなりません。ボランティアは良いことではありますが、本当に信頼できる相手なのかを確認することが大切です。

大手の買取業者を装う

チラシやCMなどで見たことがある有名な業者が「不要な貴金属はありませんか」と訪ねてくることもあります。

1度は聞いたことがあるような大手買取依頼の名前を聞けば、安心してしまうかもしれません。

しかし、大手買取依頼の名前に偽りがあり、実は全くの別会社だったという事例もあります。

依頼している貴金属以外の買取も勧める

悪質業者は、貴重な貴金属を狙っています。

たとえば、電話では「不用品を引き取ります」と言っておきながら、自宅を訪問すると「貴金属があれば鑑定しましょうか」と貴金属の売却を持ちかけることもあります。

査定依頼品以外の買取を勧めることは、特定商取引法第58条の6第1項に違反します。他にも、「貴金属も買い取ります」、「こちらに売ってくれませんか」と買取を誘導する行為も違法です。

相場よりも低い査定額を提示する

相場よりも大幅に低い金額で買取、利益を得る手口です。

相手が買取に関する知識がない、相場を知らないと判断すると、数万円~数十万円低い査定額を提示します。

相場がわからず、他社との比較もできない状況のため、相場より低い金額でも買取を了承してしまいます。

書面を交付しない

訪問買取をする際、書面を提出しないことも違法です。買取内容に関する書類であり、以下の内容が記載されています。

・商品の特徴や種類

・買取価格

・支払い方法

・引渡日

・引渡方法

・依頼者の氏名

・買取業者の連絡先

書面を交付せず、交付した場合でも上記の必要最低限の事項も書かれていない場合は、サインをしないことが大切です。

しつこい電話をする

怪しい訪問買取業者は、明らかに価値のないものであっても、「海外に売れる」「部品に使える」「鑑定してもらいたい」など、巧妙なアピールをして買取ろうとします。

貴金属の訪問買取詐欺に合わないための防止策

いきなり自宅や職場に訪問してきて、適当な金額を提示されることがあります。詐欺を防ぐためには、悪質な出品者への対処法を身に着けておくことが重要です。

はっきりと断る

貴金属を売るつもりがないのであれば、契約をする必要はありません。訪問買取業者に対して、「今回は買取を依頼しません」と伝えましょう。

不誠実な業者は、返金に関しても粗雑です。また、クーリングオフを利用させないように妨害します。そのため、そもそも貴金属を渡さないことが重要です。

1人だけで対応をしない

悪徳な訪問買取業者は、相手の心理を利用して商品を売らせようとします。

詐欺のプロであり、1人で対応すると、簡単に騙されてしまいます。可能であれば、家族や近所の知人、友人に同席してもらいましょう。

業者の素性を確認する

素性の知れない買取業者と付き合うと、トラブルになりかねません。買取業者の素性がわからない場合は、どれほど高額な査定額を提示されても承諾しないようにしましょう。

特に、買取業者が素性を明かしてくれなかったり、自分に都合の良い話しかしなかったりする場合、悪徳業者である可能性が高いです。

そもそも、自宅を訪問する業者は、訪問時に素性を明かさなければなりません。素性を隠すようなことがあれば法律違反であり、やましい気持ちがある証拠です。

事前に買取相場を把握しておく

訪問買取業者のなかには、査定価格を低く提示してくる業者もいます。

今すぐ訪問買取を依頼する予定はなくても、いずれ貴金属の売却を考えているのであれば、事前に相場を知っておくと安心です。

訪問買取業者が出した価格と把握している相場を比較して、相場を踏まえた正しい査定価格かどうかチェックしましょう。

その場で手渡さない

悪質な業者と売買契約を結んでしまうと、返送を依頼しようとしても行方が分からなくなり、連絡が取れなくなることがあります。

1度貴金属を引き渡したら、戻ってくる可能性は低いと考えた方がよいでしょう。そのため、売却する予定のない貴金属は絶対に渡してはいけません。

家の中に上げない

有効な対策は、家の中に入れないことです。悪徳買取業者は、古着や靴、バッグなどの鑑定を名目に、貴金属の買取も狙ってくることがあります。

家に招き入れると、「それも鑑定しましょうか?」と買取を促される可能性があります。隙を与えることになるため、玄関先で対応することがベストです。

訪問業者の評判などを調べておく

多くの場合、口コミやSNS、ウェブサイトを見れば、どのような会社かわかります。 

評判が悪かったり、口コミやSNSで「購入者に圧力をかける会社だ」と書かれている場合は、本当に利用すべきかどうか考え直した方がよいでしょう。

契約書を発行してもらう

買取の際には、買取内容を記載した書類や契約書を作成することが法律で決められているため、書類を十分に確認しましょう。

貴金属買取でもクーリングオフは適用できる

貴金属買取では、納得できない契約をした場合にクーリングオフ制度を利用できます。そこで、クーリングオフの規定や利用手順を解説します。

クーリングオフに関する規定

貴金属の訪問買取にはクーリングオフ制度が適用され、既に売買契約を締結している場合でも、商品を取り戻せるケースもあります。

クーリングオフ制度は、売買契約後8日以内であれば、契約を解除できるルールです。

クーリングオフについては、これまで訪問買取に法的規制はありませんでした。しかし、2010年頃から貴金属を狙った悪質な訪問買取の詐欺が増え、2013年に特定商取引法が改正されました。

法改正により、訪問販売で消費者が損失を被ることを防ぐシステムが導入されたのです。 

クーリングオフの手順

クーリングオフをするときは、相手方に書面を送ります。自分でハガキに書いてもよいですが、書き方がわからなければ消費生活センターに問い合わせをしましょう。

通知書に書く内容は、次のとおりです。

・契約日

・商品名

・金額

・買取業者名

・通知書を書いた日

・自分の住所と氏名

上記を書いたら、証拠を手元に置いておくために両面コピーを取ります。

郵送する際は、送ったという事実を残すことができる簡易書留もしくは特定記録郵便を使うのがポイントです。そして、郵送した書類や記録は、向こう5年間は保管しておくといいでしょう。

相手がクーリングオフを妨害しようとする場合は、8日経過後でもクーリングオフできることがあります。売却時に受け取った金額を返金してもらい、貴金属は返してもらいましょう。

クーリングオフ対象外の商品

クーリング・オフの対象とならないものは、次のとおりです。

・自動車(二輪車を除く)

・家具・家電製品

・書籍

・CD・DVD

・ゲームソフト

・有価証券

クーリングオフ対象外の商品は、買取後に返してもらうことが極めて困難です。買取依頼をする際には注意が必要です。

また、訪問購入ではクーリングオフの対象外になる取引があります。 

・引っ越し中に行われた取引 

・業者からの勧誘がなく行われた取引 

・取引者と消費者が日常的に頻繁に取引している場合 

上記の例外に該当する取引を行う場合は注意が必要です。

貴金属の訪問買取での禁止事項と義務

訪問買取に関する法改正により、買取業者の義務や禁止行為が定められました。悪質な詐欺業者との金銭トラブルに巻き込まれないためにも、買取業者の禁止事項と義務を把握しておきましょう。

貴金属の訪問買取での禁止事項

禁止行為とは、冷やかし、再三の勧誘、ウソ、脅迫、申込みの撤回・取消しの妨害、クーリングオフの拒否などです。

基本的に消費者に不利益を与える行為は法律で禁止されています。

貴金属の訪問買取での義務

訪問時には、事業者名、氏名、売買契約のために訪問していること、商品の種類を告げる義務があります。

特に、買取を依頼する前には、必ず販売店の身元を明らかにすることが重要です。不審な業者との取引を避けることがトラブル防止のコツです。

まとめ

貴金属を売るにはいくつかの方法があります。その一つである訪問買取は、自宅で鑑定士に見てもらえるため手間が少なく便利です。しかし、詐欺に遭う可能性があることを理解しておきましょう。

また、複数の業者を比較すれば、より高額な買取が期待できます。訪問買取業者の査定を受けても、すぐに決めずに比較してから取引しましょう。

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