全国1200店舗以上展開中!
信頼と実績の買取専門店「買取大吉」

金箔とは? 食用と工芸用の違い・金箔が食べられる理由を解説

金箔とは? 食用と工芸用の違い・金箔が食べられる理由を解説

金箔は、料理やお菓子に使われる食用と、伝統工芸や装飾に用いられる工芸用があります。一見どちらも同じように見えますが、成分や製造工程に違いがあります。なぜ金属でありながら食べられているのか、それぞれの特徴を押さえながら、その違いを見ていきましょう。

美しさが魅力の「金箔」とは?

金箔とは、金をおよそ10,000分の1ミリの薄さにまで延ばしたものです。極めて薄いにもかかわらず、色褪せない鮮やかな輝きを保ち続けます。

その美しさは装飾や工芸品に活かされ、古くから人々を魅了してきました。日本では7世紀末から使用されていた記録があり、16世紀後半には加賀・能登地方で生産が始まったとされています。

現在、日本の金箔は、そのほとんどが石川県・金沢で作られており、わずかに滋賀県でも生産されています。

さまざまな分野で活用されている

金箔は、その美しさと加工のしやすさから、さまざまな分野で用いられています。伝統工芸や文化財の修復に用いられるだけでなく、建築やインテリアの装飾にも欠かせない素材です。

東大寺大仏殿の鴟尾(しび)や、正倉院の金屏風、京都の西陣織や石川の輪島塗など、日本の伝統文化を支えてきました。

近年では、金箔をあしらったスイーツやスキンケア、ネイルアートなど、日常生活の中でも親しまれています。

『あぶらとり紙』は金箔の技術から生まれた

あぶらとり紙は、金箔作りの技術を応用して生まれました。金箔を極限まで薄く延ばす際、「箔打ち紙」と呼ばれる和紙に挟んで叩きます。何度も繰り返し叩くことで、和紙の繊維が密になり、優れた吸油性を持つようになるのです。

この特性が肌の皮脂を吸収することに注目され、江戸時代には化粧用の道具として広まりました。現在も金沢では、伝統的な技術を活かした高品質なあぶらとり紙が作られています。

金箔を生む技術と職人技

金箔の製法は、工程自体はシンプルで「金を打つ」のですが、実は繊細で高度な技術を求められます。また、薄く打つには、金を挟む素材が欠かせません。

インドを境とした東洋では「箔打ち紙」が使用され、フランスやドイツなどの西洋では動物の「皮膜」が用いられています。素材の違いが、金箔の仕上がりや用途に影響を与えるのです。

そして日本では、金を延ばす作業を「澄屋(ずみや)」と「箔屋(はくや)」の職人が分担しています。澄屋は合金を薄く延ばし、箔屋がその金を極限まで薄くすることで、美しい金箔が完成するのです。

澄屋 銀や銅を混ぜて合金とし、1,000分の1ミリ「澄」に延ばす
箔屋 澄を、10,000分の1ミリ「箔」に仕立てる

金箔の2つの製法

日本の金箔製造には、「断切(たちきり)」と「縁付(えんつけ)」という二つの製法があります。断切は、箔打ち紙に挟んで打ち延ばした金箔を裁断し、一定の大きさに仕上げる方法です。

一方、縁付は、和紙に膠(にかわ)を引き、その上に金箔を貼り付ける技法で、主に仏具や工芸品に用いられます。それぞれの工程には繊細な作業が求められ、用途に応じた金箔の仕上がりを左右する重要な要素となっています。

断切

「断切(たちきり)」とは、金箔を製造する方法の一つです。1965年(昭和40年)ごろに導入された、比較的新しい技術です。カーボンを塗布したグラシン紙と金を重ねて打ち延ばし、複数枚を重ねたまま裁断して形を整えます。

均一なサイズに「断ち切る」作業が行われるため、この名前がつけられました。大量に効率よく生産することができるため、現在では主流の製造方法となっています。

縁付

「縁付(えんつけ)」とは、約400年の歴史を持つ金箔を製造する、伝統的な方法の一つです。

雁皮紙を藁灰汁や柿渋に漬けて作った箔打ち紙と金を重ね、竹製の道具を用いて一枚ずつ丁寧に裁断します。紙が箔を縁どるように見えることから、縁付と呼ばれるようになりました。

箔打ち紙は、金が持つ展延性を助ける役割を果たし、金箔を均一に薄く広げるために欠かせません。縁付の工程では、職人が打ち紙を仕込む過程に多くの時間と技術を注いでいます。

金箔の歴史

金箔は、古代から現代に至るまで、さまざまな文化や芸術に深く関わってきました。日本をはじめ、世界各地で用いられ、装飾や美術だけでなく日常生活においても欠かせない存在となっています。

金箔の始まり

金箔の歴史は古代にさかのぼり、世界各地で用いられてきました。

紀元前2600年代のエジプト古王国第三王朝のセケムケト王の墓からは、金箔が施された装飾品が発見されています。古代から、その美しさとともに、高い価値を持つものとして扱われていたのです。

また、フランスやドイツ、インド、中国など、金箔は多くの地域で重要な装飾技術として発展してきました。

日本における金箔の歴史

金箔の日本での起源については、正確な資料が不足しているため明確にはわかっていません。

滋賀県にある6世紀前半の甲山古墳からは、日本最古の金糸が出土しています。また、7世紀末から8世紀初期に建造された奈良県のキトラ古墳からは、金箔を使った天文図も発見されています。

さらに、752年には東大寺大仏殿の鴟尾にも金箔が使用されており、この時期にはすでに用いられていたと考えられます。

仏教建築物と金箔

金箔は、日本の仏教建築物において重要な役割を果たしています。仏像や建築の装飾に使用され、仏教の神聖さを象徴するものとして、重要な位置を占めていました。

743年、聖武天皇は「東大寺の盧舎那仏」を建立すると決定しますが、当時は装飾用の金が不足していました。しかし749年に現在の宮城県である陸奥で金が発見され、752年には無事に完成しています。

金箔装飾の美術的影響

また、1053年に建設された「平等院鳳凰堂の阿弥陀如来像」にも金箔が施され、坐像や光背、さらに光背を支える金具にも金が使われています。

1124年に藤原氏が建てた「平泉の中尊寺金色堂」は、堂内外が金箔で覆われています。「光堂」と称される美しさを誇り、マルコ・ポーロのジパング伝説を生む一つとなりました。

これらの事例から、金箔の技法は1300年以上の歴史を持ち、仏教美術における重要な要素であることがわかります。

江戸時代の金箔つくりと禁令

江戸時代初期、金箔の製造は一部地域で行われていました。1593年、豊臣秀吉の朝鮮出兵に際し、前田利家は明の使節団の出迎えのために、金沢で金箔を、能登で銀箔を製造させたと伝えられています。

この出来事から、16世紀後半にはすでに加賀・能登地方で金銀箔が製造されていたことがわかります。金箔は高貴な装飾や仏教建築にも使用され、重要な役割を果たしていました。

しかし、江戸幕府が成立すると、金銀箔の製造には厳格な規制が課せられることになります。

江戸幕府の金箔統制

1667年、江戸幕府は幕藩体制を安定させるため、諸藩による貨幣の鋳造を禁止し、金銀銅の地金を直轄領で一元的に管理することを決定しました。

この政策により、金銀箔の生産や流通も管理されるようになります。

1696年には江戸で「箔座」が設立され、金銀箔の製造と販売が厳しく制限されました。

他の地域では生産が許さず、加賀藩でも1698年に金銀箔の使用が禁じられています。金箔の生産は、一時的とはいえ途絶えることとなるのです。

金沢箔の需要が高まる

1808年、加賀藩は金箔製造のチャンスを迎えました。幕府の製箔統制が緩和されたため、焼失した金沢城を再建するために、箔屋伊助が京都から職人を呼び寄せます。

また、京都に戻る職人には金沢で学ばせるなど、技術力を強化しました。これにより、金沢の金箔は確かな技術と高い品質で製造されるようになりました。

幕府の金箔制限と加賀藩の対応

その後、幕府は金箔の生産を何度か制限し、1820年・1824年・1826年には再び禁止令を出しました。しかし、加賀藩は御用箔の製造を続け、一般市場には出回らない形で生産しています。

1827年には藩主・前田斉広の娘、厚姫の嫁入りに際し、金沢産の金銀箔が用いられました。こうして、金沢の金箔が注目を集めることとなります。

明治時代の金箔業の発展

1869年に幕府が崩壊し、明治時代に入ると、金座と銀座が廃止され、江戸での金箔生産は衰退しました。その間、金沢では金箔製造の技術が引き継がれます。

需要が高まる一方で、1888年には金箔業界の品質管理と生産調整のため、同業組合が設立されました。1901年には金沢の金箔業者が増え、金箔は金沢を代表する産物として確固たる地位を築きます。

現代の金箔

金箔は近代化を経て、ますますその技術と需要を高めていきました。1915年には、箔職人・三浦彦太郎がドイツ製の箔打ち機を改良し、機械化が進みます。

金箔生産の機械化と輸出の拡大

機械化により、金箔の生産量は飛躍的に増加しました。さらに、第一次世界大戦の影響で、ヨーロッパの金箔生産地が壊滅的な打撃を受けたことにより、金沢では輸出が増加しています。

1919年には、ついに金沢が金箔の一大産地として成長し、年間4,800万枚の生産を記録しました。

伝統工芸としての確立と現代の評価

その後、金沢は「金箔の町」と呼ばれ、その地位を確立していきます。

1997年には、金沢箔が伝統的工芸品産業の用具材料部門で、初めて通商産業大臣指定を受けます。2014年には、縁付金箔製造が文化庁の選定保存技術に選ばれました。

こうした国の認定は、金沢の金箔が文化的価値を持つことを示しています。

食用金箔と工芸用金箔の違い

金箔は金を極めて薄く延ばしたもので、工芸品から食用まで多岐にわたる用途に利用されています。一般的には純金を使用しますが、色味を調整するために銀や銅を加えることもあります。

特に食用金箔は、金と銀を使用することが多く、その製造過程では衛生面や安全性を重視し、工芸用とは別に作られることが一般的です。

食用金箔の安全性

食用金箔と工芸用金箔の素材は基本的に同じですが、食用として使用するためには一定の品質基準が求められます。

たとえば、四号色以上の金箔は食用として認められ、食べることができます。日本国内で流通する金箔のほとんどは、400年以上の生産歴史を持つ金沢で製造されています。

また、金沢産の金箔は食品添加物として厚生労働省に認可されており、その安全性が保障されています。

食用金箔の特徴

食用金箔は、お祝いの席や高級な料理に華やかさを加えてくれます。例を挙げるならお正月のお屠蘇や、結婚式のコース料理など、和洋中問わず高級料理に飾られているのをよく見かけます。

形状と素材の違い

食用金箔には、プルランというでんぷん質の多糖類が含まれていることがあります。この素材に金箔を貼り付けることで、星型や漢字など、さまざまな形にカットすることができるからです。

これにより、視覚的に美しいデザインが可能となり、華やかで特別な演出ができます。対して、純金箔はフレーク状やシート状で、プルランは含まれていません。

安全性と選び方

金は消化されず、体内で吸収されることはないため、食べても健康に害を与えることはありません。食用金箔にはビジュアルを美しく彩り、おもてなしの場でもその存在感を発揮します。

素材や視覚的印象の違いを考慮して、シーンに合った金箔を選びましょう。

日本酒に食用金箔が入っている理由

お正月や結婚式などのお祝いの席で、日本酒に金箔が浮かべられることがあります。これは、金箔が華やかさを演出し、特別な祝賀ムードを高めるためです。

金箔は無味無臭で、日本酒の風味や香りに影響を与えません。また、金は体内で吸収されないため、健康にも問題はなく、安心して楽しむことができます。

お祝いの席にふさわしい演出として、金箔入りの日本酒は欠かせない存在でしょう。

金箔入り日本酒をおいしく飲む方法

初めに、その見た目の美しさを楽しみましょう。金箔は日本酒の味や香りに影響を与えないため、どの温度でもおいしく飲むことができます。

冷酒であればその爽やかさが際立ち、ぬる燗や熱燗では、温かさの中で金箔がゆっくりと舞い上がる様子が美しいです。

また、グラスに氷を入れたロックやソーダ割りで飲むのも一つの楽しみ方です。まずは少し目で楽しみ、その後はそのままの風味を堪能してみてください。

食べられる金箔も成分は金?

食用金箔は金を極薄に延ばしたもので、主成分は金そのものです。口にしても、極めて薄いため味や食感に影響を与えず、無味無臭なため違和感を感じることはありません。

見た目に華やかさを加えるため、贅沢な気分を味わわせてくれます。金箔をまとった和菓子や、ソフトクリームなどのスイーツ、そして料理の装飾に使われています。

金箔を食べてもいい理由

金箔を食べても問題はないのでしょうか。実は、金はその性質から体に害を与えることはありません。金は酸化せず、溶けないため、消化器官内で分解されることなくそのまま体外に排出されます。

そして、食用金箔に使用される金の純度は非常に高く、工芸用のものとは異なり、体に悪影響を及ぼすことはないとされています。

食用金箔の安全性とその成分

食用金箔は、金成分が全体量の約4%を占めるに過ぎません。

そのほかの約94%は、でんぷん質の「プルラン」と呼ばれる多糖類、または植物由来のたんぱく質「ゼイン」であり、これらも体にとって無害です。

また、厚生労働省でも、食用金箔は「着色料」として認められており、食品として安心して使用できるとされています。

金箔を食べるメリット

食用金箔には、栄養やカロリーが含まれていないため、食べても体に直接的な影響を与えることはありません。しかし、金には血行を促進し代謝を活発にするといった効能があるとされています。

また、金から放出されるマイナスイオンが体内に取り込まれることで、新陳代謝をサポートし、血流やリンパの流れを良くするといわれています。

このような効果を期待しながら、ゴージャスな食体験を楽しめるのも金箔の魅力です。ただし、金箔に含まれる金の量は少量なので、即効性のある効果を感じるわけではありません。

それでも、リッチな気分とともに美肌効果や健康促進を意識して食べてみる価値はあるといえるでしょう。

金による効能 肌のバリア機能を修復
殺菌作用
血行促進・代謝を良くする

食用金箔はもったいない? 世間の口コミ・評判

料理やスイーツを豪華に彩どる食用金箔ですが、「もったいない」と感じる人も多いようです。実際の口コミや評判をSNSから、その華やかさと贅沢さの裏にある本音を探ってみました。

リッチな気分になれる

金箔をふりかけるたびに、金沢での素敵な思い出がよみがえるなんて、とても素敵です。少し贅沢かもしれませんが、その特別感がまた嬉しいものです。楽しみながら、しばらくリッチな気分を満喫してください。

すごく綺麗だけどもったいない

せっかくの金箔がポットに残ってしまうのは、ちょっぴり残念ですよね。でも、お茶を淹れるたびにキラキラとした、優美な輝きを楽しめるのは魅力的です。特別なお茶の時間を、ぜひ満喫してください。

まとめ

金箔は、工芸用と食用で異なる特性を持ちながらも、どちらも金の美しさを楽しむことができます。

高純度の金を使用した食用金箔は、無害で無味無臭、健康効果も期待できるため、見た目だけでなく身体にも良い影響を与えてくれるでしょう。

この記事をシェアする

  • X
  • はてなブックマーク
  • LINE

タグ一覧

買取品目のコラムカテゴリー

ブランドのコラム

カンタン 無料買取査定

どんなご相談でもOK! 無理な交渉はいたしませんのでお気軽にご相談ください。
※一部、拝見しないとお伝えできないお品物もございます。