金の純度とは?
金の純度とは、インゴットやジュエリーなどに含まれる純粋な金の割合を示すものです。純度は「K」と数字で表され、K24やK18といった表記が一般的です。
このKは「カラット(Karat)」の略で、数字は金の割合を24分の1で表しています。たとえば、K24は純金(99.9%以上)を意味し、K18は24分の18(18/24、75%)が金ということになります。
至極当然ですが純度が高いほど、その価値も高くなります。また、金はやわらかいため、加工や使用に適さないことから、他の金属と混ぜて合金にされることが多いです。
金の純度別の買取価格
金の純度によって買取価格が異なり、その金額は日々変動します。2024年10月31日には1グラムあたり15,162円と、金の価格は過去最高値を記録しました。
こちらに掲載している表は目安としての一例です。正確な価格を知りたい場合は、査定を依頼するなど、その時点での買取金額を確認することをお勧めします。
■金1gの参考買取価格(2024年11月15日時点)
K24(純金) | 14,133円 |
K22 | 12,451円 |
K20 | 11,377円 |
K18 | 10,458円 |
K14 | 7,773円 |
K10 | 5,399円 |
金の価値を決めるのは「金の純度」
金は貴金属として、非常に高い資産価値を持ち、特にその純度が高いほど価値が増します。つまり、「K(カラット)」の後に続く数字が大きいほど、金の含有率が多いため価値も高くなります。
希少性と耐久性に裏打ちされている純金は、金そのものの価値が全て反映されますが、合金金は他の金属が混ざっているため、純度が低ければその分価値も低くなります。
金の資産価値が高い理由
金は「貨幣」として使われていた歴史的背景もあり、信頼性と価値が認められています。まず、金は経済的に不安定な時期やインフレ、通貨の価値下落に対しても有用される傾向があります。
続いて、採掘量に限りがあるため希少価値が高く、最後にその優れた美しさから古代より権力や富の象徴とされてきました。
そのため、金は株式や債券など他の金融資産と比較してもより安定し、長期的な価値の蓄積が期待されます。金そのものが持つ固有の価値が、これを支える要因となっています。
金の資産価値は日々変動している
金の価値は日々の市場での需給バランス、経済動向、政治的な要因などによって変動します。特に世界的な経済不安やインフレ懸念が強まると、金への需要が高まり、その価値は上昇します。
逆に、経済が安定している時期や金利が上昇する際には、金の価格が下がることもあります。
金の純度を表す文字や表示
金の純度を示す「K」や「K18」といった表示は、金の含有率を表す重要な基準です。純度ごとの特徴や表示の意味を理解することで、金に関する知識はより深まるでしょう。
金の純度の単位「K」の意味
金の純度を表す単位「K」は、カラットの頭文字を取ったものです。これは純度を示すため、宝石の質量を表すカラットとは意味が異なります。
宝石の場合、英語では「Carat」、金の場合は「Karat」と記載され、発音も宝石はキャラット、金はカラットと実は微妙に異なります。そのため、混同しないよう注意が必要です。
また、日本では「〇〇金」と表記される場合もあります。これはカラット表記と同様で、〇〇の数値が大きいほど純度が増し、それに伴い価値も上がります。
金の純度は24分率で表される
金の純度は、一般的に24分率という表記が用いられます。これは、純度100%を24とする計算方法で、純金の場合は24金、金75%のものは18金と表されます。
■24分率による金の純度
24分率の表記 | 金の含有割合(%) |
24 | 99.9 |
23 | 96.5 |
22 | 91.6 |
20 | 83.5 |
18 | 75.0 |
17 | 70.0 |
16 | 66.6 |
15 | 62.5 |
14 | 58.5 |
12 | 50.0 |
10 | 41.6 |
9 | 37.5 |
8 | 33.3 |
5 | 21.0 |
「K〇〇」と「〇〇K」の違い
金の純度を示す「K」は、「Karat」の頭文字から取られた表記です。純度を表す際、「K18」や「18K」のように数字の前後に「K」が付く場合がありますが、どちらも同じ意味を持ちます。
ただし、記載の位置は製造国によって異なり、日本製品では「K18」と表記されるのに対し、海外製品では「18K」が一般的です。
業界では「アトK」と呼ばれることもあり、一部の海外製品では純度が正確でない場合もあるため、注意が必要です。また、海外では「KT」と表記されることもあります。
金の純度は1000分率で表されることもある
1000分率は主に金以外の貴金属の純度を示すために使用される表記方法です。この方式では、純度を1000分の何で表し、プラチナや銀などに広く用いられています。
金の純度を示す際にも1000分率が使われることがあり、純金は「1000」、金75%の製品は「750」と表記されます。インゴットや金貨などでは、金の含有量をより正確に表すために採用されることが一般的です。
また、日本造幣局が認めた金商品にも、この表記が使用されています。
ひし形の中に刻印がある場合は造幣局お墨付き
日本国旗の横にひし形のマークと数字が刻まれている金製品は、日本の造幣局による厳格なチェックを受けた証です。このマークがあれば、記載された純度に偽りがないと保証されています。
■1000分率による金の純度
1000分率の表記 | 金の含有割合(%) |
1000 | 99.9 |
916 | 91.6 |
750 | 75.0 |
585 | 58.5 |
416 | 41.6 |
375 | 37.5 |
金張り・金メッキには「GP」や「GF」などの刻印が追加される
金張りや金メッキの製品には、「GP」や「GF」といった刻印が施されます。これらは、金以外の貴金属に金を薄く貼り付けた加工を示すものです。加工方法によって刻印は異なり、表のように他にもさまざまな表記があります。
■金張り・金メッキの刻印一覧
刻印 | 加工方法 |
GF | 金張り |
GR | |
GS | |
RGP | |
GP | 金メッキ |
HE・HGE | |
(メッキの厚さ)M | |
1 /(メッキの厚さ) | |
GE・GEP | 電気メッキ |
金の純度を表す刻印は義務化されていない
金製品に純度の刻印が施されることは一般的ですが、日本では、法的に義務付けられているわけではありません。そのため、刻印がない金製品も存在します。刻印がないからといって必ずしも偽物とはいえません。
このように刻印の有無だけで品質を判断することはできませんが、信頼できる製品であれば刻印がある場合が多いです。
海外には多くの刻印が存在する
海外の金製品には、「ホールマーク(Hallmark)」と呼ばれる刻印がよく使われています。これは金細工職人が製品の品質を証明するためのものです。
各国で基準が異なり、製造した工場や地域まで判別できる場合もあります。ホールマークが義務化されている国もあれば、日本と同様にそうでない国もあります。
フランス、イギリス、イタリア、中国、台湾などでは、独自の刻印が使われており、見慣れない記号があれば、これらの国で作られた可能性が考えられます。
ヨーロッパの刻印
フランスでは、18金以上でない金製品として認められません。金として認定されれば、鷲の頭のマークが刻印されます。
鷲の頭が使用され始めたのは約180年前で、それ以前は製造年代や地域に基づいた細かなホールマークもありました。そのため、古いアンティーク品には鷲の頭の刻印がないこともあります。
イタリアでは、金の種類と純度が記載され、「Au 750」のように表記されます。その印の横または上下に「☆・数字・アルファベット」が並びます。
「☆」は共通マークで、数字はメーカーの番号、アルファベットは製造地域を示します。刻印は任意で、すべての製品に付けられているわけではありません。
一方、イギリスでは金の使用が古く、ホールマークは1300年代頃から存在しています。
■イギリスの刻印一覧
名称 | 刻印の意味 | イギリス特有の表現 |
スタンダードマーク | 金属の種類 | 金は王冠のマーク |
アセイットマーク | 検査した機関 | 計11種類 |
デイトレター | 検査された年代 | イラスト |
ディーティーマーク | 税金を支払った証 | 支払った当時の国号 |
メーカーマーク | 製造元 | 2~4字のローマ字 |
アジアの刻印
中国や東南アジアでは、「〜足金」という刻印が見られます。「万足金」は24金相当、「千足金」は21金から23金、「足金」は20金程度を指します。
しかし、これらの表記はあくまで目安に過ぎず、金の純度を明確に示しているわけではありません。信頼性も他国に比べて低いとされています。
台湾では、金の純度を示す「999」や「999.9」の刻印が一般的で、これらは純金を表します。さらに、金の取引単位には「錢」が使われ、日本の「匁」に相当します。
■アジアの刻印一覧
国 | 刻印 | 純度 |
中国 | 万足金 | ほぼ純金 |
千足金 | 22金相当 | |
中国・タイ | 965 | 23金相当 |
東南アジア | 916 | 22金相当 |
金の純度を調べる11の方法
金製品の純度や資産価値を確認したいなら、それを調べる方法があります。偽物かどうかも含め、自分の持っている金の価値を把握するために、その鑑定方法をご紹介しましょう。
磁石にくっつくかで調べる
たとえば、金のジュエリーを簡単に確認したいなら、磁石を使ってみると良いでしょう。本物の金は磁石に引き寄せられません。もし磁石に反応する場合、偽物である可能性があります。
しかし、K18やK10などの金でも、使用されている割金によっては磁石に反応しないことがあります。この方法では純度を正確に知ることはできませんが、手軽なので本物かどうかを試してみてください。
刻印を調べる
ゴールドの純度を確認するなら、刻印をチェックすることです。ジュエリーには「K24」や「K18」などの刻印が彫られており、その数字が金の純度を示します。
ただし、悪質な業者がK10の品をK18と偽るケースもあります。そのため、刻印の横に日本国旗のマーク、通称「造幣局マーク」があるかも確認しましょう。
このマークが刻まれていれば、日本の検査基準を満たした正規品なので、このポイントも意識してみてください。
X線検査で調べる
金の純度をくわしく調べるなら、X線を用いた検査方法が効果的です。これは、金製品にX線を照射し、表面から放出される蛍光X線を測定します。
金や銀、銅など各成分が特有のX線を発するため、構成物質を特定して純度を確認できます。また、割金の割合や含有量も分析可能です。
しかし、この装置は非常に高価で、個人で購入するには難しいかもしれません。専門機関に依頼するのが、現実的な選択だといえるでしょう。
破壊検査と非破壊検査で調べる
金の純度を調べる方法には、「破壊検査」と「非破壊検査」があります。
破壊検査は、ジュエリーに傷をつけたり、薬品を使って腐食させたりすることで純度を確認する方法です。ただし、この方法は対象物が損傷するため、特に大切な品には適しません。
一方、非破壊検査は、磁石や比重測定を用いてジュエリーを傷つけずに純度を調べる方法です。ジュエリーを損なうことなく確認したいなら、非破壊検査を検討する方がよいでしょう。
硝酸をかけて調べる
金は非常に安定した物質で、錆びることも溶けることもほとんどありません。この特性を利用した検査方法の一つが「硝酸を使う方法」です。
硝酸は強い酸化作用を持つ化学物質で、純金には影響を与えませんが、他の金属は溶解したり変色したりします。この性質を活かして、本物の金かどうかを判断できるのです。
しかし、硝酸は取り扱いを誤ると失明や火傷の危険が伴う極めて危険な薬品です。そのため、この方法を試す際は、必ず専門家の助言を受けてください。
試金石で調べる
試金石は石英質の黒い鉱石で、金の純度を調べるために江戸時代から使われてきました。現代でも簡単に利用できる方法として人気があります。
使い方は、金製品を試金石に擦り付け、残った痕跡の色を確認するだけです。純金は山吹色に近い色を示し、純度が低いとオレンジ色に変わります。
また、試金棒と呼ばれる道具を使うと、痕跡の色と見比べることで純度がより明確にわかります。
手の感触や重さで調べる
純金は、貴金属の中でも比較的重い金属です。1立方センチメートルあたりの重さは約19.3グラムで、割金に使われる銀は約10.5グラム、銅はさらに軽く9グラム程度です。
そのため、銀や銅と比べるとかなり重く感じられるでしょう。また、純金は熱伝導率が高いため、触れたときに冷たく感じ、手に取ると徐々に温まるため、心地よいぬくもりを感じることができます。
比重と水を用いて調べる
比重とは、物質の体積に対する重量を表すもので、金属ごとに適切な比重が決まっています。純度が高い金属ほど比重が異なるため、この方法を使うと金の純度を確認できます。
まず、金の重さを測り、計量カップに水を入れて体積を記録します。次に、金を水に入れて増えた水の量を測り、その増加分が体積です。重さを体積で割ることで比重が求められ、比重から純度を推測できます。
電子比重計で調べる
電子比重計は、金属の比重を正確に測定できる機器で、貴金属を取り扱う業者などで使用されています。しかし、価格が10万円以上するため、家庭での使用には適していません。
この機器は、専用の容器に水を入れ、その中に金製品を投入することで比重を簡単に計測できます。ただし、比重測定だけでは純金かどうかを確証することはできません。
タングステンのように、純金と似た比重を持つ金属も存在するため、他の方法と組み合わせて確認することが重要です。
超音波探傷検査で調べる
超音波探傷検査は、金製品に超音波を当て、その反応を測定する方法です。超音波が金属に伝わる際、反射波が返ってきます。この反射波のパターンを解析することで、金属の成分を特定できます。
純金と合金では音の伝わる速さが異なるため、反射波のパターンにも違いが現れます。これにより、純度を確認することができます。内部まで調べられる点が蛍光X線分析と異なり、精度が高いですが、機器は非常に高価です。
買取業者に調べてもらう
純度について確実な情報を得たいなら、買取業者に依頼すると良いでしょう。買取業者では、金製品の純度を正確に測定するために、専門的な機器や技術を使用しています。
たとえば、蛍光X線分析や超音波探傷検査などを駆使して、迅速かつ正確に純度を確認できます。また、買取業者に依頼することで、査定を通じて市場価値を把握することも可能です。
もちろん、信頼できる業者を選ぶことが重要ですが、手軽にそして確実に純度を調べたい方には有効な手段です。
まとめ
金と人類の関わりは、約6,000年前のシュメール文明にさかのぼります。その魅力は希少性や美しさ、そして資産としての価値にあります。
金の純度は、その価値を決める大切なポイントです。製品には通常、純度を示す刻印がありますが、もし刻印が見当たらない場合や信じられないと感じたら、純度を確認することをおすすめします。