金はどこからやってきた?
金はどこからやってきて、なぜ地球に存在しているのか。実はこの明確な答えは未だわかっていないのです。一番有力とされているのが星の爆発によって数十億年前に宇宙からやってきたという説です。この時点でワクワクしてしまいますね。地球から遙か遠く離れた惑星が爆発して、銅や亜鉛などと一緒に金が生まれ、その爆発した惑星が隕石として、まだ生まれたての灼熱の地球に降り注ぎ、地球にある核と混ざり合ったと言われています。もう一つの有力な説として、地球の地下にあるマントルで作られているという説もあります。地中の奥深くでできた金は火山の噴火などにより地上にたどり着くとされています。こちらの説を裏付けるような金も採掘されており、正解は一つではないのかもしれません。
いずれにせよ、これだけ技術が発展した現代も人間の手で簡単に作れるものではないのです。ただし、厳密にいうと金の生成は実は理論上可能とされています。しかし、それをやるには莫大なコストがかかり、とても生成される金との釣り合いが取れないので、現実的とは言えないのです。
金の性質を見ていきましょう
《金は延性に優れている》
金はとても柔らかく薄く延ばすことができる物質です。どれほど伸ばせるかというと、1グラムの金は薄く延ばせば3000メートルまで伸びると言われています。3000メートル=3キロメートルですから、もはや、車で移動した方が良いレベルですよね。
《金は重い》
金は非常に比重が重い物質です。水に対する比重値が約19.3と、これは銀の10.5に比べ約2倍重いということです。小さな小ぶりのアクセサリーでも、金製品は手にもつと、しっかりとした重量感を感じることができます。この比重を計ることで、金の純度や、真贋などを見極めることもできます。《熱・電気の伝導率がとても高い》金の熱伝導は鉄の約4倍もあるので、非常に温まりやすい金属と言えます。また電気をよく通す性質もあり、電気製品などの一部で、電気を頻繁に通さなければならない部分によく金が使われていたりします。
《金は腐食に強い非常に安定した物質》
金は酸化しない物質であり、自然界にあっても他の物質から影響を受けることはほぼありません。空気中だけでなく、水の中でも酸化することはなく、非常に安定した物質であると言えます。金を溶かすには濃塩酸と濃硝酸を3:1で混ぜ合わせた橙赤色の液体「王水」を使用する必要があります。
金の価値が高い理由は?
金の価値が高い理由は「希少性と需要が高い」、「信用力と流動性がある」という2つの特徴が上げられます。金は数ある金属のなかでも採掘総量が少なく、いつの時代も希少性が高いことで知られています。諸説ありますが、これまで採掘された金の量は約18万トンで、オリンピック公式プール3.8杯ほどしかないとされています。需要はアクセサリーやジュエリーとしての需要はもちろん、資産としての保有や、電気製品などでも需要があり、その波も安定しているので、高い価値を保ち続けます。
そして金には絶対的な信用力の高さがあります。先述の通り腐食に強いので、金のそのものが劣化して価値が下がるということもなく、例えばお金のように国の保証や約束のもと価値を保っているというわけではありませんので、国のシステムが崩壊したり、国の信用がゼロになってしまうようなことが起きたとしても、金の価値は変わりません。金はこういった価値が高いものとしての条件をすべてクリアしているまさに理想的な存在なのです。
まとめ
いかかでしたでしょうか。時代によってその価値が上がったり下がったりすることはありますが、金ははるか大昔からその価値を認められ、ある時はお金、ある時はお金に代わるものとして富の象徴とされてきました。最新の技術を使っても、金をローコストで生成することは現実的に不可能で、これからも金は人類にとって価値のあるものであり続けることでしょう。
金は遙か遠い宇宙の星の爆発により誕生し地球に飛来したとされ、まさに壮大なロマンを秘めた奇跡の物質と言えます。現在は金が未曾有の高騰中ですので、まさに売り時ですが、もし今後、金の価値が下がることがあれば、将来、また金の需要が高まることを見据え、金を買っておくというのは決して悪い選択肢ではありません。金は史上最も永く価値を認められているものの一つで、本稿でご紹介した金の特性からも、その価値がなくなることは現実的に考えにくいからです。